菅中尉の思い編後編

 

そして翌日、急展開を迎える。
 

夜間待機中の臨時編成中の第六警戒小隊が衛士待機室(奈月と奈美)にいる。
奈美准尉「奈月さん、Gへの耐性についてできることって衛士強化服以外に何かないですかね。。

さすがにそろそろ少しでも戦術機の緊急回避時等に少しは耐えられるようにしたいなと。

それにもしかしたら、空挺降下作戦も今後あるかもしれません、
私、できるのか。。不安で。」

奈月少尉「うーん...、身体を鍛えて、慣れるしかないかな。」
その言葉に悩んでいる奈美。とそこに基地衛兵の隊員が待機室へ入ってくる。

基地衛兵隊員「失礼します。弥栄少尉、早雲戦隊長がお呼びです。至急戦隊長室へ来てほしいと、
早雲准尉の護衛についてはその間甲本大尉が引き継ぐそうです。甲本大尉は演習場にいるので
私が連れていきます。」

奈月は少し引っかかりを覚えるが、
奈月少尉「分かりました、今から向かいます。奈美、ちょっと私の手を触って?」
奈月は奈美の手を触る様に言う。

キョトンとする奈美だが言われるままに奈月の手を触る。
奈美准尉「はい?こうですか?。」

奈月少尉「ありがとう。」
奈月は奈美に分かるよう、心に強く思った。
奈月少尉(奈美、何か嫌な予感がする。護衛兵の私から離れさせるなんて亜美さんがする筈ない。
直ぐに亜美さんの所に行ってくるから、何かあれば走って逃げて。)

その言葉を聞いて、奈美はハッとするが基地衛兵隊員には表情は見えないように答える。
奈美准尉(解りました。亜美姉さんは今誰かと喋っていますね。何かあったのでしょうか。とにかく気をつけますね。)
そして
奈美准尉「もう、奈月おねえちゃん、離れたくないのは私も同じですが。」
とクスクス笑いながら基地衛兵にエスコートされて演習場の方へ行く。

奈月は走って亜美の所へ向かった。そして、執務室を開けて入った。

奈月少尉「大尉お呼びでしょうか?奈月少尉参りました。」
そこにはなんと亜美戦隊長と凜大尉が打ち合わせをしていた。

亜美戦隊長「??いや、呼んだ覚えはないが、、、!!!しまった。奈美はどこだ。
奈月少尉すぐに戻れ。何かが奈美の身に起きている。」
と何かを感じ取った亜美。

奈月少尉「やっぱり...、直ぐに奈美を探しに行きます!。」

そして移動中の奈美の場所にて
基地衛兵隊員にアテンドされて奈美はついていったが、、、
なぜか演習場の方から離れていく。
暗がりの角で、気が付き振り返り基地衛兵隊員に話す。
奈美准尉「え、こっちは倉庫部屋の方では、どういう、むぐう。」
その瞬間、とその口にクロロホルムをしみこませたタオルを押し付けられる。

奈美准尉「(あ、これは、、、意識が、、誰か、奈月お姉ちゃん、ゴーストさん)」
とつぶやくように崩れ落ちる。


その頃の医務室のゴースト。
奈月少尉後編での戦闘の負傷がいえておらずベットに横たわっている。
ゴースト准尉「暇だ、、、リハビリ以外することないけど、まだ動くと左の腹が痛い。まだ動くのはきついかなあ。」
と、ゴロゴロしていたが、急に何かゾクッと悪寒を感じて、奈美さんが助けを呼んでいる気がした。
(??奈月さんが護衛しているはずだが、あの時と同じのような(帝都京都防衛戦時の時)

助けを求めてる時の声のような気がする)
と無理して体を動かし探しに行く。


そして奈美の場所に場面は戻る。
基地衛兵隊員改め右翼系派閥諜報員「くくく、簡単なものさ、こいつは全く歯ごたえがない。
しかし、いい体つきしてるじゃないか。殺す前に、楽しんでおくか。」
と乱暴に軍服を割き破り奈美の体に手をかけようとする。

とそこに体当たりして、奈美から引き離すゴースト。あぶら汗をかき顔が苦痛で歪む
ゴースト准尉「貴様、何者だ。うちの戦隊の隊員じゃないな。(うぐ、今のでまた傷口が開いた。)」

右翼系派閥諜報員「ち、お楽しみの所で、邪魔をしやがって、死にぞこないが護れるのかな。」
と銃を取り出す。

それを見たゴーストは退路をふさがれている事と楯になるものが無いのに絶望しつつも
庇うように奈美を胸に抱き抱え相手に対して背を向ける。

ニヤリと嫌らしく笑いながら諜報員は喋る。
右翼系派閥諜報員「馬鹿なやつ、それで護っているつもりか、一緒に死にたいのか。」
と銃を向けつつ近寄り傷口に蹴りを何度も叩き込む。
それに耐えきれず、崩れ倒れるも奈美を抱きかかえ護る。
ゴースト准尉「うう、絶対に護るって誓ったんだ。だから、、、。」
と傷口から大量に出血しそのまま気絶するも奈美を庇う。

と、そこに菅中尉が現れる。
菅中尉「何をしているの、やりすぎよ。この姉妹はソ連のスパイじゃない。殺すことないわ。」

邪魔された右翼系派閥諜報員はいらだつ。
右翼系派閥諜報員「うるせえ、お前は黙ってろ、これは俺の仕事だ。邪魔したらあんたも殺すぞ。」
と脅す。

菅は思った。こんな事して私は夫と娘に顔向けできない。だから、、、
と、行動を起こす。
菅中尉「もうやめるわ、私はどうなってもいい、この子に乱暴はさせない。」
撃ち合う二人。
とそこに銃声を聞きつけた奈月少尉が追い付く。

奈月は持ち前の射撃技術を使い、2人の拳銃を自身の持つ拳銃で撃ち叩き落とした。
奈月少尉「そこの2人!抵抗はやめて大人しく捕まりなさい!奈美、ゴーストさん、大丈夫?助けに来たよ。」
しかし二人共に反応が無い。

菅中尉はここまでねと思い観念する。
右翼系派閥諜報員は悪あがきをして逃げ出す。

と、そこに逃げようとした諜報員の前に、1人の衛兵が立ちはだかる。
彼女は素早く、急所に拳と肘鉄を食らわせて無力化させた。衛兵は諜報員を捕縛すると、

ヘルメットを取り顔を両手で擦る。
七瀬秘書官「私から逃げられると思いましたか?此処に潜入した時点で、貴方は既に終わっていたのよ?」
現れたのは南條中将の秘書官、七瀬であった。

右翼系派閥諜報員「くそ、貴様は南條中将の子飼いの七瀬。迂闊だった。」
とがっくり項垂れる。

菅中尉は奈月少尉におとなしく取り押さえられている。
菅中尉「早く、あの准尉を手当てしてあげて、傷口開いている。早雲准尉は、危なかったけど、

クロロホルムをかがされただけよ。あの准尉が護ってた。ごめんなさい。」
と奈月少尉に謝る。

そこに警備兵を連れてきた亜美戦隊長と橘副官と真木整備班長が到着する。

奈月は怪訝な顔をしながらも菅中尉に返した。
奈月少尉「なんで心変わりをしたかは聞きませんが、傷の手当ては警備兵の方がやってくれてます。
よくも奈美とゴーストさんにあんな目を..。」

そこへ真木が割って入る。
真木班長「まて奈月。アタシ達よりも、こう言うのは専門家に任せるべきだ。そうだろ七瀬さん。」

七瀬秘書官「えぇお任せを。2人のスパイは警備兵に引き渡して下さい、直ぐにこちらの基地へ移送しますので。」
亜美戦隊長「そうだ、スパイの2名は七瀬秘書官に任せる。それよりも司軍医長を、真木さん頼む。

奈月少尉、ゴースト准尉と奈美の介抱を。」
と指示する。

奈月少尉「了解しました!奈美、大丈夫?今直ぐに医務室に運ぶからね?」
奈月は亜美からの指示を受け、意識の無い奈美を心配して話しかけながら助け起こす。

そして真木にゴーストの事を頼む。
奈月少尉「すみません真木さん、ゴーストさんをお願いします。」

それを聞き真木はゴーストを担いだ。
真木班長「任せろ、アタシは先に行くよ!明日香っ!急患だよ!」
早足で医務室に向かう。

騒がしさと真木の声に反応して自室より出てくる司。
司軍医長「なに、なに、沙奈江その血どうしたの。負傷したの?
て、ゴースト准尉何抜け出してるの、まだ安静にしてないといけないのに。どういう事?。」

真木班長「戦隊に潜入していたスパイに襲われたんだよ!良いから早く処置の準備を!。」
司は真木の血の付いた所を確認して、
司軍医長「沙奈江は負傷してないのね。良かったわ。
じゃあ、これ、全部、ゴースト准尉の??って、ああもう、手術してせっかく治りかけてたのに
また、傷口が開いて?って、これ、蹴られてさらに酷くなってる。すぐに緊急オペします。」
とストレッチャーに乗せて手術室へ行く。

ゴーストが手術室に向かうのを見送ったのを見て真木は呟く。
真木班長「この身がどうなっても守るだったね...。本当にするとは...、流石だよ。」

そして、奈月も奈美を抱えながら医務室に入って来た。
奈月少尉「奈美着いたよ。今楽な体勢にするから。」
奈月は奈美を着替えさせ、ベッドに横にさせた。

真木と奈月は奈美を心配そうに見守った。
そして場所は変わり、南條中将の基地側に。

独房に入れられた菅中尉。
菅中尉「(あの二人の准尉には悪いことをしたけど、これで済んでよかった。私はこの後どうなるのか。

もう、生きていてもしょうがない)」
と泣きそうになりながら夫と娘の事を考えている。

菅中尉が入っている独房へ七瀬秘書官が歩いて来た。
七瀬秘書官「御気分はどうでしょう?独房では気分も何もありませんか...、

南條恭次郎中将が直接尋問したいとの事で、来て頂きますよ。」

菅中尉「気分は最低ね。あんなことになってしまって。夫や娘に言い訳できない。
あの二人の准尉は大丈夫なのでしょうか。そうですか。解りました。行きますわ。」
と七瀬秘書官についていく。

警備兵を伴った七瀬秘書官について行く菅中尉。
無機質な尋問室に入ると、いつもの着崩した軍服姿ではなく、しっかりと軍服を着こなした

南條中将が椅子に座り待っていた。
南條中将「やぁ、初めまして。私は南條恭次郎、って知っているか。ともかく椅子に座り給えよ。」



それに対して有難うございますと、椅子に座る菅中尉。
菅中尉「もちろんでありますよ。私が嫌っている上官の蹴落としたいお相手、とても優秀な政治的なやり取りも、
諜報戦においても右に出る者もいない。
そして虎の子の空挺戦術機部隊とあの素敵な早雲姉妹の独立部隊をまとめ上げて、

後見人にもなってる2人の人物のうちの1人。」
と答える。

南條は少しにやけながらも話を続ける。
南條中将「お褒めに預かり光栄だよ。
さて、君が潜入した理由は掴めてはいるが、改めて君自身の口から何故戦隊に潜入したのかを聞きたいが宜しいかね?」

菅中尉「うちの司令官からの命令です。私は保険でした。先行して潜入している情報員の補佐、

そして早雲姉妹の調査とその能力のや内容次第では特にスパイで有るなら拉致、もしくは殺害の指示でした。

 

ですが、私は資料を読んで、そして実際に早雲准尉の優しさに触れて、殺害なんてしたくないと思いました。

諜報員としては失格ですね。


でも、先に捨て駒にされた夫や娘にこんなことしたら死んだら恨んで会ってはくれないと思ったので。。」
静かに菅中尉の発言を聞いた南條は口を開いた。

南條中将「うん、入手した情報の裏付けができたね。七瀬君、君からみて彼女は嘘をついているように見えるかな?」
七瀬秘書官「諜報員として長く身を置いてますが、嘘偽りはないかと。中将、わざわざ私に聞く必要があるので?」
 

南條中将「七瀬君の意見を聞きたかったんだよ。
菅中尉、君の言う事は嘘偽りは無いと信じよう。私から色々提案をする前に、

中尉は今後どうするのか聞かせて欲しいが宜しいかね?」

それに対して戸惑いながらも。
菅中尉「私は、、、先の戦いで衛士だった夫と娘が戦死しました。
正直もうこんな酷い情報部の任務は、、、うんざりです。家族を失ってまで続けてられない。
早雲戦隊長も、早雲准尉もとても素敵で娘と同じように愛おしいです。うちの娘とタブりました。

 

この子たちを手にかけなくて良かった。
可能で有れば私はここを出てBETAと戦って終わりにしますわ。
夫や娘に顔向けできませんので、戦術機を1機ください。このまま出て最前線で戦死させてください。」
と言う。

南條中将「中尉、悪いが君を此処で楽にさせるつもりはない。中尉がいた右翼派閥は既に瓦解して帰る場所は無い。
道は二つ、一つはこのまま懲罰部隊に行く。だがこれだと些か戦隊の損害を補填できないから実質無しだ。
二つは私の部下になり一生、戦隊の防諜活動に精を出して貰う。さて、殆ど選択肢は無いような物だが、

君は何を選ぶかね?」

考える菅中尉。
菅中尉「解りましたわ。私に罪滅ぼしができるのであれば、、皆さんが受け入れてくれるのなら、
戦隊の楯となりましょう。でも皆、私を憎んでいるでしょうね。当然ね。でもその任務お受けしますわ。
姉妹を護ってあげたいと思います。」
と答える。

南條は和かな顔になり続ける。
南條中将「真に戦隊に受け入れられたいのならば、罪滅ぼしだけではなく防諜活動に精を出すことだ。
今後は、私の部下として改めて戦隊に配属する様に手配しよう。今日は悪いが独房で休んでくれ。
七瀬君、菅中尉を警備兵に送らせた後は亜美大尉を執務室へ呼んでくれ。今回の事を説明しなければならんからな。」

七瀬秘書官「了解致しました。直ぐに亜美大尉をお呼びします。」
菅中尉「承知しました。独房で構いません。あの姉妹においたを働くスパイは私がお仕置きしますわ。」

戦隊の防諜活動に専念します。
という事は、衛士ではなく七瀬秘書官の指揮下ですか。」

南條中将「戦隊も人手不足でね、衛士としても活動して貰うよ。」
菅中尉「承知しました。衛士と諜報員両方ですね。」

とそこに亜美戦隊長が出頭してきた。
亜美戦隊長「失礼します。お呼びにより出頭しました。」

南條は先程よりも、明るい表情で亜美を迎えた。
南條中将「いらっしゃい亜美大尉。七瀬君、菅中尉を頼むよ。」

七瀬秘書官「了解致しました。こちらへ。」
七瀬は菅中尉を連れて、執務室から出た。
南條中将「亜美ちゃん、今日此処へ呼んだ理由は分かるかな?」

亜美はそのことを聞いて答える。
亜美戦隊長「ええ、南條叔父様。菅中尉の事でしょう、そして諜報員の暗躍の事。」

南條中将「あぁ、既に勘付いていた事は流石だよ。だがあの時点で話してしまったら、
諜報員に逃げられる可能性があったんだよ。」

少し怒り気味の亜美。
亜美戦隊長「南條叔父様と七瀬秘書官が動いていただけたから諜報員は捕縛できました。
それはとても感謝しきれません。ですが、一つだけ戦隊長として、姉妹の姉として言わせてください。


奈美はもう少しで、乱暴されて殺されてたかもしれないのですよ。それは幸いなことに、ゴースト准尉が気が付いて、
すぐに駆けつけてくれたから、奈美は無事でした。しかし、部下の命を危険にさらしてしまった。


せめてもう少し情報を教えてください。でなければ私は部下を護ってやれない。

BETAとの戦闘もそうですがそれ以外でこのようなことが起こってしまうのは、耐えられません。」
と南條中将に詰め寄る。

南條は、毅然とした態度で亜美の言葉に答えた。
南條中将「あぁ、七瀬君から報告されたよ。欺くなら先ず味方からとは言うが、奈美ちゃんの危険を予測しておきながら、
大丈夫だとタカを括った私の責任だ。
私は多少の犠牲は仕方ないと思うスタンスがある様だ...。君達の後ろ盾になるには、いけない考えなのにな。
今後は亜美ちゃんの提案に沿う事を約束する。」

その言葉を聞いて亜美は。
亜美戦隊長「、、、ごめんなさい。南條叔父様。今のは私の我がままです。でも部下を死なせたくない。
この思いは変わりません。


でも叔父様は司令官としてのお立場もあるのですよね。いつも私たちの事を気にかけてくれているのに。。
申し訳ありません。お願いいたします。」
と言う。

南條は亜美の頬を撫でた。
南條中将「部下思いなのは良い事だ。
本当、亜紀さんに似て来たね...。今回の件は私が悪かった。」

亜美は頬を撫でられ南條中将の胸に頭をつけて泣く。
亜美戦隊長「それはうれしいことです。両親から部下は家族で兄弟、姉妹と教わりましたから。
だから護ってやらなければ。でも姉として奈美も護ってやりたい。

でも、今回何もできなかった。戦隊の指揮が忙しいと言う理由で。
あの子だけは前世と同じ最期にさせたくないと思っているのに。
 

私は無力です、私は斬り死にしてもいいです。でも奈美だけは助けてあげてやってください。
お願いです。南條叔父様。」
と咽び泣く。

南條は優しく言う。
南條中将「馬鹿を言うんじゃない、亜美ちゃんも大事だよ。姉妹二人は何があっても責任を持って行く末を見ると、
晴輝と亜紀さんの墓前で誓ったんだ...そんな事はさせないよ。
今後はこう言う事は隠さない様にしよう。」

その南條叔父様の優しさに触れて泣き止む。
亜美戦隊長「有難うございます。いつもありがとうございます。あともう一つお願いがあります。
菅中尉をこのまま引き取らせてください。あの方、先ほどすれ違った時に、想いが聞こえました。後悔されてました。


それに奈美とゴースト准尉を護ってくれたみたいです。あの方はやさしいお母さんです。独房に入れておくのは、、
あの方の思いを戦隊の皆に伝えたいです。」
とお願いする。

それを聞いた南條は亜美の願いを叶えようとしたいが、複雑な顔をする。
南條中将「防諜要員として、戦隊に戻す気ではいるが...奈美ちゃんとゴースト君を間接的に傷付けたし、
私もその原因ではあるが...、二つ返事で良いとはね...。」

それについては亜美は
亜美戦隊長「そうですか、確かに間接的にですが。でも強制的な命令ではなかったのですか。
今の菅中尉は後悔してます。そして結果的には助けてくれたようなものです。

どうしても駄目ですか。それならば無理強いしませんが。。」
と、南條中将の立場も考えて話す。

南條は沈黙し、数分後口を開いた。
南條中将「...分かったよ。亜美ちゃんの頼みだ、菅中尉を戦隊に戻す事を許可しよう。

だがすまんがしばらくこちらで預かって良いか?
亜美ちゃんも含めてだが彼女と幾つか情報共有して、戦隊の防諜対策をしなければいけないからね。」

それを聞いて嬉しそうにほほ笑む。
亜美戦隊長「はい、それで十分です。私は諜報戦には疎いです。ですからそれでお願いいたします。
その間に戦隊で秘密を知っている者には話して説得して受け入れられる準備をしておきます。」
と答える。

南條も釣られて笑う。
南條中将「あぁ、そうしてくれ。君達戦隊がBEAT殲滅に集中出来るよう頑張っていく。
今回の事は、こちらの失態だ。後日になるが奈美ちゃんとゴースト君に謝りにいかせてもらうよ。」

二人の事を聞いて、亜美は表情をこわばらせる。
亜美戦隊長「ゴースト准尉は重傷です。今まだ手術中かと、奈月少尉を助けるために負傷し、

今回はここまで奈美の事を想って護ってくれた。


彼が迅速に動いたから助かったようなものです。彼にどう詫びれば。本人はいつも奈美の事が好きだから、ほほ笑んで
これでいいのですとしか言いませんが、そして奈美は今回の事で目覚めたら、また心が壊れてしまうかも
意識がないとはされた事を解っていると思います。
どうすれば、、真木班長にまた頼るしかないのでしょうか。」
と言う。

南條中将「確かに真木大尉に頼むのも手だが、亜美ちゃん。君自身が奈美を慰めるべきだよ。

真木大尉に頼るなとは言わない、だが奈美ちゃんのお姉さんとして今出来る事をしなさい。
書類仕事は副官か、最悪私に回しなさい。今は真木大尉の力を借りても良いから、奈美ちゃんを慰める事に集中するんだ。」

南條は、一呼吸置いてから続ける。
南條中将「あと、奈月少尉も励ましてやりなさい。
彼女も一度離れてしまった事を後悔しているやもしれないから。」

その言葉に亜美は自身のやるべきことを思い出した。
亜美戦隊長「そうでした。二人の妹を護ってやるのができていませんでした。橘副官にお願いしてみます。
戻ったら奈美のそばにいて、目覚めたら抱きしめてできることをします。


そうですね。奈月少尉はその通りです。それは聞こえてました。離れた事を後悔してるのは。
あの子も私にとっては今は妹です。だから奈美と同等に考えてます。有難うございます。
やらなくてはいけないことから逃げていました。私が直接二人の妹を慰めます。」

南條はにっこりとした顔に戻り
南條中将「私からは以上だ。さぁ帰りなさい、家族が待っている筈だ。」

その言葉を聞いて亜美は答える。
亜美戦隊長「有難うございます。家族の元に戻ります。でも、、南條叔父様も三芳叔父様も私にとっては
大好きな家族ですからね。」
と敬礼して司令官室より退出する。
南條中将「家族か...(そう言って笑い合える程私は綺麗な人間では無いよ。私の手は人の血で汚れ過ぎているからね...。)」

それを司令官室の外で聞こえてしまった亜美はハっとし振り返り南條中将の頭の中に答える。
亜美戦隊長「(それでも私達姉妹は二人の叔父様を、手が血に染まっていてもそれをも受け入れて笑って

一緒に歩んで行きたいです。)」
と答えて、基地を後にする。

南條中将「全く...亜紀さん所か、晴輝にも似て来ちゃって...。」

亜美は急いで戦隊の基地に戻る。
まずは戦隊長室にいる橘副官に話す。
亜美戦隊長「ただいま。紫音。いきなりで悪いけど。しばらく私の執務の代行と戦隊の指揮をお願い。
必要があれば西大尉と凜大尉と相談して対応してね。」
とあわただしく伝える。


それを承知していると橘副官は答える。
橘副官「解っていますよ。亜美。奈美さんの事でしょう。今は戦隊長の任から離れて妹さんのことを
優先してください。だいじょうぶです。」
とにっこり優しそうな顔をする。

亜美戦隊長「ごめん、紫音。あと宜しく。」
とあわただしく戦隊長室を後にして医務室へ行く。

医務室の個室。
奈美准尉が寝ている。

それを心配そうに見ている、真木整備班長と奈月少尉。
巡回できた女性看護兵。状態を見る。
女性看護兵「、、、うん、大丈夫そうですよ。もうすぐ目覚めそうです。」
と言って立ち去る。

奈月少尉「真木さん、ごめんなさい。私が奈美の元から離れたから...。」
真木班長「馬鹿いえ、謝る人が違うさ。気付けって言う方が無理だよ。
奈月、アンタは精一杯出来ることをしたんだ。そんな気に止む事は無いさね。」


奈月少尉「そう、ですよね...。」
奈美を見守りながら、自身の責任だと沈んでいる奈月を励ます真木。

その言葉が聞こえて、奈美が目を覚ます。
奈美准尉「あ、私。。どうしてここに、たしか、、」
 

とだんだんと思い出してきた。口を押さえて、絶望した顔をして。
奈美准尉「私、私、、、奈月お姉ちゃんに言われてたのに何もできなかった。それに意識もなかったけど、、
また前世と同じことが、、私もう生きていけない。ゴーストさんになんと言えば。」


と壊れた顔をして、ふと横を見ると母親の形見の短刀が置いてある。
普段はお守りとして持っていた短刀を抜き、首に突き刺そうとする。



突き刺そうとした短刀は首に刺さる直前に止まった。
真木班長「何を、してるんだ奈美!。」
真木班長が短刀の刀身を右手で強く握り、これ以上動かないようにしていた。右手から血が流れている。
奈月少尉「真木さん!。」
真木班長「アタシの事は良い!。早く奈美の手から短刀を引き剥がすんだ!。」
真木と奈月、2人がかりで短刀を引き剥がそうとする。

真木の行動を見た奈美は。
奈美「、、、、ああああ(泣)、真木さんまで傷つけて、私は、真木さんと奈月お姉ちゃんとゴーストさんを、
危険にさらして。もう、十分です。もういいのです。。」
と項垂れる。

そこに亜美が入ってくる。
亜美戦隊長「これは、、、真木さん大丈夫ですか。」
と短刀を引きはがした二人を見て、部屋にあった応急キットから包帯等を出して。真木さんの手当てをする。

奈月少尉「奈美が突然短刀自殺をしようとして、真木さんが短刀の刀身を掴んで止めたんです。
あんな事があったから、その恐怖でやったのでしょうか...。」

奈月の発言に真木が続ける。
真木班長「いや、恐らく前世で同じことが繰り返しそうになり咄嗟に自殺しようとしたのかもね...。
亜美、アタシは奈美から前世のアイツの最期を見たよ。あれは...、絶望して自殺しても、仕方ないよ。
アタシも同じ状況ならしてるね。」

それを聞いた亜美は。
亜美戦隊長「そうですか、、有難うございます。助かりました。私も同じ状況なら、、そうしてたと思いますよ。
そこまで、思いつめていたのに私は。。。」
と後悔している。

そして二人に向き会い。
亜美戦隊長「申し訳ないです、私達姉妹の事で、こんなにもしてもらって。
その上で申し訳ありません、二人にお願いがありますが、いいですか?。
これは戦隊長としての命令ではありません。奈美の姉としてのお願いです。」
と二人に話す。

亜美からの言葉に、二人とも一瞬キョトンと顔になるが返した。
奈月少尉「いきなりどうしたんですか?亜美さんの頼みなら、断るつもりはありませんよ?」
真木班長「亜美、アンタの頼みを断った時はない筈だけどね。改まってどうしたんだい?」

迷ったような顔をして話す亜美。
亜美戦隊長「まずは、真木さん申し訳ありません、戦隊発足時から奈美の事を見てあげてられませんでした。
ですから、今回は私が、姉として奈美と話して慰めて立ち直らせたいです。。
その間申し訳ありません。戦隊長の執務を橘副官に任せました。申し訳ありませんが補佐してもらってもいいですか。
書類系の執務以外の戦術機部隊の演習等は西大尉と凜大尉と相談して進めてください。お願いします。

そして奈月少尉、今回は申し訳なかった。これも私の指示がまずかった。奈美を護れなかったのは私のせいだ。
奈月少尉は悪くない。今後の話だが私がいない時の命令があった場合は、奈月少尉の判断で動いていい。
それで何かあってもすべて私が責任を取ります。ただし奈月少尉も負傷することがないように。
お願いね。妹二人に何かあったら私は、、、もう。」
とそこで話が止まる。

真木と奈月はにっこりとした顔になり。
真木班長「分かったよ、戦隊の運営は任せときな。アンタはちゃんと奈美の為に時間を使ってやりな。
整備班は落合を班長代理にして、砂原と菊間でサポートをやらせれば回るさ。奈美の事だけ考えな?」

奈月少尉「自己判断、了解です。
私は大丈夫です、伊達に死神と呼ばれて来た訳じゃありませんから。」

亜美は二人に頭を下げる。
亜美戦隊長「有難うございます。いつもありがとうございます。

真木さんと奈月少尉や戦隊の皆のおかげで何とかやっていけてます。
二人とも無理はせずにお願いしますね。


あと、菅中尉はどうやら、奈美達を護ってくれていたようです、ですので許してあげてください。
無理やり、強制的な命令だったようで、しかも奈美とゴーストが助かったのは菅中尉のおかげらしいとのことでした。
今後、菅中尉は正式にこちらに配属になります。まだ極秘ですが、お二人には伝えておきます。

それと、ゴースト准尉はどんな感じですか。あそこまで早くかけつれられるとは。

奈美が助かった一番の要因は彼です。あの迅速さがなければ奈美は終わっていたと思われるわ。」

真木班長「傷口が開いたとしか明日香から聞いてないからなんともだけど...。
アイツがそう簡単にくたばる奴じゃないさ。」

亜美戦隊長「そうですか。解りました。ちゃんと復帰してもらわないと詫びれませんからね。。
と、あとはすみません、執務の方をお願いいします。
奈月少尉もしばらく、一旦第二小隊に戻って、凜大尉を補佐してもらえるか。
宜しく頼む。私が奈美を見ているから。」

二人は了解のうむを伝えて、医務室から出て行った。
真木班長「アタシは整備班に行った後に、橘の補佐に向かうか。お互い亜美を楽にさせる為に、頑張ろうじゃないか。」
奈月少尉「はい!。」

医務室で姉妹二人になった所で亜美は奈美の前に来る。
項垂れている奈美を正面から両肩を手で支えて亜美は奈美の目を見て話す。
亜美戦隊長「最初に謝っておくわ。ごめんね、戦隊長の執務に追われて何も奈美の事を見てあげられなかった。
本当は私が直接護ってあげたかった。悲しんでいたのに慰めてあげれなくてごめんね。

でもね。自殺なんてダメ。前世と同じ終わりにしたいの?皆、心配してくれてるのよ奈美。

貴女のその優しさに助けられて、そして私達の能力でせっかく助けた真木さんも、奈月少尉も絶望するわ。
それにここまでして、ゴースト准尉が奈美を護ってくれたのに死んでしまうの?

ゴーストはあなたの事が大好きなのよ。それに、彼は本当は家族、親戚がほとんど中国地方防衛戦時に亡くなられて
やけになっていて死にたがっていたのよ。それを貴女を護るために生きているのよ。
奈美が死んだら彼、生きる目的なくすわ、それでもいいの?」
と伝える。

それに対して奈美は。
奈美准尉「、、、ごめんなさい。ごめんなさい。私もうどうしていいか、前世と同じ人生なら終わりにしたかった。
でも、でも。うあああああ…(泣)」
と亜美の胸に抱き着いて泣く。

亜美も奈美を受け入れて抱きかかえて頭をなでながら泣きながら頭をよしよしする。
亜美戦隊長「ごめんね、姉として奈美を支えてあげられなくて。」
しばらくして奈美は泣き疲れてまた寝落ちする。

それをベットに寝かせて、手を握って見守る亜美。
(これからも定期的に時間を作って奈美の事を見てあげたい。せっかく両親に生かされたんだ。
二人でいや、みんなと共に生きていきたい。)
と思った。

姉妹二人が会話している最中、基地内倉庫の隅にて。
菊間整備兵「今回ばかりは、相手を泳がし過ぎたのではありませんか?七瀬殿?」
七瀬秘書官「あら?警告だけして見逃した、城内省のスパイさんに言われたくはないわね。
菊間君、なんで見逃したのか教えて欲しいけど?」

菊間整備兵と七瀬秘書官、整備兵と秘書官と言う表の姿と諜報員の裏の顔を持つ二人が話していた。
菊間整備兵「彼女に奈美さんを殺す気は更々無い事は話した時に分かりましたから、

止める必要を感じなかった。それだけです。」


七瀬秘書官「ふぅん、そう言う事にしておきましょうか。それで、貴方の目的は果たされないのかしら?
姉妹はソ連のスパイでは無いし、武装蜂起は無いと南條中将から貴方の飼い主に話は通ってるはずじゃないかしら?」
七瀬は睨み付けながら言った。菊間はそれに動じず、冷めた目を七瀬に向けて言い返す。

菊間整備兵「私の飼い主は用心深いお方でね。南條中将の事は信用しているが、念には念を入れろとのお達しだから。
まぁ...私個人としては、真木の姉御の元で整備兵としての仕事をしたいからと言うのがデカいかな。」
 

七瀬は睨み付けるのを辞めて、ため息を吐いた。
七瀬秘書官「貴方、諜報員に向いてないんじゃないかしら?完全には信用してないけど、

今後もそのまま整備兵としているなら何もしないわ。」


菊間整備兵「ありがたい限りだね。それじゃあ、今後も良い関係を...。」

そうこうして、翌日になり南條中将の基地にて。
独房にて眠れぬ夜を明かした菅中尉。座して、今後の対応を待つ。

独房の前に、南條中将自らがやって来た。
南條中将「おはよう菅君。
昨日は...眠れなかったのか、とりあえず独房から出て君の知っている情報共有をしつつ

今後の戦隊の防諜対策をしていこうか。」

立ち上がり、敬礼をして答える
菅中尉「おはようございます。南條中将殿。はい、寝れませんでしたが問題ありません。
知っている事は全てお話ししますわ。」
とついて行く。

そして、南條の執務室で対策会議をした後。
南條中将「うむ、これでなんとか行けそうだな。
菅君、君のおかげで戦隊の防諜は少なくとも諜報員に下手にちょっかいを出せなくなるだろう。感謝するよ。」

菅中尉「いえ、私で良ければ。贖罪になるのか解りませんが、、、でも戦死した娘と重なってしまって、、、。
護ってあげたいですわ。二人とも。亜美大尉は必要ないかもしれませんが、特に奈美准尉は。。

あの優しさは弱点ですね。護身もできそうもなさそうですし。でもあの優しさがとても素敵です。」
と答える。

南條中将「予定より早く対策案もでたし、これ以上はここでやる事はないね。
菅中尉、君には私の部下として、正式に第零独立強襲戦隊に異動して貰う。これは命令だ。」

菅中尉「承知いたしました。復唱します。
菅中尉は、南條中将閣下指揮の元、諜報員と衛士として防諜およびBETA殲滅のため第零独立強襲戦隊へ異動します。」

南條中将「菅中尉、戦隊での活躍を期待する。姉妹を頼むぞ...。」

菅中尉「もちろんですわ。あの姉妹は私にとっても娘と同じようなものです。必ずや護ります。」

そして翌日再度戦隊長室にて
姉妹の秘密を知っている隊員(真木整備班長、橘副官、凜大尉、奈月少尉、司大尉)と西大尉が呼ばれる。

亜美戦隊長「菅中尉だが、色々有ったが正式に我が戦隊に配属となる。彼女はもともと南條中将の対抗派閥から

潜入していた情報員だったが今回、奈美を護ってくれた。

 

そして南條中将の指揮下に入って正式に我が戦隊の戦術機部隊に配属される。またこれは他の隊員には極秘事項だが
諜報員がの任務で防諜がメインだ。何かあれば衛士の任務より優先されるのでそこを配慮してあげてください。

今度こそ、宜しくお願いします。


あとゴースト准尉は何とか持ち直して、手術も成功。今は医務室で再度療養中だ。さすが司軍医長、本当に良かった。」
と亜美は話す。

司軍医長「もちろんよ、私天才だから、失敗しないもんw。」
とピースしながら茶化すw


真木班長「何が天才だ、勤務中も構わず酒かっ喰らってるアル中のヤブ医者がよ〜!。」
おもむろに司軍医長に拳骨を落とす。
 

泣き顔になる司。
司軍医長「沙奈江酷い(# ゚Д゚)馬鹿になったらどうするの。」
と言う。
 

真木班長「馬鹿になる?既に酒で頭やられてるんだから今更だろ?」

まあまあと亜美が諫めて、菅中尉に一言をお願いする。
菅中尉「あの時は申し訳ありませんでした。当時の上官に無理やり任務を押し付けられて
早雲姉妹を調査するしかなかったのです。
 

でも殺したくなかった。私は夫と娘が、その上官のせいで玉砕されられて戦死しました。
ただそれを後方から見ているだけしかできませんでした。
あの思いをもう、ここではしたくありません。皆さん宜しくお願い致します。」
と頭を下げる。



真木は菅中尉を冷ややかに見つめるだけで、彼女に対して何も言わないが、
奈月少尉は怪訝な顔で菅中尉を見て言う。
奈月少尉「お言葉ですが亜美大尉。南條中将の指揮下に入ったと言って、菅中尉を信用するんですか?
奈美を守ったのも内情を深く知るための演技じゃないかと今でも私は思ってます。」

亜美戦隊長「私は信用します。彼女の思いが聞けたので。そして責任は私が取ります。
それに彼女が所属していた派閥は南條中将のおかげで瓦解させてすでにない。彼女が戻る場所はすでにないのよ。


そして家族はその上官に殺されたようなもの。だから納得いかないと思うけど受け入れてあげてほしい。
これは我々にもメリットはある。スパイから戦隊の防諜もできる。」
と言う。

そして菅中尉も
菅中尉「信用してもらえないのは解ります。もし不審な行動をしたと思ったら、
撃ってもらっても斬り捨ててもらってもいいわよ。

私はそれで構いません。それはそれで夫と娘の所にいけるかもしれませんから。」
と寂しそうに答える。

奈月は話を聞いて、自身もここ以外の居場所が無い事を再認識し、
奈月少尉「...分かりました。大尉がそう言うなら、受け入れます。
ですが私は未だに信用してない事を忘れないで下さい。結果的に救ったと言えど、
奈美を危険に晒したのは事実ですから。」

これは仕方のないことだが、時間が解決するしかないなと思う亜美。
亜美戦隊長「すまない、そうしてくれ。
ではゴースト准尉が復帰するまでまた奈月少尉は第六警戒小隊に配属で
菅中尉は甲本大尉と組んでもらう。では解散。」
と皆に言いそれぞれが戦隊長室から出ていく。

その中で真木整備班長と奈月少尉は残り菅中尉に話す。
奈月少尉「菅中尉、私は、私はまだ信用しませんからね...!。」
奈月は自分の不甲斐なさと、菅中尉の家族の件を聞きどうしようもない心内で吐き捨てるように言った後、
逃げるように戦隊長室から出て行った。

真木班長「まぁ、反省して心を入れ替えたってなら今後の行動で示してくれ。
もし...、アタシ達を騙して又姉妹を泣かせるような事、特に奈美を泣かせたなら、
アタシはアンタを叩き斬らなきゃ済まなくなる...、肝に銘じときな。
じゃあ今後とも宜しくな、菅中尉。」

真木班長は気にしてなさそうに話すも、最後に菅中尉に釘を刺して出て行った。

真木に対して菅中尉は。
菅中尉「承知しました。私もあの優しい早雲准尉は泣かせたくないですわ。」
と答える。
こうして菅中尉は信頼を得るのは長そうねと思いつつ何とか今度こそ戦隊に着任することとなった。
後編END

後日談。。

2日後、奈美は亜美に諭され絶望した思いを振り切り、通常任務に戻る。
だが、3人に迷惑をかけて、どうしようと、、謝りに行こうと。。
まずは奈月少尉の自室へ向かった。
そして、迷いながらどうしようかとドアをノックしかけて戸惑う。


その時突然ドアが開き、奈月が出てきた。
奈月少尉「あっ、奈美!心配したんだよ!大丈夫だった?」
奈美を見つけた途端に、心配して声をかける奈月。


その奈月を見た奈美は。
奈美准尉「奈月お姉ちゃんごめんなさい。私、みんなに迷惑を。。生きてと奈月お姉ちゃんに言ったのに私自身が
もう生きていたくないと思って、、、。」
と言葉が続かない。

奈月はそれを聞いて、奈美を抱きしめた。
奈月少尉「良いよ。誰だってそう思う時があるから、私も奈美の元から離れなければって後悔してるから...、

自分を責めないで?」
 

奈美はうれしかった。だが、、。
奈美「有難うございます。奈月お姉ちゃんは悪くないです。私が、逃げることも、抵抗することもできないのが。
私、やっぱり皆さんのお役に立ててないです。。迷惑かけてる。。。真木さんに負傷までさせて。。

顔を会わせられない。。」
と悩みを話す。

奈月はそれを聞いて答える。
奈月少尉「奈美、会わせる顔はあるよ。誰だって迷惑掛けてるし、私だってそうだったから。

大事な事はちゃんと顔向けして、真木さんに謝る事だと思うよ?それが今、奈美が今一番できる事だと思う。」

それを聞いた奈美は、ハッとする。。
奈美准尉「そうですね、そうでした。大事なことですよね。。。有難うございます。

顔向けして謝らないといけないですよね。。
奈月お姉ちゃん。。私、行ってきます。」
と頭を下げてお礼を言って整備ハンガーへ移動する。

奈月少尉「な、奈美待って!護衛兵としても、私もいくから!。」
奈月もついて行った。

ついてきてくれた奈月少尉に対して、奈美は感謝しつつ。
奈美准尉「ごめんなさい、奈月お姉ちゃん。少し私に勇気をもらえますか、手を握ってもらえませんか。」
と言う。

奈月少尉「勿論、幾らでも協力するよ。」
嬉しそうにほほ笑む奈美。
奈美准尉「有難うございます。」
と手を握って二人で整備ハンガーへ移動する。

途中、女性衛兵にすれ違う。ほほえましい二人を見ていつもは厳しい顔つきをしているが
この時ばかりは優しそうな顔で通ってよしと二人を見送る。

そして、忙しく指示を出している真木整備班長を見つけて。
奈美は深呼吸して。
奈美准尉「奈月お姉ちゃん、有難うございました。勇気が出せそうです。ここからは私一人で行ってきます。
ここで見守ってってもらえますか。」
と伝える。

奈月は笑顔になり。
奈月少尉「分かったわ。頑張ってね。」
と見送る。

奈美は真木のそばに行く。
真木が忙しく指示を出しているがその手に包帯が巻かれているのを見て。
心がズキっと痛む。逃げ出したくなる想いを温かった奈月少尉の手のぬくもりを思い出し、勇気を出す。
奈美准尉「あの、真木さん。お忙しいところ申し訳ありません、ちょっとお話があるのですが、少しいいでしょうか。」
と話しかける。

真木は振り向いて和かに答えた。
真木班長「奈美!もう医務室から出て大丈夫なのかい?全く、心配したよ!
話?分かった、ちょっと待ってろ。
落合!すまんが、暫く此処の監督を任るよ!」
落合整備兵「了解しました!」
真木班長「待たせたね、話ってなんだい?」

奈美は悩みつつも話す。
奈美准尉「ごめんなさい、、、私、真木さに生きてと強要したのに。。。私が自殺しかけて、

しかも真木さんを負傷させてしまいました。


赦される事ではないですが、申し訳ありませんでした。私の心が弱いから。でも、、みんなに助けられて。。
奈月さんにも励まされたから、勇気をもらえたから真木さんに謝りたかったのです。
皆がいなければ、特に真木さんが居てくれなかったら私は、今ここには居なかったと思います。」
と話す。

真木は驚くが直ぐに和かになり、奈美の頭を少し乱暴に撫でて答える。
真木班長「何言ってんのさ!アタシはアンタに生きる事を強要された訳じゃない、あの時はアタシは生きたかった。
だから助けてもらえて良かったんだよ。
そんなアンタが、自殺なんてするのが信じられなかった。間に合って良かったよ。」

頭を撫でられた奈美は嬉しそうにほほ笑む。
奈美准尉「有難うございます。本当に絶望してしまいました。私は、、自分自身をまた護れないと。。
皆さんが気にかけてくれてるのに、逃げることすらできなくて、それにまた同じ事になることが怖くて

絶望してしまってどうしようもなかったです。
 

でも亜美姉さんにも、奈月お姉ちゃんにも、そして真木さんにも温かい想いをいただいてるのに

何をしているのかなって思いました。
だから、、一緒に皆さんと改めて一緒にいたいなと、私にできることは少ないですが。。」
と答える。

真木班長「良いんだよ。一緒に前に進んでいるから、そんな深く考えなくても大丈夫さ。」

奈美准尉「ありがとうございます。どうしても深く考えすぎてしまって。うれしいです。」
そして真木の包帯をしている手を見て、心配そうに見る。
傷つけてしまったその手の代わりに私のできることはないかと考える。

奈美の視線を汲み取った真木は。
真木班長「そう言えば包帯の交換まだだったな〜、誰か交換してくれないかな〜。」
と言う。

その言葉を聞いた奈美は泣き笑いの表情になり。
奈美准尉「もう、真木さん。ごめんなさい。私にさせてください。」
 

と、いつも持ち歩いている小型の自分のポシェットから救急用の新しい包帯と傷薬を取り出して
手慣れた対応で包帯を外して傷薬を優しく塗り、新しい包帯に取り換える。

奈美准尉「はい、これで大丈夫かと。でもしばらくはこの手で重いものとか触ったりしちゃダメですからね。
無茶すると、、、司軍医長さんに怒られますよ。」
と伝える。

真木は笑顔で答える。
真木班長「おう、分かったよ。まぁあの飲んだくれのヤブ医者に怒られても屁でも無いけどね。
奈美も遠慮せずに話したい事はちゃんと話な。もう、あんな事になるのはごめんだからね...。」

ああ、こんなにも思ってくれている真木に奈美は感謝しつつ。
奈美准尉「はい、解りました。もうしません。悩んだら、何があってもまずは相談しますね。
あとは、、ゴーストさんですね。まだ意識無いみたいです。この後は時間が許す限りそばに
付き添いたいと思います。」

真木班長「あぁ、そうしてやりな。」

話していると、後ろから落合整備兵が駆け寄り申し訳なさそうに言った。
落合整備兵「班長、すみませんそろそろ戻って頂けますか?流石に監督しながら、
警戒型不知火の整備をするのはどちらか手薄になりそうなので...。」


真木班長「すまんすまん、今戻るよ。
ごめんな奈美、そろそろ戻らないと行けないから。また後でな。」

奈美准尉「お忙しいところ、すみませんでした。有難うございます。ではまた。」
と小さく手を振り真木を見送る。

そして奈月少尉のそばに戻り。
奈美准尉「奈月お姉ちゃんのおかげで、勇気を出して真木さんに謝ることができました

。ありがとうございました。本当に助かりました。
この後はまた、医務室へ戻って、できれば時間のある限りゴーストさんに付き添いたいです。

任務が入ったら呼んでもらえますか。お願い致します。」

奈月は笑顔で答える。
奈月少尉「分かったわ。それに気にしないで?
護衛兵としての任務を果たしただけだし、それを抜いても可愛い義妹の頼みだしね。
分かったわ。何かあれば直ぐに呼ぶし、逆に呼んでも良いからね?」

奈月の思いがとても嬉しかった奈美。笑顔で答える。
奈美准尉「有難うございます。うれしいです。はい、何かあったらお呼びしますね。」
と頭を下げて感謝する。

奈月少尉「それじゃあ私は、凛大尉の所に行こうかな。
奈美、ゴーストさんによろしくね?」
奈月は離れて行った。

はい、と答え。奈月を見送り、奈美はゴーストの病室へ入る。
まだ意識は戻ってないようだ。

ベットの横に簡易椅子を出し、座ってゴーストの手を握って喋る。
奈美准尉「ごめんなさい、私。。いつも、いつもゴーストさんに護られてる。なのに、何も返せてない。。。
真木さんにも、奈月お姉ちゃんにも迷惑かけて。。。でも、みんなと一緒に生きていきたい。
そしてゴーストさんとも。。だから、、」
と、ゴーストに近寄り、真っ赤になりつつも、、、した。

そして、簡易椅子に座って恥ずかしさのあまり下を向いていると。。。。
頭を優しく撫でる手があった。

はっとゴーストを見ると、弱々しくだがこちらを見てほほ笑んでる。
ゴースト准尉「、、、よかった。無事だった。助けられてよかった。」
と話す。

それを聞いた奈美は泣き笑いの表情になり。
奈美准尉「よかった。良かったです。ゴーストさん。」
と抱き着く。

ゴースト准尉「あだただ。痛いけど、うれしい。」
と痛みに耐えながらうれしがる。

奈美准尉「あ、、、ごめんなさい。(真っ赤)司軍医長呼んできますね。」
と真っ赤になりながら逃げだすように司軍医長を呼びに行った。

司軍医長を呼びに行き、亜美戦隊長にも連絡してゴーストの元に戻る。
そこに駆け付けた真木整備班長と奈月少尉と西大尉。
司軍医長がゴーストの様子を診察する。

司軍医長「うん、意識戻ったし、大丈夫でしょう。あれれ???
おやおやおや?、ゴーストちゃんのお口に口紅が、、
奈美ちゃんもしかして、白雪姫逆バージョンしたのかな。」
とにんまり笑って問い詰める。

ゴーストは??となってごしごしと口を手でふいてついたものを見て真っ赤になって奈美を見る。

ゴースト准尉「え??これって。。」
奈美はその視線に耐えられず下を向き真っ赤になり、恥ずかしそうにしてアワアワしている。

真木は司の行動を咎め、奈月も賛同した。
真木班長「ヤブ医者、それは言わないのが花って奴だろうが。良い雰囲気が台無しだよ。」
奈月少尉「そうですよ。せっかく2人が仲良くしているのに、お酒の飲み過ぎで分からなくなりましたか?」
2人とも辛烈だった。

それを聞いた司は
司軍医長「え、、、ちょっとなんでそんな辛口なのよ、奈月ちゃんはともかく
沙奈江もいつもだったら茶化してるぐらいするのにヒドい~。」

珍しく西大尉がポンコツちっくでないw感じで口をはさむ。
西大尉「司軍医長殿?ちょっとそれはひどいと思いますぞ。真木殿これはお仕置きですよね。
馬に蹴られてなんとやらですね。」
と真木班長に言う。



真木はにやけ顔になり続ける。
真木班長「へぇ、なんだい西。"今日は"意見が合うじゃないか。さてヤブ医者、仕置きの時間だが、
どうせ逆さ吊りにしても反省しないだろうから...西、アンタは良い案があるかい?」

それを聞いて西は思案顔になるが、ニヤリとする。
西大尉「真木殿、うちのメイド服着させて、奉仕させるのはどうですか。ちょっと酒を抜いて、
心を入れ替えさせないと。」
と提案してみる。

それを聞いた真木は若干呆れ顔になりながら同意した。
真木班長「アンタの趣味か...、良いんじゃないか?やってもらおうじゃない。」

それを聞いた西は
西大尉「いや、着せたいのは奈美ちゃんとか奈月ちゃんとか落合ちゃんとか、げふんげふん。ではなく
教育の一環ですし、これは趣味ではありませんぞ。

では、持ってくるのでしばらく司軍医長殿を拘束しておいてください。」
と言って出ていく。(なぜあるのw)

変わらず呆れ顔の真木と若干引いている奈月。
真木班長「だからそう言う所を隠さないから...。とりあえず、観念しなヤブ医者。」
奈月少尉「何であんなにメイド服を着せたがるんだろう...知りたくないし、また暫く距離を置いておこう。
司さん、自業自得ですよ。」

司は絶望な顔をして
司軍医長「ちょ、、なんで私が奉仕しないといけないの~。せめてお酒は取り上げないでよ~(泣)。」
2人ににじり寄られれて逃げられない。

その後、軍医長としての仕事の合間にメイド服を着せられた司が真木の指示で整備ハンガーのモップ掛けやら
戦隊基地の中のお掃除を恥ずかしそうに、酒が吞めなくてまたもやゾンビ化してるのを1週間ほど見かけたそうなw
END