第零独立強襲戦隊興亡記~前日譚4:中国地方防衛戦~早雲家両親の最期~
中国地方の島根県沿岸部のとある海軍補給基地。
1998年7月7日ついにBETA群は対馬市へ上陸を開始した。また、天候は最悪で、超大型台風が沖縄九州地方を直撃し、
陸海軍の増援及び支援が不可能との連絡があった。
指令室の司令官席に早雲晴輝中佐(司令)は心の中では愕然としていたがそれを表に出さず、部下たちに指示を出していた。
晴輝「(上層部の馬鹿どもが、光州作戦が失敗した段階であれほど意見具申し、特に九州、西日本の即時防衛強化案を提出したが
何一つ対応せずこの有様か)。」
上層部はBETA群の本土進攻を1999年初頭と予測してた。
1998年7月7日の2日後、7月9日に九州にBETAが上陸したと同時に中国地方の島根県沿岸部にもBETA群が侵攻を開始し始めた。
ここ、晴輝が指揮する第341海軍補給基地にもBETAが散発的に攻撃を仕掛けていたが、
なんとか事前に防衛体制と民間人避難体制を策定していたため、防衛には今の所できていた。
横に座って補給や、民間人避難指示を伝達している亜紀大尉(副官)が晴輝に声をかける。
亜紀大尉「司令、補給は事前の策定の通り、7日間程度しは何とか持たせられるわ、ただ、この悪天候の影響で民間人の避難が遅れてます。
何とか遅滞戦闘を行って引き延ばさないと。」

晴輝中佐「そうだな、なんとかそこは考えて対応する。言っても仕方ないが戦術機部隊の支援が無いとな、、。」
二人とも何とか民間人を逃がすことに力を注ぎ、BETAの攻撃をしのいでいた。
場所は変わって姫路の第一防衛線の拠点基地の会議室に変わる。
亜美達は光州撤退戦の戦い時の事を評価されまた、晴輝の同期の桜である南條陸軍中将呼ばれ、異動命令にしたがい、
第17独立守備戦術機中隊(空挺部隊)の第二小隊に配属されていた。
何とか中国地方方面は天候の様子を見て少数ではあるが戦術機の支援を出すことが決定、南條中将より命令が下った。
南條中将「諸君、恐れていた事態が現実になってしまった。
九州は陥落し、我々のいる姫路を始めとした中国地方にもBETAの魔の手が迫っている。
状況は刻一刻と悪化している、今こそ我々が立ち上がり国民の盾に奮闘する時である!
...まぁありきたりな事はここまでとして、私個人として言う事は2つだ。
1つ、無駄死にはしない事。2つは、生きて帰ってくる事だ。
土地は奪われるだろうが、人が生きてさえいればチャンスはある。皆、命を無駄にしないでくれ!
以上だ。」
南條中将より訓示が終わり、戦術機部隊の中隊長より具体的な話が伝えられる。
第17独立守備戦術機中隊中隊長「現在中国地方方面は第13師団所属の第13戦術機甲部隊が2個小隊に分かれて
民間人の避難の為、防衛戦を展開している、そこに我々、第17独立守備戦術機中隊も増援部隊として出撃することとなった。
中隊主力及び第一小隊は九州側地点Aの防衛、第二小隊は地点Bの防衛を行ってもらう。
九州側地点Aには特に九州防衛戦で殿を務めた斯衛軍の独立部隊で再編された上月部隊がさらに増援として投入される。
ありがたいことだ。
地点Bについてはその先の沿岸沿いに海軍補給基地より支援要請がある為、支援をかねて行けるなら行ってほしい。
現在その海軍の補給基地は基地司令以下の奮戦により健在であるが、戦術機部隊も配備されていないため、
大規模な侵攻があればいつ陥落してもおかしくない。状況は以上だ。」

衛士たちが解散する中、第二小隊のメンバーは会議室に残る。
亜美中尉は愕然とした。BETAの侵攻する上陸地点に晴輝と亜紀の二人が指揮する補給基地があると。
それを気遣う橘副官と西少尉。
亜美中尉「皆、私は、、民間人を守るのが最優先だけど、、、両親を護りたい。」
橘副官「もちろんですよ、中隊長殿も言っておられました。行けるなら支援に行って良いと。行きましょう。」
西少尉「もちろんよ、亜美のやりたいように指揮なさい、私も付いていくわ。」
とそれぞれ亜美を気に掛ける。



とそこに、南條中将が来られる。
南條中将「失礼するよ。早雲中尉はいるかね?この後の作戦について話たい事があるのだが。
七瀬君、他の隊員達を別の所に案内してくれ。」
そう言うと、秘書官の七瀬瑠姫(ナナセ ルキ) は
七瀬秘書官「了解しました中将。申し訳ありません、皆様はこちらへお願いします。」
七瀬秘書官に誘導され橘副官と西少尉は移動する。
亜美は愕然としながらも気丈にふるまい敬礼をして南條中将に話しかける。
亜美中尉「この度は有難うございます。南條中将殿指揮下の精鋭部隊である空挺部隊に所属できるとは
本当にうれしいです。ですが、ですが。。。。」
と言いかけて止まる。
南條中将は察して、そこから先を言った。
南條中将「両親の事だろう?分かってるよ。
止めやしないさ、行ってあげなさい。
それに...本来ならいけない事だが、晴輝と亜紀さんへの無線を繋ごうとしている所だ。」
それを聞いた亜美は
亜美中尉「南條叔父様、、有難うございます。どうしても行きたいです。私は両親の基地の防衛をしたいとずうっと思っていました。
それに、無線まで。。有難うございます。うれしいです。話して良いのですか。申し訳ありません。」
とそこまで1衛士の中尉に配慮してくれる父の同期の桜の南條中将に感謝しぎこちなく笑う。
南條中将も笑う。
南條中将「ハハ、良いのさ。晴輝と亜紀さんを助けたいが為にやっている、私のわがままだよ。
さて、そろそろ通信兵が繋ぎ終える筈だが...」
そこへ、任せていたであろう通信兵が血相を変えて駆け寄ってきた。
通信兵A「南條中将!補給基地に無線が繋がりましたが、その補給基地におよそ師団数のBETAの群れが!」
その報告に、驚く南條中将。
南條中将「なんだと!直ぐに補給基地に連絡を入れるんだ!
空挺部隊を直ちに出撃させる!中尉、すぐに準備してくれ!」
それを聞いた亜美は敬礼して手短に話す。
亜美中尉「承知いたしました。南條中将殿。すぐに強化服に着替え、第二小隊隊員を集めて緊急出動いたします。」
と、一瞬考えたが一言だけ南條中将に小声で話す。
亜美中尉「南條叔父様、奈美の事をお願いいたします。妹は何か感じて力を使っている気がします。
今は直接護ってやれません。こんな事をお願いして申し訳ありません。」
と言って、頭を下げて強化服に着替えに走り出す。
南條中将「奈美をお願いしますか...亜美、君も無事で帰ってくるんだ。2人の命も大切だが、
君が死んでしまったらそれこそ奈美ちゃんに顔向け出来ん。」
亜美を見送った南條は司令部へ戻り晴輝と連絡を取る。
南條中将は、臨時に作られた司令室にある通信兵が使うディスプレイに駆けつけた。
南條中将「こちらは姫路臨時司令部、南條恭次郎中将だ!補給基地応答を!晴輝!いるんだろう!」
晴輝中佐「こちらは第341海軍補給基地の早雲中佐です。恭次郎そんな大声を出さなくても聞こえているよ。」
と少し怒り気味に答える。
南條中将「晴輝!
報告は聞いた、今増援の空挺部隊を向かわせたぞ。少し辛抱してくれ。」
怒り気味など知らず南條中将は答えた。
晴輝中佐「それは、ありがたい。だが、、基地は持たんぞ。その責任は取るが、
あれほど、恭次郎に意見具申したはずなのに、上層部は理解していなかった。
そのツケは民間人に。言っても仕方ないが。。
それでも我々は防衛に全力を注ぐ、民間人は絶対に護る。護送するから、後の事は頼むぞ。」
隣に座っている亜紀が、ふっと画面に出てまあまあ、司令、落ち着てと言いつつ、恭次郎に小さく手を振り
我ガ基地健在ナリと喋らず口を動かし、伝えて画面外に引っ込む。
南條中将「晴輝!亜紀さん!
私の力でも意見を通すのは時間がなかった...私は、友とその奥さんを救えないのか...頼む亜美ちゃん。間に合ってくれ...。」
そう言われ、コンソールを強く叩く事しか南條中将は出来なかった。
南條中将「防衛線に展開中の部隊に最優先で伝えろ。補給基地から民間人が護送される、なんとしてもBETA共に指一本触れさせるなと。」
通信兵A「了解しました!」
晴輝中佐「、、、すまんな。お前のせいではないな。俺の愚痴だ。忘れてくれ。
?亜美が来るのか?そうか、それまで持たせたいな。亜美は俺の基地の防衛をしたいと言ってた。
陸軍に入隊したから会える機会は減ったがそれでも嬉しかった。うん。がんばるよ。恭次郎。
陸に上がってもやることは変わらんからな。すまん、そろそろ指揮に集中するよ。あとは任せたぞ。同期の桜の友よ。」
と敬礼して画面を切る。
南條中将「任せておけ、その為に中将の椅子に座ってるんだからな。
同期の桜の友よ...次会うのが靖国なのは御免だぞ...!」
そして、基地の滑走路にて。
第17独立守備戦術機中隊空挺輸送機部隊長「これより緊急発進する、戦術機部隊の中隊主力と第一小隊は地点Aへ降下させて
第二小隊は地点Bへ降下させる。全機発進せよ。」
戦術機に乗り込み、亜美は輸送機にそのまま乗り込む。
両親が無事でありますようにと祈りつつ。そしてそのまま輸送機部隊は全機発進する。
途中何事もなく地点Bに到着。
第17独立守備戦術機中隊空挺輸送機第二小隊機隊長「これより戦術機第二小隊を降下させる、早雲小隊長、グットラック。(敬礼)」
亜美中尉「ここまで有難うございました。(敬礼)、小隊各位、全機空挺降下を行う、行くぞ。」
西少尉以下全員「了解!!」
ふわっと、輸送機から切り離され、戦術機が降下する。
そして、その光景を見ていた甲本凜中尉。
凜中尉「こちらブラックキャット1、増援は聞いて無いが?!」

1個小隊が降下してくる。
亜美中尉「こちらシルバーフォックス1、早雲中尉です。第17独立守備戦術機中隊第二小隊、増援としてきました。
地点Aには中隊主力と第一小隊が行っています。共同でBETAを押し返しましょう。」

凜中尉「こちら第13戦術機甲中隊中隊長、甲本凛中尉です。
地点Bの部隊は指揮系統が壊滅現在は、わたしが指揮をとり立て直しをはかっているがここはもうもたない。
避難を優先、時間を稼ぎ、我々も撤退する。援軍は無いと聞いていましたが、、。」
それに対して亜美は答える。
亜美中尉「姫路に展開してる南條中将司令官が急遽支援部隊を出してくれたのです。
空挺部隊なら何とか行けると考えて、我々は出来れば、沿岸部の第341海軍補給基地まで行く予定ですが
まずは民間人の避難優先ですね、協力します。我々は右翼方面に展開して、BETAを迎撃します。甲本中尉は左翼方面をお願いします。」
と答える。
凜中尉「了解!地獄に仏です。341海軍補給基地までの進路確保します。
ブラックキャット1より第13中隊各機、やっと運がむいてきたよ!、左翼からつっこむ!ついてきな!」
こうして亜美と凜は共闘しながらBETAを排除していく。
また第341海軍補給基地も健在なようで、BETAのうち漏らしや地点Bへの侵攻は今の所、多くはなかった。だが。。。
その頃の第341海軍補給基地。
戦況は悪化していく一方、そして基地周辺に設置した地雷原等の罠、防衛用に設置した砲の弾薬も底をつき始める。
指揮しながら考えている晴輝。
晴輝中佐「、、、(あと一手、民間人を全員避難させるまで持たせることはできないのか、何か手が欲しい。)。」
ふと、隣を見ると、亜紀がいない。ヘッドセットが、置いてある。
その思いをくみ取った副官の亜紀が通信を晴輝につなげる。
亜紀大尉「司令、私が1機ある戦術機で遅滞戦闘を継続させますわ。今、強化服に着替えて何とか戦術機に乗り込めました。」
驚く晴輝。
晴輝「亜紀、お前、、、今の状態で動かすのは、危険すぎる。体がもたないぞ。戻ってこい。」
亜紀「このままでは民間人退避完了前に基地は持ちません。大丈夫よ、砲撃部隊と連携して何とかします。
私だって元戦術機乗りの衛士です。」
晴輝「しかし、、、(それしかないか)、、すまん、頼む。時間を稼いでくれ。」
亜紀「了解したわ。シルバーフォックス3出る。」
と亜紀は出撃し、砲撃部隊と連携しBETAを食い止める。

その間に民間人の退避は完了した。
だかもう基地は陥落寸前、晴輝は部下たちに命令する。
晴輝「ここまでよく戦ってくれた。民間人に被害もなく後方に送れた。皆のおかげだ。
戦闘はここまで。全員後退せよ。」
基地副司令「司令と副官も一緒に。。」
それに対して晴輝は首を振る。
晴輝「最後の爆破は手動でやるのが確実だ。それに基地陥落の責任も取らねば。あとは任せてくれ。
副司令、撤退の指揮を任せる。
兵達を皆速やかに姫路に後退させ、事後の戦力を整えてくれ。頼む。」
それを聞いた副司令は涙し、敬礼しつつ答える。
基地副司令「承知しました。あとはお任せを。(敬礼)全員撤退だ、速やかに車両に全員乗り後退する。一人も残すな。」
と言って去っていく。
そこに亜紀が足を引きずりながら、血だらけになりながら戻ってくる。
晴輝がそれに気が付いて、心配しながら支えて隣の副官席に座らせる。
晴輝「すまん、助かった。これで民間人は全員後送できたし、部下も避難させた。
亜紀すまんな、あとは、、、心残りは亜美と奈美に最期に会いたかったが。
そしてこの先も見守ってあげたかったが、ここまでか。。」
亜紀は腹の出血を抑えつつそれに答える。
亜紀「そうね。。残念だけど、あとは二人に任せましょう。きっと仲間と共にBETAを殲滅してくれるわ。
その未来を見ることはできないけど。私はあなたと出会えて、よかったわ。最期も一緒よ。」
と恋人がするように手を重ねて答える。
最期に家族写真を二人で見る。。。

そこに基地内部まで侵入したBETAが指令室までなだれ込んでくる。
晴輝「そうだな、亜紀有難う。亜美、奈美。すまん私たちはこれまでのようだ。。。あとは頼む。」
と起爆用の自爆ボタンを押す。
ひときわ大きな大爆発が基地に起こり、BETAが巻き込まれほとんどが殲滅されるが、一部が地点Bへ侵攻する。
場所は変わって姫路の臨時医療センター。そこには傷ついた衛士や兵士たち、そして民間人が続々と運ばれてくる。
そこには司軍医がせわしなく、いつもの一升瓶は持っておらず、しらふでキビキビ指示を出している姿が見える。
そこで奈美は急遽衛生科へ臨時配属され傷ついた人たちの介抱を行っていた。
泣きそうになりながら助けられなかった衛士の最期を看取ったり、重症な民間人の手術の手伝いなど。
同僚に言われ、一休憩で床に座る。
その時であった。
奈美准尉「???頭が痛い。??お父さん?、お母さん?え、何が、、、そんな。。。」
嗚咽をこらえつつ泣く。そして、亜美の悲痛な叫びが聞こえる。
奈美准尉「え、亜美姉さん、駄目です。一人で。亜美姉さんまでも逝ってしまったら私、もう生きていけない。
奈美はふらふらになりつつも意識を集中して亜美の元へ思念体を飛ばす。
地点Bにもその大爆発の音は響き、亜美に両親の言葉が聞こえる。
亜美中尉「、、、、お父さん、お母さん、、なんで、、助けられなかった。(泣)私は、、無能なの。
助けたい人たちを誰一人助けられないなんて。。。」
そこに基地を抜けてきたBETAの大隊規模が迫ってくる。
亜美中尉「、、、許せない、BETAどもめ、私は許さない。」
と両親の最期を知って、発狂してそのBETAの集団に吶喊する。
橘副官「亜美、駄目です。戻って。ああ、もう見えなくなる。仕方ない。私は連れ戻してきます。
甲本中尉民間人を護衛して後退してください。余力があったら戻ってきてくれると助かります。
西少尉も甲本中尉の指示に従って、民間人護衛をお願いします。」
と話す。
凜中尉「ここで単独は危険です。戻るまでとどまります。」
だがしかし、橘副官の声もむなしく、亜美の姿はBETAの集団の中に消える。
とそこに、凜大尉の横に白い気配が現れ、頭の中に直接声が聞こえた。
??「(亜美姉さんは私が止めます。ですので、一旦民間人を護送してください。
そして武器弾薬を補充して戻ってきてください。お願いです。亜美姉さんを助けて。)」
とだれかがささやく。

??「(驚かせてごめんなさい、お願い、撤退してください。)」
とだれかがささやく。
そこに橘副官が答える。
橘副官「こちらも声が聞こえました。その方は知ってる方です。幽霊ではないので大丈夫ですよ。
甲本中尉、撤退の指揮をお願いします。無念ですが、一度戻るしか、武器弾薬等も補充しなければ。」
と話す。
凜中尉「り、了解です!ブラックキャット1より中隊各機。
これより、前線臨時補給拠点に撤退する。あたしがしんがりやるからね!
よろしく!」
西少尉「残念だけど後退か、亜美、死ぬなよ。ブラックキャット1、甲本殿、後ろは任せて。私がカバーする。」
と答える。
こうして民間人に被害を出さずに後退する。
その頃、亜美は発狂して、バーサーカーモードになっていた。泣きながらBETAを銃弾を叩き込み、切り刻み倒していく。
亜美中尉「許さない、たとえこの身が滅びてもお前たちを殲滅する。」
と戦い続ける。突撃砲の弾が尽きても長刀を使ってBETA達を叩き潰す。
死ぬまで戦い続けると思った。瞬間。
奈美の思念体が現れて、亜美を包み込む。
奈美准尉「亜美姉さん、お願い。死なないで。亜美姉さんまで死んでしまったら私、、生きていけない。
お願い、止まって。。こんなの嫌。亜美姉さん。。(泣)」
と抱き着き泣きながら発狂状態を鎮める。

亜美中尉「、、、奈美、貴女また、力を。ごめんなさい。もう大丈夫よ、だから戻って。」
泣きながら伝える亜美。
そして奈美もほほ笑みながら伝える。
奈美准尉「良かった。良かったです。ちゃんと皆さんと戻ってきて、う。頭が、、、痛。」
そこで、奈美の思念体が消える。
亜美中尉「奈美、奈美。どうしよう、奈美の気配がない。心の声も聞こえない。私、どうすれば。」
と混乱しそうになりながらも後退しながら戦闘を続行する。
姫路の臨時医療センターにて
奈美がそのまま、ふらっと横に倒れる。見知った同僚が慌ててて奈美に駆けよる。
同僚看護兵「奈美准尉、どうしたの。まさかあの時と同じ事が、すぐにストレッチャー準備、先生。誰かお願いします。」
さすがに3回も(九州防衛戦の真木大尉とその脱出後の奈月少尉を助けた)短期間に能力を乱発してしまい倒れる。
臨時医療センターの現状を見に来た南條中将は、奈美が倒れるのを丁度発見し駆け寄る。
南條中将「奈美ちゃん!おいしっかりするんだ!」
その声に、伴っていた七瀬秘書官も駆けつける。
七瀬秘書官「中将!そろそろ...奈美さん?気絶しているだけみたいですが...。」
南條中将「とにかく奈美ちゃんを横にさせようか。」
(奈美が突然気絶したのは恐らく能力を使ったからだろう...。)
南條中将は奈美の気絶したのは、能力を使ったのだと推測し、簡易ベッドに運びながら考え、寝かせた時に結論を出した。
南條中将「まさか晴輝、亜紀さん...そうなのか...?」
七瀬秘書官「中将?どうされたのです?とにかく指揮に戻りましょう?」
そして前線臨時補給拠点側に。
凜中尉達はその後前線臨時補給拠点にて弾薬等を補充し、民間人を後送してもらい
すぐに亜美の捜索に向かう、地点Bより先に進んだ場所で、BETAの残骸が多数見つかる地点で、ボロボロになった戦術機が1機見つかる。
凜中尉「ブラックキャット1より、シルバーフォックス1。応答願います。早雲中尉、大丈夫ですか?」
それに応答する亜美。
亜美中尉「、、、はぁ、はぁ。何とか、危なく、頭に血が上りすぎて、、戦死する所だった。。妹に感謝しなければ。
、、凜中尉お願いがあります。私は両親の基地に行きたい。。。一緒に来てもらえますか。せめて、遺体だけでも連れて帰りたい。。」
と話す。
凜中尉「了解です。もとより援軍がなければ全滅でした。行きましょう。」
亜美中尉「有難うございます。ではお願いします。」
と全員で、第341海軍補給基地へ行く。途中散発的にBETAに遭遇するも数は少なく基地へ到着する。
だが、、あたり一面、がれきの山と化している基地。。。
それを絶望な表情で探す亜美。
亜美中尉「どこ?、お父さん、お母さん。」
と泣きながら探す。
凜中尉「亜美中尉、、、このままでは、隊が危険です。撤退しましょう、、。」
と伝える。
と、その時がれきの中に、キラっと光るものを見つける。何か両親の残留思念があるように思える亜美。
戦術機でがれきをかき分け、それを見つけて降りてそれを掴み取る。
それは、なんと両親のドックタグで有った。ちぎれて半分ずつぐらいがなくなっていたが、、両親の名前が刻まれている。
亜美「お父さん、お母さん。。これしか見つけられないの。。」
と咽び泣く。

とそこに通信が入る。
通信兵「第341海軍補給基地近辺の沿岸部に師団以上の複数のBETA群の上陸を確認、
また九州方面より山口方面へ侵攻しているBETA群も止められません。
中国地方からは全部隊撤退せよ、これは上級司令部よりの命令である。」
と言ってくる。
こうして泣く泣く亜美達は姫路に戻った。
姫路に戻れた2部隊の戦術機部隊は凜中尉達側の第13戦術機甲中隊は地点B防衛部隊と
亜美達側の第17独立守備戦術機中隊は第二小隊のみであった。
凜中尉とは部隊が違うのでそのまま別れた。
BETAの血に染まった衛士強化服のまま、亜美は部下を解散させ、ふらふらとよろめきながら南條中将の元へ出頭する。
そこには心配した三芳中将も駆けつけていた。
亜美中尉「、、、ただいま帰還しました。申し訳ありません、私は、、両親も助けられず、、何もできませんでした。(泣)
私は、、私は。。両親の遺体も回収できませんでした。これしか。」
と大事そうにしまっていた両親の千切れたドックタグを南條中将に泣きながら見せる。
ドックタグを見た南條中将は、奈美を寝かせた時に予測した最悪の展開が当たった事を内心悔み、亜美に言う。
南條中将「ご苦労中尉...戦友を援護し、本来の任務を全う出来た。何も出来なかったんじゃない、胸を張れるんだ。」
陸軍中将としての言葉を紡ごうとしたが、結局南條恭次郎として話した。
それに続けて話す三芳中将
三芳中将「そうだぞ、南條の言う通りだ。中国地方の防衛部隊を護ったんだろ。
それだけでも十分だ。聞いたぞ、一人でかなりの数のBETAを相手にして民間人を護ったんだろ。
それは私達に変わって、十分な働きだったんだぞ。」
と亜美に声をかける。
亜美は泣き崩れる。
亜美中尉「でも、、、一番護りたい人を護れなかった。私は無力です。。権限が欲しい。
南條叔父様、三芳叔父様、私、、仲間を、戦友達を、そして民間人を護れる部隊を作りたい。
お願いします。私に力をください。」
と話す。
南條中将「私達は人だ。唯のちっぽけな人間なんだ...神様でもなんでもない...。
2人を救えなかったと嘆くのは亜美ちゃん、君だけじゃないさ。
私だって、中将と言う椅子がこれほど無力である事を知ったよ。
亜美ちゃんの部隊か...分かった。手伝おう、私が出来る全てを使おうじゃないか。」
三芳中将もうなずく。
三芳中将「そうだな、俺も手伝うぞ。司法系は任せてくれ、それに知り合いには声をかけておく。人材は最低限は
確保できるように手配しておくよ。」
亜美は感謝する。
亜美中尉「叔父様方。。。有難うございます、私はもう誰も失いたくないです。だから、もっと強くなってみます。」
とそれを言い終わった瞬間、激戦だった緊張から解き放されバタリと倒れて、泣きながら寝落ちする。
南條中将は亜美の近くにより、寝ている事を確認すると胸を撫で下ろす。
南條中将「お疲れ様、亜美ちゃん。今はゆっくり寝てくれよ...。
隆文、晴輝は、満足して逝けたのだろうか...アイツこそ帝国に必要な人間だろうに...。
これから忙しくなりそうだ。」
亜美の状態を聞いて三芳中将も安心した。
三芳中将「そうだな、あいつは海軍の護衛艦隊司令として得難い人材だったはずだ。
それなのに、、、だが姉妹をほおっておくことなどできなかった。二人は姉妹を護ったのだ。
受け継ぐぞ、晴輝たちの思い。
さて、私は行くよ、時間が欲しい。亜美中尉はまずは大尉に推薦する。そして人材集めだ。
私にできる事をこの後迅速に行っていくぞ。」
南條中将「機体や施設等は任せてくれ。人材も当たってみよう。新設独立部隊の承認は、私が責任持って首を縦に振らせるさ。
もしかしたら、帝国軍内で近々大きな異動があるかも知れんからな...。」
(亜美ちゃんの独立部隊を作るためにも、目障りな連中を間引くタイミングだな。)
それを聞いた三芳中将は頼むぞ、と言って自分の基地へ帰って行く。
晴輝と亜紀はもういない、二人は姉妹を受け継いで見守ると固く誓い、それぞれ権限を使い、
亜美の独立部隊を創設するために動き始めた。
END
あとがき。
ようやく中国地方防衛戦まで本編が出来上がりました。
今回Twitterで知り合ったニックさんのキャラとストーリーとコラボしております。
ニックさん((1) ニック(@warattenickmail)さん / Twitter )
素敵な絵とストーリーです。
ニックさん側のストーリーはTwitter側でマブラヴ1998(第零話?宣伝) と 『マブラヴ1998』で検索すると出てきます。
そちらもどうぞ見てあげてくだされ。
※今回ゴースト側の中国地方防衛戦を書くにあたって、ニックさん側の挿入絵を許可をいただいて使わせていただいております。
絵心無いゴーストにとって大変助かりました。有難うございました。m(__)m






