第零独立強襲戦隊興亡記~前日譚2-2:光州避難民護衛撤退作戦~新たな出会いと助けられなかった仲間~

国連軍主導により指令があり光州市より鉄道等を使って約1時30分程度右側方面の少し南に位置する無等山の光州市側に展開する。
アジア連合軍1小隊と米軍1小隊の混成部隊。
ここに亜美達日本帝国軍大陸派遣部隊として2個小隊が派遣されていた。

亜美たちはここから光州方面の右側からBETAの部隊を迎撃をするために、山の麓で待機していた。
(右側はこの先山脈が多く、さすがにBETAも来ないとの上級司令部の意見であり、最右翼として展開していた)
今は夜、ちょうど2時頃で有った。各前線は予断を許さず、後方の避難民の移動はあまり芳しくないようだ。

第二小隊の小隊長で有る亜美中尉(小隊長拝命の為、昇格)はどうにも胸騒ぎがしていた。
亜美中尉「(嫌な予感がする、どうも首脳部はこれより右翼にはBETAは確認していないと言っているが、、)」
そこにゴースト達下士官が小隊内通信を繋げて意見具申する。

ゴースト軍曹「小隊長殿、どうもBETAによる側面奇襲があり得る気がします。
絶対とは言えませんが、、、そんな勘が。。信じられないと思いますが。。」
サラマンダー軍曹「こいつの夜戦時の勘はあてになりますよ。これで逆に演習で奇襲がよくできましたからね。」
井上軍曹「そうです、一応これでも兵上がりですからね。レーダー等の索敵関連に頼らない戦いができます。」

亜美の予感は下士官達の勘も併せて危険と判断。
亜美中尉「解った。混成部隊でもあるし、まずは中隊長に報告を上げてくる。」

だが、その答えは、事前の索敵結果ではその方面からのBETAの進行はないとのこと、あくまで光州市街目指して左翼、中央側であると。
それ以上は迷惑とでも言いたげに通信を切られる。
曇った顔つきで、通信を小隊内に切り替える。
ゴースト軍曹「その様子では、混成部隊全体には中隊長は何もしないとの事ですね。」

亜美中尉「だが、もう、時間もない、どうすべきか。。。」
そこに長身の男性が入る、士官学校の同期生である橘少尉であった。

彼は亜美中尉のパートナーで計画立案や、部隊運営が得意でまた部隊間の連携も行い、他部隊との情報交換も積極に行い交流ができる得難い人材であった。


橘少尉「早雲小隊長、ここは一つ私と西少尉に任せてもらえませんか。すぐに調整します。西少尉?米軍側お願いできますか?」
呼ばれた西少尉、彼女は亜美と士官学校同期生で有り主席卒業、西家の分家ではあるが男爵の称号がある。
周りからは女男爵(バロネス)と呼ばれている。片方の目を日本刀の鍔で覆って仕立ての良い軍服を着ている。
なぜか亜美の事を気に入り日本の首脳部の連中は気に食わん、私は衛士になって、亜美についていくと。
長刀2本使いで、前線を無理やり切り開いて行くのが得意。
西少尉「了解、米軍は任せてくれていいわよ。知り合いも多いし。」


 

とその通信を行っている真っ最中にBETAが山側より突如出現する。
各部隊奇襲を受け、日本帝国軍は奇襲をもろに食らった中隊長以下第一小隊全滅、
アジア連合軍は被害甚大でかろうじて3機程度、米軍は3分の1の被害が出ていた。

そこに後方の避難民を護る歩兵部隊から悲鳴な支援要請(前編でいた新兵主計課二等兵がいる部隊)が入る。
現在は国連軍基地防衛の任を命令を破って彩峰中将の直属の部隊所属である弥栄冬人中尉が自分の小隊を率いてなんとか防いでいると。

このころから前線がBETAの奇襲により穴が開きここにも多数BETAが来るとの情報が入る。
そして、上級司令部から指令が来るが光州市にある国連基地防衛を強化する為、撤退せよと。
が、さらに日本帝国軍の総司令官彩峰中将からは避難民護衛を優先する指令が来ている。

亜美は今現在、BETAの少ないとは言え散発的な侵攻が有りこの2系統の命令に迷っていたが、
ふとその時士官学校時代に彩峰中将が来校されて訓示をされていた内容を思い出す。
彩峰萩閣「人は国のためにできる事を成すべきである。そして国は人のためにできる事を成すべきである」
と、ならば私達がすべき事は。。。

亜美「我々は彩峰中将の指令に従い避難民の支援に向かう。だが国連軍基地防衛が正規の指令であるので
米軍とアジア連合軍部隊は光州基地へ行ってください。」
と各指揮官に伝える。その協議により米軍とアジア連合軍は光州基地へ移動していく。

亜美「すまない。皆の意見も聞かずに決めてしまった。だが軍人として、民間人は護りたい。」
各自、もちろん亜美の命令についていくと言う。

亜美「皆、有難う、しかしこの戦力では。どうするべきか。」
ここの防衛もしないと背後が危うい、作戦を考えるが戦術機の数が足りない。その時であった。
見慣れない機体と陽炎の2機がこちらに来る。
ゴースト軍曹「?瑞鶴だと、え?もしかして斯衛部隊か。なぜこんな所に。」

さっそうと現れる、日本帝国斯衛部隊。通信が入る。
日本帝国斯衛軍大陸派遣部隊『第三独立守備戦術機中隊』通称:真木部隊

 

 

その真木大尉から通信が入る。
真木大尉「こちら日本帝国斯衛軍第三独立戦術機中隊、中隊長の真木沙奈江大尉だ。
少ない数でよく持ち堪えたね!後はアタシ達中隊が此処を抑える!国連基地防衛の為に撤退しな!」
そう言いながら、真木大尉の乗る黒い瑞鶴は両手に持っている長刀を巧みに使い向かって来る戦車級を薙ぎ払う。

亜美中尉「斯衛?こんな前線に来てくれるとは。。こちらは陸軍第302臨時混成戦術機中隊所属の早雲中尉です。
斯衛の支援に感謝いたします。我々は、、申し訳ありません、撤退は致しません。後方にある和順駅で避難民が襲われているとの事で
戦術機1個小隊が独断で防戦しているのですが持ちそうもありません。我々も支援に向かいたいです。 」

真木大尉「なるほど、行って構わないよ。責任を問われたらアタシが命令したって言いな。
それに、そろそろ後続のアタシの部下が追い付く。抑えるぐらい屁でもないさ!代わりと言ってはなんだが、
そこの陽炎を一緒に連れて行ってくれないか?原隊と逸れたみたいでよ。」

亜美はそちらを見ると、動きは少しぎこちなさを感じるが的確に突撃砲の弾丸をBEATの群に撃ち込み、

撃破する陽炎の姿があった。
亜美中尉「有難うございます。しかしこれは私の意志ですので、責任を持ちます。私も指揮官なので。
しかし、この陽炎の衛士、なかなかやる。機体制御の対応がうまくできて仲間と連携が取れるなら

この先もうまく生き残れそうですね。
承知しました。陽炎の衛士は臨時で私の小隊に異動してもらう。よろしく頼む。(気さくに話す)。」

奈月少尉「は、はい!日本帝国軍所属 コールサイン ハウル4!弥栄奈月少尉であります!
よよ、宜しくお願いします早雲中尉殿!。」
未だに緊張しているのか、辿々しく応えた。

真木大尉「感謝する早雲中尉、ハウル4!良かったな!アタシは此処で別れるよ。」
奈月少尉「は、はい!こ、ここまで連れて来て頂き、ありがとうございます大尉殿!」

真木大尉「良いのさ、それにこれが初陣なのに良く頑張った!既に死の8分は超えている。アンタは将来有望だよ!
さっ、話している暇はないよ!そこの帝国陸軍部隊と避難民を守るんだ!。」
奈月少尉「分かりました大尉殿...ご武運を!。」

とそこに、真木大尉の横に戦術機を寄せる西少尉。真木大尉の死角を護るように。
西少尉「亜美、すまない。私はここで貴官達の後背を大尉殿と守るわ。
大尉殿よろしくて?、貴方の戦い方に興味があります。私も長刀2本使いでしてね。お供したいです。」
片目で不敵な笑みを浮かべる西少尉。

真木大尉「良い度胸だ、着いてきな。
斯衛の名は伊達や酔狂じゃない事、その目に焼き付けるんだね!」
西少尉「はい、大尉殿、斯衛の力見せていただきますわ。<(`・ω・´)」

亜美中尉「では、あとは宜しくお願いいたします。大尉殿、西少尉<(`・ω・´)。
302臨時混成戦術機中隊はこれより避難民護衛の為、速やかに和順駅へ移動します。
私が先頭で単縦陣にて全周囲警戒。仲間を、避難民を一人でも多く助ける。」
小隊指揮下の全員「了解。<(`・ω・´)。」

移動中に、亜美は気になっていた事が有った、弥栄少尉?同じ苗字。こんな偶然があるのかと。
個別通信で奈月少尉に話す。
亜美中尉「弥栄少尉、少し気になった事を伝える。貴官には兄がいるのか、実は先ほど話していた独断で動いている
戦術機部隊の小隊長は弥栄中尉と言う方らしいのだが。。」

奈月少尉「兄さんの部隊が...!
あっ、すみません...今動いている部隊の弥栄冬人中尉は私の兄です。
私の部隊も兄の部隊の救援に行こうとしたんですが、途中でBEATに襲撃されて散り散りに...。」
亜美は心の中で、これは、、一緒に連れていくべきではなかったかと思いつつ。
亜美「そうか、では兄にいいところを見せてあげなければな。」
と答えて、速やかに和順駅へ移動に注力した。

その頃の和順駅
かなりの数のBETAが兵士級、闘士級、戦車級がなだれ込んできている。
まだ民間人には被害が出ていないが、戦術機は弥栄中尉一人となり、彼の機体もまた手足をもぎ取られ、喰われて半壊している。
歩兵部隊も応戦しているが、もうもたない。
主計課新兵の二等兵は泣きながらガタガタ震えながら、慣れない銃を持って戦っていた。
(誰か助けて、、嫌、私ここで死ぬの。。亜美さん。。中尉さんは無事なの。。)

弥栄中尉「もう、無理だ全員避難民と共に逃げろ。」
その機体のコックピットに迫る戦車級。ガリガリ喰らいつくすようにコックピットをこじ開ける。
弥栄中尉「ごめん父さん、母さん、奈月。俺は帰れそうにない...達者でな...。」
弥栄中尉戦死。

そして、戦術機に群がっていたBETAは次に歩兵部隊に狙いを定めて、遅いかかる。
主計課新兵の二等兵「いや、嫌あ、来ないで。来ないで。」
必死に防戦するが、、、ガブり、ガブりと体が喰われていく。。

そんな状況な所に亜美達は追いつく。
亜美中尉「、、、間に合わなかったのか。止めろ、ふざけるな。赦さない。。」


震えながら、亜美は怒り狂う、その思念がBETAに届いたのか、歩兵部隊を喰らっていたのが突如こちらにくる。
それを前に出て迎撃する。
だかそれは避難民の方に行かないのは被害を出さずにせん滅できるチャンスでもあった。

橘副官「小隊長、前に出すぎです。、全機小隊長を中心にこちらに来るBETAをせん滅する。」

30分後、何とかBETAをせん滅し避難民を護衛し後方に撤退することが出来たが、国連軍の光州基地は陥落。
和順駅にいた避難民を護衛していた帝国軍は全滅に近い被害を出した。

奈月少尉「嘘...嘘だ...起きてよ、起きてよ兄さん...
うぅ...私のせいだ。私が、私がはぐれたせいで...あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
泣いて、兄の遺体に縋りつく奈月少尉、それを見ていた亜美。
亜美中尉「申し訳ない。少尉、私の判断が遅く、こんなことになってしました。それにあの二等兵も、、護ると約束していたのに。
責任は私にあります。責めるならそれは私を。」
とそして左手のこぶしは爪がめり込み血が出るほど握りしてめいた。
亜美中尉「(私は無力だ、階級を上げて、、私の判断で部隊を動かして民間人を護りたい。)」
そう、心に決めた亜美であったが、ふと奈月少尉が何か死ぬことを考えているのが心に聞こえてくる。

奈月少尉「中尉は悪くないんです私が悪いんです...。私なんて、私なんて...いない方がいいんだ...。」
床に落ちていた兵士が使っていた拳銃を拾い上げて、こめかみに銃口を当てる。
奈月少尉「兄さん、今行くよ...。」

とっさに、亜美は拳銃の向きを変えその銃弾は亜美の肩に当たる。そしてそれを取り上げ、抱きかかえる。
亜美「ぐぅ。奈月少尉。自分を責めないで、これは私の指揮が悪かったんだ。だから、、、。自分を責めないで。
それに、お兄さんをここに置いていくのか。せめて故郷に返してあげなければ。。」
奈月少尉「中尉...ありがとう...ありがとうございます...」
奈月少尉は涙を流しながらも感謝を伝えた。

こうして避難民は守りきることが出来たが後味の悪い光州作戦が終わり、亜美達は日本に撤退することとなった。
END