出雲作戦終了後、真木は実家で謹慎となり、ことの顛末から戦隊、特に整備班の士気は
ガタ落ちになっていた。その最中の話。

夜、奈月とゴーストは、他の隊員に見つからないようにこっそり白髪になった奈美を隠して司軍医長の所に行こうとする。

ただそこは整備班ハンガーの通りを行くしかなかった。
ゴースト准尉「、、、どうしよう。ここだけは見られてしまう。
あからさますぎるよなあ。奈月さん奈美さんこのまま髪を隠して通るのは、間違いなくバレますよね。」



そう呟く背後から声が聞こえた。
菊間整備兵「おやおや、奈美准尉はいつの間に髪を染められたんですかな?。」
振り返ると其処には戦隊の防諜を司る1人、菊間が壁に寄り掛かりメガネを拭いていた。

ガタっと反応したゴースト。
ゴースト准尉「(油断していたわけではないが、、バレてる。)
菊間整備兵。このとこはお宅のお上に話されるのですか。。
それならば自分は、、、。」
と軍刀に手をかける。

奈美が慌ててその手に優しく手を重ね止める。
奈美准尉「、、、駄目です。いいのです。もう、私は。」
と諦めた表情で言う。



菊間整備兵「ハハハ、其処ら辺は安心して下さい。
南條中将と私の飼い主の話し合いで其処に着いて、報告しないと決まってますので。」

油断なく菊間の目を見て答える。
ゴースト准尉「、、、ならば、助けてもらえるのですか。」
と軍刀より手を放し奈美の手を握りしめる。

菊間整備兵「具体的に何が起きているのか挙げていただければの話ですな。
どう助けて欲しいのか。あと、私を信用してないのは合格です。
私は所詮諜報員、安易に信じてはいけませんよ。」

ゴースト准尉「、、、ここは見逃してほしいであります。
それと、整備兵達に気づかれないように配慮してほしいです。
それでも、そういっていただける貴官を信用したい。
ですが、万が一の時はすべてを捨てて護ります。」

奈美准尉「、、、菊間さんいつもありがとうございます。」
とほっとし優しく微笑む。

菊間整備兵「なるほど...今私は眼鏡を外していますので誰が目の前にいるか分かりませんね。
あぁ、姉御の居ない間に色々やって置かねばですから、今から整備班総出でオーバーホールを始めないと...。」
そんな知らないふりを突然し始め、整備班達の方へ向かった。

奈美は最敬礼でその後ろ姿に頭を下げる。
ゴースト准尉「今のうちに行きましょう。
奈月さん助かったでいいのでしょうか。。」
と菊間の本心がどこにあるのか、困惑しつつ言う。

奈月中尉「お、恐らく...あの人を分かるためには奈美みたいに人の心を読めないとじゃないかな?。」
奈月も困惑していた。



奈美准尉「、、、あれは菊間さんの本心ですよ。ありがたいことです。」
菊間の暖かい行動に優しく微笑む。

と3人は話してその場を移動する。

そして戦隊の医務室へ向かう。
ゴースト准尉「司軍医長、ちょっとお人払いを。」

診察室で一杯どころじゃなくひっかけている司軍医長。
司軍医長「なぁに~、今日の診察終わったんだけど?
奈月ちゃんもいるの?よしみんなで呑もう。飲まなきゃやってらん。
小うるさい沙奈江もいないし。」
真木が居なくなり寂しいのか空元気で言う。



十七夜月(かのう)中尉「またもう軍医長殿、少しは控えてください。
、、、(察して)私はこれで引き上げますからね。また明日では。」
と頭を制服で隠した奈美をちらっと見つつも何も見てない様子で
出ていく。



診察室から出て行った看護師長の中尉に感謝しつつゴーストが奈美を司の前に出す。
司軍医長「?なに上着でどうして隠してうん?白い髪、あれ奈美ちゃん?」
とびっくりする。

ゴースト准尉「、、、これ何とかなりませんか?」

司軍医長「、、、染めるしかないんじゃない(・・;)。
あ、お酒呑めばもとに(;^ω^)」
とちょっと困った反応を見せる。

直後、奈月は司をどついた。
奈月中尉「ふざけてないで何か考えて下さいヤブ医者。それとも...2、3発行っておきます?」
徐にホルスターから拳銃を引き抜いて和かに言った。目は笑ってなかった。

痛そうにして答える司。
司軍医長「ちょ、奈月ちゃん痛い。冗談だからって。ふう。本当に沙奈江にそっくりな行動して。
悪いけど、これは私には無理よ。ほんと染めるぐらいしかできないわ。」
と答える。。

諦めた顔つきで言う奈美
奈美准尉「奈月お姉ちゃん、仕方ないです。司軍医長さんは冗談で気をそらしてくれようとしたのです。
だから抑えてください。私が。ごめんなさい。」
と項垂れる。

ゴースト准尉「、、、しかし。ではどうすれば。」

途方に暮れてると、ドアをたたく音がして紫音が中に声をかける。
橘副官「すみません、ちょっとお人払いで見て欲しいことが緊急であります。」
と普段はおっとりしている紫音が焦っている感じがする。



奈月中尉「何故ですか?奈美の髪の色と関係があるので?」

司軍医長「うん、そんな気がする。どうもこれはちょっと私の分野を超えてるよ。

と、、、奈月ちゃん入れてあげて。」

奈月は拳銃をホルスターに納め、ドアを開ける

奈月中尉「どうぞ橘さん。」

ドアが開いてすぐに紫音が入る。
誰かを抱きかかえている。こちらも
フード付きの外套を被せていた。

入ってすぐに奈美に気が付き抱きかかえる。
奈美准尉「え、あ。亜美姉さん?」

フードがハラりとめくれて顔が見えた。
髪は同じく白髪になっていた。

ゴースト准尉「え?あれ戦隊長も?なんで。」

奈月中尉「姉さん...確かに奈美が白髪になるなら、可能性はあるわけだね...」

奈月は驚かず、むしろ納得していた。

橘副官「執務中に急に苦しみだして。奈美准尉が苦しんで泣いていると言ってこうなりました。」

亜美戦隊長「、、、ごめんね。奈美。真木さんの思いを貴方一人に向けさせてしまた。」
と悔やんでいるように抱きしめて頭をなでる。



首を振る奈美。
奈美准尉「いえ、むしろ私が、心を痛めてしまってこうなってしまったから
リンクして亜美姉さんまで。私達ここに居ていいのでしょうか。」
困った顔をする奈美。

亜美戦隊長「、、、そうね。皆と一緒に居たい。でもこのままではここには居られないわね。
奈月達まで敵性を疑われる。」
と考えている。

橘副官「、、、それでも一緒にいますよ。たとえ場所が違ったとしても。」

ゴースト准尉「司軍医長殿。ほんと何とかなりません?。」

司軍医長「だから、それを含めて私にはどうにもならないよ~。
やっぱり、お酒、ごめん奈月ちゃん冗談だから(;^ω^)。」
と途中で言うのを止める司であった。

奈月中尉「...香月副司令。あの人に頼るしかないと思う。
南條中将だって、知らないはずはないよ。まだ手はある。」

橘副官「、、、それしか手はないかと。しかし
これ以上南條中将にご迷惑をお掛けするのと
国連軍に色々知られるのはどうかと、、ソ連にも漏れる恐れもあります。」

と相談しているちょっと前からドアの外にこっそり一人衛士が来ていた。
??「(皆、こそこそと何をしているんだ。奈月さんも何かよそよそしかった。多分奈美准尉とかだと
思うが、大丈夫かな。。うん?、香月副司令?白髪?何を言っているのかここからだとよく聞こえない。。)」

菊間整備兵「おやおや、盗み聞きとは感心しませんね。しかも私達プロがいる前で、そうでしょう菅中尉?」
戯けた様に良い、事情を話さないまま連れて来た菅に菊間は言った。

菅中尉「だから、菊間君いつも何も言わないで引きずり回すの止めなさいよ。
って、八島准尉、、、もういつかは貴方の性格ではこうなるとは思っていたけど。
本当は貴方にはこの件からは外に居て欲しかったのに。」
と残念そうに言う。



八島准尉「え?菅小隊長と、菊間整備兵。なぜ何ですか。何が起こっっているのですか?
私はみんなの役に立ちたい。奈月さんもかかわっているだから。」
と二人が急に現れた事にびっくりしつつも何が起きているのかを聞く。



菊間整備兵「"役に立ちたい"ですか?確かに役立つ事はありますが、
最悪死因がBETAによるものから人間相手になるかもしれないと聞いても?
八島准尉、君が踏み込もうとするのはそう言う所です。
BETAが来る前から存在する人間同士の血みどろで、
正義なんて物は行う事の正当化の理由にしかならない酷い暗闘ですよ?」

驚くが、決意を伝える。
八島准尉「、、、今まで皆を見てきました。戦隊長殿や奈美准尉。何かあると思っていました。
そして奈月さんもゴーストもそれを支えてる。この戦隊が好きだ。皆が好きだ。
奈月さんが行動することを支えたい。それならばそれ以外は敵ならば護りますよ。」
と答える。

菅中尉「、、、八島准尉、そこまで思って。」
とすこし悲しそうな表情をする。

菊間整備兵「へぇ、意外と適正はある様で。菅さん、後は貴方次第ですよ。
私は別に引き込んでも良いと思いますが、まぁ逃げたら逃げたで、"直ぐに事故死"するでしょうが。」
ニコニコしながら、そんな事をサラッと言う菊間。

困った顔をして菊間に答える菅。
菅中尉「はあ。。もう。この子はそんなことしないわ。絶対に。
だからよ。ゴースト准尉と同じ。好きになった奈月中尉の為にすべてを捧げるわ。」

八島准尉「え、いやそのあの。まあそうなんですが。。。」
と赤くなる。
(怖い事言うなあと少しドン引きしながら答える洸騎であった)

菊間整備兵「だと良いんですけどね〜、じゃあ八島准尉。
その一歩として、医務室のドアを開けて最初に入って下さい。
それができれば、晴れて貴方もこっち側です。」

菅中尉「ちょっと、菊間君。それを決めるのは私達の権限ではないはず。
(まあバレちゃってるから引き込むか、軟禁するしかないのだけど。。)」
と言う。

それでも洸騎は医務室のドアを一瞬ためらったが勢いよく開けて入る。
八島准尉「失礼します。八島准尉であります。」

と、中では全部聞こえてたようで、奈月中尉が真っ赤になって、
ゴーストがあちゃーと言う顔をして
司が笑って酒を飲んでにやにやしていた。

奈月中尉「洸騎さん...。やっぱり、あ、貴方もこちら側に来て、しまったんですね...。」
真っ赤になりながらも、巻き込んでしまったことをどう言おうか悩んでいた。

悩んでいる奈月を優しい表情で見つめる。
八島准尉「なーに言ってるんですか。ゴーストもそうですが、いつも戦隊長と奈美准尉を気にかけていました。
奈月さんがそうしたいなら私は貴方を助けたい。それでいいじゃないですか。
秘密は守りますよ。だから一緒に護りましょう。」
とにっこりして言う。

ゴースト准尉「八島、貴様。。解っているのか。下手したら後ろ弾に合うかもしれないのだぞ。」

八島准尉「それでもだ。だからと言って見てしまったからにはそれはできない。」

司軍医長「ひゅーひゅー熱いね。さすがやっしぃー。奈月ちゃんが羨ましいw」
とつまみにしてるのかまた呑む。

菊間整備兵「お熱いところ失礼。私と菅中尉がいる事を忘れないでください。」

やれやれと亜美は思い答える。
亜美戦隊長「あのですね、菊間整備兵。焚きつけて放り込んだのは貴官ではないですか。
それを言ったら皆もですよ。、、、すまない八島准尉。巻き込んでしまって。
君は、、、奈月と幸せになって欲しいと思っていたし、蚊帳の外でBATAの事だけを考えていてほしかったが。。
後で話すわ。私達姉妹の事は。
とりあえず、司軍医長。。私たちは香月副司令の所に行くわ。一緒にお願いします。」
と言う。

奈美准尉「、、、巻き込んでごめんなさい。奈月お姉ちゃん。。ごめんなさい。私がこんなのだから。。。」
と皆に謝る。

それを違うと思ったゴーストは言う。
ゴースト准尉「、、、違うよ。奈美さん。奈美さんが悪い訳じゃない。
そこは有難うございますだと思いますよ。」

菊間整備兵「こういうのは変に考えるよりも勢い任せの方が良いですからね。
やはり八島准尉を焚き付けて正解でした。」
特に菅に向けてそう言った。

菅中尉「、、、まったく。いつもそうなのだから菊間君は。。。」
とやれやれと思いつつも納得はいかないがそうするしかなかったかなとも思いつつ。

八島准尉「、、、ゴーストの言う通りだ。悪い訳ではないですよ。
それに奈月さんはちゃんと解っていて支えてくれてますし。
その一端に私もいれるのなら嬉しいかな。
やっぱり仲間ですから。ねえ奈月さん。」
と言う。

奈月中尉「うん...洸騎さん、私も、嬉しいよ。」

その言葉に嬉しそうに微笑む洸騎。
二人を見て泣き笑いの表情で言う。
奈美准尉「、、、はい、そうですよね。皆さんありがとうございます。
そして、今後とも宜しくお願いします。」
と頭を下げる。

と、ひと段落した所を見計らって司が吞みながら言う。
司軍医長「はいはい、お熱い二人はそれぐらいにして。
まあ、何が起こるかわからないしこれから香月副司令の所に二人は連れてくよ。
紫音っち、付いてきて。」
と言う。

ゴースト准尉「私か、奈月さんを付けますか?」
と言う。

司軍医長「まあ、すがっちもどうせくるでしょう。大丈夫じゃない?」
と答える。

菊間整備兵「いや、護衛兵はつけるべきだと思いますよ。せっかくです、2人とも付いてください。
2人がいれば戦隊長の護衛も強化されますしね。」

考えて答えるゴースト。
ゴースト准尉「、、、ちょっと整備兵の菊間さんに相談がありますので、
今は奈月さんでお願いします。菅中尉殿も行かれますよね。
あまり人数多いと国連軍側も何かあるのかと思われるので。

亜美戦隊長「、、、そうね。私は紫音がいれば大丈夫。
奈美も奈月が付いてくれれば任せられる。
八島准尉には少し先にゴースト准尉話しておいて。
任せるわ。しばらく精密検査と対処に回されると思うから
西に指揮をお願いするように手配している。」

奈月中尉「分かった、行こう奈美、亜美姉さん。」

亜美戦隊長「うん、奈美を頼む。奈月。」
ともう一人の妹に優しい視線と言葉をかける。

菅中尉「はいはい、解りました。私は二人に付いていきますから
あとは菊間君よしなにね。」

司軍医長「じゃあ、こっそり行きますか。とりあえず香月副司令には
今はなしておいたからすぐにあってくれるから。紫音っち行くよ~。」
と言って姉妹の後ろを押して出ていく。

残った菊間整備兵と八島准尉とゴースト。

菊間整備兵「さて、こんな状況で"整備兵"の私に話がある訳がありませんね。
ゴースト准尉、何のご用で?」

ゴースト准尉「、、、まあ気が付いているとは思いますが。
2つ相談があります。1つは整備兵としてですが。
1つ目は、今の状態。つまり真木少佐殿の件です。
このままではよくは無いですが、斯衛としてはどうしていくおつもりですか。
もちろん奈美さんも戦隊長も真木さんを復帰させるつもりではありますが、
最悪それが叶わなかった時に菊間さんとその背後のお上は
姉妹をどう扱っていくのかその最悪時の事が知りたいです。」

驚く洸騎。
八島准尉「、、、そこまで戦隊長と奈美准尉はひどい目に合うのか?
それだけは避けたい。」

ゴースト准尉「先ほどの菊間整備兵の見逃してくれたことや
今までの諜報員としての行動は信用できます。しかし
それが南條中将殿が庇護できない事態や、政治的に日本帝国、斯衛が
動かれるともう逃げ出すしかない。どこにとなりますが。
なのでそこを知りたいです。」
と菊間に詰め寄る。

菊間整備兵「そうですね。其処まで行ってしまえば、単なる飼い犬でしかない私ではどうにもなりませんよ。
ですが、南條中将はそうなった場合の対策はしているはずですよ?
それに、私の飼い主と中将は姉妹についてはしっかりと話しているみたいですから、
まぁ明確な事はすみませんがお教え出来ませんよ。」

ゴースト准尉「、、、ですよね。現場の1諜報員にそこまでは解らないですよね。
南條中将殿の目が黒いうちは問題はないと思いますが。
解りました。その時に貴官が敵でないことを祈ります。

もう一つは、整備兵にお願いがあります。
今なら副長の落合整備兵に頼むべきですが、まずは先に
今戦隊長や奈美准尉は不安定です。今回特に痛感しましたが
できれば両手持ち装備時の盾が欲しいです。
中型ないし小型での片腕固定で手の持ち手は不要な物が。
あとできれば、弾薬切れの場合その盾の先端に刺突ができる物が
あれば直良しですが、今の戦隊全機の整備完了後の
整備班が落ち着いてからで構いませんお願いできますか?」
と菊間に聞く。

菊間整備兵「本当、状況が状況なんですが...まぁ砂原に伝えておきます。
何か近い物を作ってくれるでしょう。」

ゴースト准尉「了解です。それで構いません。こちらは西少佐殿に進言して
正式な許可をいただいた上でそちらに依頼しますので後日お願いします。」

こうしてゴーストは八島の補佐を得て武装開発の許可を西に取り付け
後日正式に整備班に依頼をした。
整備班の会議室にて。。
戦隊の戦術機の総整備も終わり余力がある時を見計らってお願いする。
ただ真木の抜けた状態で士気はガタ落ち、なんとか落合副長が鼓舞しているが。
ゴースト准尉「ご依頼事項は以上ととなります。
事前に菊間整備兵にお話はさせていただきましたが、正式に承認を得て
ご依頼したいと思ってますが、可能でしょうか。」
と落合整備兵に尋ねる。
資料は洸騎がそろえて差し出す。

落合副長「はい、任せて下さい。砂原さん、行けますね?」



砂原整備兵「お、おう...」

二人の反応を見て、一瞬やはり今は依頼すべきではないかと思ったが。
できる手は打ちたかった。後悔はしたくない。
ゴースト准尉「、、、真木さんの事で色々あるのは解っています。
ですが、できることをしておかないと後で後悔します。
お願いします。」
と立ち上がって頭を下げる。八島も一緒に同じ行動をする。

落合副長「砂原さん、私達が出来ることをしましょう。

砂原さんにとっては新しい兵装を開発することでしょう?」
 

砂原整備兵「言われなくても、分かってるさ。任せておけよ2人とも!」

ゴースト准尉「有難うございます。無理はしないでくださいね。
差し入れも自分だと激マズなめしになるので、、申し訳ない。
ゲロマズドリンクあたりを大量に差し入れしておきますね。」
と普段冗談を言わないゴーストが無理して言う。

八島准尉「ぶ、貴様が冗談を言うとは珍しいが、それはやめとけ。
せめて栄養ドリンクとかだなあw」

落合副長「2人とも、聞きたい事があります。最近戦隊長と奈美准尉を見ませんがどうかされましたか?
菊間さんも最近見ませんし。」

ゴースト准尉は驚く。色々整備班も忙しいのは解るがここまで通達等が無いとは。
ゴースト准尉「、、、(西少佐殿何も言ってないのですか。。それはちょっと。)
申し訳ないです。1准尉としては、二人とも少しあの作戦のあと体調を崩してまして。
国連軍側で様子を見てもらってるようです。それしか言えません。
ですが必ず戻ってきます。真木さんをこのままにしたくないですし。」
と答える。

落合副長「...分かりました。これ以上は深くは聞きません。ありがとうございます。」

察してくれた落合副長に感謝しつつ
ゴースト准尉「有難うございます。ほかに何かありますか?」

落合副長「いえ大丈夫です。」

ゴースト准尉「有難うございます。では宜しくお願い致します。」

場所は変わって国連軍側の地下、香月副司令の施設にて。

香月副司令と社霞が居る。そして南條中将を含めて奈月達が亜美と奈美を心配そうに見ていた。
亜美と奈美が病人服に着替えて睡眠導入剤を飲んで検査を受けてベットで寝ている。
その髪色はいつもの色であった。

香月副司令「結論から言うと、原因は解らない。
でも一応鎮静剤と催眠療法で解ったことはあるわ。
二人とももう一つ人格がある。それがおそらくショックな事があってそっちに引きずられて
白髪の方になったのでは。
姉の方はほとんどその人格を吸収してる。だから問題はないかと。
だが、妹の方は無理ね。それを抑え込めて無い。
だから何かあると、そちらが表面に現れると。
このまま同じことが起きるとそのうちその人格に全てを持っていかれるわよ。
その人格一度ぐらいは今まで現れた事あるのでは。」

南條中将「二重人格と言う奴か...医療・化学の方面はさっぱり分からないが、
夕呼ちゃんがそう言うんだ、そうなんだろう...」



そう南條は口を開く。

奈月中尉「私は一度見たことが...ある筈...確かに普段とは違っていたよ。」

ふと思い出したように紫音が言う。
橘副官「、、、戦隊長は確かに昔、そんなことを言っていましたね。
私の中に誰か居ると。その誰かの力が助けになっていると。
でも納得してくれていると。そのことでしょうか。
問題は奈美准尉ですね。」

霞が奈月を見つめている。何か言いたそうだ。

霞からの視線を感じた奈月は、戸惑いながらも和かに語りかける。

奈月中尉「か、霞ちゃん?どうした、の?」

社は言う。
霞「、、、おそらくこの先奈美お姉ちゃんは耐えられないと思う。
優しすぎるから。でも奈月さんやゴーストさんが心を支えてあげれば
このままの状態で居られるかも。」
と心配そうに奈美の手を握りしめる。

南條中将「あのな夕呼ちゃん、裏工作やら政治手腕に長けてるとは言え

メンタルケアは専門外だよ。君の方が得意分野だと思うが?」

やれやれとあきれる夕呼。
香月副司令「あのねえ。貴方の配下の部隊でしょう。
私が手伝えるところはするわよ。
でも結局は身近ななじみの人たちがそれをすべきでしょう。」
とのらりくらりと返す南條にイラつく。

南條中将「ハハハ、勿論だとも。既に手は打ってはいるが、

本人次第としか言いようがない。
正に神のみぞ知るって奴だな、私は神なんて大嫌いだがね。」

香月副司令「、、、まったく。いつもながらにムカつくわ。
とりあえずできることは今まで通り見てあげるから。
連れてきなさい。そうね。帝国軍の制服だと目立つし、何事と思われるから
とりあえず国連軍の制服を二人に与えるわ。
これで怪しまれないと思う。」

霞が奈月に二人の制服を渡す。

南條中将「と言う訳だ、頼むよ弥栄中尉。」

奈月中尉「え?私ですか?り、了解しました!」

社は渡す時に奈月の手を服の下で握りしめて伝える。
霞「(、、、少し先の事ですが奈月さんが責任者としてとある計画で国連軍に派遣されます。
その時ソ連に行く事に。その時は十分注意してください。)」
とこっそり伝える。

いきなりな振りをする南條に菅が答える。
菅中尉「はいはい。南條中将?ちょっと無茶ぶりがすぎますよ。
弥栄中尉、戦隊長は私が着替えさせますから奈美准尉をお願いするわ。
男性は先に戻ってください。」
と伝える。

奈月中尉「は、え?えっと、その...わ、分かりました!」
霞から伝えられた事に困惑しながら、着替えるのを手伝おうとする。

紫音が答える
橘「では我々は先に戻りますね。二人をお願いします」
橘副官が南條中将と菊間整備兵を連れて先に戻る。

香月副司令は霞を連れ立って出ていく。
男性陣は先に帰られて
菅と奈月は二人を着替えさせる。
そこで姉妹は目を覚ます。

亜美戦隊長「うん?菅中尉と奈月中尉か面倒をかけた。
もう大丈夫だ。戻るか。」



奈美「奈月お姉ちゃん有難うございます。
はい、戻りましょう。」

こうして二人は戻り、日常に戻る。
しかし戦隊の皆の気分は晴れない。真木が居ないから。。。

そうして数週間が過ぎ、盾の試作品が完成しゴースト達が整備班に呼び出され
整備ハンガーに行く。
試験として相手として奈月も呼ばれる。

落合代理「例の要望書になるべく寄せた感じで作ってありますがどうでしょうかね?」

試作された盾は、可動兵装担架の場所からサブアームが伸びており、側面と全面を覆う形に盾が展開されていた。

砂原整備兵「最初は肩に装備する事を考えていたが、やはり肩自体を損傷したら使用不可になるのは痛いから、
兵装担架の部分に専用のサブアームを取り付けて、展開時になるべく小さく折り畳んである追加装甲を展開するって寸法なんだが...」

落合代理「そうすると、レーザーによる物と衝撃による耐久性が長く続かない可能性があります。」

ゴースト准尉「有難うございます。レーザー級の攻撃には少しだけあるのであれば構いません。
主眼においてるのはG3を使用時に瞬時に盾を使えるようにしたいのと
その時に戦車級等に囲まれた時に殴りつけたりしたいのが主においてるので、十分だと思いますが」
と答える。

落合代理「それなら確かに要件は満たすと思います。」

砂原整備兵「ならもっと硬くしないと直ぐにひしゃげるだろうなぁ...どうしたもんか...」

落合は十分だと言うが、砂原は何処か満足いってない様子だった。明らかに何時もの兵装開発時と違いキレがない様にみえる。

ゴースト准尉「(、、、みんな真木さんがこんなことになって士気が落ちている。どうしたもんか)
そうですね、まあそこはおいおい改良していけたらと。
まずはここまで形にしていただき有難うございました。
奈月さん試験に付き合っていただけますか
一気に距離を詰めて突撃砲と格闘戦で攻撃してきていただければ
私はG3とこの試作の盾でしのげるかやってみたいと思います。」

奈月中尉「了解、やってみよっか。」

ゴーストは吹雪に乗りG3を装備して試作盾を装備して演習場に出る。
ゴースト准尉「では、奈月さん先ほどの対応でお願いできますか」
と言い盾の性能を試そうとする。

奈月中尉「了解、行くよ!」
奈月はいつもの様に陽炎を加速させ、突撃砲を乱射する。

ゴーストはG3で狙いを定めつつ、回避を行う。
わざと盾に数発被弾させる。
ゴースト准尉「うん、両手武装でもちゃんと盾でカバーできる。
これなら急に突っ込まれても初回は防げるかな。」

奈月中尉「了解」
奈月はそのままゴースト機に肉薄しようと急接近し、珍しく兵装担架から長刀を抜刀して切り付ける。

ゴーストは違和感を感じる。
ゴースト准尉「(、、、最近短刀での格闘戦にお熱だったはずだが。?まあ構わない。
このまま盾でどこまで耐えられるか、反撃できるか試すか。)」
と思いつつG3の射撃体勢のまま盾で防ぐように動く。

奈月は連撃を繰り返しながら、途中から左手で短刀を装備し、二刀状態で連撃を行い始める。

奈月中尉「(私だって、いつまでも長刀が使えない訳じゃないし、格闘が苦手じゃない事を証明したい。どこまで通用するかな...)」

ゴースト准尉「なるほど、2刀できますか。それなら。」
と長刀を盾でしのぎつつ、担当はG3につけた銃剣でさばく。

盾の試験をしつつ個別回線を開いて奈月に声をかける。
ゴースト准尉「真木さんの件どうしますかね。。奈美さん達は動いているようですが、
このままでは真木さんの心を後押しできない気がします。」
とポツリと言う。

奈月中尉「...私達に何が出来るのかな?殴り飛ばして怒っても、優しく抱きしめても、

真木さんの心は動かなかったのに?」
それを聞いた奈月は、八つ当たりの様に攻撃を苛烈しながらも同じく呟いた。

何も手を考え付かなかった自分を自罰するように。

その攻撃を受けながらゴーストは答える。
ゴースト准尉「、、、このままだと戦隊は崩壊しますよ。
真木さんに変わっていただけなければ。
そのできることが自分も解りません。でも未来をよりよくしたい。
、、、奈月さんを俺もお姉さんと呼べる未来を。」
冗談のようで真面目な顔をして答えるゴースト。

奈月中尉「な、何言ってるんですか!」
少し動揺しながらも攻撃の手を緩めない。

動揺する奈月を見て一瞬笑って言う。
ゴースト准尉「だって奈美さんと添い遂げられるならそう言うことですよね?
奈月お姉ちゃん。えと奈月お姉様の方がいいですかね?。」
とちょっと意地悪に言う。
瞬間、長刀と短刀がゴースト機に飛んで来た。

奈月中尉「...良い加減にして下さい!」
意地悪にキレた様で、予備の長刀を装備する。

あ、やり過ぎたと思いつつも苛烈な攻撃を待っていたので更に言う。
ゴースト「、あそうなると八島の事もお兄さんになるのか、

それはちょっと違和感あるなあ。」
と小型盾で長刀をさばく。
奈月中尉「そんなに、私を怒らせたいですか?」

奈月は逆に冷静になり、蹴りを含めた格闘を織り交ぜてきた。

やり過ぎたと思い素直に謝る。
ゴースト准尉「ごめんなさい、でもこんな冗談ぐらい言わないとやってられません。」
と更に格闘を含めた攻撃を捌きつつ長刀を盾で受けていたが、
流石に耐久がなくなり、破損して脱落する。

奈月中尉「そう、ですね。」
奈月も返す言葉がなかった。

ゴースト准尉「申し訳ありません、自分は不甲斐なくてどうしようもないです。」
ゴーストは心の余裕はなかった。

奈月中尉「仕方ないですよ。」

ゴースト准尉「、、、ここまでですね、試験結果を整備班に伝えに戻りましょうか。」
ゴーストは通信を切って戻る。

奈月中尉「や、やり過ぎちゃった...、何やってんだろう私...。」
そんな怒り任せでやっていた事にため息をつきながらゴースト機に続く。

二人は整備ハンガーに戻る。
試験結果を落合代理達に伝えるゴースト。

ゴースト准尉「、、、両手で使用するG3多目的突撃砲を使いつつ取りつかれた時に
盾を攻撃用に使えるのはとても良かったです。
ただし、耐久力がありません。可能であればもっと上げて欲しいであります。
奈月さんからは何かありますか。」
自身の不甲斐なさからかいつもの元気も無く、そっけなく報告をする。

奈月中尉「うん、確かに耐久力に難ありだね。それだけなんとかすればもっと良くなるよ。」

砂原整備兵「耐久力を要改善か...分かってはいたけど、現状そうすると重量が増えて機動力に影響が出るだろうしな...」
そう悩む砂原と、同じく悩む落合。

落合副長「そうですね、理想的な形にするには時間は掛かりそうです。」

ゴースト准尉「今すぐにでなくて構いません。時間がかかっても良いので
お願いしたいです。では自分は着替えて奈美准尉の所に行きますので失礼します。」
と敬礼して去っていく。

菅中尉に奈美を任せた洸騎がゴーストの表情を見て怪訝な顔をして

奈月のそばに来る。

奈月中尉「あ、洸騎さん。お疲れ様です。

ゴーストさんが何か思い詰めているみたいです。」

洸騎は納得して答える。
八島准尉「お疲れ様です。奈月さん。うん、多分真木さんの事でしょう。
先ほど奈美准尉に付いている時も奈美准尉も思い詰めていましたよ。
なんとも言えない雰囲気が戦隊を覆っていますね。
できることが無くてみんな困っています。」

奈月中尉「真木さん...みんな真木さんに依存して、

あの人自身の心の事を見てなかったのかな...私もそうだけど。」

洸騎は考える。
八島准尉「うーん。私が戦隊に着任してから見てる限りですが、
確かに依存してはいる気はしますが、少なくとも戦隊長や奈美准尉は

依存しつつも支えていることもあったはずですよ。心を見ていたはずです。

ですが、今回の件は私達ではどうにもできなかった。
私も依存していたのは確かですが、、整備兵の皆さんはどう思いますか。」

それを聞いていた落合は口を開いた。

落合副長「そうですね...私達は何とも言えないです。
実際、整備にかまけていたので...。」

洸騎はそれに対して首を振って答える。
八島准尉「整備にかまけていた?そんなことはないと自分は思いますよ。
それを言ったら我々も任務にかまけていました。
さらにこんなことを言いたくは無いですが、将校殿がそれも佐官クラスですよ。
謹慎ですんでるのが奇跡ですよ。真木さんを批判したいわけではないですが。。。」
と答える。

落合副長「確かに奇跡ですよ。ですが、私達は班長を支えられていたのかは...
むしろいつもこちらが支えてもらってばかりでしたし。」

八島准尉「、、、そうですね。我々戦術機部隊も支えてもらってます。
ですから今度は私たちが支えたいとは思っていますが。」
と答えの出ない負のループに陥る皆であった。

その頃、亜美と奈美は亜美の部屋で真木の為にいつものお重箱に入れられるだけ
料理を作り入れて、姉妹の思いを書いた手紙を書く。
、、、私達は真木さんを救えなかった。そして今回の作戦で真木さんの同期の桜の方を
助けられなかったのは痛恨の極みであると。
私達は真木さんが寄り添ってくれたから今がある。でも真木さんを頼り過ぎて
依存し過ぎて負担になってしまった。
私達はもう逃げません。私達が出来ることをして真木さんの居場所を護って見せます。
だから、生きて自分の道を再度見つけて欲しいです。

謹慎は自分自身で考えて復帰するのも良し、
それ以外の道を進むのも良いです。だから死ぬことだけは止めてください。
大好きな真木さん。
と色々なことを綴っている。

そして戦隊長室に行き、上月副官を呼ぶ。

上月副官「お呼びでしょうか戦隊長。」
入室してきた上月は普段通りであるが、やはりやつれているようにもみえた。



亜美と奈美は上月副官の心もやはり憔悴していることに心を痛める。
亜美戦隊長「今の状態で申し訳ないです。お願いがあります。
まだ真木さんに会って話せる状態ではないのは解っていますので、
斯衛との連絡将校である上月副官に頼みます。
私達姉妹の思いを書き綴ったこの封書とお重箱を真木さんの

ご両親にお渡ししてもらえませんか。戦隊の要員として菅中尉を付けます。」
と二人で頭を下げて頼む。

上月副官「了解しました。一度、舞香中佐に少佐の状態を聞きたいと

思っていましたので。後は何かありますか?」

亜美は考えて答える。
亜美戦隊長「上月副官は真木さんの元で支えて欲しいと思います。
このまま、斯衛所属に戻られてもかまいません。寄り添って居てほしいです。
誰も今は味方が居ないはずです。

だからしばらく戦隊より離れていただいて構いませんよ。」

上月副官「申し出はありがたいです。ですが、私も真木少佐も、

居場所はここ以外ありませんよ。
私も少佐も既に原隊はありませんから。」

それを聞いて奈美は胸に両手を添えて答える。
奈美准尉「そうではありません。原隊はここにあるはずです。
そして、その中心は真木さんです。だから、、、。」
なんと言えばいいのか解らず言葉を止める。

そんな奈美の言葉を引き継いで答える。
亜美戦隊長「ありがたいことです。戦隊が居場所と言っていただいて。
今は私達は大丈夫です。それよりも真木さんを支えてあげてください。
ですから、戦隊の連絡将校として行ってください。所属はそのままにしておきます。」

上月副官「分かりました、とにかく行ってきますね。」
封書と重箱を預かり、退室した。

こうして上月と菅は真木舞香中佐に連絡を取り、真木家へ行く。

真木家に行く道すがら、ふと上月は菅に口を開いた。

上月副官「菅中尉、今更ながら何故私に同行したので?襲撃なら心配は入りませんよ?」

菅は曖昧に答える。
菅中尉「ええ、狙われてるのは戦隊長と奈美准尉ですから。
、、、私も真木少佐の事が気になるので。
このままでは皆ばらばらになりますわ。だから私にできることがあればと。
今は護衛兵もだいぶ増えましたし。

私よりも彼ら、彼女らが姉妹のそばにいるのがいいかと。」

上月副官「そうですね、ならばしがない一斯衛衛士の家庭訪問に付き合って下さい。」
和かに答える。

菅も微笑む。
菅中尉「、、、あの子たちを悲しみの中に放りたくないですからね。
はい、家庭訪問お付き合いいたしますわ。
上月大尉殿、エスコトートお願いできますか?」

上月副官「勿論ですよ。」

そう言いながら、真木家へ到着した2人は真木舞香と真木正宗がで迎える。

真木政宗「来たか。遠路はるばるご苦労だ。」

舞香中佐「貴方、何でこう棘のある言葉を選ぶのかしら?
いらっしゃい2人とも、さぁ上がって。」

菅中尉「恐縮です。では失礼して上がります。
真木少佐は、まあまだ数週間程度では変わらないと思いますが。」

舞香中佐「えぇ、塞ぎ込んでいるわ。どんな言葉を掛けても無反応か、

適当に返している感じよ。」

真木正宗「燃え尽きている様にも見えるな。あれでは衛士だけではなく、

技師としても無理だろう...あのままではな...」

上月副官「そう、ですか...」

菅中尉「、、、そうなりますわよね。無気力では無理ね。
私もそうだった。夫も娘も戦死させてしまった時は。
何かきっかけがあれば。姉妹の手紙で果たして。」

上月副官「舞香中佐、こちらを。」

上月は、姉妹から預かった手紙と重箱を渡した。

舞香中佐「手紙ね、必ず沙奈江に見せるわ。」

菅中尉「何卒宜しくお願い致します。真木少佐は戦隊の要。
あの方が戻られなければ、崩壊します。ですが無理強いもできませんが。」
と頭を下げる。

真木舞香「それは重々承知しているわ。戦隊は、あの子の居場所よ。
今更一抜けは流石に私も許せないからね。」


菅中尉「ありがとうございます。一目会いたいとは思いますが、無理でしょうね。
今は掛ける言葉も見つかりません。上月大尉。戻りますか?」

上月副官「そうですね、戻りましょう。では舞香中佐、正宗様。失礼します。」

舞香中佐「えぇ、戦隊の仕事頑張ってね。」

こうして上月達は真木家をあとにし、横浜基地に戻る。
菅中尉「、、、結局私達何もできませんでしたね。
あとは真木少佐のご家族と姉妹の気持ちが少しでも届けば良いですが。」

上月副官「はい。でも少佐なら、大丈夫です。確かに今まで以上に深刻ですが、必ず帰ってきますよ。もしそうじゃなければ、戦隊はここまで大きくなってないと思いますよ。」

菅中尉「そうですわね。あとは真木さん次第。復活してくれればいいのですが。」
と、真木家を一瞬見てから戻る。

上月達が帰った真木家。

舞香中佐「沙奈江、入るわよ。」

直ぐに差し入れと手紙を持って沙奈江のいる部屋に入る。沙奈江は舞香の言葉通り、

部屋の隅で塞ぎ込んでいた。

真木少佐「なんの、様だよ...」

舞香中佐「上月君が手紙と差し入れを持って来たわ。」

手紙を渡そうとするが、沙奈江はその手を遮る。

真木少佐「アタシは...今更どうしろって言うんだよ?
自殺も仕掛けて、あそこから逃げて...何もする気も起きやしない...
そんなアタシに...」

舞香中佐「じゃあそうやって腐ってばかりいるのが良いのかしら?違うわよね?
そうしたら、周りだけじゃなく自分自身さえも裏切る事になるわ。
大事な娘の貴方に言いたくはないけど、今の貴方は死んでいるのと変わりないわ。
そのままでいいの?」

真木少佐「良くないさ...良くない事なんざ分かってるよ...」

舞香中佐「なら良し。とにかく手紙を読みなさい。それからまた考えなさいな。」

そう言われ手紙を押し付けられ、真木は手紙を開いた。

、、、私達は真木さんを救えなかった。そして今回の作戦で真木さんの同期の桜の方を
助けられなかったのは痛恨の極みであると。

私達は真木さんが寄り添ってくれたから今がある。でも真木さんを頼り過ぎて
依存し過ぎて負担になってしまいました。

私達はもう逃げません。私達が出来ることをして真木さんの居場所を護って見せます。
だから、生きて自分の道を再度見つけて欲しいです。

謹慎は自分自身で考えて復帰するのも良し、
それ以外の道を進むのも良いです。だから死ぬことだけは止めてください。
大好きな真木さん。

と姉妹の真木への思いと後悔が綴られれていた。
そして、ふと前を見るといつものお重箱が置かれていた。
姉妹の、思いが詰まったいつもの整備班への差し入れだ。
真木の大好きな物ばかり、豚汁も別に付いていた。

真木少佐「お袋、アタシ自殺しようとして出来なかったんだよ。
何故だか、分かったよ。いやそもそも最初から分かっていたはずじゃないか。
アタシには姉妹と戦隊がいる。確かに恭子の託された言葉のおかげでもあるけど、
アタシを繋ぎ止めているのは、アイツらだ。なのに、アタシは...」

そう1人言いながら大粒の涙が溢れる。

舞香中佐「恭子ちゃんの件、確かに無念だよ。
でもそれを引きずって他の大切な者を失うのは違う。
沙奈江なら、これ以上言わなくても分かるはずよ?」

真木少佐「あぁ...ありがとうお袋。今度2人が来たら、謝るよ。アイツらのせいじゃない、いや誰のせいでもないんだ...」

そして、ふと恭子の最期を見届けた事を思い出し、身震いをし始め、流せなかった涙を流しながらつぶやいた。

真木少佐「恭子...ありがとう...先に行って待っててくれ...見守って、く、れ、よ...」
真木は、遂に恭子の死を受け入れた。

その目には少し力が戻って来たように見える。
ただまだ力強いいつもの真木ではなかった。
それを優しく抱き抱える舞香。

そして、不器用な父、政宗は部屋の外で真木を心配していたが、
問題ないと考えてそのまま仕事に戻るのであった。
END

そして夜。横浜基地の市街が見える少し小山の丘の場所にて

奈美とゴーストが居る。少し離れたところに奈月と洸騎が居る。

奈美が項垂れながら話している。
奈美准尉「、、、真木さん戻ってこないかも。そうしたら私達は。。」

ゴーストはどうすれはいいかもう解らなかった。でも奈美の為にしたいことはある。
ゴースト准尉「、、、やれることはやったんだ。あとは真木さんの意思に賭けよう。
それに、どうなろうと。私や橘大尉は付いていくよ。どうなっても。」
と言う。

奈美准尉「、、、でも。ここはターニングポイントのその3です。間違えれば私達は。
1度目は九州防衛戦。あの時は真木さんを。2度目は京都防衛戦。
あの時本当は誰にも出会えなかったはずなんです。
そして3回目は。。。」
と泣き叫ぶ。

ゴーストはそれを抱きしめて奈美の口を塞いで、手を握りしめて思っている事を伝える。
ゴースト准尉「、、、(大丈夫。何があっても、どうなっても護るよ。
駄目なら一緒に地獄にでも行くさ。)」
驚く奈美であったが、嬉し泣きに変わり逆に心の内を伝える。
奈美には2つの先が見えているようだ。悪い先だと皆が、奈月お姉ちゃんが。。
と何かがあるようだ。

それを見てる、奈月と洸騎。

奈月中尉「洸騎さん、コレからどうなって行くんでしょう...私は、私達は...」
そう言い淀みながら八島を見る奈月。

正面から見据えて、優しく微笑む。そして、、奈月を抱きしめる八島。
八島「、、、難しいことは解らない。だけど自分もゴーストと同じだ。
奈月さんを支援する。そして護るよ。何があってもだ。
それに何か奈月さんに合っても、自分はすべて赦すし何も変わらないよ。することは。」

奈月中尉「洸騎さん...ありがとう。」
そう言い、奈月も抱きしめ返した。

こうして、真木の居ない戦隊には不安の毎日に皆さいなまれていた。
果たして、この先はどうなるのか。2つの未来の分岐があった。

出雲奪回作戦後編

岡山の前線司令部(HQ)までは無事に輸送され、斯衛部隊とともに出撃を開始する。
戦隊は2部隊に別れ、亜美直率の斯衛攻勢部隊の直接支援部隊で出雲方面へ。
また、補給地点ポイントの護衛および陣地構築の工兵部隊を中核とした防御部隊で
作戦を実施する。

亜美戦隊長「戦隊全力出撃!、各中隊、遊撃分隊は所定の作戦通りに斯衛の攻勢支援を行ってください。
ローア1、遊撃分隊は自由に動いてください。我々が支援します。」
と真木には自由に行動させる。



西少佐「第一中隊了解、バロネス1よりディフェンス1、2ついてきなさい。第五砲撃小隊は後方より砲撃支援。
右翼より薙ぎ払いながら前進する。」



凜大尉「第二中隊も了解、左翼から機動戦にてBETA群を突破するわよ。
光線級を見かけたら最優先で吶喊します。ブラックキャット2、ゴースト1行くわよ。ついてきなさい。」
それぞれ中隊長が命令を出す。



真木少佐「了解だシルバーフォックス1!
ローア1から遊撃分隊各機へ、アタシ達が一番忙しいよ!しっかり着いて来な!。」



菅中尉「エイド0了解、ローア1、2の支援を行いながら前進、エイド1行くわよ。」


八島准尉「エイド1了解。支援行動に移ります。

(奈月さんは大丈夫かな。いざとなったらそっちの支援もしたい。)」



奈美が戦域情報を確認し、斯衛と連携を取りながら各戦術機の配置を亜美に確認しながら
各遊撃分隊と中隊に指示を出す。



ここまでは順調であった。斯衛の突破力は抜群で、瞬く間に前線がさらに前に進んでいく。
奈美准尉「順調ではありますが、、出雲方面のBETA群は、どれぐらいの数がいるのでしょうか。。」
と懸念していた。

亜美戦隊長「、、、そこは斯衛に任せるしかない。あとはどこまで奪還できるかだが。
奈美、一度だけ私の許可なしでやりたい事していいわよ。斯衛との調整も無視していいわ。
だから電子戦術オペレーターとしてできることを最大限しなさい。」
と言う。

奈美准尉「!!!(亜美姉さん、、有難うございます。)

はい、解りました。戦隊長、有難うございます。頑張ります。」
と答える。

上月副官「...ローア1、コレは不味いかも知れないです。」
彼の感が何かを感じたのか真木にそう言う。

真木少佐「...気のせいだと思いたいが、確かに順調過ぎる。何か来ると考えるべきだね。
ローア1よりシルバーフォックス1!其方は異常ないか!逆にないなら気を付けてくれ!。」

戦域情報を見ていた奈美。
嫌な感じがする。前線HQの防衛部隊が少ない、それに後方に何か。。
奈美准尉「戦隊長!ローア1の内容を確認しましたが嫌な感じがします。」

即座に真木に伝える亜美。
亜美戦隊長「シルバーフォックス1よりローア1。今のところ、順調ですが、ゴースト0が気になることを。
HQとの間が開き過ぎなのと後方に何か嫌な気配があると。」

真木少佐「そこから増援が来る可能性ありか...アタシ達が様子を見にいく。
挟撃されたら不味いからね。」

そうこうしているうちにいきなり前線HQの反応が消え、前線でもHQあたりの後方にもBEATが大量に出てきて乱戦になる。
かなりの数で斯衛は各個撃破されて行く。
そして奈美にある意識が流れ込んでくる。

??「(沙奈江すまない、やはりこの作戦は問題があり過ぎた。私は、部下を守らなければ。)」

奈美准尉「(う、この方は、。頭が痛い。この思いは。もしや真木さんの同期の方の。」
即座に亜美の許可を受けずに真木に伝える。

苦しそうに伝える奈美。
奈美准尉「、、、ローア1、真木さん。すぐにこの座標地点に。真木さんの戦友さんが危険な状態です。
え、、、要塞級が4体も、早く行ってください。」
いきなりあらわれたBETA群に絶望的な顔をして伝える。
亜美は黙認してそれを許可する。

真木少佐「何...戦友...恭子が!ありがとう、ローア1はコレより友軍救助に急行する!。」

真木の武御雷はすぐさま反転、急行した。


すぐに亜美は戦隊の配置を変える。
亜美戦隊長「(この移動では、機動戦重視の方が良さそうね。)シルバーフォックス1よりブラックキャット2、ゴースト1
ローア1、2について行きなさい。エイド1、2はブラックキャット1の指揮下に変更。
第五砲撃小隊はゴースト0の指示に従い、ローア1、2の進路上のBETAを砲撃で薙ぎ払え。」
と伝える。

ゴースト准尉「ゴースト1了解、ブラックキャット2行きましょう。時間が惜しい。
最大戦速で突っ込んでローア1、2の道を開きましょう。」

奈月中尉「ブラックキャット2了解!勿論!この為に私達はいるんだから!。」

奈美准尉「承知しました。ゴースト0より第五砲撃小隊、照準設定を遊撃分隊の前に設定。
砲撃支援にて進路を誘導します。この情報内容で、徐々にずらして砲撃支援をお願いします。

第五砲撃小隊長「了解、ゴースト0の指示に従う。」





ゴースト准尉「その通りです。ゴースト1吶喊します。どけええBETAども。道をこじ開ける。」
と57mmG3-SG1多目的突撃砲を3点バーストで撃ちながら背中の突撃砲を使いつつつ銃剣でどつきながら前進する。
また後ろからは奈美准尉指示する第五小隊の精密砲撃支援がローア1達、遊撃分隊の前に着弾しBETA群を粉砕して行く。
そして巧みに弾着地点をずらしながら目標移動ポイントへ誘導する。

ゴースト准尉「さすがだゴースト0。この砲撃での着弾で味方に被害は出ていない上に目標ポイントへ誘導するとは。
ローア1、2目標ポイントへは道は開かれた。行ってください。背後はブラックキャット2と必ず護ります。」

奈月中尉「ローア1!後ろは気にしないでください!。」
奈月も得意の機動戦でBETAを蹴散らしていく。

真木少佐「ありがとう...間に合わせてみせる!」

上月副官「ローア1!貴方の後ろは大丈夫です、恭子様の元へ行って下さい!」
上月もそう叫んだ。



真木少佐「上月...。」

上月副官「振り返る暇があれば直ぐに行け!親友を、同期の桜を、我らが戦友を...今度こそ...!。」

真木少佐「あぁ当たり前だ!頼むよ!」

こうして真木と上月は崇宰大尉が指揮する部隊の所まで行くことが出来たが、
すでに戦線は崩壊し、崇宰大尉の機体は、損壊し指揮下の部隊を撤退させていた。

真木少佐「恭子!無事か!返事をしやがれ!。」
そう叫びながら崇宰の周りにいるBETAを殲滅しながら言う。

崇宰大尉「、、、う。沙奈江か。まさか来てくれるとは。私はもう駄目だ。捨て置け。
皆は。唯依達は撤退出来たか。。」

真木少佐「っ!ふざけんな!アタシが来たんだ、絶対連れ帰ってやる!動けるか?。」
そんな事を言う崇宰に真木は切れながら答える。

その言葉を聞きながら恭子は少し前までは震えながら泣いていたが。
崇宰大尉「やはり、沙奈江の言葉を聞くと元気になる。貴様は、生きて戻れ。。」
とそこで機体からの通信は途切れる。
バイタルチェックもかなり怪しく反応はとぎれとぎれになる。

真木少佐「恭子、おい!まさか...。」

真木は直ぐ様、崇宰の機体の管制ユニットをこじ開けた。
乗っていた崇宰は重症、真木は直感で分かってしまった。

真木少佐「こ、コレじゃあ...いや、まだだ。死なせてたまるか!。」
そんな直感を押し殺して、自身の武御雷の補助シートに乗せて急発進した。

真木少佐「ローア1よりシルバーフォックス1へ!
要救助者を確保!医療班を、医療班の準備をしてくれ!
おい恭子!生きてるよな!もう少しの辛抱だから!気をしっかりしてくれ!。」

しかし、急発進の機動に体がついて行かず、恭子は気を失う。
亜美戦隊長「!!!、シルバーフォックス1了解。

ゴースト0、補給ポイントの医療班に至急重傷者衛士ありの連絡と手配を。」

奈美准尉「了解です。すぐに手配します。(やはりこれが変えられないことなのでしょうか。
いえ、絶対に助けてみます)。」
と泣きそうになりながら手配する。

なんとかBETAを蹴散らしながら奈月やゴーストがいる地点まで撤退するが、恭子は持ちそうにはない。
真木少佐「恭子!。」

真木は異変に気付き直ぐに崇宰を横にさせて、心臓マッサージをする。

真木少佐「恭子!アタシはまだ、なにも、何も話してない!
今までのこと、コレからのことだって!アタシの親友!アンタはこんな所で死んじゃあダメなんだ!」

彼女の直感が告げる。
手遅れだ、間に合わなかった、助からない...と。
真木少佐「...るさい、うるさい、うるさい!恭子は、助かる。助けてみせる!」

そこで目を覚ます恭子。晴れやかな表情であった。
崇宰大尉「、、、沙奈江私は貴様が嫌いだった。会った瞬間そう思った。
だが、お前と共に学び、修練し共に戦った日々は私にとってすごく羨ましくも新鮮な日々だった。
有難う。、、、私は部下を護れたのだろうか。唯依は、撤退出来たのか。。う、ぐはぁ。」
と吐血しながら真木に最期の力を振り絞って言う。

真木少佐「だったら生きて、生きて自分の目で見やがれ!
アタシも初めて会った時は高飛車な奴だとは思ったさ!でも、アンタ程の友は今後も出てこない!
だから、だから!。」
心臓マッサージをやめ、恭子を抱き上げる。

崇宰大尉「すま、ない。斯衛のみん、な、を頼む。」
恭子は満足そうに、真木に抱きかかえられ安らかな顔をして逝く。。。

愕然とするゴースト。
ゴースト准尉「!!!(助けられなかった。これが、、これがこの作戦の結果か。無念)
ローア1、もう残り推進剤も弾薬もすくない。すみやかに戦隊と合流して防衛地点に転進することを
具申致します。」

真木少佐「な、何言ってんだよ。恭子、助けが、助けが来たんだぞ?なぁおい...おい!何か言ってくれよお姫様!
頼む...頼むから...!。」

真木自身も分かっている筈の事態、だが、真木は親友の死を受け入れず、声を掛けていた。
真木少佐「お願いだ...目を覚ましてくれ...」
真木の目から涙が流れ落ちそうになり、表情も悲壮な顔になっていった。

真木は恭子の体を摩る。勿論何も反応はなく、恭子の体は冷たくなっていく。

そのころ戦隊がいる地点で亜美達は必死に防戦していた。
が、先行している真木達の地点には師団以上のBETA群が押し寄せている。

奈美には痛いほど崇宰大尉や真木の想いが聞こえていた。
奈美准尉「(、、、だめ。変えられない。でも真木さんを死なせるわけにはいかない)
ゴースト0より、遊撃分隊撤退してください。、、、お願いです。真木さん。
師団以上のBETAが押し寄せてきます。」
と弱弱しく泣きそうになりながら伝える。

真木は亜美の通信を、聞き涙を拭って恭子の遺体をゴーストに差し出した。
真木少佐「ゴースト1...崇宰恭子の遺体を持って先に撤退してくれ。
アタシは...殿をやる。」

瞳のハイライトがなくなっている様に見え、そして表情は、一言で言うなら酷いとしか言えなかった。

崇宰大尉の遺体を受け取るが、首を横に振り答える。
ゴースト准尉「、、、(ひどい表情だ。この方を失うわけにはいかない。)

上月副官殿も戻らせるのですか?ならば、自分も残ります。
奈月さん、崇宰大尉殿をお願いします。私はまだ暴れ足りない。殿をするならやはり2人でやるべきだ。
上月副官殿と奈月さんは崇宰大尉殿をちゃんと連れて帰って。」
真木の状態を察して言う。

奈月中尉「そ、そんな!なら私だって残ってBETAを殲滅するべきです。

その方がまだ全員の生存する可能性は上がります!。」

そんな事を言う中で、静かに聞いていた上月は真木を殴りつけた。

真木少佐「っ!何をするんだい上月!。」

上月副官「何をするのは貴方だ!此処で死ぬ気か!恭子様は貴方が此処で死んで欲しいと?
違う!生きて欲しい筈だ!
それなのに、貴方はまた私いや、中隊の皆んなの思いを無下にしたのと同じく、恭子様の思いを無下にするのか!。」

帰って来た上月の怒りの言葉、それはかつて足を無くしてヤケになっていた時の言葉と同じだった。
更に上月は真木に詰め寄る。

上月副官「撤退しましょう!今の貴方じゃマトモに戦闘なんかできない!
貴方の親友を、貴方の手で連れ帰ると言う大役をしてください!。」

ゴースト准尉「、、、そうですよ。くどいようですが、真木さんあなたは戦隊にとってお姉さんであり、母親なんですよ。
崇宰大尉殿もそんなこと望んでません。それにほら。」

上空を見上げると、数少なくなっていた砲弾を全てこちらに回して、第五砲撃小隊の砲撃が再開されている。

ゴースト准尉「戦隊長も奈美さんもあなたの為に必死になっている。
これ、力を使ってますよ。あなたはあの二人を廃人いやもしかしたら死なせたいのですか。
それでも狂い死したいのでありますか?」
と自分も死にたがってはいたがそう言う。

真木少佐「...撤退しよう。」
全てを押し殺して、真木はゴーストから崇宰の遺体を貰い、自身の機体へと戻る。
その姿は痛々しく、表情は無表情に徹し、奥歯を噛み締めていた。

今直ぐにでも涙を流したい、そのままBETA群に特攻したい、そんな考えを全て自身の心の奥底へ、
既に折れてる筈の心へしまった...最早仕舞い込めないだろうそこへ。

ゴーストは罪悪感に包まれていた。泣きたいだろうな。悔しくて心が折れているだろう。
でも、真木さんには生き残ってもらわなければ困る。戦隊の要であることは確かであった。

秘匿回線で上月副官と奈月中尉に通信をつなげる。
ゴースト准尉「、、、申し訳ありません。姉妹をだしに真木さんをしがらみに括り付けてしまいました。
いかようにも後で処分は受けます。

ですが、あの真木さんの表情は自分が味わった、京都防衛戦時の
部下を失った状況と同じと推測します。だから上月さんなら支えられるかと。

私が奈月さんや奈美さんに支えられたように。私が言えたぎりでではありませんが。。お願いいします。」
後退しながら伝える。

上月副官「...私と少佐は、大陸派遣時から戦友を失い続けてます。
その時から彼女を支えて来ましたが...今回のは、分からないです。下手を打てば、少佐は...。」

奈月中尉「真木さん、あの人は生きて欲しい、報われて欲しいよ。私に何ができるのかは分からないけど。」



ゴースト准尉「大丈夫です。上月さんだけではありません。奈月さんも私も支えます。
、、、ですが今回のこの件、姉妹にも影響がすでに作戦前から出ています。

亀裂が入らなければいいですが。その時は私は奈美さんの味方です。
これだけは変えられません。ですからそうならないようにしたいです。」
と奈美から聞いていたためことの顛末が姉妹と真木に亀裂が入って欲しいくない事を伝える。

上月副官「そうですね...一番はそこが問題です。」

こうして答えが出ないままに戦隊がいる地点まで撤退する。

亜美戦隊長「良く戻ってきてくれた。ローア1は先に崇宰大尉殿を連れて補給ポイント経由で後退してください。
上月副官も護衛をかねて戻ってください。

ここからは私が防衛戦の指揮を執ります。
ディフェンス1、2と第六警戒小隊を殿に後退を開始する。
速やかかに補給ポイントの工兵隊と合流し遅滞防衛戦を展開し、斯衛軍の撤退を支援する。」
と命令を伝える。

奈美准尉「(、、、真木さんが心を閉ざしてる。私にできる事が無い。どうすれば。)」
と心を痛める。限界に近かった。だが表情には出さずに戦域管制を行い、著しい戦闘の推移を確認し
情報を亜美に伝えていた。

真木少佐「...ローア1了解。」

上月副官「ローア2了解。少佐、行きましょう。」

真木少佐「言われなくても、分かってる...。」

上月副官「少佐、今回の件は...。」
上月がなんとか真木に言葉をかけようとするが、

真木少佐「上月。」

上月副官「はい。」

真木少佐「何も、何も言わないでくれ。聞きたくない。」
無感情にそれだけ言うと、真木の方から通信を切られた。

上月副官「それだけ、それだけ少佐は...。」

撤退して行く真木と上月を見ながら
姉妹は真木が心を閉ざして愕然としていることを知った。だが今は、いかに斯衛の撤退支援を行うか、
戦隊の隊員を無事に撤退させることが最重要であった。

亜美戦隊長「待たせた。工兵部隊。陣地構築はどうですか。」

ニヤッと不敵に笑い、丸芽が答える。
丸芽特務大尉「もちろん、完璧に陣地構築しましたよ。
対BETA地雷原に工兵用爆薬をしこたまと。陣地も頑強に粘れるようにしました。
斯衛部隊を逃がすまで持ちこたえてみますよ。」



畑中副官「防衛準備は完了です。大規模なBETA部隊の攻撃にも対応できます。
戦隊各機体は補給をすませてください。終わり次第整備兵や基地要員は退避させます。」



秋村特務少尉「、、、腕がなります。九州、西日本防衛戦の失敗の鉄は踏みませんよ。
帝国陸軍機械化工兵戦術機部隊ここにありを斯衛に見せつけますよ。」


君原少尉「きおってもしょうがないよ。やれることやってとっとと帰りましょう。」
とそれぞれ言う。


亜美戦隊長「感謝する。それでは戦隊主力部隊は弾薬と推進剤の補給。それまでは工兵部隊に任せる。
その後は工兵部隊を中心に護衛として第一中隊を中心に塹壕防衛戦を行う。
第二中隊は側面攻撃および、光線級が現れた場合は最優先目標として殲滅を優先する。」
と指示を出して補給を行い、防衛戦を行う。

かなりの数のBETAの攻撃をしのぎ、撃破していく戦隊。
途中何度となく、斯衛の部隊が撤退して行く。
かなりの味方を撤退させられたはずだ。

橘副官「戦隊長。そろそろ弾薬が尽きます。この辺りで。」


丸芽特務大尉「そうだな、対BETA地雷も看板だ。工兵用爆薬も残り少ない、ここで一気に使い
後退すべきだ。戦隊長。」

まだ前線で奮闘している斯衛の部隊がいる。だが、これ以上は、戦隊の皆を戦死させるわけにはいかない
と亜美は思い、撤退を決意する。

亜美戦隊長「拠点防衛をただいまを持って放棄する。工兵部隊を先頭に、第二中隊と第五砲撃小隊を先に。
後衛に第一中隊を、殿に戦隊本部小隊で撤退する。全機後退せよ。」
指示を出しつつ誰も残っていないか確認を行った。

こうして、戦隊は機体がボロボロになりながらも全員基地に帰ることが出来た。
機体から降りた姉妹は真木を探した。

真木がいたのは、基地から少し離れた野原。
崇宰の遺体を抱きしめながら膝から崩れ落ちる体制でいた。

真木少佐「...だからアタシがいないとダメなんだよ。何か言えよ恭子、頼むから...頼む...。」
ハイライトのない瞳でたわいのない話を崇宰の遺体に話し、帰って来ない彼女の言葉を待っていた。

真木少佐「アンタらしくもない、アンタならバカ真面目に答えるだろ?なぁ、黙ってないで何か言ってくれよ?
いつもみたいに貴様って、言ってくれよ...。」

その声を聴いた姉妹は真木の所に行く。奈月とゴーストも少し間を開けてついて行く。
姉妹はどう声をかければいいか悩んでいたが。。

奈美が真木を抱きしめて一緒に泣く。

亜美戦隊長「、、、真木さん離してあげましょう。埋葬してあげないと。
このままの姿では可哀そうです。」
と言う。

真木少佐「そんな筈ない!勝手に恭子を殺すな!
ただ、そう!ただ寝ているだけだ、そうなんだろ恭子!。」
分かっている筈なのに受け入れようとしない真木。

ここは鬼になるしかないか。
と亜美が真木をぶん殴り、崇宰大尉の亡骸を丁寧に受け取り、戦隊の基地で保存させるように連れて行く。

そんな真木に寄り添う奈美。いつものように真木が落ち込んだ時のように胸に抱きかかえて。
奈美准尉「泣いていいのですよ。真木さん。

(ああ、ごめんなさい。私は役立たずです。ここまで嫌な予感がしていながら何もできなかった。)」

と後悔している。

真木は亜美を追いかけるために奈美を押し退けようとするも、やめて奈美を引き摺りながら亜美の元へ追い縋り、

彼女の服を掴んだ。

真木少佐「やめてくれ...アタシの...アタシの、たった1人の親友なんだ...恭子を救えるなら、アタシの命なんて捧げて良い。
頼むから、アタシから恭子を...奪わないでくれよ...。」

真木の顔は最早いつもの顔は無く、悲しみの感情が溢れ、最早涙さえ出てなく、弱々しい懇願の声を出していた。
普段の真木さんなら絶対にしない行動に愕然とした。
亜美戦隊長「ダメです。今の真木さんは昔に戻ってます。

どうしてもと言うなら私を切り捨てて崇宰大尉殿を連れて行ってください。」
と真木を突き放し、背を向けて基地に戻る。
(、、、真木さんに切られるならそれでもいい。こんな、こんな思いは私だけが背負えばいい。たとえ嫌われても。)
と思いつつ真木の姿に愕然としつつ。

奈美は真木を止められず、戦闘で力を使いきっていたためそこでくずれて転倒して倒れる。

真木少佐「恭子...うぅ...あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!。」

真木は膝から崩れ、叫び、地面を叩く。
だが、亜美を追いかけ無かった。彼女自身も、分かってはいる。だがそれを受け入れるには、彼女の心はもう限界だった。

だが真木は涙が出なかった、最早涙も枯れてしまったのか...叫んだ後の真木はその場で蹲った。

少しの静寂の後、真木はゆっくりと立ち上がり森の方へと歩いていく。

上月副官「少佐!」

真木少佐「来るな。もう、もう、疲れた...。」

それだけ言うと、振り返らず歩いていく。

見かねて近くで心配していた奈月とゴーストが奈美に近づく。
ゴースト准尉「ああ、もう。真木さんが行ってしまう。
奈月さん、奈美さんをお願いします。自分は真木さんを追いかけます。」

奈月中尉「う、うん。分かった。こっちは任せて。」

時子は周りの様子や戦隊長が険しい顔をしているのを見て、
もしや真木さんに何かあったのかと、影縫少尉に解散を伝えて奈月の所に行った。
平家中尉「どうしたの?奈美准尉大丈夫?戦隊長が険しい顔をして基地内に戻っていたのだけど何かあったの?」
と聞く。


奈月中尉「真木さんが、森の方へ行ってしまったんです。ゴーストさんが追いかけて行きましたが...。」

顔を曇らせて答える時子。
平家中尉「そうなの。解ったわ。ボクも探してみる。弥栄中尉は早雲准尉を連れて行って。」
と伝えてゴースト達を追いかける。
走って追いかけた時子。


ゴーストが真木と言い合いをしている。
真木少佐「もう、良いだろゴースト。アタシじゃ結局何も変えられないんだ。アタシは疲れたんだ、楽になりたい。」
目どころか、表情までも死んでいる真木。

ゴースト准尉「、、、それを聞いたら姉妹は悲しみますよ。
何のために真木さんを生かしたのですか。死なせるためではないです。
それをしたら悲しみますよ。後を追うかもしれません。それでも
良いのですか?良いのであれば止めません。私も地獄に付き合います。」
と言い放つ。

真木少佐「...勝手にすれば良い。もうアタシはダメなんだ。疲れたんだ、もう嫌なんだよ。」

そんな事を言い放ち、その場を後にしようとする。

そんな真木をゴーストは肩に手をかけて静かに切れてぶん殴る。
ゴースト准尉「、、、元下士官としてのやり方をしました。あなたは斯衛部隊で指揮官ですよね。
これでいいのですか真木少佐殿。」

それを追い付いた平家も泣きながら言う。
平家中尉「それが、真木さんの今の本当にしたいことなのですか。
大陸で言ってくれたことは何だったのですか。ボクは、ボクは、あの時の真木さんの言葉で
救われた。だから生きています。だからだから。ゴースト准尉もやめて欲しいであります。」

真木少佐「大陸から戦ってきたからだ。多くの戦友を失って、今でも失い続けて、そして親友を...失、なっ、た...
それでも、それでもと、アタシはやってきた...でも、それももう限界なんだよ。
お願いだ、楽にさせてくれ。」

平家の言葉に反応するが、真木はそう言って、再び蹲る。

ゴースト准尉「、、、楽にさせてくれ?それは斯衛の上官殿に言うべきでしょう。
私たちがとやかく言うことではないです。」
と冷たく言う。

平家中尉「、、、それはできないです。BETAを殲滅させるか、我々が滅ぶまで続くでしょう。」

真木少佐「なら、放っておいてくれ。」
ゴーストの挑発を無視し、変わらず蹲る真木。

ゴーストは今は無理かと、
ゴースト准尉「、、、そうですか。自分が言いたいことはそれだけです。では。」
と敬礼してその場を去る。

平家中尉も真木の行動を寂しそうに見つめゴーストとともに行く。
平家中尉「、、、こんなの、真木さんじゃない。。。ボクは待ってますよ。」
と言い。

真木少佐「...待たなくても良い。」
それだけ呟き、真木は何も言わなかった。

ゴーストに追いつく時子。
平家中尉「、、、どうするの?ゴースト准尉。」

愕然としつつも答える。
ゴースト准尉「真木少佐殿には復活してもらわなければ困ります。これは戦隊の根底を揺るがす事態です。
気持ちは痛いほどわかるつもりですが。。戦隊長の所に行きましょう。相談します。」
二人は戦隊長の所に行く。

途中上月副官と会う。

上月副官「少佐は、やはりダメでしたか...。」
そうゴーストと時子に言った。

ゴースト准尉「、、、申し訳ありません、自分では真木さんを救ってあげることはできませんでした。

しかし、このままでは。戦隊長と相談しましょう。」

平家中尉「、、、真木少佐殿がこんなことになってしまっては。ボクにできること何か、何かないのか。」
二人共無念そうな表情をする。。

上月副官「2人のせいではないです。少佐は、自身の心よりも誰かの支えになろうと、
自身の負の感情を抑えてました。
彼女自身の心は脆いのに...いつかはこうなっていた筈です。それが今だっただけですよ。」

ゴースト准尉「、、、ですがこのままでは戦隊は崩壊するかもしれません。真木さんは戦隊の要、必ず復帰していただく。
とりあえずは戦隊長に状況報告と今後の相談をしましょう。で良いですね?上月副官殿。」
と戦隊長の執務室へ促す。

上月副官「異論はないよ、行こうか。」

3人は戦隊長室にに向かい、橘副官の入ってくださいと言われて入る。

??ゴーストは訝しがる、いつもならどんなに執務に追われててもにこやかに声をかけてくれる戦隊長。それが反応がない。

中に入ると亜美が執務机で両肘を机について手で顔を覆って考え込んでるように見える。
紫音が困った顔をこちらに向けてくる。

やはり、戦隊長もこたえているんだなと思うゴースト。

報告をする。
ゴースト准尉「真木少佐殿は今はだめかもしれません、いかがいたしましょうか。自分は、これ以上の説得は難しいかと。」

平家中尉「なんとか、なんとかならないでしょうか?」
とオロオロ狼狽するばかりであった。

上月副官「戦隊長、真木少佐について申し訳ありません。私も、彼女を支えるのには力不足のようです。」

(こんな、情けない顔見せられない。。)
顔を見せずに答える亜美。
亜美戦隊長「、、、仕方ないです。私にも奈美にもできなかった。でもこのままでは。

上月副官、崇宰大尉を南條中将を通して斯衛軍にお返します。

その時、真木さんを実家に帰らせます。
これは命令、しばらく無期限で謹慎をしてもらいます。、、、上月さんは真木さんのそばにいたいのでしたら、

一緒に斯衛に戻っていいのですよ。」
と目を合わせずに顔を隠した状態で言う。

平家中尉「で、ですが戦隊長それでは。」
驚く時子。

上月副官「いえ、戦隊の整備班は落合さんが纏めてはいますが、整備班にも事務方は必要です。
連絡係としての仕事もありますので、戦隊に残りますよ。」

亜美戦隊長「、、、こちらはなんとかします。今は真木さんをなんとかしないと。

その為なら構いません。そばにいて支えてあげられるのは貴方だと私は思います。

上月さんの心のうちはどう思っていますか。」
と心の中を探る。

上月副官「...私の心を探ろうとしないでください。
少なくとも、今は私が寄り添っても彼女は良くはならないです。貴方こそ少佐に寄り添うべきかと。」

亜美戦隊長「、、、申し訳ないです。私達姉妹ではもう無理ですよ。」
とみんなの前では弱音を吐くことはない亜美がそう言う。
正直、泣きたくなっていた。真木さんに嫌われたと。ここまでかと。
だがみんなの前ではそんな事は言えなく、またそんな表情を向けたくなかった。

ゴースト准尉「、、、戦隊長が諦めるのですか?貴方が諦めたら誰が真木さんを救えるのですか。
貴方が諦めたら奈美さんも心が折れますよ。このままでは全てが。指揮官がそれでは。
お願いです、少し時間を開けてからもう一度真木さんと話し合ってください。」
と頭を下げる。

それを見た平家中尉も同じ行動をする。
平家中尉「お願いします。」

上月副官「いえ、少佐は今がダメなだけです。彼女は貴方のことを嫌ってはいませんよ。
もしそうなら、彼女はもっと貴方を罵ったりする筈ですから。
少佐は、貴方でなければ救えないですよ。」

亜美は思った。
(、、、私に真木さんを引き止められるの?奈美が悲しんでる。いや、まだ未来は決まってない
3人の、皆の思いを無駄にできない。)

と、顔を上げる。
3人は決意したその顔をみる。

亜美戦隊長「解りました。真木さんを今一度救って見せます。」
と言う。

上月副官「戦隊長、いや早雲亜美さん。少佐を宜しくお願いします。」

亜美はその思いに応えるように話す。
亜美戦隊長「解りました。真木さんを助けたい。今までずうっと私達を見てくれたのです、やれることをやります。」

その後解散して、亜美は南條中将に連絡を取り、斯衛に繋いでもらうように手配する。
亜美戦隊長「と言うことです。できれば真木舞香中佐殿に来てもらうのが良いかと思いますがお願いできますか。」

その頃、真木はまだ演習場近くの森の方で絶望から目が死んだ状態で1人になっていた。

そこに武子が来る。いつものお茶らけた感じではなく静かに怒っているようだ。
西少佐「真木殿、いつまでその状態でいるのですか。」

真木少佐「...何の様だ?アタシを笑いにでも来たか?」
そう吐き捨て、西の顔を見ようとしない。

西少佐「、、、誰もそんなことしないでありますよ。
だが、今の貴方は、、、姉妹を地獄に突き落とすつもりですか。」
と静かに答える。

真木少佐「地獄か...此処が既にそうだろ?
少なくともアタシにはそうだ、結局アタシは何も出来ちゃいない。
衛士に復帰して、息巻いていたアタシは馬鹿だとしか思えないよ。」
そんな自虐的な発言をする。

首を振る武子。
西少佐「、、、生きていても地獄かもしれない。
だが、貴方は九州でBETAに喰われそうになった時何を思っていたのですか、
それを姉妹は、、奈美准尉はその思いに答えたいがために貴方を助けたはずだ。
そしてあなたは姉妹に寄り添い結果を出してきた。


戦友を助けられなかったのは、誠に遺憾ではあります。
それでもBETAを殲滅するまで我々の血みどろの戦いは続きます。
あがくしかない、それは貴方にもわかっているはずだ。
それとも皆で喰われて終わりにしますか。」

真木少佐「結果?ただアイツらや他の奴らが凄いだけだ。
...足掻いて来たさ、言われなくても...でも、アタシはもう疲れた。
もう、いいだろ...。」

西少佐「、、、そうですか戦隊の司令部、まして中核の将校がそれを言いますか。姉妹の害になるのであれば。。。
貴方はしかも斯衛の武人。
ならばここで自害するかBETAに喰われて終わりにするか選んでください。」
と冷たく言い放つ。

真木少佐「そうかよ、始末はつけるさ。」
そう言うと真木はゆっくり立ち上がり、フラフラと森の奥へ進んでいく。

武子は思った。あとは真木殿が自分で立ち直るしかしないと。
必ず戻ってくると思いその場を去る。

真木は1人、森の奥に入り。誰もいないことを確認して、不意に持っていた拳銃を頭に突きつけた。
真木少佐「これで、これで楽になれる...恭子、皆んな...。」

そう引き金を引く瞬間、恭子が死に際に言った言葉が頭をよぎる。
(斯衛のみ、ん、な、を頼む。)

響く銃声、だが真木に銃弾は貫かず、空を切り真木は地べたを舐める状態でいた。
真木少佐「はぁ、はぁ...どう、して、だよ...アタシは楽に、なりたい、のに...もう、良いだろ...。」

そう、また何度も自害しようとするも再び同じことが起こり、弾は尽きてしまった。
真木少佐「っ!あぁ!」
弾がなくなった拳銃を地面に叩きつけ、真木は叫ぶ。

真木少佐「どうして、どうして死なせてくれない!楽になりたいのに!どうして...」
そう思う真木の脳内には、戦隊の仲間達と、早雲姉妹の姿だった。そう、真木にとっての大事な物はまだあるのだ。

真木少佐「...そうか、アタシにはまだ残っているんだったっけ...でも...。」
そう言いながら真木は立ち上がり、変わらず足取りが重くフラフラしながら基地へ向かった。

その頃、病室のベットで目覚める奈美。
奈美准尉「、、、あ。私また。う。頭が痛い。真木さんが悲しんでる。。。私、何もできなかった。」
と悲しみに暮れる。

そばにいた奈月中尉と八島准尉とゴースト准尉。
困った顔をしつつ、ベットの奈美の目線に合わせて話すゴースト。
ゴースト准尉「まだですよ。奈美さんずうっと戦闘前からフォローしてたじゃないですか。
力を使ってまで。。ここからはそれはなしで、奈美さんのできることしましょうよ。」
と思いつつもさらに傷つけてしまうことを懸念していた。

洸騎はポロっとゴーストが言ってしまった力とは?と思ったが、奈月の顔を見て、これは言うべきではないなと
思いつつ奈美を気遣う。
八島准尉「そうですよ。ゴーストの言う通り。まだ決まったわけではありません。
まだこれからですよ。諦めたらそこで終わりです。ね、奈月さん。」
と奈月にも声をかける。

奈月中尉「うん、此処まで私たちを引っ張って来た真木さんが一抜けするのは許せないよ。
最後まで引っ張ってもらわないと。」

ゴースト准尉「、、、そうですね。指揮官としてこんな終わり方をしてほしくない。
だからさ。できることやっていこうよ。ね?奈美さんできることあるでしょう。
皆を、元気出してもらえること。それをやりましょうよ。でも無理しちゃ駄目ですよ。
私も手伝うからね。」
と元気づける。

ハッとする奈美。
奈美准尉「私にできること、、、します。今から仕込みしますね。」
とベットを出ようとする。

奈月中尉「奈美、貴方いや亜美姉さんと2人なら、真木さんを救えるよ。」

奈美准尉「有難うございます。奈月お姉ちゃん。では早速差し入れを整備班にしたいので
一緒にお願いできますか?」
と言う。

奈月中尉「勿論、手伝うよ!。」

嬉しそうに微笑んで、奈月の手を取り調理室へ向かう。許可を得て
真木達整備班の為に食堂にて仕込みを始める。
それを手伝うゴースト達。

そしてさらに場所は変わる。
戦隊長室にて亜美が南條中将に連絡を入れている。
亜美戦隊長「、、、以上が今回の作戦結果です。最後に。助けられなかった崇宰大尉殿を明日引き渡ししたいので
斯衛の方を申し訳ありませんが横浜基地に来ていただけませんか。


また、可能であれば真木舞香中佐殿もお願いします。
今の状態では真木さんを置いておけません。無期限の実家での待機を命じます。」
と伝える。

南條中将「...崇宰殿の件は了承した。だが真木少佐の件は、余りにも度が過ぎるな。
すぐにでも病院又は営倉入りだろう...普通はな。」
真木の件に関しては、南條は辛口だった。



亜美は困った顔をして言う。
亜美戦隊長「、、、叔父様。私だって両親が戦死した時は発狂しました。奈美のお陰で戻れたのです。
それに真木さんは私たちの希望です。甘いと思われますが、、私は復帰されると思います。
ですから、時間をください。今は休息の時です。斯衛の上層部がどう言うか解りませんが。
お願いします。」
と真木を庇うために頭を下げる。

南條中将「まぁ...な、今更彼女に抜けられても困るのは事実だ。
彼女以上の人材はいないのも事実だし、言っては悪いが私も真木沙奈江と言う一個人に、
亜美ちゃんのお願いもあって今まで相当入れ込んできた。
ああは言ったが、今更自ら手放す気は毛頭無い。
手は尽くそう。」

司令官として、上官としての返答ではなく叔父として答えてくれた南條に感謝しつつ答える。
亜美戦隊長「有難うございます。叔父様。私たちにできることはすべてします。
ですが、一度休息は必要かと。このままこの後は何事もなければいいですが、、」
と不安そうな顔になる。

南條中将「私も、彼女の経歴を見直したが凄いな。大陸から戦い続けているし、何よりあんな性格だ。
溜まっていた物が吹き出したらあぁなるな。」

亜美戦隊長「はい、だから。今は休息の時です。無理に何かをさせるよりも実家に帰らせて
謹慎をしてもらって自身を見つめなおしてほしいです。」

南條中将「そうだな...。」

こうして答えが出ないまま報告は終わり、手配をしていく亜美。

翌日、整備班達が戻ってきた戦隊の戦術機を徹夜で整備している。
整備兵は皆、黙々と作業をしているが、真木の状態を聞いて士気が下がっていた。

奈美はいつものようにお重箱を持って整備ハンガーを訪ねる。
そうするとどうも真木少佐と上月副官が言い争いをしてるように見えた。
周りの整備班達も止めていたが。。

上月副官「今、なんて言いました?」

真木少佐「ねなかった...死ねなかった...。
アタシは自力で死ぬ事もできやしない、臆病者だ...。」
そんな表情が死んだ顔と、正気のない目で上月を見る真木。

上月副官「まだ、まだそんな事を言うんですか!
そう嘆いたって、恭子様は帰って来ないんですよ!
今までだって、貴方は苦しくても受け入れてきたじゃ...」

真木少佐「だからだよっ!
だから!もう!もう...アタシは無理なんだよ...
でも、自力で死ぬ事さえ出来なかった...どうすりゃ良いんだ...。」

真木さ、と言いかけて、固まる奈美。
その様子を見てゴーストと奈月は真木達の状況を確認する。
ゴースト准尉「(、、、奈月さんこれ、真木さんこのままだと厳しいかもしれない。どうするべきか。。。)」
と小声で伝える。

いつもの戦隊の支えになっていた彼女の姿はなく、全てに絶望しながらも、
自害さえ出来ず、最早自分と言うのが分からなくなっている真木の姿だった。

奈月中尉「(殴っても、逆効果だよ。でも優しくしても落ち着くとは思うけど立ち直るかは...)」
ゴースト准尉「(もう、一度殴ってる。これ以上は。。。)
二人とも途方に暮れていた。

上月副官「貴方は大陸から戦ってきた!戦友達の死を見ながら、そして貴方はそんな戦友達の思いを背負っているんです!
貴方が死んだら、誰が背負うんですか!先に行った戦友達は、捧げた命の行方を知りたいはずです。

そんな使命を、呪いを、姉妹に背負わせるんですか?。」

真木少佐「っ!...ひ、卑怯だ...そうやっていつまでアタシを縛れば良いんだよ...。」

その上月副官の言葉と真木の言葉と心の中の声が聞こえて、奈美は絶望し、重箱を床に落とした。
奈美准尉「、、、真木さ、ん。(私は、私は真木さんを生かして苦しめてしまったの。)、ああ、ああーーー(泣。」
大泣きしてその場から去っていく。

ゴーストはプチっと切れて奈月に言う。
ゴースト准尉「(奈月さん、奈美さんを頼みます。俺は真木さんを再度ぶん殴る。頭にきた。)」
と言って静かに真木の前に行く。

奈月中尉「ゴ、ゴーストさん!な、奈美待って!。」
どちらを追いかけるか悩み、奈美を追いかける奈月。

ゴースト准尉「、、、縛る?呪いなら人類全体にすでにかかってますよ。
あの優しい奈美さんをここまで追い込ませて何を言ってるのですか?。」
と腑抜けた真木をフルボッコにしようと両手で殴りかけようとしたその時であった。

亜美戦隊長「ゴースト准尉、そこまで。斯衛の真木舞香中佐殿が来られています。
先ほど崇宰大尉殿は我が戦隊の儀仗隊に見送られ斯衛に引き渡しました。
そして、真木少佐貴方は実家にて無期限の謹慎を言い渡します。
真木中佐殿後はお願いします。」

亜美の言葉でハッとしたゴーストは寸での所で止めて
舞香中佐に敬礼する。

舞香中佐「ご苦労様です。ゴースト准尉、腑抜けた沙奈江をボコボコにしたい気持ちは察しますが、抑えて下さい。」
そして舞香は沙奈江を見る。

舞香中佐「話は聞いてますよ沙奈江。腑抜けましたね。」

真木少佐「腑抜けた?アタシは最初からこれだよ...ただこうやって曝け出してなかっただけださ...。」

舞香中佐「縛られているのは、誰だってそうよ。親友や家族を失った衛士だっている。
気持ちは分かるけど、受け入れなさい。」

真木少佐「分かってるよ!分かってるさ!でも...アタシは...。」

舞香中佐「確かに重症ね。沙奈江少佐は此方が引き取ります。ここまで面倒を見てくれてありがとう。」

ゴースト准尉「、、、申し訳ありませんでした。真木中佐殿にお任せします。」
怒りに任せて行動したことに恥じつつ、謝るゴースト。

亜美は舞香の手を両手で握りしめて直接伝える。
亜美戦隊長「(、、、真木さんをお願いいたします。私たち姉妹はいつまでも待っています。
必ず戻ってくると信じています。)」

舞香は亜美の手を握り返して、想いを伝え返す。
舞香中佐「(ええ、でも沙奈江を救うのは貴方達の役目だと思うわ。暫くは面倒をみるから任せてね。

ちゃんと迎えに来るのよ?)」

亜美はその思いに答える。
亜美戦隊長「(はい、こんなことになってしまいましたが、奈美も必ず戻ってきます。
二人で迎えに行きます、それまでお願いいたします)」
と答えて敬礼してあとは上月副官達に任せると整備ハンガーから出ていく。

亜美戦隊長「(、、、奈美も苦しんでいいる、奈月が癒してくれてばいいが
駄目なら私も動かなければ)。」
とゴーストが慌てて奈美を追いかけていくのを横目で見ながら戻る。

真木は舞香中佐に連れられて実家に戻っていった。
その頃、奈美は泣きながら走っていたが、疲れきって誰もいない所で口を手で閉じで
静かに泣いていた。絶望していた。私は何のために作られて、こんなことをしてしまったのかと。
そうしていると、髪の色が変わっていた。ロシア人のような白い色に。

追いついた奈月はそれを見て困惑する。
奈月中尉「奈美...何その髪色。いつ染めたの?。」

あ、と気が付いて悲しみに暮れて顔を隠す。
奈美准尉「、、、み、見ないでください。私は、私たちは日本人では無いのです。
ソ連で造られて、元々この色だったんです。両親が知り合いの技術者に頼んで
ロシア人としては見えないように今の色にしてくれたのです。
元に戻ったのは、初めて。ごめんなさい。私たちここにいられない。」
と奈月に嫌われたと思い、頭を隠すように通路の奥に隠れようとする。

奈月中尉「待って!そう勝手に思い込みしないでよ!。」
そう言って奈美を抱きしめる奈月。

奈月中尉「私がいつ嫌いなんて言ったの?そう思ったの?心を読めるなら、分かるよね?。」

奈月の暖かい思いが流れ込んでくる。
奈美准尉「ごめんなさい。ごめんなさい。奈月お姉ちゃんの思いが解りました。
でも、でも私、私。皆を不幸にしたのでは、、、だから、真木さんが、
何も変えれなかった。私ここにいて良いのですか。」
と抱きしめられてぎゅっと奈月を抱きしめ返して言う。

奈月中尉「本来なら、何も変えられないのが当たり前なんだよ。
でも奈美がいたからこそ変えられて、救えた命がある。自分で決めて良いんだよ?。」

奈美は涙で濡れた顔で答える。
奈美准尉「、、、いいのですか?私、このままで。自分で決めて。
救えているのでしょうか。私は皆さんのお役に立ててるのでしょうか。」

そこに遅れてきたゴーストも声をかける。
ゴースト准尉「悪いことなんてない、奈美さんの優しさが皆を救っているよ。
ですよね。奈月さんもそうですよね、、って奈美さんの髪の色が。」
と慌てる。

奈月中尉「勿論!。」

二人の言葉に泣き笑いの表情になる。
奈美准尉「有難うございます。嬉しいです。私これからもできることします。
真木さんを救いたい。わ、ゴーストさん?。」

奈美の頭に上着をかぶせて言う。
ゴースト准尉「、、、とその前にまずその髪どうにかしないと。。
とりあえずこっそり、司軍医長にですかね。。このままだとスパイ扱いされそう。」
と二人に言う。

奈月中尉「そうだね。素早く行こう。」

二人は奈美の姿を隠しながら、司軍医長の所へ連れていく。
こうして真木は戦隊を去り、戦隊は暗い雰囲気となるが、姉妹達皆は戻ってくると信じて
進んでいくのであった。
END

 

出雲奪回作戦前編

時は2000年5月頃に進む。
千葉県にある帝国陸軍習志野駐屯地の南條中将の執務室から始まる。
何か大規模な作戦が発動されるのか南條中将と秘書官の七瀬は忙しく調整作業を行っていた。

そんな中で南條中将は執務室で斯衛、厳密には斑鳩からの使いとして、真木舞香中佐が来ていた。
舞香中佐「お忙しいところ失礼しますわ中将。先日の件、大変感謝しております。」

南條中将「いえいえ舞香さん、貴方方も娘さんの沙奈江少佐も、私と戦隊にとってはかけがえのない存在です。
さて、出雲作戦でしたな。貴方の口から詳細は聞かせて頂けると言う事で良いですかな?。」



舞香中佐「勿論ですわ。斑鳩閣下から任されておりますので、お話させて頂きますわね。」
そうして、執務室にて戦隊と斯衛軍部隊による作戦の詳細が話された。

舞香との話後、南條は香月へ通信を繋げる。
南條中将「やぁ香月博士。耳に入れて欲しい話、作戦があってね。」

横浜基地の施設が完成に近いのがうれしいのか機嫌が良さそうな夕呼。
香月副司令「なによ、楽しそうに話しかけてきて、気味が悪いわね。あ、うちの伊隅達は貸せないわよ。」
と、最初からピリャリと言いたいことは言っておく。

南條中将「おや残念。これから戦隊と斯衛部隊の合同作戦があるから、それの共有だよ。
情報共有不足で不測の事態が起こるのは避けたいからね。」
香月の言う事を聞いてないのか、はたまたあえて無視しているのか、どこ吹く風で話す南條。

香月副司令「何が『おや残念』よ、そんなこと全然思ってないくせに。
ほんと、たぬきオヤジよね。
あ、もうじじいかしら。あまりにも孫を可愛がるデレデレなおじいちゃんにしか見えないけど」
と嫌味なのか、からかってる。

だが、斯衛の言葉には反応する。
香月副司令「日本帝国軍が動くのね、しかも斯衛軍主体の作戦ね。戦隊を一度戻して欲しいと。」
とズバリ見抜く。

南條中将「その通りさ。あぁ、事実だから否定しないさ。」

香月副司令「うちは戦隊を作戦参加のために一時的にお返しするで良いのかしら。
その他できることがあれば国連軍として支援するわよ。作戦内容を聞きたいわね。」

南條中将「あぁ、勿論話そう。国連軍は、支援をお願いしたい。」

香月副司令「了解よ。で、何をして欲しいの?」

南條中将「戦術機の武装と弾薬、そちらの方の根回しも頼みたい。」

作戦概要を聞きちょっとピクっとなる。
香月副司令「、、、武装と弾薬ね、それは大丈夫よ。しかしこの作戦目標遠くない?
出雲?しかも前線司令部(HQ)は岡山?こんなんで、ちゃんと成功するの。

出雲からは高級司令部がある京都まで350Kmもの距離よ。
あんたは舞鶴?海軍と共同するならそこが良さそうだけど。」
と作戦に不安を感じとる。

暗い顔をする夕呼。
香月副司令「、、、よほど斯衛は自信がある作戦のようね。
でも、今武御雷がようやく量産にこぎつけたとは言え、
まだそこまで前線に配備が追い付いてないと聞いているわよ。
戦隊を無事返してあげなさいよ。
そのままこき使ってやるんだから。」
とツンデレのように言う。

南條中将「勿論だ、死なせるつもりはない。彼女らはこの先必要だからな。」

香月副司令「そうね、私にとってもよ。研究が捗るわ。
で、戦隊は全員なの?工兵戦術機部隊?とか真木少佐とかも連れて行くの?」

南條中将「メインは斯衛だとは言え、戦隊の価値を示す機会なのは変わらない。
大々的に斯衛軍に戦隊の価値を示す為にも、なるべく全機出撃させる予定だ。
真木少佐は言わずもがなだ、彼女は斯衛軍からの出向で、先行型の武御雷を使っているんだ。
出ないわけにいかないだろう。」

南條中将「彼女が活躍したらしたで、斯衛からの要請が強くなるだろうな。
佐渡島での復帰戦以降、斯衛軍から再三真木沙奈江少佐の斯衛軍復帰を求められてるが、
本人が容赦なくその要請蹴ってるからね。
おかげで、斯衛側から色々と愚痴やら何やら聞かされて飯が更に不味くなるよ。全く。」

香月副司令「まあ、全力出撃よね。解ったわ。こちらとしては特に問題ないわ。
今は戦隊とは連携演習ぐらいなので。その先ね。必要なのは。
そうね、それは言われたら愚痴りたくなるわね。ご愁傷様。
、、、一つだけ言っておきたいことがあるわ。」
と横向きで顔だけ画面に向けていた夕呼はきっちり正面を向く。

南條中将「何かな?」

香月司令「、、、あまり姉妹に能力を使わせない事ね。
この前のうちの食堂でのうちの衛士とのいざこざで姉の方が倒れかけて
私が直接処置したけど、あれは半分は人間よ。生態的には作り物のまがい者だけど。
脳が追い付いて来てない。だから脳溢血に近い状態だったわ。
あまり危険な事はさせない方がいい。この先同じことが起これば
それこそ命の保証はできないわ。自我もなくなるかもしれないわ。」
と言う。

南條中将「...あぁ、私も能力の使いすぎは行けないとては尽くして来たが、結局2人は使ってしまう。
情けない限りだよ、叔父失格だな。」

香月副司令「、、、まあ仕方ないと言えばしかたないのかもしれないけど。このご時世。
叔父失格はないと思うわよ。あの姉妹があんたを見ている視線をみてそう思うわ。」
と答える。

南條中将「なら良いんだがな...さて、ついでだけどそのまま戦隊長に作戦を伝えてくれ。
私が行くなどよりも確実に早いし、準備も早く始められるからな。」

香月副司令「了解したわ。この後作戦の前準備等あると思うので、一時的に私の配下から外すわ。
好きに使ってちょうだい。でも任務が終わったら私の配下に戻すわよ。こき使うから。」

南條中将「いや、創設から支援している私の方が配下と言っても良いんだがね...。
まぁ今の所そうだから否定する気はないが。
私は別件で出雲作戦だけを見るわけにはいかなくなったからな...。」

恭次郎が司令部に行かない事を聞き顔を曇らせる夕呼。
香月副司令「またまた、この狸おやじが何をいってるの。
あんたが暗躍してるから姉妹が、戦隊が活躍できるのに。
しかし、、、この作戦いかに斯衛とは言え、さすがにきついと思うわ。
あんたが、司令部に居なければ何かあったら敗退するかもしれない。
戦隊をちゃんと帰らせてあげなさいよね。
でないと、私が好き勝手にこきつかえなくなるじゃない。」

南條中将「そうしたいんだが、反抗作戦の裏で色々やらかそうと言う不届者もいるみたいでね。
陸軍は私の管轄、戦隊に牙が向いてしまうのだけは避けなければならんからな...。」

香月副司令「、、、確かに帝国陸軍で不穏な気配があるわね。
そいつらが決起する恐れがあることをこちらでもつかんでいるわ。
何かあったら横浜基地に来なさい。匿ってあげるわよ。
今までのよしみで。それならあんたもこき使える。」
と冗談を交えて言う。

南條中将「ははは、最悪そうしようかとは思うよ。まぁ先ずは打てる手を打つさ。
出雲作戦は任せるよ、早めに片付けて来る。」

香月副司令「解ったわ。さっさと片付けて戦隊の支援をなさい。
私もできるだけこの基地の補給物資を戦隊に貸してあげるように手配しておくから。」

南條中将「それではな。」
そうして通信は切れた。

香月副司令「、、、まずは補給物資の手配をして、これは貸しにして後で返してもらう。
さて、戦隊の首脳メンバーを呼ぶか。」
と周りにいる香月副司令付きのオペレーターに声をかけ、手配と戦隊のメンバーを呼び出す。

すぐに出頭する4名(亜美戦隊長と橘副官、真木少佐、上月副官)
亜美戦隊長が香月副司令に頭~、中と敬礼の号令をかけて
真木少佐達も併せて敬礼する。

香月副司令「敬礼は不要よ。私嫌いなの。狸おやじから指令が来たわよ。
あんた達戦隊は一時的に私の指揮下から離れて斯衛主体の作戦である出雲奪還作戦に
出撃してもらう。一緒にこの基地の補給物資と弾薬を狸おやじに頼まれたから持って行っていいわよ。
あとはこの作戦指令書を見て頂戴。ちゃんと帰ってきなさいよ。解散。」
と電子データを橘副官に送り作戦に興味が無いのか他の作業で指令室より出ていく。

亜美は会釈式の敬礼を行い退出を見送り真木を見る。



真木少佐「ついに斯衛との合同作戦か...アタシも斯衛なのになんか変な感じだな。」
そう言いながら、真木は頭を掻く。



上月副官「出向と言う扱いですが、我々は斯衛ではなく第零独立強襲戦隊ですからね。」


真木少佐「そうだね、もしかしたら恭子に会えるからもしれないな。」

上月副官「少佐、崇宰様に失礼のない様にして下さい。周りの目もありますから。」

亜美戦隊長「いま、送られてきた内容をまとめた橘副官に作戦概要をざっと見せてもらいましたが、、、。。
これはちょっと不安を感じます。確かに斯衛は強い。一騎当千の方々ばかりです。
ですが、この時期にしかもまだ大阪以降先の九州よりの出雲地方とは。
もちろん私も行きたいです。両親の、せめて遺骨を回収したいので。
ですが、、、」
と何か嫌な感じがするのか一瞬うつむき。

亜美戦隊長「、、、ここでは国連軍の方々に聞こえてしまうので、戦隊の会議室で作戦概要の詳細確認等を
行いましょう。紫音、独立機械化工兵戦術機中隊の丸芽特務大尉と畑中副官、空挺輸送機部隊の葉吹大尉を至急呼んで。
詳細を詰めましょう。」
と国連軍側の司令室を出る。

真木少佐「何...?あぁ、そうしよう。」

戦隊の会議室にて詳細を確認する亜美達。
亜美戦隊長「この作戦どう思います。どうやら真木中佐殿が例のお方からの指示で南條中将あてに
来たみたいですが。。
私たちは側面支援?それは良いのですが。。。」

真木少佐「アタシと上月は強制出撃だな、それで問題は何かあるかい?」

亜美戦隊長「、、、前線司令部と最前線の出雲との距離が離れすぎです。
しかもまだ西日本を完全制圧もしていないはずです。
しかも、、高級司令部の京都から350kmも先ですよ。
舞鶴に海軍部隊もいますが、それも遠い。
これ、前線と司令部が分断されたら、戦線が崩壊してしまいます。
何かあったら、補給も受けられません。斯衛の上層部はどうしてこんな無茶を。
確かに出雲のBETA群の拠点を潰すのは必要ですが、後方との分断されてしまう事をどう考えているのでしょうか。」

真木少佐「...正気じゃないねこりゃあ。確実に補給を蔑ろにしてる、大した抵抗がないとたかを括っているのか。
斯衛衛士の腕と武御雷の性能を信じている自信もありそうだな、大陸と九州・中国地方での地獄の撤退戦を知らないと見たよ」

上月副官「慢心、でしょうか?斯衛がまさかそんな...」

亜美の話を聞き、重く見る真木と斯衛に慢心があるのかと不安に駆られる上月。


亜美戦隊長「確かに武御雷は強い。斯衛の衛士も強い。ですが、武御雷は1ケ月の生産量はまだ少ないはず。
前線にはまだそんなに配備されていないのでは。。真木さん、今一度可能であれば舞香中佐殿に意見具申を
お願いしたいです。もう作戦は決まっていて厳しいかと思いますが。。」

真木の話を聞きつつ。
亜美戦隊長「真木さん、独立機械化工兵戦術機中隊は今回防衛用に使いましょう。
前線での爆破等ではなく、補給物資と弾薬を多数積載してもらって。何かあったら斯衛にも融通しましょう。
空挺輸送機部隊は我々を送ったのちは後方の完全に安全な場所で待機。
何かあれば我々以外も構わない、空輸して後退してください。」

葉吹大尉「承知しましたわ。できることをやりましょう。」



独立機械化工兵戦術機中隊の丸芽特務大尉と副官の畑中中尉も同意する。
丸芽特務大尉「、、、これは厳しい戦いになりそうですな。しこたま補給物資と弾薬を積み込みます。」


畑中中尉「承知しました。工兵戦術機中隊は今回は補給部隊として動きます。」



亜美戦隊長「申し訳ない、それでいいでしょうか真木さん。ちなみに、真木さん達はだれか連れて行きますか?
第四支援小隊出しましょうか?」
と言う。

真木少佐「あぁ、一度お袋...舞香中佐に意見具申してみる。流石に2機じゃあキツイからね、お願いするよ。
だけど、正面から殴りに行く係は悪いがアタシにやらせてくれ。頼む。」

亜美戦隊長「はい、意見具申お願いします。了解です。
第四支援小隊を真木さんの小隊に付けますね。
正面はお任せします。私の戦隊本部小隊は真木さんの後ろから支援、状況に応じて両翼にも回るか他の斯衛の支援を行います。
右翼に第一中隊、左翼に第二中隊、少し後方に第五砲撃小隊の陣形で行きましょう。
良いですか?」

真木少佐「問題ないね。」

亜美戦隊長「解りました。ではその形で。私達戦隊は、この斯衛部隊の側面支援みたいですね。
この方は確か明星作戦でお会いした方でしょうか?」

真木少佐「あぁ!アタシの同期の桜、五摂政家 崇宰家の崇宰恭子だよ。
身分は違うけど、親友と呼べるのは後にも先にも恭子だけさ。」

亜美戦隊長「なるほど、同期の桜良いですよね。私も紫音と西が居ます。
二人が居ればこの上なく良い戦いがです。同期っていいですよね。」
とにっこり微笑む。

真木少佐「あぁ、良いもんさ。やっと話す機会が出来そうだよ。」

亜美戦隊長「良いですね。これは俄然やる気が出ると言う物ですが。。
まあ私たちもやることをやるように西達に展開して、当日までに演習で
対応しましょう。」

真木少佐「そうだね、任せる。アタシは中佐に意見具申をしてくるよ。」
そう言って、会議室を後にした。

舞香中佐「はい...あら沙奈江。どうしたのかしら?」

真木少佐「ようお袋。要件は分かってんだろ?。」

真木は母 舞香に連絡し、短くそれだけ言う。

舞香中佐「作戦での意見具申って訳ね、悪いけど覆せないわ。
私もあの作戦概要を見て、技術者としてだけど直ぐに具申したわ。
だけど、閣下も斯衛軍全体の勢いを完全に抑え切れなかったみたい。
無理にでも抑えることは出来るみたいだけど、色々と軍内部で亀裂が入る恐れがあるって言っていたわ。ごめんね沙奈江。」

真木少佐「良いさお袋、ハナから無理だとは思っていたさ...一つだけ聞きたいんだけどよ、

前線に行く斯衛部隊の衛士達を捨て駒にする。なんてのはない、よな...?」
舞香の言葉を聞き、内心募った不安を抑えられずそう真木は言った。

舞香中佐「あんな作戦だけど、少なくとも捨て駒扱いはしないわ。

もしそうなる様な時の為に、第零独立強襲戦隊が召集されたのでしょうね。」

真木少佐「なるほど、前線部隊のケツ拭きって訳か...あぁ、任せておいてくれお袋。」

舞香中佐「じゃあ、お願いね?真木沙奈江少佐。」

真木少佐「勿論であります、真木舞香中佐。」
そうして連絡を切る。

真木が母親と話している間、亜美は一度解散させて戦隊長室にて南條中将に連絡をとる。
亜美戦隊長「斯衛の出雲作戦計画案について意見具申があります。
今お時間ございますでしょうか?」

南條中将「時間はあるが...戦隊長、言わなくても分かるだろう?」
亜美の言葉に南條はいつもより重く口を開く。

亜美戦隊長「(やはり、と言うか南條叔父様がここまで口を濁すなら、もう決定は覆すことは
できないのか。ならば。。)
、、、承知いたしました。だた一言だけ。この作戦、失敗しますよ。
ですが南條叔父様が行けと仰るなら行きます、どこであろうとも。
両親もそう言うでしょう。」
と恭二郎の目を見据えて言う。
それは最後まで味方を戦線を護ってみせると言う決意を目線で伝える。

南條中将「私から伝える命令はただ一つだ...多くの戦友を守り、無事に帰還せよ。
1人も欠ける事は許さん。」
南條も亜美の目を見てそう言った。

南條中将「第零独立強襲戦隊の、役目を果たして来なさい。」

亜美戦隊長「、、、できる限りの事は致します。それが両親の願いでもありました。
ですが、戦隊で最後に帰還するのは私です。
指揮官は攻撃時は先頭に、後退時は最後にです。これだけは変えられません。
ですから全員は、、、いえ、失礼いたしました。(敬礼。」
と逃げるように通信を切る。

南條中将「こう言う時に、何か励ましの言葉を贈れない所が叔父失格の証だな...。」
そう1人愚痴る南條。

戦隊長室にて亜美は頭を抱えていた。
亜美戦隊長「(、、、やってしまった。せっかく南條叔父様が気をつかってくれているのに。
私は、、、。いやもうやってしまったことは仕方ない。任務を完遂すべく動くしかない。)
紫音、真木少佐と上月副官、西少佐と甲本大尉、それに丸芽特務大尉と畑中中尉、葉吹大尉、落合副長を会議室に呼んで。
これから出雲奪還作戦での戦隊の内容を説明するわ。それから作戦実行の近くまでに演習を重ねて攻勢も防衛戦も
できるようにできる限りやれることをしよう。」

紫音は、亜美の苦悩を見て、微笑み答える。
橘副官「、、、承知いたしました。大丈夫ですよ今回は、真木少佐殿達もいますからね。
戦隊全員で戦線を支えましょう。できる限りのことを想定して訓練しましょう。」



亜美戦隊長「そうね、そうしましょう。」
と紫音は戦隊首脳部メンバーに通達し、再度会議室に集まる。

真木少佐「中佐に連絡したけど、無理だったよ。そっちは...無理だったみたいだね。」

亜美戦隊長「、、、南條中将にも意見具申しようとしましたが、さすがに斯衛の作戦に
口を出すことはできなかったみたいです。政治で動いてます今回の作戦。
帝国陸軍の1部隊である私たちにどこまでできるか果たして解りません。
ですが、できることはしたい。なので攻勢作戦内容だけでなく、
何かあったときの防衛戦も考えて動きたいです。
できますか皆。我々は最悪味方の、斯衛の撤退時の対応を優先で動きます。」
と全員を見て話す亜美。

真木少佐「アタシ達戦隊の創設理由ってそうだろ?誰かが誰かの逃げ道を確保しなきゃならないんだ、
アタシ達がその役目をやらないで一体誰がやるんだってさ。」

西少佐「亜美、私はお前について行くさ。やりたいように命令を出せ。
その通りに動くさ。」
と片目の女男爵は不敵な笑みを浮かべて答える。



凜大尉「もちろんよ。もうあの中国地方防衛戦のような悲惨な戦いをしたくないわ。
私は今度こそ仲間を護りたい。」
と凜も答える。



葉吹大尉「戦隊長のやりたいことをどうぞ行ってください。私たちはそれを支援いたしますわ。」
とにっこり笑い答える葉吹。

丸芽特務大尉「もちろんだ。戦隊長。我々も九州の防衛戦では仲間を失った。
もうあんな思いは嫌だ。だが覚悟を決めた兵(つわもの)は、窮地にあっては無敵となる。
やれるさ、この戦隊ならな。」

畑中中尉「大きくでましたね、大尉。見栄を張るのも大概にした方がよろしいかと
普段なら言っていましたが……、今ばかりは私もその見栄に乗りましょう。」 

真木少佐「つー訳だ戦隊長、指示をしな。アタシ達の為せる事を、為しに行こうじゃねぇか!」

亜美戦隊長「皆さん、、、有難うございます。では詳細を詰めて、後日全体に任務を伝えましょう。」
こうして亜美達は防衛戦を含めての出雲奪回作戦の戦隊の行動計画を立て後日作戦に参加する
戦隊隊員を大きな会議室へ集め、作戦概要を説明する。

亜美戦隊長「以上が、作戦内容となる。今回は斯衛部隊による、出雲地方の奪還作戦だ。
我々は、斯衛部隊の側面支援を第一に攻勢をかける。なお、HQは岡山に置くことと決定されている。」

ざわつく会議室内。
亜美戦隊長「、、、質問は随時受け付ける、だが、作戦はもう決まっていて我々には覆す権限はない。
前線でできることをするしかない。万が一に備えて今回は撤退戦と防衛戦のプランも想定した。
こちらもよく読み込むように。」
と言う。

奈美に小声で声をかける。
ゴースト准尉「(、、、京都から350㎞ぐらいありますよね。これ、補給やら後方の警戒やら大丈夫なんでしょうか、
さすがに斯衛といえどもこれはきついのでは。それぐらい余裕なのでしょうか斯衛にとっては)。」



奈美准尉「(さすがにそこまでの余裕は斯衛にあるとは思えません。それに西日本と九州地方も
まだ奪回できてない状態で。。これは確かに成功すれば西日本の橋頭堡になりえます。
ですが、、南條中将でも意見具申は出来なかったらしいので上の方で政治で動いてるかもしれません。)」



後ろでその小声の話を聞いていた洸騎は珍しく人前でしかめっ面になる。
八島准尉「(、、、まったくまたお上の都合で、これか。これはひと悶着どころでないことが
現場で起こりそうだな。。)」
と小声で愚痴っていた。



奈月中尉「な、なんですかこの作戦!斯衛の前線部隊が私達がいないと孤立しているのと同じです!
これじゃあ捨て駒と変わらないじゃないですか!」



奈月は声を荒げ、真木と亜美に強い目線を向ける。

真木少佐「アタシだって、納得出来ないさ。だが南條のオヤジさんも匙投げてる。
ならば、アタシ達はどれだけ斯衛部隊の損失を減らすかを考えるべきだ。」

真木は冷静に返した。

奈月中尉「ですが...!」

珍しく、武子が間に入る。
西少佐「、、、そこまでだ。亜美達もそこは解っている。解っていてどうしようもないんだ。
うちも上層部につてはあって、情報は得ているが、どうにもならなかった。
だから、前線でできる事をするしかない。
、、、こんなんだから上層部に行きたくないのは認めるがな。」
とボソッと最後のは言う。

凜もなだめる。
凜大尉「こういう上層部の命令は覆らないわ。それは九州と西日本、京都で散々味わったわ。
だから、現場で変えていきましょう。ね?奈月中尉。」

奈月中尉「...分かり、ました。」
血が出るほどに手を握りしめながら奈月は言う。

その表情を見て、手を優しく握りしめる洸騎。
八島准尉「、、、奈月さん、私たちにしかできないことをしましょう。
これは我々にしかできません。斯衛の方は、上からの柵があります。
だから前線でできる事をするべきです。我ら戦隊の思いを作戦にしましょう。
そこは戦隊長達も考えてくれてますよ。」

奈月中尉「洸騎さん...はい...」

八島准尉「うん、まずは自分の体を労わらないと。
それではまず自身を追い込んでしまいますよ。奈美准尉頼みます。」

奈月の手に包帯を巻きながら話す奈美。
奈美准尉「もう、あの頃の思いを誰にもさせたくないと思いますが、
だから現場で変えるしかないのかも。だから絶対生き残らないと。
それに斯衛の方々も支援しないと。」 
とその表情は晴れていない。

ゴースト准尉「(、、、やはり俺でも何かまずいと思うぐらいだ。奈美さん何か解っているな。)」
と奈美の目を見て考える。

真木少佐「ゴースト!なんて顔をしてるんだい!
んなシケタ面を今しても何も変わらなねぇよ?」
強くゴーストの背中を叩く。

ゴーストはしまった顔に出ていたかと思い、小声で真木に言う。
ゴースト准尉「イテ、まったく。、、、申し訳ありません。そうですね。
しかし何かしら起こりえると考えた方がいいかもしれません。
あの奈美さんの表情をされる時は何かしら悪いことが起きる気がします。」

ゴースト准尉「そこを含めての何か対策考えた方が良い気がします。」

真木少佐「そうだな。亜美、なんか良い案はないか?」

亜美戦隊長「、、、そうですね。戦隊の補給ポイントと申請しておいて撤退戦の補給場所と拠点防衛用地点を構築しますかね。
ではどうでしょうか。工兵戦術機部隊可能ですか?」

真木少佐「確かに、本部とかなり離れているし前線用の補給地点と防衛陣地は必要だな。
良い案じゃないか。」

丸芽特務大尉「むろん、我が部隊にお任せを。陣地構築はお手の物だ。
補給場所に構築しよう中尉できるな。」

畑中副官「もちろんですよ。万が一の時は頑強に粘れる陣地構築を策定いたします。」

真木少佐「決まりだな。工兵隊は戦隊長の案通り、補給及び防衛陣地を構築。
陣地構築出来次第、砲撃部隊を展開して斯衛部隊への支援砲撃を敢行。
んで、第一・ニ中隊は側面からくるBETA群の処理、って所だな。」

亜美戦隊長「はい、それで行きましょう。
真木さん率いる遊撃分隊は独立して動いて頂いて構いません。
必要があれば戦隊の各小隊を引き抜いて率いてください。
その権限を付けておきます。」

真木少佐「あぁ、任せな!」

こうして部隊全員に通達され、演習を経て作戦計画に齟齬がないように進めて行った。
作戦実行一週間前、あわただしく戦隊は動いていた。
最後の打ち合わせで支援する斯衛部隊と最終的な打ち合わせを行うため、
該当斯衛基地へ亜美と真木達は向かった。

真木少佐「(これから起きる作戦は、アタシからみても無茶苦茶だ。
亜美と奈美が又しに行くような真似はしないで欲しいけど...最悪、アタシが盾にでも...)」

その心の声を聴き亜美は首を振ってこたえる。
亜美戦隊長「(、、、それはできません。奈美も同じ考えですよ。
生きるも死ぬも一緒です。盾になって欲しくないです。
その思いだけで十分です。私は戦隊長としてやるべきことをします。
奈美も電子戦術オペレーターとして考えてます。何か考えていることが
この前の会議の様子では何か有りそうですが。)」
と手を握って答える。

亜美の心の声を聞き真木は、
真木少佐「(そうか...アンタ達が幸せならアタシは...いや、そんな考えはよそうか。)」
そう思った。

真木は九州防衛戦で生き残ってから、整備班長になり、そして戦隊の副戦隊長となった今でも、

自身の生きる意味と言う物を見出せているのかと自問自答していた。
真木少佐「(...こればかりはアタシ自身が答えを出さなきゃならない。今回の作戦で何か見つけられれば良いが。)」
 

真木は思った。
戦隊の中で人一倍誰かの支えになろうと翻弄し続けていた。また、同時に一番多くの衛士を始めとした

戦友を失う所を見てきてそう思った。しかしその反面、真木の心は疲弊し続けていた。

亜美は真木の心内を再度知り、また奈美の想いから、何かこの作戦の結末に不安を覚えるのであった。
しかし、真木さんだけは護りたいと、せっかくこうして知り合えてここまで支えてくれた方だ。
私たちにとっての生きる意味でもあると思った。

亜美「、、、真木さん。やりたい事今回やっていただいて構いませんよ。
私たち姉妹は真木さんに本当に助けられました。だから良いのですよ。
護りたいこの思いに斯衛も陸軍もありません。
私の命令に従わなくても大丈夫です。私はそれを咎めません。」
と真木の目を見て答える。

真木少佐「...気持ちだけ受け取っておくよ。
アタシのやりたいことか、やりたいことって何だっけな...。」
そんな事を言い、遠くを見つめる真木。

なにか真木のつぶやきに違和感を覚える亜美。
奈美が何か不安を感じてる事がこれなのかと思うが奈美が心を閉ざしてしまっていて結論は出なかった。

亜美は気まずく無言になり、ちょうど斯衛の基地に到着した。

会議室へ通された亜美達。
そこへ二人の斯衛衛士が来て、敬礼し席に座り話す。
崇宰恭子大尉と篁唯依中尉であった。

崇宰大尉「久しぶりだな、沙奈江。いや、真木少佐殿とお呼びするべきか。」
少し、茶化すように久々に会う同期の桜である戦友に声をかける。

真木少佐「やめてくれよ恭子。アタシ達の間に敬語は不要だろう?
それに、少佐の階級は戦隊にいるからだ。斯衛に戻れば一介の大尉だよ。
それとも、アタシこそアンタ...貴方様を恭子様とお呼びした方が良いと思いますが?」
と逆に崇宰を茶化す。

やれやれと思う恭子。
崇宰大尉「、、、貴様、その言い方似合わないぞ。いまさらそんな呼び方されてもな、と
失礼した。早雲少佐殿。以前お会いした斯衛軍第16斯衛大隊所属の崇宰恭子です。
今回はよろしく頼みます。
こちらは私の副官を兼ねている篁唯依中尉です。
今回、作戦の側面支援助かります。詳細を確認いたしましょう。」

篁中尉「同じく斯衛軍第16斯衛大隊所属の篁唯依です。
宜しくお願い致します。
生真面目に敬礼して答える。

亜美戦隊長「丁寧なご紹介有難うございます。
今回はよろしくお願いいたします。」
と真木との茶化し合いをほほえましく思い答える。

真木少佐「だろ?だからいつもの感じで頼むぜ。
篁中尉か、アタシは真木沙奈江。斯衛から戦隊に出向した色物衛士、とだけ覚えていれば良い。
聞いたよ、帝都で壮絶な目にあったってね...。」
いつもの様に笑って、自己紹介をする真木。

篁中尉「、、、はい。帝都では色々ありました。真木少佐殿も、、色々有ったことは
聞いております。宜しくお願い致します。」
と一瞬顔を曇らせるがそれ以上は言わずに答える。

真木少佐「あぁ、宜しくな。(軽く彼女の戦歴を見たが、初陣で小隊全滅を経験したんだ...あぁもなるか。)」
無視意識に真木は篁に優しく微笑んでいた。

亜美も心の中の想いが聞こえてああ、この方もかと思った。確か奈月中尉とゴースト准尉の当時の報告で
少し聞いたが、あの後かなりの地獄を見た事を戦歴で知った。
ここで話すことではないと思い話さなかったが。

こうして両部隊は綿密に最終打ち合わせを行った。
そして打ち合わせ後、見送りする崇宰大尉。

その帰り際に真木は口を開いた。

真木少佐「なぁ恭子。止める気はねぇが、本当に良いのか?
強襲戦隊の少佐ではなく、アンタの親友としてだ。
アタシはまだまだ恭子と語りたい事や、共に色々やりたい事もある...この作戦、恭子自身は良いのか?」
それとなく聞こうとしたが、何か胸騒ぎがしたのか、包み隠せなかった。

一瞬困った顔をした崇宰大尉。
崇宰大尉「、、、良くは無い。だが、斯衛として武家としては命令には従うしかない。
我々は、。もっと上の政治的な話し合いでこうなっている。だから何も言えない。」
少し同期の親友の言葉に答えるが多くは言えないようだ。

真木少佐「そうか...アタシ達はアンタらの援護が主任務だ。

必要なら直ぐに呼んでくれ、恭子の為ならすっ飛んで行くからよ!」
真木は不安を吹き飛ばす様にそう言った。

だが、心の中の不安は飛ばなかった。

その言葉に驚き苦笑する。
崇宰大尉「まったく、お前はいつもそうだ。だが、今回はありがたくそうしてもらうとしよう。
部下たちも護らなくてはいけない立場だからな。」
と答える。

真木少佐「恭子、死ぬなよ。再会が靖国なんてゴメンだからな。」

その言葉には答えず、振り向かずに基地内に戻る崇宰大尉。

察していた亜美は少し離れたところで待っていたが戻り真木に声をかける。
亜美戦隊長「、、、やはり斯衛内でもなにやらありそうですね。
何とか作戦が成功すればいいですが。」
と小声で話す。

真木少佐「そうだね...アタシ達に出来る事をしよう。」
真木もその場を後にするが、その背中は物悲しく感じられた。

亜美は思った。いつも心強い、大きな背中が小さく見え、
そして悲しそうな感じがして何か不安が高まるのであった。

時は少し戻り亜美達が斯衛の基地についたころの戦隊基地内。
ゴーストが奈美の部屋のドアを叩いてる。
ゴースト准尉「奈美さん、大丈夫?一人で悩んでも仕方ない。みんなで考えましょう。
何かいい案があるはずです。(汗。」
ドアは開かない。自室なら安全か。しばらく一人にさせた方がいいのか。
と迷いつつ、衛士待機室に行く。

そこには奈月と洸騎が居た。
こちらはこちらで、洸騎が奈月を慰めていた。

そこにゴーストがしかめっ面で二人の正面に座る。

ゴースト准尉「、、、この作戦こんなので大丈夫なのか。。。俺は投げ出したくなってきた。」
と珍しく本気のような冗談を言っている。

奈月中尉「分からないよ...どう考えても無謀な作戦にしか思えない...。」
奈月はそう呟く。

八島准尉「そしてお上は責任はとらないだろうな。失敗したら現場の指揮官に全て押し付けて。。。
だがそうはさせない。玉砕なんぞさせてたるか。兵隊は消耗品ではない。
?ゴーストどうした。奈美准尉は。 さっきのあの表情はとても悲しそうだった。何か思いつめてなければいいのだけど。」

ゴースト准尉「、、、悩んでる。俺じゃだめだ。
ふさぎこんでる。肝心な時に何もできない。歯痒い。
奈月さん、お願いできますか。自分は無力です。」
と頭を下げて頼み込む。

奈月中尉「私...私、なんかで良いのかな...。」

ゴースト准尉「申し訳ない。自分では、、無理なようです。
今、真木さんも戦隊長もいない。ここは奈月さん、お姉さんの言葉なら響くと思いますよ。
それでダメなら無理かもしれない。止められない。この負の流れは。。」
と愕然として言う。

奈月中尉「...分かった。そこまで言うなら行ってくる。」
自身もそれが出来るのかと思いながら奈月は、足取り重くなれど奈美の部屋へ向かった。

奈月が去って二人は話す。
八島准尉「、、、奈月さんも奈美さんもこの状態はまずいな。
傷のなめ合いでもいいから何とか元気になって欲しい。」

ゴースト准尉「そうだな。。。クソ、不甲斐ない。」
と机にこぶしを叩きつけるゴースト。

奈月はどうすればよいか解らないまま答えが出ないまま、奈美の自室に着く。

奈月中尉「奈美、いるんでしょ?此処を開けてくれないかな?」
だが反応は無かった。

奈月中尉「...私にも話せないことって事なのかな?
いや、それで合っていると思うよ。私もどうしたら良いのかの答えは無い。
自分自身の答えを見出せて無いのに、貴方にどうこう言う資格なんてない...いっそのこと、

此処で自分の頭を銃で撃ち抜いたら、楽になれるかも知れないね。」
扉にもたれ掛かりながら、自身のホルスターから拳銃を引き抜いてそう呟く。

扉が開く。
泣きながら奈月に飛びつく奈美。
奈美准尉「いや、いや。奈月お姉ちゃん。それだけはやめてください。
私そんなことになったら生きてられない。うわあああああ。」
と大泣きする。

奈月中尉「本当は何か励ませれば良いけど、今の私にはそんな気の利いた言葉は言えない。
実際、こうでもしなければ奈美は出てこなかった...私の答えはやっぱり...」
大泣きをする奈美を半端無視する形で、奈月は言葉を紡いでいた。

奈美准尉「奈月お姉ちゃんが死ぬなら私も死にます。
生きていても仕方ない。それに何か、何が起こるか解らないのですが、
どうしようもないことが起こる気がします。それが何なのか
何も解らないのです。私は、、私は大好きな奈月お姉ちゃんを真木さんを助けたいのに。」
と崩れて座り込み泣き続ける。

奈月中尉「...少なくとも此処で泣いている暇はないんじゃないかな?
それで何かが変わるわけでもないんだから。」
奈月はそう呟くが、それ以外に自身に言える事はないと思い。ゆっくりとその場を離れようとする。

待って、待って奈月お姉ちゃん。と言いかけて手を奈月の腕を取ろうとしたが奈美は自分でもどうすればいいの解らず
その手を下してうなだれる。

そこにすっと現れる菅中尉。
右手で奈月の頬を叩く。
サングラスに隠れてその表情は見えない。が、悲しそうな顔つきであった。

菅中尉「まったくもう二人とも不器用なんだから。
奈月中尉、あなた義理とは言えお姉ちゃんなんでしょう?ならしてあげることは1つ。抱きしめてあげればいいのよ。
それに奈美准尉、貴方はもっと他人を頼りなさい。奈月中尉やゴースト准尉が居るのだから。
そうして一人で全て背負っていくつもり?そんなことしてたらあなた潰れるわよ。」
と優しく諭す。

奈月中尉「菅さん...私は...(言われなくてもそうはして来た。
それでも背負い込む奈美を見て、私は、もうどうして良いか分からないよ...)」
菅の言葉に奈月は顔を下に向ける。

小声で話す嘉代子。
菅中尉「、、、それでもね。良いのよ。あなたも悩んでることは解るわ。
それでも二人でいれば気持ちも落ち着くものよ。
貴方の励ましが奈美准尉の心を落ち着かせられるわよ。
これは私の母親としてのカンだけど。
貴方しかいないわ。お願い、二人で歩んでちょうだい。」
と言う。

そしてサングラスを外して悲しそうな顔でさらに伝える。
菅中尉「、、、私は娘達と最期に仲たがいをしたまま悔やんだまま別れたの。
そんなことさせたくない。だからちゃんと話し合って欲しいのよ。」
と言う。

奈月中尉「...奈美、おいで。」
菅からの言葉に応える様に、奈月は奈美に声を掛けて、両手を広げた。

奈美はその奈月の胸に飛び込む。
奈美准尉「、、、ごめんなさい。私またどうしていいのか解らなくなってしまって。ごめんなさい。
亜美姉さんと私、おそらく真木さんに嫌われます。この作戦の結末は解りませんが、、何かが。
どうすれば。」
泣きながら謝る奈美。

奈月中尉「それを探すのが私達のやるべき事だと思うよ。
答えが一つだとは限らないから。」

奈美准尉「、、、そうですね。変えたいです。変わりたいです。」

それを優しく微笑んで見守っている嘉代子。
菅中尉「そうよ、奈月中尉の言う通り。
そして、そこの角で様子を見ている二人の男の子、出てきなさいよ。
皆で探しましょう。」
と少し先の通路の角から心配そうにしてばつが悪そうにしている
洸騎とゴーストが出てくる。

奈月中尉「...とりあえず、ゴーストさん何か言う事はある?」

ゴーストに対して奈月はそう言う。

ゴーストはばつが悪そうに奈月の前に出てきて頭を下げる。
ゴースト准尉「奈月さんに押し付けて、申し訳ないです。」

ゴースト准尉「その上で、今の話を聞いていると。。現場で何かできることがあればいいですが。
できる事あるかどうか。」
とどうすればいいのか解らない二人であった。

困惑している二人に謝る奈美。
奈美准尉「、、、申し訳ありません。私にも今回は正確に見えてないのです。
曖昧な内容で。。一緒に皆さん探してもらえますか。」
と奈月たちを見て言う。

奈月中尉「勿論、抱え込むよりずっと良いよ。」

奈美准尉「奈月お姉ちゃん、、、有難うございます。大好きです。」
と泣き笑いをする。

奈月中尉「そこの2人も、ちゃんとしてね?」

ゴースト准尉「できることを探してみます。」

八島准尉「解りました。

(??前から思ったが奈月さんは何を言っているのか。自分には言えないことがあるのは解るが、、、

3人は知ってるような気がするが)」
と少し疑問に感じた。

ゴースト准尉「(、、、と言ってこの状態でできる事って、何かあったら盾になるぐらいしか。
探すしかないのだけども。。)」

そしてできる事を考えたが答えが出るわけでもなかった。

夜、明日の作戦決行の為戦術機の最終調整も終わり、全員が寝静まった頃。

真木は、横浜基地近くにある木の下でタバコを吸っていた。
真木少佐「...大事な作戦前だってのに、なんで寝れないんだ。しかもあんな縁起が無い悪夢を見るなんて。」

真木は明日の作戦で、恭子が目の前でBETAに食われ、そして自分自身に全てを否定されると言う悪夢を見てしまい、

寝れずにいた。

そこに心配した亜美が来る。
亜美戦隊長「真木さん、どうされたのですか。」

真木少佐「亜美か、嫌な夢を見てね...。」

そう言い始め、悪夢の内容を喋った。

真木少佐「奈美の夢見もこんな感じなのかね。」

亜美戦隊長「、、、そうですね。奈美の夢見と似ていますね。
ですが、、変えるために準備をしました。変えたいです。」
と真木を抱きしめる。

真木少佐「そう、だね...アタシが諦めたらダメなのは分かってる。でも、大陸でも九州でも、アタシは何も守れちゃいない。」

首を振る亜美。
亜美戦隊長「そんな事ありません。私達は少なくとも助けてもらいましたし、

奈月もそう、皆助けてもらったから今が有るのですよ。
奈美だって真木さんが居るから生きて行ける。」
と答える。

真木少佐「そう、だね。」
それでも真木は、親友を失う喪失感を恐れていた。

亜美戦隊長「恐れは解ります。私も両親を失いました。ですが、今回は支援が出来ます。
ですから全力出撃です。」
と答える。

真木少佐「あぁ、ありがとう。」
真木は静かに伝えた。

こうして夜は更けていった。

出撃4時間前。亜美は戦隊長室で考え込んでいた。
亜美戦隊長「(、、、最悪の事を考えて編成を変えるか。
私が直接奈美と警戒機で動けば、ゴースト准尉を機動編成で行ける。それなら色々対応できるはず)」

その思考を解っていた副官の紫音はため息をついて言う。
橘副官「、、、亜美、それをやったらゴースト准尉悲しみますよ。
それでも、やりますよね。その表情なら。」
と困った顔をしている。

亜美戦隊長「、、、そうね。だけどそれが一番いいと思う。
私は指揮に専念したいから。これが一番いいと思う。
紫音、整備ハンガーに行くわよ。」

しかたないなと思いつつも従う紫音。
橘副官「、、、仕方ありませんね。お供します。」
と二人で整備ハンガーに行く。

整備ハンガーにて。
出撃前の機体整備でバタバタしてる整備兵たち。

その整備兵達に紫音が声をかける。
橘副官「戦隊長入ります。整備班長もしくは副長お願いします。」

迎えたのは真木だった。
真木少佐「どうした?今はアタシに代わって落合が現場監督をしてるよ。」
整備班達の姿を遠目に見つめる真木。その目は、何か決意した意思を感じさせる。

真木が出てきたのを見て紫音は亜美の後ろに下がる。
決意した真木を見つめて亜美が言う。
亜美戦隊長「(この決意を無駄にさせたくない。できることをしたい)
真木さん、すみません。全力出撃前の整備班が忙しい時に。私の機体とゴースト准尉の機体の個人設定をそれぞれ
私とゴースト准尉のを追加で入れてください。機体変更をかけます。これは戦隊長命令です。」
とすまなさそうに普段は言わない事を言う。

真木はその言葉を聞き、静かに口を開く。
真木少佐「...佐渡島の時みたいなことをする気かい?
なら整備班長としても、副戦隊長としてもその命令は聞けないね。説明を求めるよ。」
断固として説明を要求した。

やはりそうなるかと思いつつも本心を言う。
亜美戦隊長「私は今回指揮に専念します。だからゴースト准尉には機動戦で第二中隊で甲本大尉と奈月中尉で動いて

欲しいと思いました。
それが一番いいかと思いました。だからです。決して佐渡島のようなことはしません。
ただし『指揮官は攻める時は先頭、後退する時は最後』だけは譲れません。だからこうした方が良いと。
それでは駄目ですが?」
とこちらも決意を交えて答える。

真木少佐「指揮官は攻める時は先頭、後退時は最後尾ってのは同意だが...佐渡島のような事はしないと言う言葉は、

すまないが信用出来ない。
納得できる様に、アタシを説得してみな。」

佐渡島の一件が出た影響か、簡単に飲み込んではくれない。

亜美戦隊長「第六警戒小隊は機動戦ができません。それならば本来の編成とは変わってしまいますが、
私が指揮を執りつつ警戒機で支援するのが良いかと、奈美と違う意味での連携が取れるので。


それにゴースト准尉の持ち味は元々機動戦ですから。甲本大尉と奈月中尉について行けるのを加味するとそれが良いかと。
いざと言う時に遊撃分隊の支援にも回せます。ある意味第二遊撃分隊として使いたいと思いましたので。


それに警戒機では好き勝手できませんので佐渡島のようなことはできません。奈美も後ろに控えているので。
これでもダメですか。」

真木少佐「...なるほど、佐渡島の時みたいな考えは無いみたいだし、
アタシの考えも何となく当たっていた訳か、落合!出来てるかい!。」

亜美の説明を静かに聞き、大声で落合を呼ぶ。
声に反応して落合が駆けつけた。



落合副長「はい!ゴースト准尉に回す、戦隊長専用機の高機動用機体は準備できてます!
警戒機も、片手間ですが後1時間でできる予定です。」

真木少佐「上出来だ副長、いや落合代理。
警戒機の方はアタシが代わる、数人人員を寄越してくれ。」

落合副長「了解です!。」


真木少佐「てな訳だ、他に質問は?」

少しほっとして笑みを浮かべて答える。
亜美戦隊長「はい、これ以上真木さんに怒られるのは嫌ですから。
それに、今回は嫌な予感がします。奈美も何か感じているので。


そのための保険です。有難うございます。
特に質問はありません。宜しくお願い致します。」
と頭を二人に下げてお願いする亜美。

紫音は思った。
橘副官「(、、、内容は解るが、これをゴースト准尉が素直に受け入れるのか。
私ならいや、亜美の判断に間違いはないはずだ。これは命令するしかないか。)」
と顔色を変えず真木と亜美の二人を見ていた。

真木少佐「何か...か...何も起きない訳無いとは思うけどね...。」
そう呟きながら警戒機へと真木は向かう。

紫音に出撃前準備をさせつつ、真木について行き警戒機に必要な設定を施そうとして言う。
亜美戦隊長「、、、ですね。あと今回、奈美には1度だけ私の命令以外での独断先行行動を許すようにしようと思ってます。
何か本人も解っていないですが緊急で必要な事があると思うので。」
とこれも真木には言っておいた。

真木少佐「大丈夫なのかい?過保護過ぎるとは思うけど、あの子に何か起きるかも知れないじゃないか...。」

亜美は嬉しそうに微笑む。
亜美戦隊長「有難うございます。その過保護、うれしいですよ。その『何か』の為に私が警戒機に乗り込むのもあります。
ある意味それも保険をかけてます。私が居れば何とかできるかと。絶対ではありませんが。。。
ゴースト准尉には悪いと思ってますが。指揮官として、姉として今回はそう判断しました。」
と手を動かしながら答える。

真木少佐「そうかい...亜美。アンタを信じるよ。今までも、そしてこれからも。」

亜美戦隊長「うれしいです。はい、私を信じてください。」
亜美は真木の言葉が嬉しく佐渡島のようなことはもう絶対にしないと固く心に誓った。

こうして出撃準備が整い戦隊の衛士が整備ハンガーに集まる。
そして亜美と真木の二人と橘、上月の両副官が前に出て訓示を始める。
亜美戦隊長「これより戦隊は斯衛の出雲奪回作戦の側面支援として全力出撃する。
今回は斯衛の支援だ。全て支援につぎ込む。また万が一の場合は遅延戦闘を展開するので
そのつもりで。

 

全員生きて戻るぞ。作戦内容は一部修正があるが基本変更なし。真木さんから何かありますか?」
と多くは言わずに真木に振る。

ゴースト准尉「(?、一部修正?戦隊長がこんな濁し方したことあったか。何だろう。何か引っかかる。)」
といぶかしがる。

真木少佐「アタシからも特には無いが、戦隊長。アタシの呼び方はさん付けじゃなくて副戦隊長じゃないのかい?」
と意地悪に言う。

一瞬ボッと顔を真っ赤にするがすぐに普段の顔色に戻して言う。
亜美戦隊長「あ、申し訳ありません。訂正。副戦隊長失礼した。ではカカレ。」
と言って逃げ出して機体の方に移動する。。

そして、ゴーストが奈美を誘い警戒機に乗り込もうとした時に
その後ろ姿に声をかける。

亜美戦隊長「あ、待て、ゴースト准尉。貴官には今回臨時で第六警戒小隊より外す。
私の機体を使って第二中隊の甲本大尉指揮下に組み込む。

代わりに私が警戒機のフォワードを務める。これはすでに決定事項だ。」

ゴーストがその言葉に振り返り唖然とする。
何かあると思ったがこれかと。
ゴースト准尉「!、復唱できかねます。直前でこの通達は。」

奈美もびっくりして亜美を見つめる。

真木少佐「悪いがゴースト、アタシもコレには納得している。今回は単独で乗って貰うよ。」

ゴースト准尉「(戦隊長だけじゃない、副戦隊長の真木さんもか。これは覆せない。
俺はお役御免か。。なら。。)、、、了解致しました。」

ゴーストの想いを聞き慌てる奈美。
奈美准尉「違います。違うんです。そういう事ではなくて、私も今知りましたが。
亜美姉さ、いえ。戦隊長は今回の作戦を考え抜いての結果だと思います。」
とゴーストの手を握りしてめて言う。

それを静かに見ていた上月が口を開いた。
上月大尉「戦隊長、副戦隊長。お二人とも言葉足らず過ぎます。
ちゃんと説明しないから、ゴースト准尉が自分はお役ごめんだと勘違いしているじゃないですか。」
助け舟を出した。

そこに紫音も言う。
橘副官「ほら、戦隊長言った通りではないですか。ちゃんと説明してあげましょうよ。
納得できればちゃんとゴースト准尉は従ってくれますよ。」
と言う。

亜美戦隊長「うん、そうだよな紫音。上月副官そうですよね。
ゴースト准尉、お役御免では無いよ。これからも奈美を護って欲しいのは変わらない。
今回は私が指揮に専念したいから。だからこうした。
それにこの方が、ゴースト准尉も動きやすいだろう。機動戦でかき回して警戒機を護って欲しい。
そこは変わらない。第二中隊は完全に機動戦で対応して欲しい、だから私の機体を預ける。
納得して欲しい。」
と伝える。

真木少佐「と言う訳だ、アタシも言葉足らずだったな、すまんゴースト准尉。」

二人に言われて良かったと思いつつ、こんな直前の配置換えをされるとは何かあり得るなと考える。
ゴースト准尉「、、、復唱致します。

ゴースト准尉は第六警戒小隊より第二中隊の甲本大尉殿指揮下にて機動戦闘に従事致します。
戦隊長の機体、謹んでお借りします。機動戦で機体を壊しても知りませんからね。」
と言う。

真木少佐「まかせろ、その為の整備班だ。」

真木の言葉に気合を入れるため、両手で頬を叩くゴースト。
ゴースト准尉「有難うございます。では全力で対応致します(敬礼。」
と奈美を一瞬見つめて戦隊長の機体に乗り込む。

ゴースト准尉「ゴースト1よりブラックキャット1、2へ。指揮下に入ります。
宜しくお願い致します。」
と手早く機体を操作する。さすが戦隊長の機体。これなら久々の機動戦だが無茶ができそうだと思いつつ。

凜大尉「ブラックキャット1よりゴースト1。直前でびっくりしたが。了解よ。
こき使ってあげるからそのつもりで。」
と言う。

奈月中尉「ブラックキャット2よりゴースト1へ、しっかり着いてきてね。
置いてかれても振り向かないかも知れないからね。」

ゴースト准尉「了解です。久々の機動戦ですがこの機体ならやれます。
どうぞこき使ってください。ちゃんとついて行きますよ。」
と二人に答える。

それを聞いていた亜美は
亜美戦隊長「(良かった。納得してくれてちゃんと動いてくれそう。上月さんのお言葉は毎回ありがたい事ね。)」
と思いつつ。


亜美戦隊長 「では、戦隊全力出撃、行きます。」
と言う。
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