影縫少尉戦隊着任後編

そして翌日、診察される広子。

司軍医長「えー、なになに。あんなに負傷してたのにもうほとんど治りかけてる。どういうこと。」


影縫少尉「、、、ぬいは戦術機にもう乗れる。退院許可書を。戦隊長にもって行く。」


司軍医長「マジか、、、まあ完治はしてないけど許可は出しておくよ。」と書類を渡して退院させた。

司軍医長「(どんだけ頑丈なのよ。そして治りも早いなにこれ)。」
と思いつつも次の患者が来たのでとりあえずは次の患者の対応に取り掛かる。
 

と診察室を出た広子は戦隊長室に行く。そして亜美に退院許可書を突き出す広子。

唖然とする亜美。
亜美戦隊長「(昨日の今日で、、、これとは。。。)解ったわ。では影縫少尉の戦い方を見せてもらうわ。

初期セットアップ後、防衛戦と光線級吶喊を想定した戦闘を演習場で行ってもらうわ。

今、手すきなのは奈月少尉とゴースト准尉か。ちょうどいいわ。
奈月少尉を防衛戦時のBETAの代わりに。

第六警戒小隊を光線級として奈月少尉を護って吶喊する内容をやってもらいます。

と、奈月少尉と第六警戒小隊を整備ハンガーに呼び出しつつ、亜美も広子を連れて、整備ハンガーに行く。


真木を探す亜美。
亜美戦隊長「真木さん、ちょっといいですか。」

真木班長「おう、どうした戦隊長。」


亜美戦隊長「これ、見てください。とち狂った司軍医長がついに酔っぱらって変な診断書だしました。
ではなく、、、
 

どうやらもうほとんど負傷から回復したみたいです。
影縫少尉の機体のセットアップと演習を行いたいので準備をお願いします。

対抗部隊として今手すきの奈月少尉と第六警小隊をBETA役として使いたいです。

こちらもお願いできますか。」

診断書を見た真木は怪訝な顔になる。
真木班長「なんだいこれ...、こんな事があるのかい?分かった、準備はするよ。」

亜美も困った顔をする。

そこに奈月少尉とゴースト准尉と奈美准尉も到着する。

困惑した顔つきだが答える亜美。
亜美戦隊長「影縫少尉だが、、、うん、司軍医長の見立てだ。
正式な退院許可書と戦術機に乗せてもいいとあります。
 

それに本人も早く戦隊の機体に慣れたいと。様子は見る。
駄目そうならすぐに止めるから模擬演習戦闘を頼む。」

奈月少尉「戦隊長!影縫少尉を模擬戦とは言え、機体に乗せるんですか!」

珍しく奈月が食ってかかる。


ゴースト准尉「何と言うか、すごい回復力ですが、、まあご命令とあれば。」

奈美准尉は失礼しますと言い広子の体を見ている。
奈美准尉「、、、本当に治ってる。完治ではないですが、これはすごいです。大丈夫そうですよ。」

影縫少尉「、、、ぬいは嘘つかない。」
と言う。

奈月少尉「本当なんだ...凄いね。それでも完治してないのに乗せるのは余り...。」

 

影縫少尉「ぬいは大丈夫。いつもこんなもん。だから、心配しないで。全力で来て。」と言う。

亜美戦隊長「解った。だけど無理と思ったらそこで演習は終わりよ。
と、奈美准尉は今回呼んでしまったけど取り下げます。昨日倒れたんでしょう。

さすがに許可できない。影縫少尉は許可を出して、奈美准尉は出さないのは不公平化もしれませんが、

そこはちゃんと療養させます。何があるか解らないので。

という事で影縫少尉には2つの模擬演習を行ってもらいます。
1つは防衛戦。突撃級の攻撃から損傷機体であるゴーストの機体を護りなさい。

奈月少尉は突撃級の動きで直線的な速攻を影縫少尉に仕掛けて、影縫少尉を倒すか、

その後ろの動きの鈍い損傷判定のゴースト准尉を撃破されたら任務失敗よ。

もう一つは光線級吶喊の盾役で行きます。1回は楯で防げるように仮定します。

そして光線級はゴースト准尉、狙撃で狙いなさい。奈月少尉は影縫少尉の後ろからついて行って決して

機動戦でやらないで、第一小隊と組んでる想定だから。吶喊して光線級の距離に入って撃破できたら勝ちよ。

この内容でいい?」
 

奈月少尉「了解です。防衛戦の方はあくまでも突撃級の様にですね。いつもの機動戦ではなく。」

亜美戦隊長「うん、そう。突撃級のような直線的な速さを使ってほしい。

ゴースト准尉も狙撃間隔は光線級と同じにしてね。では影縫少尉は初期セットアップ開始。

奈月少尉とゴースト准尉はそれぞれ先に演習場に行って1つ目の防衛戦の演習準備。よろしくね。」
と通達する。

奈美准尉「はい、私は自室に戻りますね。」
と申し訳なさそうに戻る。

真木班長「戦隊長、影縫少尉のセットアップができたぜ。ほれ、コイツだ。」

と言って、真木が影縫と亜美に見せたのは陽炎だった。亜美がこちらを向くと真木は笑って答える。

真木班長「本来なら撃震に乗せる気だったんだがな...、まぁ一度だけでも良いだろうと、

陽炎を用意したんだ。まぁ此処で扱えなかったら、暫く陽炎に乗るの禁止な。」

亜美戦隊長「粋な計らいですね。良かったわね。影縫少尉。でも1戦だけよ。

では1つ追加します。奈月少尉と単騎対決しなさい。それがいいんじゃない。」と伝える。

ぽかーんとしてる広子。
影縫少尉「でも、ぬいはどんくさい。うまくあつかえるか。。。機動戦難しい。」

と嬉しそうだが困った顔をしている。

そして奈月少尉にも話す亜美。
亜美戦隊長「奈月少尉、追加よ。真木さんが影縫少尉の機体を陽炎にしてくれた。

だから追加でもう1戦、最初の1戦は陽炎対決よ。何をしてもいい、機動戦をしかけてもいい。

影縫少尉の陽炎への適性があるか見てあげて。そのあとそれ次第での演習を行うわ。」

奈月少尉「っ!了解しました。私のやり方で適性を見てみます。」

亜美戦隊長「うん、頼む。影縫少尉を導いてあげて。」
と言い、真木と共に演習場を見渡せる指揮場へ向かう。

亜美戦隊長「さすが真木さん、衛士の心を良く解ってますね。
しかし陽炎の適性はあるのでしょうか。」

真木班長「適正もクソもないさ、いまある機体が使えなきゃみんな揃って予備機の撃震を使うんだ。

適正言ってる場合じゃない、機体に衛士が合う様な鍛錬も必要さね。」

亜美戦隊長「そうですね。。確かにどんな機体にも乗れるのが本来必要。

そういった意味では私も陽炎に乗れるようにしないと。でもできると思うわ。
 

なぜか私の直感がそう言っている。
テストパイロットほどではないけど、どんな機体でもそれなりに戦えますよ。

ただやはり戦隊仕様の真木さん達が整備してくれた不知火が一番しっくりきますけどね。」

真木班長「不知火を動かせる様にするのがアタシ達整備班の役目だけど、最悪を想定してくれよな?

さて、連中の模擬戦でも見に行くかね。」

亜美戦隊長「もちろんですよ。戦隊の衛士には不知火の稼働率が下回った時に備えて
予備機の撃震、吹雪、陽炎に搭乗できるように訓練もしてますよ。
そうですね見に行きましょう。」
と演習場の指揮所に入る。

亜美戦隊長「では1戦目、陽炎対決始めなさい。」

やはり先手と言うか機動戦で仕掛ける奈月、そしてそれを迎撃す気配を見せる広子。

広子は突撃砲で奈月が来ると思われる方向に広く弾幕を張る。
その中には120mmも混ぜることもして網目のように後ろに回り込ませないようにする。

そして予備の突撃砲1門もけん制しながら撃つ準備をしている。

奈月少尉「なるほど、抜け目ない...、でも光線級のレーザーの群れに突入するよりも簡単!」

奈月は更に加速し、まるで舞うかの如く陽炎を動かし、弾丸を潜り抜けていく。

影縫少尉「、、、は、速い。全部すり抜けて、まるであの時の陽炎見たい。
蝶のように舞ってる。でもぬいは一矢報いる。そこぬい。」
と予備の突撃砲を含めて一斉射撃しフルオートで弾が尽きるまで全弾発射する。」

奈月少尉「キツくなって来た...、いやまだだ、前の私だったら此処までだけど、今は違う!」

奈月は機動を落とさずに接近、突撃砲で影縫機の突撃砲を撃ち抜き、短刀を装備する。
広子は、、、それを待っていた。想定通りだ。高速戦闘で接近しそのまま短刀で
とどめを刺そうとすると思っていた。
 

影縫少尉「、、、ぬいはそれを待ってた。」
と、誰もが度胆を抜く予想外の行動をする。
突撃砲を捨て、両手で楯をもってフルブーストで奈月の機体へ楯と機体の重さを利用して突撃する。
 

奈月は驚くが、タダでは終わらない。
奈月少尉「機体と体が持つか分からないけど、やってみる!」
影縫機がぶつかる直前に、急加速を掛けて上から背後に回り込もうとする。

急制動をかけられ取ったと思った瞬間上に逃げられた。そこまでは広子は想定してなかった。

奈月の機体をつかもうと抗いて、そのままつんのめって倒れる。
影縫少尉「あう、うまく行かなかった、、、。」
そして背後をと言うか背中を刺されて終わる。

亜美戦隊長「そこまで、奈月少尉の勝利とする。1度休憩を入れるわ。
二人とも20分休憩後2つ目の演習を行う。
機体の選定は今、真木さんと相談するから待機してて。」
と亜美は言う。
亜美戦隊長「、、、真木さんどう思います。あの戦い、機動戦は無理かも。
それでもそれなりに陽炎でも防衛戦できそうですね。
最後のは驚きましたけど。奈月少尉相手には厳しかったですが、あれなら一般衛士なら通用するかと。」

真木班長「影縫少尉、やるじゃねぇか。確かにあの盾の応用は良い。それに、陽炎の動かし方も良い。

女男爵め、良い人材を拾って来たな。影縫少尉の機体は陽炎で決まりだな。」

亜美戦隊長「そうね、西はいつもそう。可哀そうな若い子(女の子限定w)の良い所を見つけて

それを伸ばすためにお持ち帰りしてるのですよ。
単なるロリコンではないの私は知ってます。あの子逸材ですよ。あの戦い方も。

生存性を優先した戦い方。私達にはない発想。良いですね。それに本人の希望通り陽炎を。

これからが楽しみね。

でも、、あの目を、心を救ってあげたい。このまましばらく負担になるけど奈月少尉に任せましょう。

同じ境遇だし、中隊編成時は副官を兼任してもらうから配下の人材を見てほしいし。

ちょうど部下の面倒を見る訓練のために、
本来は第一小隊所属の東野中尉に頼むのが筋ですが悪いけどそうします。

心のケアとサポートはそうね、司軍医長と、、、奈美が適任ですね。
奈美に無理をさせる事になるけどあの子を救ってあげたいです。。
本当なら私が。。。でも。。。今は私は戦隊長。全員を見ないと。
奈美に負担をかけるのは心苦しいですが、、、だから任せます。」
と真木に話す。

真木班長「少しはやるじゃねぇか、あの男爵芋...。安心しな、アタシも出来る限り気を向けるさ。

奈月なら、いや奈月じゃなきゃ影縫を救えない。アタシの直感がそう言ってる。アイツなら大丈夫だよ。」

亜美戦隊長「、、、有難うございます。私もそう思います。ここは奈月少尉に任せます。奈美に聞きました。

あの子達の部隊は阿久津司令に動けない重傷者を置き去りにして、少しでも自分たちが逃げる時間を稼ぐために

見捨てられて仲間が喰われたそうです。。。こんな酷いこと。私が部隊長なら絶対にそんなことはさせない。

指揮官は攻勢時は先頭、撤退時は一番最後。戦友は絶対に見捨てない。これは両親に教えられました。

真木さんにもです。(九州防衛戦での真木さんの行動について)あいつは追訴しておきます。

だからここの戦隊で救ってあげたい。みんなで。と、お願いしますね。
では、次の2戦目は負傷者の機体を後退しながら守る設定で演習をします。

奈月少尉はBETAの突撃級、ゴースト准尉は吹雪で負傷者用機体、

影縫少尉はこのままの装備で継続して陽炎で防衛戦を
行ってもらいますのでそれぞれの準備をお願いしますね。」

真木班長「あぁ、任せときな。」
準備は整い、状況を伝える。

亜美戦隊長「この設定で行うわ。奈月少尉、高機動を使ってもいいが、突撃級の直線的な動きで

対応して影縫少尉かゴースト准尉の機体を撃破したらそこで影縫少尉の任務は失敗とする。

ただ時間を決めましょう。15分間後退しながら耐えたら勝ちにしましょう。

ゴースト准尉は負傷機体、負傷者設定。一切武装の使用とブーストは禁止。

常に影縫少尉の後ろで歩きながら移動すること。状況設定いい?」
と各自に通達する。

ゴースト准尉「了解いたしました。影縫少尉殿の後ろで守ってもらいます。」

奈月少尉「...は、はい。分かりました。」
休憩したとは言え、前回の機動が身体に応えたのか少し疲れが取れてない様だった。

それを見た亜美は奈月に言う。
亜美戦隊長「、、、うん?。奈月少尉無理するな。交代させる。

ゴースト准尉をBETA役、奈月少尉を負傷者役に。
それでも無理そうなら私がやるがどうする?」
と提案する。

奈月少尉「いえ、私がBETA役をやります。機動戦なら私が最適な筈です。」

思案する亜美。
亜美戦隊長「、、、駄目だ。衛士には体調管理も求められる。今考えてること解るわよ。

今の状態でさらに体調を悪くされても困る。
 

まだもう1戦あるし。今無理をする時では無い。ここは休んで。私が出る。

真木さん申し訳ない私の機体を出して下さい。武装は長刀1振りで良いです。」
と労わり言う。

奈月少尉「...分かりました、負傷者役になります。」
悔しそうな顔をして奈月は応える、不服であるみたいだ。

亜美戦隊長「ごめんね。別に責めているわけではないのよ。

それにあそこまでやってくれたから影縫少尉の能力を見ることができた。

奈月少尉のおかげよ。有難う。」

と言う。

亜美戦隊長 「では、ゴースト准尉任せたわ。奈月少尉は負傷者役にする。真木さん装備変更お願いします。」

 

ゴースト准尉「承知しました。直線的な動きですね。長刀で吶喊を繰りかえす対応で行きます。」

奈月少尉「すみません...。」

真木班長「大丈夫だ、直ぐに準備するよ。」

しょんぼりしている奈月を直接個別回線でフォローするゴースト。
ゴースト准尉「大丈夫ですよ。あれだけの複雑な高機動な動きを見せてくれたのですからすごかったですよ。

さすがです。奈月さん。あれは私にもマネできない。

むしろ、こういう直線的な吶喊的な機動は私向きかもしれません。
それに影縫少尉をちゃんと気遣って見てあげてるの解りますよ。

だから負傷兵役で体力を回復させてください。、、、まだ高機動戦をやりたいのなら

最後の次の戦闘でこっそり最後光線級に吶喊後、私と高機動戦やりますか?

お小言もらうのは私がやりますから。」

と後半は冗談で言う。
 

奈月少尉「そうだね...そうしようかな。」

ゴーストの冗談に乗っかろうとする奈月。

ゴースト准尉「了解です。では3戦目終了後私が動いたら戦闘開始です。どうぞよろしくお願いいたします。」

敬礼して個別回線から消えるゴースト。

何かを感じ取った亜美。
亜美戦隊長「、、、(二人は何か悪だくみしてるな?)

では2戦目、突撃級から味方機体を庇いながら後退戦を。状況開始!。」

亜美からの開始を聞き、ゴーストが吹雪で一気に直線的にフルブーストをかまして吶喊する。

奈月を護る広子。

影縫少尉「、、、ぬいは必ず仲間を護る。」

といいつつ楯を地面に突き立て機体をその後ろにそして奈月の機体をその後ろにして庇いながら

突撃砲を乱射する。だか致命傷にならない。

ゴーストが楯にぶち当たる直前に広子は機体を低くし、突撃砲を地面につくようにして射撃をする。
ゴーストが驚く。

ゴースト准尉「なにいい、、そんなやり方で撃破できるのか。」

奈月少尉「中々やるね影縫さん、あとゴーストさん。」
奈月はそう言い、突撃砲をゴーストの乗る吹雪へ発砲する。

奈月少尉「負傷兵とは言え、"突撃砲が撃てない状態"とは戦隊長は言ってない筈ですよ?」

と疲れが抜け切ってなくても、意地悪な笑みを浮かべる。

演習弾でベトベトになるゴーストの機体。愕然として。
ゴースト准尉「もう、奈月少尉意地悪ですね。これは真木さんに機体のお掃除させられるな。orz。」

 

影縫少尉「、、、ぬいは突撃級をさばくの得意。」

なんと、広子はその射撃で突撃級を前面の装甲の下、足部分や装甲が無い部分を確実に撃ちぬいていた。

ゴースト准尉「も、もう一度良いですか。さすがに早すぎる。もう一度違う方法で(汗)」

亜美戦隊長「、、、そうね。もう一度見てみたい。では定位置に戻り。。。では状況開始。」

奈月少尉「影縫さん、ゴーストさんは私に向かってくるのは明白だから、

今の様に気を引いてくれれば私が決定打を打ち込む事も出来る。
影縫さんの好きな様にやってみて?」
奈月は優しく言う。

その優しい言葉が、友達だった戦友の夏ちゃんの顔と声がだぶる。
泣きそうな顔になりなりがら、奈月に声をかける広子。
影縫少尉「、、、ありがと。ぬいがんばる。」

今度はゴーストは奈月も含めて、さらに直線的な吶喊ではなく小刻みに回避を取り入れて

本気でさらに速く高機動で吶喊をかける。

ゴースト准尉「今度こそ、二人を吹っ飛ばしてみせる。行っけえーーーー!!!。」
 

広子は巧みによけるゴーストを今度はなかなかヒットさせることができない。だが、奈月に話す。

影縫少尉「ぬいが必ず守る。だから動かなくていい。」
と言って、楯を今度も地面に突き刺すが

奈月少尉「突撃級を意識した動きを捨てたかな...、弾の無駄をして良いから弾幕を張れる?私も援護する!」
そう言って奈月機も突撃砲で射撃する。
 

それに対して広子は言う。

影縫少尉「うん、突撃砲で撃ちまくって。ぬいも撃つけど、大丈夫動かなくても撃破する。」

楯を地面に突き刺しと今度は普通に楯の横から撃つ。
 

しかし楯は1回目と違い少し斜めにしている。

ゴースト准尉「これはもらったぞ。」
と言って楯にぶち当たろうとすると何か違和感を感じた。

なんと、広子は今回は当たることが解って楯を正面展開ではなく斜めに展開していた。

そこにゴーストの機体が肩からあたる。だがそのまま逸らされて、

奈月の左後ろ側につんのめって無様な姿をさらす。

奈月少尉「ゴーストさん...可哀想だけど、隙あり。」
その隙を逃さない奈月は直ぐに頭部と胸部に弾丸を撃ち込む。

一瞬失神しかけたゴーストはさらに機体背面も演習弾でべトベトになる。

ゴースト准尉「くぁwせdrftgyふじこlp」
かなり混乱して声にならない悪態をついていた。

亜美戦隊長「2戦目状況終了。、、、これはすごい。射撃のテクニックもあるし、よく動かずに守る。

なるほど、だから装甲にこだわるわけか。。真木さんどう思います?」

真木班長「確かに装甲ある機体を所望は分かるけどね...拠点防衛以外じゃ置物になるよ。

否が応でも機動戦を覚えてもらうしかないね。」
真木は頭を掻きながら答える。

亜美戦隊長「、、、そうですね。撤退戦とかになって部隊行動についてこれなくなったら困りますしね。

機動戦は覚えてもらわないと。
ただ防衛戦ではかなり頼りになりますね。」

そして全員に通達する。
亜美戦隊長「次は3戦目、20分休憩をはさんで行う。真木さん武装変更をお願いします。

ゴースト准尉にはG3-SG1多目的突撃砲、、、と追加で長刀を。」
何か2戦目の後で悪だくみをしているゴーストと奈月のために装備を真木に頼む。

真木班長「はいよ、任せな。」
手早く三戦目の準備を始める真木と整備班。

準備が整いゴーストが配置に付き、光線級吶喊演習ができるようになった。

 

亜美戦隊長「最後3戦目、光線級吶喊を行う。ゴーストが光線級役に。影縫少尉は奈月少尉を護りつつ光線級吶喊を行ってもらう。
奈月少尉、途中までは高機動はしないように、影縫少尉に楯になってもらって移動すること。

いいわね?。ゴーストを補足して奈月少尉が1発でも当てればそこで演習は終わりよ。」

奈月少尉「了解しました。」

亜美戦隊長「よし、では3戦目状況開始。」

合図と同時に索敵を始める広子。
影縫少尉「どこ?光線級はどこに。ぬいは見つけられない。。」
とちょっと焦っている。

そんな影縫を奈月は宥める。
奈月少尉「影縫さん、落ち着いて。少なくとも死角にはいない筈、しっかり盾を構えて。私も索敵するから。」

奈月は落ち着いて索敵をしている。

と、その時であった。レーザー警報が響き渡る。
広子は即座にその方向に楯を向け奈月を後ろに隠す。

奈月少尉「来たね。影縫さん、発射位置を特定次第速やかに機動戦に移行。出来うる限り接近して。」

影縫少尉「了解、速やかに発射位置を、。」
その瞬間楯にゴーストの狙撃が命中する。楯は破壊された判定となる。

影縫少尉「あ、ぬいの盾が。。。やっぱりもう一枚必要。」
とがっかりしながら発射位置を特定する。

影縫少尉「あそこ、見つけた。ジグザクに行くのと岩とか射線が通らないルートで行く。

ついてきて。次弾が撃たれる前に接敵する。」
と誘導する。

影縫少尉「もし、弾が必要ならぬいの背中の予備弾倉パックから取り出して使っていい。
残弾は考えずにバラまいて」
と奈月に話す。

奈月少尉「影縫さん、途中までで良いよ。その先は私の機動戦なら回避しながら接近は出来るから。

伊達に光線吶喊を何回も経験してないから。」

影縫少尉「ダメ、戦隊長は第一中隊のメンバーを想定してるぬい。だから機動戦だとこの演習が意味ない。」

と答える。

影縫少尉「だから、近くまで絶対に連れていく。ぬいを信用して欲しい。」
 

奈月少尉「...そう、だったね。ごめん、影縫さんの指示に従うよ。大丈夫、影縫さんを信じるから。」

影縫少尉「大丈夫、弥栄少尉を必ず守って連れて行く。ついてきてぬい。」

巧みに地形を利用してゴーストの射線を外して近くまで近づく。

影縫少尉「、、、ここからは任せたぬい。」

奈月少尉「うん、此処までで大丈夫。第一小隊想定だけど、影縫さんに見せるよ。

私の本気の機動戦、光線吶喊を!」
奈月はそこから一気に陽炎を加速し、機動戦に持ち込む。一次戦よりも無駄のない動きだった。

ゴーストは光線級と同じように回避は最低限に行っていた。
ゴースト准尉「くそ、地形を巧みに利用した上にさすが奈月さん、速すぎる。これは無理か。」
次のインターバルを確認するとまだ数秒残っていた。

さすがに回避はすることができずゴーストの機体はまたもや演習弾でべたべたになった。。


亜美戦隊長「そこまで、演習終了。さすがね。影縫少尉。楯が無くてもちゃんと奈月少尉を誘導して

光線級吶喊を敢行した。地形をうまく利用して。これは逸材ね。」
と言う。

と、そこでゴーストが仕掛ける。G3-SG1多目的突撃砲をフルオートに切り替え奈月を攻撃する。

ゴースト准尉「行きますよ。奈月少尉。今回も勝たせていただく。」
と言う。

奈月少尉「前の模擬戦の時の私と思ったら大間違いだよ。
それに、貴方の戦闘での動作はある程度分かった。同じ手は食わない!」

亜美戦隊長「(まったく、何か悪だくみしてると思ったら。

まあ奈月少尉も不満に思っている所があったからしかたないか。後で少し懲罰させないと。)」
見守る。

今回も速攻を仕掛けるゴースト。だが前回とは同じ方法ではなく、
地形を利用して隠れながら移動しながら奇襲を何度となくかける。

だが、ゴーストは反面焦っていた。
ゴースト准尉「(、、、奈美さんのサポートが良すぎた。この所、頼り切っていたから機動戦では奈月さんにはかなわないかもしれない。。それでも勝ちに行く。できることを。俺の今までの経験を活かして勝つんだ。)。」

奈月少尉「ゴーストさんは奈美のサポートに頼り切りだった。それもあって1人だと機動戦は出来るけど、

射撃の命中率は落ちる。
アッチも分かっていると思うけど、得意の機動戦に持ち込んで射撃で決着を着けるのが最善手。

格闘戦なら、アッチが得意。時間は掛けられない。負けるつもりはない。」

ゴースト准尉「(、、、読まれてるな。つかず離れずで格闘戦は無理はしないはずだ。

ならば、ここはランダム回避で地形を利用して狙撃する。
思い出すんだ。奈美さんの予知で導いてくれたあの支援と間隔を。)」
目を閉じて、高機動でランダムに回避運動を行いながらも、銃身はブラさず、
地形を利用しながら機会をうかがう。

亜美戦隊長「やれやれ、後で機体のメンテや掃除を手伝いさせますね。

真木さんどっちが勝つと思いますか。」


真木班長「そうだね、奈月は前の模擬戦から得意の機動戦の腕は更に向上している。

下手な狙撃は奈月には当たらないよ。

ゴーストはゴーストで、どうやら奈美と一緒に狙撃した感覚を1人でも出来る様にしようと言う節が見える...。

だがそれを直ぐに出来るとは、アタシは思わない。


それにゴーストは勘違いしている。今だに奈月が格闘戦が不得意だと思われてるみたいだけど、
果たしてそうかな?」
亜美の投げかけに不適に笑う真木。
 

それに答える亜美。
亜美戦隊長「そうですね。奈月少尉はさらに機動戦の腕は上がっている、
それに格闘戦を訓練している姿も見ましたよ。向上心旺盛でいいわ。

でも、、、ゴースト准尉も何か考えてますよ。彼、伊達に二等兵上がりじゃない、

しかも狙撃特化でも格闘戦特化でもない、オールラウンダーに戦える。

そして実践経験も豊富。奈美に対して詫びてるように聞こえまたけど。。。何かしそうですよ。」
亜美の言葉に、ふと真木は思い出した。

真木班長「確か、少し前にゴーストが砂原になんか話していたが...。
まさか、アタシに黙って機体弄ったか、兵装作ったな。後で砂原と説教だなこりゃ。」

真木はため息を吐く。

それは少し前に戻る。
ゴーストは整備ハンガーに一人で行く。
きょろきょろと周りを見て真木さんを避けて砂原整備兵の元へ行く。

ゴースト准尉「砂原整備兵、ちょっとお願いがあるんですけど。。良いですか。」

 

砂原整備兵「どうしたんだゴースト。機体に不良でもあったか?」

ゴースト准尉「いや、まったくもってないですよ。

むしろ稼働率が良くてさすが斯衛の整備兵部隊だと思いました。」
真木に見えないように機体の後ろに誘導する。

ゴースト准尉「お願いなのですが、、、G3-SG1多目的突撃砲に65式近接戦闘短刀を銃剣の用に
装備できるように銃身を改良してもらえませんか。真木さんに頼むと多分怒られて、不可になると思うので。

私にできることがあれば、お詫びに何か差し上げるかできる事しますので。。」とお願いする。

砂原整備兵「銃剣か、出来ないことはないけど...勝手にG3-SG1多目的突撃砲作って

怒られたばかりだしな...マジで欲しいのか?」
目を細めてゴーストを見る砂原。

ゴーストは何かを決意した目で砂原を見る。
ゴースト准尉「、、、打てる手はなるべく多く持っておきたいのです。
この前の件(犬神家事件)の時とか、いざという時の奥の手を用意したいのです。

このままでは、護りきれないかもしれないので、お願いします。」
と会釈式の最敬礼をして言う。

砂原整備兵「...あぁもう!分かったよ!作ってやるから、俺に敬礼はやめてくれ!

姉御にバレても俺は知らないからな?」
そう言って、製作のためにジャンクパーツ置き場に向かう砂原。

その後姿にありがとうございます。と言葉を投げかけるゴースト。
こうして出来上がったのが、G3-SG1多目的突撃砲に取り付けられる65式近接戦闘短刀。

1振りを脚に取り付けてあった。
 

そして今に戻る。
今回は念のため、吹雪に取り付けた。
そして、長刀も持っているが、これは使う気はなかった。

前の演習で戦い方はばれている。そして奈月少尉の高機動戦は
日に日に練度を上げている。

これは今の俺ではかなわんなと思いつつ
ゴーストは巧みに奈月の射撃を地形を利用してよけていた。
よけては隠れ、狙撃地点を探し、撃つ。だが当たらない。

やはり奈美さんの支援はすごいと。

夜戦であればもっとうまく捉えたかもしれない。
だが今は昼間、しかも天候は晴天。。ならばと。

奈月が見える位置で予備ラックに搭載していた長刀を切り離す。
そして脚につけていた短刀を持ち誘う、かかってこいと戦術機の手を動かす。

そんな動作を見て、奈月は真木の言葉を思い出していた。
数日前から、皆に隠れて真木に格闘戦を教えられていた奈月、
片脚が義足の筈の彼女に圧倒されながらも短刀を使った格闘術は、日に日に進歩していた。

真木班長「ゴーストと模擬戦するなら、前と同じ手は使ってこないと見て良い。

挑発もしてくると見て考えな。だが、短刀同士の格闘戦なら今のアンタならある程度は渡り合えるはずだよ。

怯えるな。BETA相手にもそうだけど、怯えたら隙を生む、迷いは捨てるんだ。」

その言葉を思い出した奈月は、敢えて突撃砲を捨て短刀を構える。
奈月少尉「あれは確実に誘ってる...、でも、今の私は前とは違う。怯えるな、迷いは捨てろ。

ゴーストさん、貴方の誘い、乗ってあげる!」

奈月が高機動で一気に間合いを詰めてくる。

だが、ゴーストは高加速して逃げに徹する。何かおかしい。

奈月少尉「上空に逃げる?逃がさない!」
可能性を考えながらも奈月は追撃をかける、嫌な予感を覚えながら。

ゴースト准尉「ここだ!フルスロットル。」
一気に直上にフルブーストにして駆け上がる。
(と、奈月に見えないように短刀をG3-SG1多目的突撃砲に取り付ける)どこまで駆け上がるのか。

亜美戦隊長「真木さん、ゴースト准尉今何をしました?まさか、、、。」

真木班長「G3-SG1多目的突撃砲に銃剣取付ける機能は無い...、砂原の野郎、勝手に弄ったな。

想定外だ、奈月は負ける可能性が高いね。叩き込んだ格闘戦技術でどこまで捌けるか...。」

亜美戦隊長「もう、勝手に許可なく改造して。。。
でも空中で格闘戦、何をする気なのゴースト准尉は。」
戦術機の限界高度まで上昇したゴーストは今度はそのまま急降下に移った。太陽を背にして。

ゴースト准尉「貰った!!奈月少尉覚悟!!!。」
G3-SG1多目的突撃砲に銃剣として取り付けた短刀を奈月の機体の装甲が弱いところに

突き刺すようにロックし、最大加速のまま急降下に移る。

奈月少尉「確かに、太陽を背にすれば眩しくてよく見えない...でも甘い!」

ガンマウントに付けていた突撃砲を取り出し、投げつけ、更にもう一本短刀を取り出し投げつける。

ゴーストがそれを捌くなりし、隙を作る気だ。

奈月少尉「このまま負けるほど、私は弱く無い!」
眩しくて半目になりながらも、勝つために奈月は動いていた。

だが、ゴーストはそれには目もくれずに、避けずにそのまま急降下する。

そのままゴーストは急降下を利用して速度を出して奈月の機体に銃剣を突き刺しながら

体当たりをして地上に沈ませる。そして零距離射撃を行う瞬間。

奈月は急加速を掛けてゴースト機の真横を取り、ガンマウントを展開して装備してあった突撃砲を乱射する。

同時であった。

ゴーストの単発の射撃は管制ユニットをぶち抜く判定、奈月の乱射はゴーストの機体の管制ユニットを

穴だらけにした判定となった。

亜美戦隊長「そこまで、ここまでで十分です。
整備ハンガーに戻り次第奈月少尉とゴースト准尉にはお説教です。」
とちょっと怒っている。それでも心配している亜美。

亜美戦隊長「二人とも怪我してなければいいけど。真木さんこれどっちが勝ったのでしょうか。。」

真木班長「どっちもどっちだな。
強いて勝ち負け付けるなら、武装勝手に弄ったとしてゴーストの反則負けってとこだろ。」

少し呆れている真木。

亜美戦隊長「そうですね。引き分けと言うところですが、ゴーストの反則負けね。

しかしあの手この手と多才ですね。では整備ハンガーに戻りますか。
影縫少尉も戻ってきてね。」

おろおろしている。広子。
影縫少尉「二人ともすごいぬい。。。ついて行けない。。」

そして整備ハンガーにて。
真木班長「2人とも正座しろ。」
 

いきなり言われて困惑する2人だが、真木の威圧で正座させられた。
真木班長「奈月の説教はまぁ後にしてだ、ゴースト。

あの銃剣機構は付けた覚えも、ましてやメーカーにもお願いしてない筈だが?ありゃなんだ?」
嘘偽りは許さないと言う、静かな怒りを孕んでいた。

ゴーストは覚悟を決めて言う。
ゴースト准尉「申し訳ありません。自分の独断です。自分が砂原整備兵に強要して改造させました。

あれは奥の手です。おそらく警戒型不知火が格闘戦をやる時はG3-SG1多目的突撃砲で撃ってる時に

中刀は展開できません。ですのでBETAの奇襲対策用に勝手に作りました。」

と言う。

直後、真木はゴーストの脳天にゲンコツをお見舞いした。
真木班長「対BETA専用だぁ?アタシを馬鹿にしてんのか?ありゃ対人にも想定してるだろ!

警戒型不知火が人為的事故を起こした事件、アレも関わってるだろ?」

目に星が浮かぶほど痛かったが、答えるゴースト。
ゴースト准尉「、、、その通りです。護ると誓いましたが、いつも絶対には護れない。

だから、こうしました。」
と目をそらしながら答える。

真木班長「あのな、アンタだけ隠し事して守れるなら良いがそうして更に危険に晒す可能性だってある。

いつも言ってるだろ?相談しろと、今回の改造の件もそうだ。亜美からも言ってやれ。」

亜美戦隊長「そうよ、奈美の事を思ってくれるのは嬉しいわ。でもね。ちゃんと相談して。

私にも気が付かないことがあるし、その発想は間違ってないと思うわ。だからちゃんと言って。

一人で抱え込まないで。」


ゴースト准尉「はい、申し訳ありませんでした。(俺の命なんてどうでもいい。護れればそれでいいんだ。)」

真木は再びゴーストへゲンコツを落とした。
真木班長「今、自分の命はどうでもいいと思っただろ?表情に出てたよ。

あのな、この部隊にどうでも良い命なんて無い。
ゴースト、アンタの命もどうでも良くない、アンタがいなくなれば皆が悲しむよ。」
真木班長「アタシも、アンタが居なくなれば悲しい。」

亜美戦隊長「、、、今の思いは、そこまでしてくれるのは嬉しいけど、それは奈美は、私達は望んでない。

二人で生きのびる。ちゃんとそれを考えて実行して。」

二人の言葉にハッとするゴースト。
ゴースト准尉「、、、申し訳ありませんでした。考え違いをしていました。

自分は、、、皆と生きて行きたいです。」

真木はゴーストのそんな言葉を聞き、抱きしめた。
真木班長「んだよ、ちゃんと言えるじゃねぇか。今後は改造するときはアタシに言いなよ?」

真木はそのままゴーストの頭を撫でる。
 

ゴーストは真っ赤になりながら答える。
ゴースト准尉「はい、解りました。ちゃんと戦隊長と真木さんに相談します。

あと、砂原整備兵はお咎めなしでお願いします。悪いのは私ですので、さらに言うと、

この対戦は私が仕組んだことです。奈月少尉は悪くないです。

だから、お咎めはすべて私に。お願いします。」

真木班長「ん?亜美、最初から2人の模擬戦だとアタシは聞いていたけど、そうだったよな?」

惚けるように亜美に聞く真木。

亜美はしかたないなあと言う顔をして。
亜美戦隊長「そうね。今回の演習内容は影縫少尉の戦い方を見る事、

それと奈月少尉がどれくらい強くなったかの確認の模擬戦でしたね。」
と真木にウインクする亜美。

真木班長「そうだね。模擬戦はこれで終いだよ、奈月への説教も無し。でも、砂原は説教だよ。」

ゴーストは心の中で砂原整備兵に謝る。
(申し訳ない、今度何かおごるか、自分にできる事しますのででもできる限りは、、、でも俺が悪いのに)と。

そして亜美が影縫少尉に話す。
亜美戦隊長「うん、影縫少尉は防衛戦や味方を助けるのに向いています。
だから正式にうちの子になってもらうわ。

辞令、影縫少尉は第三防衛小隊に配属を命じます。宜しくね。

しばらくは奈月少尉、面倒見てあげて。必要があれば奈美を付けていいから(精神的な意味で)、

ではこれで解散。」

慌てて、ゴーストは真木に詰め寄る。

ゴースト准尉「真木さんお願いです。今回ばかりは砂原整備兵は説教はなしにしてください。

懲罰が必要であれば私が代わりに受けます。
もう一度言いますが、砂原整備兵は今回悪くないです。ゴーストが強要したのです。お願いです。」
と土下座までしてお願いする。

真木班長「ゴースト、それは出来ない。それを許容したら整備班の一部が暴走するだろう。

引き締める為にも、砂原へ説教するのは決定事項だ。」
こればかりは譲れなかった。

ゴースト准尉「確かに、整備班の事に口を出すのはいけないことだと思います。

ですが暴走させる引き金を作ったのは私です。

ですから今回ばかりは。。穏便にお願いしたいです。」
と引き下がらない。これでは砂原整備兵に申し訳が立たない。
真木さんの整備班長としての立場も解る。ゴーストはどうすべきか苦しんだ。
 

そこに亜美が口をはさむ。
亜美戦隊長「今回ばかりは、ゴーストが無理に頼み込んだのでしょう。

戦術機部隊の長として謝罪します。申し訳ありませんでした。

ですから真木さん、今回は説教と言う形ではなく以降このようなことは一切行うことは許さない。

以降起こした場合は、処罰すると言う全体通達で納めてもらえませんか。

どうしてもとで言うのであれば私も責任を取ります。」と言う。

真木班長「おいおい...はぁ、分かったよ。今回だけだからな。」

亜美戦隊長「申し訳ないです。宜しくお願い致します。」

ゴースト准尉「大変申し訳ありませんでした。有難うございます。

次回からは必ず真木さんに必ず相談します。

戦隊長もご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」

亜美戦隊長「部下がやったことの責任は上官が取るものよ。これでいいの。
でも次回からはちゃんと私や真木さんにまず必ず相談しなさい。いいわね。」

ゴースト准尉「承知いたしました。」
と二人は真木に感謝する。

と、そこに奈月の携帯端末に奈美から連絡が入る。
奈月少尉「もしもし、奈美どうしたの?」

切羽詰まった声が聞こえる。だがそれは奈美の声ではなかった。
??「あ、繋がった。良かった。お願いです。そこにひろちゃんいるんですよね。

早くこの方の部屋に連れてきて、でないとこの方倒れちゃう。」
と焦った声が聞こえる。

奈月少尉「へっ...?奈美?何言ってるの?」
困惑する奈月に、真木は察した。

真木班長「亜美...、奈美は今別の誰かに憑依されてるみたいだね。ESPってのは霊能力か何かかい?」

亜美戦隊長「たぶん、望んで誰かを引き入れたのかと。まったく昨日倒れたばかりなのに無茶をして。。。

九州の真木さんと私を助けて、さらに奈月少尉を助けた時以上のペースで、

ESPは、、、簡単に言うとエスパー(超能力)の方ですかね。

ですが、まあ私も真木さんに戦死された部下の表情を見せました。

だから霊能力もあると言えばあるのかも。私たちも良く解っていないのですよ。

奈月少尉、影縫少尉を連れて、奈美の部屋に行きなさい。このことは極秘事項よ。」

と言う。

ゴーストも部屋までは護衛兵として付き添うと言う。
 

奈月少尉「り、了解しました。影縫さん、一緒に来て。」

影縫少尉「行くぬい。何がおきてるの。」
 

戸惑いの表情でさらに言う。
影縫少尉「、、、解った。案内頼める?。ついてくぬい。」
と答える。

3人で奈美の部屋に着き、奈月が先頭で部屋に入った。
奈月少尉「奈美?入るよ。」

そこにはベットに腰かけて胸を押さえて苦しんでいる奈美がいる。
だが何か雰囲気が違う。いつもは人前では髪型はルーズサイドテールだが今はストレートの髪型にしている。

広子はなぜか懐かしい感じがした。
影縫少尉「、、、もしかして、夏っちゃん?」

奈月少尉「夏っちゃん...って?」

広子は答える。
影縫少尉「、、、四国でぬいが助けられなかった。仲の良かった友達の衛士。」

 

奈月少尉「そう、なんだね...。」

奈美は答える。
奈美准尉「そう、良く解ったね。やっぱりひろちゃん大好き。
この方に負担がかかってるから手短に言うね。

ごめんね、一緒に生きていけなくて。ひろちゃん後悔してる。
でも私はそんなことないよ。ずっといつもひろちゃんと一緒にいれた。
それで満足。最期も看取ってもらえたし。。

ひろちゃんは確かに、あの後孤独で、苦しんでた。でも
ここの部隊の人たちはみんな暖かい人達だよ。
もう自分を責めなくていいんだよ。

そこの(奈月のこと)子やこの体を貸してくれた子たちと一緒に生きて行って。」

影縫少尉「、、、嫌だ。ぬいは夏っちゃんとずっと一緒にいたい。」
と咽び泣く。

奈美「ごめんね、一緒にもう一緒にいることはできないの。

本当は言葉すらかけられないのにこの方が思いを汲んでくれて今話せてるの。

だから、お願いもうひろちゃん自身を許してみんなと生きて行って。

心残りだった言いたかったことが言えた。ちゃんとこの方に謝っておいてね。

とても苦しい思いを今してるから。」

影縫少尉「いやだ。夏ちゃん行かないで。ぬいはぬいは、、、。」

奈美准尉「ごめん、もう行かないと、この方の命にかかわるの。解って。でもいつもそばにいるよ。」

影縫少尉「うん、うん、いつも一緒だよ。この先も。」
抱きつく広子。


奈美准尉「うん、いつもそばにいるから。ごめん、もう限界見たい。じゃあね。

そちらの方も申し訳ない。ひろちゃんを宜しくね。」
と奈月に話しかける。

奈月少尉「うん、分かった。安心して。」
奈月は言い、ニコリと笑う。

奈美准尉「ありがとう。これで安心して逝ける、心残りだったの。」
と答えてそのまま目を閉じる。
 

少し経って。
奈美がせき込む。
奈美准尉「ゴホ、ゴホ。。逝ってしまわれた。影縫さん、夏樹さんと言う方心配されてました。

だから、もう自分を許してあげてください。でないと夏樹さんが悲しみ、う、ゴホ。」と吐血して倒れる。

奈月少尉「夏...樹...?私と同じ名前...。」
奈月はそう呟く。

影縫少尉「ああ、ごめんぬい。無理させた。弥栄さん医務室どっち?ぬいが連れていく。」

と奈月に言う。それを心配そうに見ていたゴーストも入ってきて手伝う。


奈月少尉「分かった。ゴーストさんも手伝って下さい。影縫さん、こっちです。」

慌てて入ってくるゴースト。
ゴースト准尉「もちろん、手伝います。」

影縫少尉「広子でいいぬい。行くよ。」
とゴーストと共に奈美を運ぶ。

奈月について行き、医務室へ。


奈月少尉「軍医長!急患です!」

すぐに出てくる司。
司軍医長「どしたの?奈美ちゃん?昨日あんだけのことしたのに今日も?何があったの。」
といつもは明るく冷静であったが血相を変える司であった。

奈月少尉「奈美が吐血して倒れたんです。直ぐに見て下さい!」

それを聞いてすぐに奈美を触診して看護兵を呼び応急処置とベットに寝かせる。

司軍医長「、、、とりあえずしばらく安静にさせないと。CTスキャンしてみてみるわ。」貴方たちは解散で良いわ。後はこっちでやるから。」
とバタバタして司たちは行ってしまった。

ゴースト准尉「奈美さん、優しすぎる。自分の事をもっと労わらないと。。。」

 

影縫少尉「何があったの、あの子何をしたぬい。。。ありがたかったけど。。」

といつのまにか目には光が戻っていた。

奈月少尉「私も何がなんだか...。」
 

そんな中、亜美と真木が3人に合流する。

奈月少尉「戦隊長、真木さん...奈美のアレは一体なんですか?」

真木班長「アレか?そうだな...その前に、影縫少尉は秘密を守ってもらう必要がある。

墓場まで持って行くレベルでね。そうだろ亜美?」

亜美戦隊長「そうですね。不本意だけど、見てしまったらな仕方ない。巻き込みたくなかったが。。」

影縫少尉「、、、よくわからないけど。あれは夏ちゃんだった。うれしかった。

ぬいにできることはしてあげたい。秘密は守るぬい。」
と広子は答える。

真木班長「アタシから説明するのは変だが、経験しているからな...。
あれは簡単に言えばエスパー的な能力らしい。

しかもバレたら同じ軍内部所か、日本以外の国の連中が血眼になって探す程みたいだよ。


まぁここまで話したんだ、もし他国や軍上層部にバラすなら...後は言わなくても分かるな?

アンタならやらないと思うけどね。」


広子は唖然とするが。。。
影縫少尉「うん、、ぬいは護ってあげたい。夏ちゃんに会せてくれた。だがら。お返ししたい。

しかも吐血までしてまで。。ぬいは言わない。誰にも。」

亜美戦隊長「真木さん、説明させてごめんなさい。奈美は、、本当に困ってる人がいたら

自分はどうなっても相手のために尽くす。優しくてとてもいい子なんだけど。。。
 

もっと自分を労わってほしい。人の事は言えないけど。でも私もできるなら同じ事してしまう。

でもこのままでは体を壊してしまうわ。ちゃんとブレーキかけてあげないと。。」

と一人に自室待機を命じさせたことを後悔してた。

真木班長「ったく、最近は後悔ばかりだな...、目覚めたら口酸っぱく言っておかないと。」

亜美戦隊長「そうね。私もちょっと執務の合間に行って話しておきますね。

じゃあ、みんな解散。もうあとは司軍医長にまかせるしかないわ。

影縫少尉はこのまま真木さんと一緒に機体調整ね。お願いできますか?真木さん。

奈月少尉とゴースト准尉はどちらかもしくは二人とも残っていてもいいわ。奈美を宜しく頼むわ。」

真木班長「おう、影縫少尉。アンタの陽炎の調整に行くぞ。アンタが来なきゃ始まらないからよ。」

 

奈月少尉「了解しました。ゴーストさん、せっかくですから2人で残りましょう。
また奈美が無茶しないように。」

影縫少尉「解ったぬい。付いてく。」
と広子は真木と一緒に整備ハンガーに戻る。
 

亜美も戦隊長室へ戻る。
念のため、南條中将にも影縫少尉にばれた事を報告する。

ゴースト准尉「そうしましょう、奈月さん。あとさっきの演習申し訳なかったです。

ちょっとやり過ぎました。」
と謝る。

奈月少尉「別に良いよ。私も真木さんに格闘戦教えてもらったんだけど、
活かせなかったね...、こう言う時もあるよ。」

ゴースト准尉「そうですね。活かせぬまま終わることなってざらにありますからね。。

でも訓練したことは実践ではどこかで役に立ちますよ。

自分はちょっと焦っていたんですよね。奈美さんに頼りっきりで。
だからまた1人でも高機動戦ができることを試したかったので。。


銃剣はやりすぎなのは解ってましたが、あの時では真木さん許可は出してもらえそうになかったので

砂原整備兵にお願いしたけど、、迷惑かけてしまった。

でもあれがあれば狙撃している時に何かあっても格闘戦がすぐにできるからありだと思います。
あとで戦隊長に意見具申してみます。G3-SG1多目的突撃砲をメインで
使う時は両手がふさがってますからね。」

奈月少尉「そうした方がいいよ。少なくとも、真木さんに断られるからと言って話さないのは悪いから。

本当に、役に立つ時が来れば良いね...。」


ゴースト准尉「ですね。さすがに真木さんには申し訳ないことをしました。

戦隊長にまずは相談して真木さんに通してもらえるようにします。

それに、銃剣はもし奈美さんが何かあった時に周りに被害を出さないように

害をなす奴がいたらそれで対応できるようにもできると思うし、
さすがに長刀や中刀では振り回すのは無理があると思ったからです。」

奈月少尉「うん、ちゃんと考えてるのは分かるから。大丈夫だよ。」

ゴースト准尉「はい、有難うございます。奈月さんまたたまに
高機動戦演習お願いしますよ。もちろん格闘戦も込みでいいから。
1人で戦う時の感覚を鈍らせたくないから。お願いします。」

奈月少尉「勿論、真木さんにも話して見てもらおうよ。」

ゴースト准尉「そうですね。真木さんに相談してみてもらいましょう。」
 

そう話している間に、真木と影縫が戻ってきた。

真木班長「戻ったぞ。奈美はどうだ?」

奈月少尉「真木さん、とりあえず絶対安静と軍医長殿が。」


真木班長「そうか、安静にしろとか言って酒飲ませるかとか言い出さないで良かったよ。」

影縫少尉「ぬいは早雲准尉に何をしてあげられるかな。。恩返ししたい。」

と目には元気が戻っている。

ゴースト准尉「それを今すぐでなく考えて動いて頂けたらいいですよ。
ねえ、奈月さん?。
奈美さんの所に行こうかな。状態見たいし。
軍医長殿もさすがに他人に無理に飲ませないと、、、思いますが(汗。」

奈月少尉「良いよ、行こう。影縫さん、いや広子さんも行きませんか?」

 

真木班長「ここまで来たし、アタシも同行しよう。」

影縫少尉「うん、弥栄少尉、いくぬい。私の事はひろでいいよ。

親しい友人はみんなそう言ってた。 だから、ここではそうなりたい。」
と言う。

奈月少尉「うん、それじゃあひろって呼ぶね。私も奈月で良いよ?
なっちゃんって呼んでも...なんてね。」

影縫少尉「、、、いいの?。そう呼んでも、それは嬉しい。」
と表情がすこし笑ったように見える。

皆で、奈美の病室へ行く。



ゴースト准尉「奈美さん。みんな奈美さんのおかげで、癒されてる。
でも、自分の事も労わってね。それこそ奈美さんに何かあったら。。俺は。。」

奈月少尉「奈美、また1人で頑張って...、自分自身も大事にしないと...。」

 

真木班長「全くそうだよ。」

奈美はぐったりとしていたがみんなの暖かく優しい言葉にほほ笑む。
奈美准尉「申し訳ありません、迷惑ばかりかけて。でも影縫少尉さんを元気にしてあげたくて。

それにご友人の思いも伝えたかった。だがら、、ゴホ、ゴホ。」
苦しそうにせき込む。

ゴースト准尉「あ、無理しないで。。何とか負担かけずにできたらいいんだけど。

(苦しいよなあ。命の危険がつきまとわないそんな便利な能力なんてないよな)」

とどうすればいいのか困った顔をする。


影縫少尉「早雲准尉、ぬいは感謝している。ぬいにできる事無い?
なんでもするよ。」
と手を握り締める。

奈月少尉「ひろ、今は奈美はそうやって手を握ってくれているだけでも嬉しいんだよ。

まぁ確かに、何か言って欲しいね。」

真木班長「自己犠牲しがちなんだよ奈美は、確かにそれで人を救っては来た。

だが自分自身も救わないと行けないぞ?」

影縫少尉「うん、握ってる。」

奈美准尉「影縫少尉さんの手、暖かい。うれしいです。
皆を、助け、ゴホ、ゴホ。。たい。自分を救うのは良いのです。
達自身が何なのかも解ってないので。だからできることはしたいのです。

私がお役に立てることはこれしかないですし。」
苦しそうにせき込み息も耐えがちであった。

そばに付き添いでいた看護兵が見かねて声をかける。
看護兵「はい、皆さんそこまでです。さすがに今は療養させてあげた方が。皆さん任務に戻ってください。」
と心苦しいが心を鬼にして4人を病室の外へ追い出す。

外に出てからゴーストが言う。
ゴースト准尉「、、奈美さん優しすぎる。だから支えてあげたいけど。。
戦隊長もそうですが体の事は何とか解明とかコントロールできるようにすべはないのでしょうか。

このままじゃ不憫すぎる。」
と悲しそうな顔をする。

真木班長「ならソ連にでも引き渡すのか?違うだろ?南條中将に任せる他ないんじゃないか。」

苦虫を潰したような顔をしながら言う。

ゴースト准尉「嫌です。そんなことは絶対にさせたくない。人体実験されて滅茶苦茶にされてどうなるか。

あの国は信用できない。自分が生まれる前に亡くなれた母方の祖父が言っていました。

、、、はい中将殿に任せるしかないのは、、心苦しいです。」
と昔祖母から軍人だった経験のあった祖父の話からゴーストは毛嫌いしているようであった。

と皆何ができるのか、何もできないことを悔いている。
答えも出るわけでもなく皆解散する。

翌日。、、、
影縫少尉が非番ではあるが、陽炎が見たいと整備ハンガーでそして戦術機の外面の磨き等整備兵の
お手伝いをしてる。。
ただ見るとなぜかメイド服姿であった。

(私服は前の基地で破棄されていて今は持ち合わせがまだなかった)

整備ハンガーの中央で西が正座して東野に説教させられている。
東野中尉「、、、(# ゚Д゚)まったく何を考えているのですか、

影縫少尉はあなたのおもちゃじゃないのですよ。」



西大尉「だってー、だって。うちの子になるっていってるから、西家のメイドとして育てて、

素敵なレディに仕立て上げようと思ったんだよ~。」


東野中尉「だってだってじゃありません。、子供じゃないんですから。西先輩?

、、、なんで私には着ろ、、、ではなくてそこは自重してください。ここはあなたの屋敷ではないのですよ。」

とネチネチお説教を、日ごろの西の東野への態度の恨みの意趣返しを色々言っている。

砂原整備兵「西大尉が東野中尉に絞られてら。しかもメイド服って...。」

整備兵達は、絞られてる西大尉を横目に半笑いになっている奴もいれば、砂原みたいに呆れている者もいた。

真木班長「そこ!さっさと手を動かしな!特に砂原!ゲンコツ勘弁したんだからサボるんじゃないよ!。」

 

砂原整備兵「分かってますよ姉御!。」

真木班長「影縫少尉、今でも遅くないから作業服に着替えてきな。

メイド服だとしにくいだろう?作業服は貸してやるから。」
真木は砂原に檄を飛ばしながらも、影縫を心配する。

影縫少尉「うん、でも大丈夫ぬい。これはこれで動きやすい。ちゃんと機能の事も考えてる。

それにすごく上等な布で作られてる。久しぶりにこんな服着た。ここにこれて良かった。
西大尉には感謝しかない。」
と来た当初よりだいぶ精神も良くなったのか、小声で鼻歌を歌いながら整備兵のお手伝いをしている。

 

真木班長「そうかい...、アンタが良いならアタシは何も言わないよ...。」
真木も呆れる。

 

こうして影縫少尉は戦隊に配属された。

以前とは違い、また死なせてしまった友人の思いも聞けて回復していき、
戦闘では負傷した衛士と機体を必ずカバーして自身も負傷しながら必ず帰ってくる得難い存在となった。
、、なぜかメイド服が気に入り、非番の日は着て整備兵のお手伝いをするのはやめなかったw
END

奈美が倒れた後の、亜美が戦隊長室へ戻った後へ。
亜美は報告のため、南條中将へ連絡する、秘匿回線側の回線で。
亜美戦隊長「南條中将、ちょっとお時間よろしいですか。」



南條中将「やぁ亜美戦隊長。どうしたのかね?」



泣きそうな顔をしながら話す亜美。
亜美戦隊長「2つ報告が、、、1つは奈美が2日間連続で力をつかってしまい、吐血して倒れてしまいました。
休ませるために、自室に1人にさせたのが間違いでした。申し訳ありません。私は姉として失格です。
あの子を守ってあげられない。。。
2つ目は影縫少尉に能力がバレました。1件目の件で影縫少尉の友人を憑依させて、、、
でもそのおかげで影縫少尉は精神的には回復しました。良かったのですが、また秘密を知られた方が
増えてしまいました。幸い今回も内密にしてくれることになってますが。
しかし、叔父様私達どうなってしまうのですか、、、怖いです。
だれか見ていただける方はいないのですか。司軍医長は優秀な方です。
ですがそれだけでは私達姉妹のような人ではない体の事を見るのは限界があります。」
と悲しそうに言う。

南條中将「そうか...やはり私では2人の体を見るのは無理があるのは分かっていた。
だから、そこの考えはだしてあるよ。
前に話した香月夕呼博士は覚えているかな?彼女は私の知る限り、最高の科学者だよ。
既に私からそれとなく話はしている。彼女を頼るのが最善だと思う。」

亜美戦隊長「、、、国連軍の香月博士ですか。。選択肢はないのかもしれませんが、
国連軍に情報が漏れたり、最悪ソ連に話が伝わってしまうことが心配です。
大丈夫なのでしょうか。。。」

南條中将「だからこその斯衛と香月博士を巻き込んだ対外防諜網だよ。
それに、既に彼女の元には2人と同じ能力者がいて溺愛しているみたいだ。
それに、彼女には人類を救う計画を立てているみたいでね。
私も早くから知って支援している。君達を売る行為はさせないよ。約束する。」

亜美戦隊長「、、、南條叔父様がそうおっしゃるなら。それなら信用します。
解りました。その話進めていただけますか。不安はありますが、背に腹は代えられません。では。
後の事はお任せします。今回の人材であらかた戦隊の戦力は整いました。以降、どんな任務でもお受けいたします。
宜しくお願い致します。」
と言う。

南條中将「分かった。必要あればお願いするよ。」
こうして南條と亜美は何ができるかを考えて行動していくのであった。