第零独立強襲戦隊興亡記~外伝1998年:真木と両親との話奈美編
佐渡島防衛戦後、早雲姉妹は自分達が行ったことを悔いて、
反省しみんなと共に生きていきたいと思いそう行動するように心がけていた。
激戦の後、少しBETAの侵攻は止まり戦力回復に努めている頃であった。
姉妹は、一つだけ心残りがあった。
真木大尉のご家族の事であった。母親と妹とは和解できたようだが、父親との確執は深いようだ。
できれば姉妹は私たちのように後悔が残る別れにはなってほしくないと思い何かできることはないかと考えていたが
何もできない日々を過ごしてた。
そんな中、奈美は真木の思いが聞こえて来た。
真木班長(クソ親父め。結局アタシの足のリハビリにも、佐渡島に出撃するのにも顔を出さなかった...。
ガキの頃からそうだ、アタシのことなんぞ何も思ってない。)
戦術機部隊の待機室でゴーストと佐渡島防衛戦の振り返り等を行っていた奈美は
ビクッと整備班ハンガーの方を振り向く。
ゴースト准尉「奈美さん?どうしました。」
奈美准尉「、、、真木さんの思いが少し聞こえました。ちょっと行きたいです。」
ゴースト准尉「了解、いいですよ。個人的な話になりそうだから一緒に行きますが整備ハンガーの外で待機しますね。」
と二人で整備ハンガーに行く。
奈美は真木さんはどこにいらっしゃいますかと整備班に聞く。
整備兵A「姉御かい?休憩に行くって言ってたけど...」
砂原整備兵「ん?ゴーストと奈美、お疲れちゃん!どしたの?」
整備兵A「お疲れ様です、砂原さん。実は2人が姉御を探しているみたいです。」
砂原整備兵「姉御?姉御なら、右二つ目のハンガーの屋根でタバコ吸っていると思うぜ?
最近はそう空を見上げているって聞いたから間違いないはずだ。」
ゴースト准尉「お疲れ様です。ちょっと奈美さんが真木さんに話が有るみたいで。」
と正直に話す。
奈美准尉「有難うございます。行ってきますね。」
と奈美はハンガーの屋根へ行く。
屋根に上って、きょろきょろとしてあ、真木さんと見つけて。
どうお声かけしようかと思い、そろりそろりと後ろから静かに真木さんに近づく。
真木班長「アタシの背後を取ろうなんて、良い度胸してるじゃんか。って奈美か、
どうした?今アタシは休憩中なんだけど。」
直ぐ様振り返り奈美を見つけるが、直ぐに空を見上げてタバコを吸っていた。
真木の側には灰皿にタバコの吸い殻が山の様になっていた。
奈美准尉「あはは、さすがにばれちゃいますよね。だーれーだをして見たかったのですが。」
と冗談を言う(ちらっとたばこの吸い殻の山を見て)
隣に座って奈美は真木の手を取る。
どう言えばいいのか解らないが、それでも真木さんの心を軽くしたいので率直に話す。
奈美准尉「、、、お父様とはあの後うまくいってないのですね。」
真木班長「...あぁ。口から出てきた言葉は家の事と国や民の事ばかり。
アタシのことなんて考えちゃいないのさ。」
悩む奈美。
奈美が悩んで泣いていた時真木さんはいつも胸に抱いて慰めてくれた。
ならばと奈美も同じ行動をし、前に項垂れてた真木を慰めるように
同じように抱きしめる。
奈美准尉「、、、まだ解りませんよ。それが父親の役目と思って、そう言っているのかもしれません。
それにこの前の、お煎餅の件があります。心の内はまだ解りませんが。。。
そうですね。真木さんお願いがあります。亜美姉さんが言ってました。
真木さんのご両親にお礼にお伺いしたいと、ただ亜美姉さん多忙ですので、その代わりに私を
ご両親にお会いさせてくだい。その時に何かお父様の心情を知りたいのとできれば不仲を解消できればと思います。」
真木班長「...家族の問題だとか言って突き放す気はないけど、こればかりは解消できないと思ってる。
それでもやりたいのかい?」
奈美准尉「もちろんです。ダメだったら申し訳ありません。でもそれでも私、真木さんのお役に立ちたい。。。
それに何度も言いますが、私たちの家族のようにはなってほしくないですから。
このままだともし万が一の事があったら後悔が残りますよ。だから。。。」
と答える。
真木班長「アンタの事情に突っ込んだんだ。アタシの事情には突っ込むなとは言わないよ。
んで?どうする?アタシの実家にでも行くかい?」
奈美准尉「ありがとうございます。はい、ぜひ行きたいです。
あ、お母様と妹さんの好きなお菓子ってあるのですか?
手土産を何か持っていきたいです。それとも私が何か作っても良いのでしたらそれでもいいですが。」
真木班長「そこら辺は任せるよ。」
奈美准尉「解りました。では、買っていくのとシンプルなケーキでも作りますね。
じゃあ、これから亜美姉さんに話してきます。日程調整してきますね。」
と頭をなでて(よしよしして)会釈して離れる。
整備ハンガーに戻ってきた奈美。
ゴースト准尉「お、話は終わったのですね。こちらも終わってます。
この後は?」
奈美准尉「亜美姉さんにお願いしたいことがあるのでこのまま戦隊長室へ行きます。
いいですか?」
ゴースト准尉「もちろんですよ。あ、砂原整備兵と整備兵Aさん有難うございました。
ではまた。」
2人はそれぞれ整備兵に挨拶して戦隊長室へ行く。
戦隊長室で奈美が亜美に相談する。
奈美「、、、と言うことです。この前亜美姉さん言ってましたよね。
正式にお礼とご挨拶を兼ねていきたい、でもやることが山積みで行けないと。
代わりに私では駄目でしょうか。一応予備士官ですが。階級の事を言われると本来は西さんか橘さんあたりが
行くべきかと思いますが、今回は姉妹としての個人的お礼をとりあえずと真木さんのお父様の事を
何とかしたいです。ですから私、行きたいです。」
と懇願する。
考え込んでいる亜美。
亜美「、、、そうね今回は個人的なお礼をということで、戦隊としては後日時間を作って正式に斯衛にご挨拶に
行かないとね。解りました。奈美にすべて任せたわ。真木さんをお願いね。
あと、今回は護衛兵はつけないわよ。なぜ個人的な事にとも思われて、いろいろ秘密が漏れてしまうのも困るから。
だから、真木さんから離れないようにね。あの方なら足が万全なら遅れを取ることは万が一にもないはずだから。」
心配しつつもそう言う。
そこからは奈美が直接真木を通して進めて行った。
調整が取れて一週間後真木の実家へご挨拶へ行くこととなった。
当日朝戦隊基地の営門にて。
亜美戦隊長「奈美、お土産ちゃんと持った?忘れ物無い?何かあったらちゃんと真木さんを頼るのよ。
真木さん宜しくお願い致します。」
と珍しくオロオロして奈美を心配している。
そんな様をため息を吐くが答える。
真木班長「そんなオロオロする必要ねぇさ。アタシの実家、ってか仮の住まいだからね。
大したもんはないよ...どうせ親父は家には居ないさ。」
奈美准尉「もう、亜美姉さん。大丈夫ですよ、そんな何かある予兆もないですし。
でもいらっしゃらないと困りますね。その時は、もし行けるのなら斯衛の基地に面会に行きたいですね。」
亜美戦隊長「まあ、真木さんがいるなら大丈夫なんでしょうけど。と、とにかくいってらっしゃい。
時間がかかるようでしたらそちらでどこか宿に泊まってきても良いですからね。
勤務扱いになってますが、お休み扱いで構いませんのでご挨拶以外は自由にゆっくりされてくださいね。」
と見送る。
真木班長「ったく、ただ単に実家帰るだけだっての。遅くならない内に帰るさ。」
奈美准尉「では行きましょう。真木さん。亜美姉さん行ってきますね。」
小さく手を振って奈美は亜美から離れて基地を出る。
2人を見送る亜美と紫音。とその横をサングラスをかけた髪の長い私服姿の誰かが通り過ぎようとして止まって敬礼する。
見た目は、、普段と違い解らないが菅中尉であった。
答礼する亜美。
亜美戦隊長「、、、申し訳ないです。何もないとは思いますが奈美の事をお願いしますね。」
菅中尉「もちろんですよ。私で良ければなんでもします。まあ、真木大尉がいらっしゃれば何もないと思いますが、
いざとなったら、早雲准尉を抱えて逃げますから。」
と小声で伝えて基地を出る。
菊間整備兵「おやおや菅中尉、休暇ですか?
私も丁度真木家に用があるので連れて行って下さい。
何、私がいたら城内省の諜報員にいちいち止められる事はありませんよ?」
菊間整備兵「それに、諜報員の腕は私の方が上ですから私もいた方が安全ですよ?戦隊長殿?」
ムカつく様な笑みを3人に向けた。
亜美戦隊長「まったく、、、奈美に酷いことをしないなら別に構わないわよ。
、、、それだけは止めてね。その時はこの軍刀を抜くわよ。そんなことにならないと
思いたいけど。」
ちょっとカチンとした菅。悪い顔(グラサンで見えずらいが)をして
菅中尉「、、、まったく菊間整備兵?休暇な訳ないでしょう。こんな変装して。。
早雲准尉の護衛よ。真木さんもいるし、ちょっと気になる事が発生してるから。
でも表立っては護衛兵は出せない。だから早雲戦隊長が私を付けたのよ。
ま、斯衛に何か言われなくて済むなら助かるわ。
じゃあ、旦那にでもなってもらいましょうか。」
と茶目っ気たっぷりに菊間整備兵の腕を取り夫婦がするように組む。
菊間整備兵「おや、宜しいので?私は一向に構いませんよ」
菅中尉(、、、まったく隙もなにもなくて面白くないわね。胸まで当ててるのに。)
と、やれやれな顔になる菅中尉。
こうして真木の実家に二人はついていく。
真木家に着くと、出迎えたのは母舞香だった。
舞香中佐「あら!沙奈江、お帰りなさい!其方は奈美ちゃんね、
沙奈江から聞いているわ。いらっしゃい。」
真木班長「あぁお袋。ただいま。」
ぺこりと会釈をして話す。
奈美准尉「はい、お久しぶりです。早雲奈美准尉です。
この度はお時間を取らせて誠に申し訳ありません。
これ、良かったら差し入れです。皆さんで食べてください。
先日の差し入れとてもおいしかったです。」
と会釈して両親の知り合いの京都菓子メーカのなじみの方から仕入れた
グリンティーと京菓子と奈美が作ったチーズケーキを渡す。
そして、、もう一つ京都の老舗が作ったお煎餅も。
奈美准尉「ケーキは私が作ったもので、、美味しくなったら申し訳ありません。
お煎餅はお父様へお渡しください。」
と伝える。
舞香は和かに答える。
舞香中佐「あら!こんなに沢山...。そんな気を使わなくても良いのに...奈美ちゃん。ありがとう。」
舞香は奈美を抱きしめた。
真木班長「お袋!せめて家に入ってやってくれよ!」
沙奈江は少し呆れ顔で言う。
舞香中佐「あら、ごめんなさい。こんなに素敵な子が頑張っているなんてね...。
今からでも真木家の子に...なんでもないわ。さぁ、上がってちょうだい。」
舞香の行動にびっくりしながらも嬉しそうにほほ笑む奈美。
奈美准尉「あ、有難うございます。嬉しです。
(お母さん見たい。いえ、真木さんのお母さんですね。同じ感じで優しい。素敵な方。)
はい、失礼します。」
と言って真木家へ入る。
通されて客間にて待つ。
舞香中佐「お待たせ。せっかくだから一緒にケーキを食べていただけるかしら?」
舞香は沙奈江と共にケーキとお茶を運んできた。
真木班長「ったく、そんな張り切らなくていいってんのに...。」
沙奈江は奈美の座っていた横に座ると、タバコを咥えて火をつけようとした途端、舞香にタバコを盗られた。
舞香中佐「沙奈江、お客様の前でタバコを吸うんじゃありませんよ?」
真木班長「お袋!別に良いじゃねぇか!」
舞香中佐「ダメです、ウチは全面禁煙よ!」
真木班長「わぁったよ...。」
舞香中佐「それにしても...貴方達を見ていると、撃震のテストパイロットを思い出すわね。
何故かしら...。」
珍しくしおらしい真木さんを見て、ほほ笑む奈美。真木さんのお母さん、素敵な方だなと思いつつ。
その言葉にはっとする奈美。
奈美准尉「、、、もしかして母をご存じですか?1976年頃、母の亜紀は陸軍で戦技研に所属していました。」
奈美准尉「有難うございます。では一緒にいただきますね。」
とケーキを食べる。
舞香中佐「76年の陸軍戦技研...そして亜紀...やはり楓中尉の子達なのね!
私も当時は技術中尉として、出向していたわ。何せ日本初の戦術機、派閥争いをしている暇もなかったから。」
奈美准尉「そうでしたか、それはまたうれしいご縁です。
でも両親は、、、中国地方防衛戦で部下の方と民間人を護るために戦死しました。
、、、申し訳ありません。湿っぽい話を。
今日はそうではなく、姉の早雲亜美戦隊長の代わりで代理で来ました。
早雲戦隊長は多忙で、佐渡島防衛戦以降も時間が取れずにいまして。
申し訳ありません、姉の亜美は後日陸軍の部隊長として正式に面会させていただけますと嬉しいです。
まずは、この度のご助力有難うございました。真木さん達のおかげで
私達姉妹は助かったようなものです。あまり多くは話せなく申し訳ありませんが、
私たちはここで終わる予定でした。それを助けて頂きました。
特に真木大尉さんは。。」
ちらっと微笑み感謝の視線を真木に送りつつ。
奈美准尉「両親が戦死してから絶望の毎日でしたが、、、真木さんのおかげで
私達姉妹は先に進みたいと、そして今後もちゃんとなんでも相談して一緒に生きていきたいと。
お姉さんでもあり戦隊のお母さんである真木さんが大好きです。
本当にありがとうございました。」
と深々と頭を下げる。
それをみた舞香は、沙奈江に顔を向ける。
舞香中佐「奈美ちゃん...沙奈江、私が知らない所で沢山の命を救って来たんだね。
貴方が九州の実家を出て行くのを声を掛けずにひっそりと見送った時は、凄く心配したわ...貴方は凄いわ、私の誇りよ。」
真木班長「...お袋。それだけ聞けてアタシは、衛士になって良かった。
そのまま技師になっていたら叶わない出会いと、救えない命だった。アタシを黙って出してくれて、ありがとう。」
沙奈江は自然と涙を流しており、舞香はそれをみて黙って沙奈江を抱きしめた。
2人の思いが聞こえて、奈美は嬉しかった。優しそうに微笑みつつも。。
奈美は両親の事を思い出し、少し寂しそうであった。
奈美准尉「(でも、良かった。九州で真木さんを助けられて、これが多分私たち姉妹の分岐点だったのだと
今は思える気がします。あれから絶望的な夢見の内容が現実では少し変わって来ている
気がします。)」
抱きしめた2人は離れる。
真木班長「お袋。それでよ...アイツは、親父は家にいるのか?」
舞香中佐「お父さん?それなら、最近斯衛軍の戦術機研究場に篭りっきりよ。
滅多に帰って来ないわ。」
寂しそうな顔をする舞香に、沙奈江は苛立った。
真木班長「...あのクソ親父め。アタシだけじゃなく、お袋まで捨て置きかよ。」
それに心を痛める奈美。
奈美准尉「あの、多忙そうですが、、、お父様に面会することは可能でしょうか。
陸軍所属で予備士官である私では、、駄目かと思いますが。。
ぜひお礼の一言だけでもと、お父様の家族への思いを知りたいです。
お願い致します。私にできることは少なく、変えられないかもしれませんが。」
と舞香に頼む奈美。
舞香は苦笑いをしながら答える。
舞香中佐「あの人は、仕事以外の面会は基本しないのよ。
時間が勿体無いって言ってね。家にいても、大した世間話もないわ。」
そんな話している中で、客間に沙奈江の父、真木政宗が入ってきた。
政宗少佐「...なんだ、お前か沙奈江。それに見ない顔だが、まぁ良い。」
(生きているのなら、それで良い。心配もしたが、流石私と舞香の子だな。ならばこれ以上私がする必要もないな。)
それだけ言うと興味を無くした様にその場を離れようとする政宗。
真木班長「待てよ、娘に会ってそれだけか?ってか仕事じゃないのかよ?」
政宗少佐「着替えをとりに帰って来ただけだ。そして、お前が生きてここに居るだけで私は十分だ。
技師としても活躍しているなら、文句は無い。それ以上に話す必要もな。」
政宗は終始冷たく話し、沙奈江はそれに苛立っている。
奈美は真木の手を握りしめ、待ってくださいと心の声で訴えかける。
奈美准尉「お待ちください、真木政宗少佐さん、少しだけお時間いただけませんか。
私は陸軍第零独立強襲戦隊所属の早雲奈美准尉と申します。この度は私達姉妹を助けて頂きありがとうございました。
あと、先日のお煎餅の差し入れ有難うございました。おいしかったです。
あれには及びませんが、、、真木舞香中佐さんにお渡ししていますのでどうぞ食べてください。」
と頭を下げる。
政宗少佐「...早雲か、斯衛軍基地で騒ぎを起こした奴の妹か。悪いが仕事に戻らねばならん、
そして話は仕事以外はする主義でもないんでね。気持ちだけ受け取っておこう。」
慌てる奈美。去ってしまいそうな正宗のそばに行き座り話す。
奈美准尉「申し訳ありません、確かに姉は騒ぎを起こしました。
それは謝罪いたします。ですが、お待ちください。少しでいいのです。
それに、、、お父様ちゃんと心配されてます。それを言葉で言うべきだと思います。
私は、、、両親と最期に言葉を交わせませんでした。万が一そのような事があれば
後悔しますよ。お願いです。ちゃんと言葉にしてご家族全員に言ってあげてください。」
と涙目になりながら、頭を畳にこすりつけてまでお願いをする。
政宗少佐「別に君の姉が悪いとは言ってない。
こうしている間にも、日本にBETAは侵攻している。こうやって話す時間も惜しいんだ...。
私は斯衛軍人として、1人の技師として、やらなければならないんだ。」
そう言い放った直後政宗は、沙奈江に殴られた。
真木班長「このクソ親父!黙って聞いていれば、こんなにアタシ達の心配しているのに、口から出るのは国の為ばかりか!。
それでも人の親かよ!口に出さなきゃ分からないこともあるだろう!」
政宗少佐「必要ない。お前が今更私の言葉が必要には見えん。お前は立派な大人だろう?
今更良い父親になるつもりも、向き合う気もないのは既に分かっている筈だ。」
真木班長「...昔からそうだ、アタシの事なんてお袋任せ。アンタは仕事ばかり、アンタの愛情なんて知らない。」
政宗少佐「愛情は、舞香から貰っているだろう?私は一家を守る為に、国を守る為に働いている。
家督を継いだ者として当然な責務をしているだけだ。」
奈美准尉「まって、真木さん駄目。違うのです。お父様ちゃんと真木さん達の事思ってる。だから待ってください。」
殴られた正宗に簡易応急キットのポシェットより処置用の物を出し手当てする。
賭けに出る奈美。そして正宗に話す。
奈美准尉「もちろんBETAの事は最優先だと思います。でも家族のこともこのままだと、心は皆さん離れたままですよ。
それだと国のため、民間人の為といいつつ根本的な事から間違ってます。」
と処置をしつつ両手を正宗の頬に当て、自身の力を使って絶望なその血まみれの未来を見せる。
冷や汗をかきつつ、少し震えながら伝える。
奈美准尉「、、、家族が愛し合ってこそ、その力は発揮されます。こんなことになってしまう未来があるのですよ。
そのためにはお父様が変わっていただかないと、、、でなければ真木さんの、九州での違った未来の先がこうなっていたのですよ。」
そこで、奈美は自分の能力をフルに使いすぎ、バタリと倒れる。
いきなり見せられた、普通ではあり得ない光景を政宗は驚愕し、警戒して奈美を見た。
政宗少佐「...確かに壮絶だが、それを見せられる君は一体何者だ?。」
倒れる奈美にそう呟く政宗。
真木班長「奈美!クソ親父、奈美に何を見せてもらったんだよ?。」
政宗少佐「あり得る最悪の未来という奴、だそうだ。それを信じる気は無い、だが沙奈江。
確かに口に出さなければ分からないのも事実だ。
はっきり言おう、少なくともお前に愛情がない訳じゃ無い。家出したのも心配した。
だが、お前ならなんとかなるとも信じていたよ。真っ直ぐ自分を貫ける、お前ならな。」
そこへ、舞香も割って入ってくる。
舞香中佐「2人とも、奈美ちゃんが倒れているじゃない!とりあえず客間に寝かせなさい。」
奈美を寝かせた後、3人で会話が始まった。
真木班長「今更だな...あぁ、そうかよ。真っ直ぐ自分を貫けるから、何も言わなかったと?
わかる訳ないだろクソ親父が!アタシのやる事なす事否定したのはなんだったんだ?」
政宗少佐「あぁ...何を言われても自信を曲げない強さを手に入れて欲しいのと、お前が心配だったからだ。」
それを聞いた舞香が、更に割って入る。
舞香中佐「いや、それを言葉にしないと分からないでしょう!
まさか仕事中もそうじゃないでしょうね?。」
政宗少佐「そんなはずは...、そうかもしれない...。」
そんな話をしているところに、インターフォンが鳴る。
菊間整備兵と慌てた菅中尉が引っ張られる形で訪問する。
チャイムがなったので沙奈江が玄関に行くと、そこには菊間と慌てている菅中尉がいた。
真木班長「菊間と、菅中尉?なんでアンタら2人がいるんだい?」
菊間整備兵「あぁ、私は舞香中佐に報告がありましたので、菅中尉は奈美さんのお目付け役なのに
遠くからしか見てないので、こうやって連れて来ました。上がっていいですか?」
真木班長「あぁ、しかもありかりがたい。渡りに船だよ。」
2人は沙奈江に連れられ、客間に行き舞香と正宗、と同じく座った。
舞香中佐「あら道長君。まさか来るのが被るなんてね...、あら其方の方は?。」
菊間整備兵「こちらは私の思い人でしてね、こんな別嬪さんと共に居られるとは男冥利に尽きます。」
などと基地を立つ前の菅中尉の意趣返しをしていた。
ちょっと慌てて菊間に小声で声をかける。
菅中尉「(、、、こら!!!、菊間君、私仮にも結婚してて未亡人なのよ、
結婚指輪もはめてるし意趣返しなんかして)(# ゚Д゚)」
と隣で正座している菊間の足を見えないようにつねるw
菅中尉「御初にお目にかかります。急に押しかけ申し訳ありません。
私、早雲准尉達と同じく第零独立強襲戦隊所属の菅嘉代子と申します。
宜しくお願い致します。」
とご挨拶する。
舞香中佐「あら御丁寧に、帝国斯衛軍中佐の真木舞香よ。娘と道長君が世話になっているみたいね。
大丈夫、冗談なのは分かってるから。」
この方には敵わないなと思い話す。
菅中尉「いえ、菊間君はともかく真木大尉殿にはお世話になっております。
私まで押しかけて良かったのですか?」
舞香中佐「良いわよ。沙奈江の仲間なら大歓迎だわ。それに、変な事を働こうとしても道長君は優秀な諜報員だから。」
菅中尉「有難うございます。それは認めます。ちょっと偉そうですけどね。せっかくですから聞いてしまいます。
菊間君は何用で、あと早雲准尉は?。」
と、姿が見えない事に心配する。
真木班長「奈美に関してはアタシから言うよ、単刀直入に言うと、奈美が力使って両親にバレた。」
菊間整備兵「私は整備兵として、現在の戦隊内の戦術機状態の報告ですよ。
ウチは機体パーツの確保に四苦八苦してますから。
今回は、諜報員としての報告はありませんよ、残念でしたね。」
その言葉にああとため息をついて。
菅中尉「ああ、もう。あの子優しすぎるのよ。戦隊長の心配した通りだったのね。
また、自分から秘密をばらしてまで。もうちょっと自分たちの事も考えて自重、、、
しないわね。姉妹は優しすぎるから。。特に好きな人達や仲間には。。
それと、、菊間君。別に残念がってませんよ。諜報がしたいわけではないので、
今回は早雲准尉の護衛でついてきただけよ。
でもそれはもしかして補給を斯衛が行ってもらえるのかしら、それはありがたいことですが。
政治的な話が、まあこれは南條中将がなんとでもしてくれるでしょうね。
それで私はどうすれば良いですか、戦隊の防諜役の諜報員として。」
と言う。
真木班長「どうするかね...お袋、奈美の事は秘密にできるか?墓場まで持って行く位の奴なんだけど。」
舞香中佐「勿論よ。そ、れ、に、そもそも力を使わせた原因にもなった正宗さんは、勿論!賛同してくれわよね?。」
舞香は即答し、正宗に圧力をかける。
正宗少佐「あ、あぁ...勿論墓場まで持っていこう...。」
ありがたいとことだ。さすが、真木さんのご両親と思った菅中尉。
菅中尉「有難うございます。彼女達は、、、公に知られると、、、政治的に利用されたり、
実験道具にされたり、下手をすれば某国に引き渡され最悪な事になりかねません。
ですからそうしていただけると助かります。」
ふぅと一息ため息をついて。
菅中尉「無茶ばかり。。これは、、さすがに南條中将には報告しておかないといけませんね。。。」
正宗少佐「そんな危ない橋を彼女は...、菅中尉。この秘密は外部に漏らさない事を固く誓おう。
実の娘を蔑ろにしていた私が言える立場ではないがな。」
真木班長「全くだぜ...。」
舞香中佐「まぁまぁ2人とも、中尉。そこらへんのことお願いしてもいいかしら?」
菅中尉「有難うございます。お二人のお言葉を信じます。はいちゃんと考慮して報告しておきますわ。
後日南條中将から話がありましたら良しなにお願い致しますわ。」
舞香中佐「えぇ頼むわ。あら、大変。この後戦術機の新規武装考案の会合があったわね。
ごめんなさい沙奈江、そんなに時間掛からないと思うから。」
真木班長「おいおい...、分かったよ。」
こうして話は終わり舞香と政宗は研究所に戻った。
そして夕方頃。
客間に寝かされていた奈美は夢を見ていた。
晴輝と亜紀が良くやったと、でも自分の体の事も慈愛しなさいと。
涙を流し、覚醒する。
奈美准尉「(お父さん、お母さん。。。)、あ、私。。倒れたんだ。」
と頭がズキっとして頭を押さえる。」
真木班長「やっと目が覚めたかい。お寝坊さんだね...。」
沙奈江は奈美の横でタバコを吸っていた。
真木の表情が晴れた感じにみうけられた。
奈美准尉「、、、真木さんごめんなさい、余計なことをしてしまいました。
お父様とは話し合えたのですか。」
真木班長「あぁ、前よりかはまともに話し合えたさ。結果的に言葉足らずが過ぎる冷たい奴と言う事でケリがついた。
少なくとも、愛情はあった事は認めたよ...、ったく癪だね。
これならいっそのことない方が吹っ切れたかも知れないってのに...。」
あ、これは失敗させてしまったのかと気を落とす奈美。
奈美准尉「私の行為は余計な事だったでしたか。。。申し訳ありません。
それでも、私。家族とは仲良くしてほしいと思います。だから、だから。」
頭の中が混乱して、真木の思いを汲めなかった奈美は愕然とし、真木に抱き着き咽び泣く
奈美准尉「ごめんなさい、結局私は真木さんの家族を駄目にしてしまったのですね。。。」
真木班長「何を言ってんだい?家族関係は前よりも良くなったんだよ?
前から、何を聞いても頑なに答えなかったクソ親父が初めて自分の心情を話したんだ。奈美、アンタには感謝してるよ。」
その言葉にホッとする。
奈美准尉「それなら、良かったです。真木さんのお役に立てたなら。お父様冷たい方じゃなかったですよね。
思いははっきり聞こえました。あ、、、でも能力を使ってしまいました。
まずはお二人に秘密にしてもらわないと。。ご両親に今からお会いできますか?」
真木班長「それに関しては心配は要らないよ。あの後、菊間と菅中尉を偶然見つけてね。
2人を巻き込んで、すまんが先に両親にバラして約束させた。会うなら後日になるな。」
奈美准尉「、、、そう、ですか。お忙しいですものね。お二人とも。
その時は亜美姉さんと一緒にお伺いしてちゃんと話さないといけませんね。
私のせいで亜美姉さんまで危険にさらしてしまった。。真木さんのご両親なら大丈夫だと思いますが。。
菅中尉さんが来られてたんですか、、、もう亜美姉さん本当に心配性なんだから。でもうれしい。
ちゃんと考えてくれてたんですね。あ、ではもう戻らないといけませんね。妹さんにお会いできなかったのは残念ですが。」
とふらつきながら立ち上がる。
真木班長「おっと、無理すんな。」
奈美を支える沙奈江。
真木班長「アイツは大丈夫だ、話に聞く限りじゃ今ん所忙しいみたいだしまた今度だな。
よっしゃ、帰るか〜。」
支えられた奈美は真木の温もりを感じて少し苦しそうだがほほ笑む。
奈美准尉「あ、有難うございます。そうですね。また後日。。。素敵なお父様とお母様ですね。」
と支えられつつ真木家を出る。
そして少したった頃。二人を遠くから見ている軍人らしき人物たちが話している。
??「ターゲットはあの准尉らしいな。しかしそんな眉唾な謎能力もっているのか。」
??「と言う話ですが、確認しようがないですね。」
??「ふむ、今回は確認だけの命令だったが少し、試してみるか。」
とサイレンサー付きのライフルを取り出し、スコープ越しに真木を狙う。
??「た、隊長、ターゲットが違うのと斯衛に手を出すのは。」
??「大丈夫だかすらせる程度だ。」
真木に支えられながら少しまだ頭がぼおっとしているが誰かが何かを言っているのが聞こえる。
はっとして、真木に抱き着き姿勢を低くさせて守るように言う。
奈美准尉「真木さん、危ない、伏せて。」
真木班長「ちょ!どうした奈美っ!」
瞬間、銃弾が近くを掠めた。
真木班長「狙撃!ふざけんな、此処は将軍の膝元だぞ!こんな事すれば斯衛が...いや奈美大丈夫か?」
冷や汗をかきながら震えながら答える。
奈美准尉「だ、大丈夫です。まだ来ます。動かないで。」
とそのまま真木をぎゅっと抱きしめる。
もう一発は当たりそうになったたがそこに菅中尉が割り込んで入り、
カバン式の防護楯を展開させる。
菅中尉「奈美准尉、無茶しちゃだめよ。あなた護衛対象でしょう、早く真木大尉、奈美准尉を連れて基地に戻って。
ここは私が何とかしますから。」
ぐったりとしているが、それでも真木を抱きしめる。
絶対に真木さんには負傷させないという思いで。
菅中尉「菊間君いるんでしょう、こっちはなんとかするから敵を排除して。」
菅中尉がそう言った直後に銃声が鳴り、その後は銃弾が飛んで来なかった。
菊間整備兵「全く、油断も隙もあったもんじゃないな。」
狙撃地点には、既に菊間が到着しており持っていた拳銃でライフルを撃ち抜き、破壊していた。
菊間整備兵「君達なら知ってるはずだけど、此処らへんは城内省の工作員がいるんだよね。
私以外にも今此処に来るけどどうする?
私とやり合う?それとも尻尾巻いて逃げるかい?」
??「く、斯衛の犬が、しくじった。貴様らにはそのうちうち痛い目を見てもらう。
ここはおとなしく引かせてもらう。」
と言って尻尾を巻いて逃げ出す。
??「(、、、しかしこれは思わぬ情報が手に入ったな。事を起こすときには
あの戦隊と姉妹は厄介だ。なにかしら手を打たねばな。)」
と考えながら引いていく。
菅中尉「、、、ふう。さすがね。菊間君。すでに動いていてくれてたのね。」
と、しゃべっていると、ドサッと奈美が倒れる。苦しそうな表情をしている。
さすがに1日に2回も能力を使ってしまい動けなくなる。
菊間整備兵「あらら、奈美ちゃん大丈夫ですかね?」
そう言う菊間を尻目に、真木は奈美を抱き起こした。
真木班長「菊間、一応聞くが連中を追わないのか?」
菊間整備兵「ええ、新たな情報を手に入れる為に泳がせました。
本当ならとっ捕まえたいですが、ありゃ情報吐いてくれないでしょうし、
それに私の考えが正しければあれは陸さんのクーデター派でしょう。既にマークは付けてます。」
菅中尉「そう、それなら仕方ないわね。ああもう、もっと自分の事を大事にしてほしいわ。
早雲姉妹は。特に奈美准尉。真木大尉をどうしても助けたかったのね。。。
気持ちはわかるけど。。。優しすぎる。だから守ってあげたいのだけど。」
菅中尉「これ、たぶん真木大尉を狙ったんじゃないわよね。ここで斯衛とことを起こす気は
ないと思うし、試したのね、奈美准尉を。。。」
菊間整備兵「...確かに、こりゃ捕まえるべきだったかなぁ。
まぁ逐一監視はしてますから、大事になっても対応はできますよ。」
菅中尉「、、、そうね。基本戦隊の基地にいれば姉妹は安全だと思いますし、戦闘中であれば、
少なくとも内輪もめしないと思いますから。
基本今後は奈美准尉は基地の外に出さない方がよろしいかと。
ああ、南條中将に報告するのが悩ましいわ。手を打ってくれるとは言え、
危険にさらせてしまった。」
真木班長「反省は基地に帰ってからにしてくれ、私が奈美を抱えるから、2人は車を回してくれ。」
菊間整備兵「了解です姉御。」
こうして4人は戦隊の基地へ戻った。
奈美は即入院。
戦隊長室で真木から報告をする、亜美達
(事情をしっている橘副官や上月副官、凜大尉と奈月少尉、ゴースト准尉もいる)が
それを聞いている。
そこに奈美を処置した司軍医長も合流する。
真木班長「...と言う訳だ、飛んだ帰省になっちまったよ。一々タラレバを垂れても仕方ない。」
奈月少尉「真木さんは大丈夫だったんですよね?」
真木班長「あぁ、奈美のおかげだよ。菊間、ちゃんと追跡しているんだろうね?」
そう菊間に聞いた。
菊間整備兵「抜かりなく、連中の正体は分かり切ってますし此処からはこちらの仕事ですよ。」
亜美戦隊長「、、、そう。奈美はちょっと自重してもらわないと。。。でも真木さんのお父様の件や、
自分のことで真木さんを負傷させたくなかったのでしょう。私でも同じ事をするわ。
目を覚ましたらなんて言えばいいのか。しかし、三芳中将の気にしていたことが起こってしまうなんて、
菅中尉にはそのまま南條中将の所に行って報告してもらってます。
菊間整備兵、今後は共闘していただけると助かります。そのあたりは菅中尉とよく相談してくださいね。
で、司軍医長奈美の様子はどうですか?1日で2回も能力を使ったことなんてなかったし、
どうなるか、、」
と心配している。やはり奈月かゴーストを付けるべきだったと後悔している。
司軍医長「うん、奈美ちゃん苦しそうにしてたから鎮痛剤と、睡眠薬飲ませせて
寝かせたよ。肉体的には大丈夫そうだけど。。。精神的にはわからない。
精神が持てばいいけど。」
どこればかりはわからないとお手上げと言う。
真木班長「菊間、やはり今からでも連中をとっ捕まえて...。」
菊間整備兵「姉御、それは出来ません。此処でそれをしたら泳がせた意味が無くなり、
トカゲの尻尾切りになります。すみませんが耐えて下さい。」
亜美戦隊長「、、、そうですね。私も真木さんと同じ考えです。
軍刀で切り刻みたいぐらいです。でも、ここは南條中将と菊間整備兵にお願いします。」
と怒り心頭ながらに言う。
静かに聞いているゴーストであったが心の内では亜美と同じく怒り心頭であった。
ゴースト准尉「(、、、一人なら出向いて殲滅してきてもいいけど、今はやっては迷惑がかかるなこれ。。。)。」
とおとなしくしている。
菊間整備兵「勿論です。少なくとも、将軍様のお膝元である仙台で斯衛軍人を狙ったんです。
城内省は躍起になってますし、私の飼い主からも南條中将と協力して今回の件を行った一派の逮捕を命じられてますので。」
菊間整備兵「ゴースト准尉、その怒りは閉まって下さい。バレバレですよ?」
ゴースト准尉「、、、今はおとなしくしてますが、いずれ仕返しの場は設けていただけるのですよね。
それならおとなしくしておきますよ。」
と答える。
亜美戦隊長「そうですね。菊間整備兵それでお願いいたします。
、、、しかし私たちがいては迷惑が。実際真木さんにも。。やはり私たちは。。」
と悩む亜美。
真木班長「はぁ...亜美、今更な事を言うんじゃないよ。これを覚悟して此処にアタシ達はいるんだ、
それを言うのは、アタシ達をバカにすると同じだよ?」
亜美戦隊長「、、、申し訳ありません。覚悟はすごくうれしいですし実際私たちを助けてもらってます。
ですが、、でも有難うございます。」
と悩みつつも答える。
真木班長「ですがもないよ、アタシ達は家族だろ?
支えて、支えられてなんだから一々抱え込むんじゃないよ...。言いたいなら言いな?」
亜美戦隊長「、、、そうですね。家族ですから。だから私たち姉妹はみんなを傷つけたくないですし、
失うことはしたくないです。もうあんな思いは両親だけで十分です。」
とぽつりぽつりと話す。
真木班長「その気持ちは嬉しいけど、アタシ達は守られる存在じゃない。
同じくらい2人を守りたいんだ、佐渡島の件は2度とごめんだよ。」
亜美戦隊長「はい、もうあんなことはしません。必ずみんなに相談します。
でも緊急時には奈美と同じことはしてしまうかも。
それは真木さんだけではないです。みんなもですよ。
奈月も大好きな妹、家族よ。だから考えるよりもそう動いちゃう、奈美もだからそうしたと思います。」
真木班長「あぁ、そうしてくれ。菊間、亜美とゴーストの件、分かってるよな?」
菊間整備兵「勿論、ちゃんとその機会は用意しますので。」
ゴースト准尉「その機会の時はお供いたしますよ。最低限ぶん殴るぐらいしないと気がすみません。」
亜美戦隊長「じゃあ、話はここまでね。でも真木さんとお父様上手くいって良かったです。
私も今度正式に詫びに行かないと行けませんね。
真木さん私も今度連れてってくださいね。」
と伝える。
真木班長「あぁ、勿論連れて行くさ。」
場所は変わり、南條中将の執務室へ。
菅中尉が報告をしている。
菅中尉「、、、と言うことがありました。とりあえずは早雲准尉の状態は不明です。
こんなに短時間に2回も能力を使ったこともなく、どういうことがあるかは司軍医長は不明とのことで
今はまた倒れて鎮痛剤と、睡眠薬飲ませせて寝かせています。とのことです。」
南條中将「ご苦労菅中尉。それにしても、可能性として考慮はしていたがまさか実行するとはな...。
全く、阿呆の考える事は理解できん。」
菅中尉「まさか、斯衛の、しかも将軍殿下のおられる所で銃をつかうとは、、
それほどの危険を冒してでも知りたかったのかと。。しかしこれで一部姉妹の情報が漏れてしまいました。
真木家は墓までもっていって口を閉じていただけるとのことで、ご両親の方々は信用できますが。
姉妹は優しすぎます。自分たちの危険をわかっていて、ここまで。
どうにか守ってあげたいですが、、このままでは厳しいですわ。
とりあえず、早雲准尉は当面戦隊の基地かここ以外には出さない方がよさそうです。
危険すぎます。」
南條中将「勿論、そのつもりだ。
だが、彼女達がそれを分かっていてくれているのか...。情報はいつか漏れる。問題はその連中の対処だよ。」
菅中尉「そうですね。彼女たちにもちゃんと解ってもらわないと。でも、親しい仲間のためなら自重しないでしょうね。
そもそも陸軍でもこんな内部分裂してる暇があるなら
ちゃんとBETAとの戦いを意識してほしいです。ですが、、、ことは姉妹たちだけではなく
もっと大きなことを起こそうと画策しているのが怖いですね。
アメリカ軍も撤退してしまいましたし。。。」
南條中将「あるいは、米国の裏工作か...これは解決するのは長引く事を覚悟せんとな。」
菅中尉「アメリカの介入ですか、、まさかこれは大事になりそうですね。
姉妹に興味があるのでしょうか。できれば静かに生活させてあげたいですが。
西大尉にもちゃんと話して、そのあたりは何かできるといいですが。」
南條中将「私も慎重に立ち回らないと行けなくなる、厄介なこの上ない。」
菅中尉「わかりました。私も今まで以上に慎重に立ち回り戦隊の防諜に努めます。
何かあれば姉妹に伝言しておきますが、もしくは直接早雲准尉のお見舞いかねて
行きますか?」
南條中将「いや、私が行っても何もならんだろう...今はそっとしよう。」
菅中尉「そうですか、、すくなくとも姉妹は喜ぶと思いますが、、
執務も多忙そうですから、、無理強いは致しません。
では、報告は以上となります。」
南條中将「あぁ、護衛任務ご苦労。何かあれば逐一報告を頼む。」
菅中尉「承知いたしました。では戦隊の基地に戻ります。」
敬礼をして退出する菅中尉。
(これは、また一波乱ありそうな気配ね。その時は私で姉妹を守ってあげられるのか、、、)
と思いつつ基地に戻る菅であった。
翌日、戦隊の医務室の病室にて
看護兵「あ、どうやらそろそろ早雲准尉覚醒しそうですよ。」
と心配してきている真木大尉、奈月少尉、ゴースト准尉に伝える。
奈月少尉「奈美...。」
そう呟き俯く奈月。真木はため息を漏らした。
真木班長「ったく、お寝坊さんだな...心配したよ。」
奈美准尉「、、、う、私。。。??ここはどこでしょうか??」
ゴースト准尉「??奈美さん、だ、大丈夫ですか?」
奈月少尉「奈美!良かった...!」
目が覚めた奈美を、奈月は抱きしめる。
真木班長「コラ、奈月。奈美は起きたばかりだぞ?少しは加減しな。奈美、体調はどうだい?」
戸惑いの表情を見せる奈美。
奈美准尉「??い、痛いです。申し訳ありません。どちら様でしょうか。
もしかして私を助けてくれたのですか。有難うございます。」
普段のように優しそうな顔をしつつ皆を怯えつつ見る奈美。
ゴースト准尉「な、奈美さん?冗談ですよね。。💦」
奈月少尉「え...奈美、嘘だよね?」
驚く奈月に、真木が割って入る。
真木班長「奈美、何を言ってるんだい?アタシ達が分からないのかい?
ヤブ医者...明日香はどこにいるんだ!」
そして気が付く奈美。
奈美准尉「??、、、そもそも私、私は誰なんでしょうか。」
愕然とした、困惑した表情を浮かべる奈美。
いつものように一升瓶を持ち歩き、ふらふらしながら扉をバーンと開けて病室に入ってくる司。
司軍医長「沙奈江ちゃーん、呼んだー?お、奈美ちゃん起きたの?良かったねー。これは呑まないと。」
真木班長「んな事してる場合か!奈美の記憶が吹っ飛んでんだよ!
とりあえず診ろ!アタシは亜美を呼んでくる!」
そう言って司の一升瓶をぶんどり、亜美の元へ真木は向かった。
司軍医長「え?奈美ちゃんなんかあったの?ていうか一升瓶分捕らないでよ(泣)」
といいつつ、奈美を触診し始める。
司軍医長「、、、取り敢えず見た感じで違和感があるのは、、髪色が白色に少し見える。これなに?
特には何もおかしな所はないけど、精密検査するかな。奈月ちゃん奈美ちゃんどんな感じ?」
奈月少尉「それが、自分の事さえ分からない位記憶をなくしているみたいです...。」
変わらず俯きながら、奈月は答えた。
司軍医長「うーん、見た感じは特に問題なさそう。ただ人造人間だから。。なんとも言えない。
精密検査してみるか。看護兵、奈美准尉の精密検査するら準備して。」
看護兵A「承知しました。軍医長。」
と司軍医長と駆け足で病室を出ていく。
ゴーストは近寄り、ベットに横たわってる奈美の視線に合わせて膝をつき、
優しく愕然とした奈美に話し、手を握ろうとする。
ゴースト准尉「大丈夫ですよ、ゆっくり休めば思い出しますよ。」
ゴーストを見た奈美は何かを思い出したのかビックっとし震えて錯乱する。
急に奈月に抱き着きガタガタ震えてゴーストを拒否する。
奈美准尉「嫌、、嫌。来ないでください。もうあんな事は嫌ぁぁぁぁ。」
ゴースト准尉「(、、、この拒否感もしかして、前世の記憶が、、だとしたら俺はここにいちゃいけない。)」
泣きそうななんとも言えない顔をして、奈月に託す。
ゴースト准尉「、、、奈月さんあとは頼みます。俺はちょっとしばらく一人で任務を行います。
でも奈美さんの近くで見えないところで護衛兵は継続しますので。」
と悲しそうな表情をして病室を出ていく。
奈月少尉「ゴーストさん!。」
そんなゴーストを止めようと声を掛けるが、聞いてくれなかった。奈月は奈美を抱きしめる。
奈月少尉「大丈夫、私がいるから。大丈夫、だから今はいっぱい泣いて良いよ?
(ゴーストさん...、此処にいるべきなのは私ではなく貴方ですよ。
確かに前世の記憶で怯えていても、奈美の側にいるべきなのは貴方だよ。)」
ガタガタ震えながら泣きながら奈月にすがる奈美。
奈美准尉「嫌、嫌、痛くしないで、もう嫌、殴らないで、もうああ~止めてぇーーー!!!!。」
そして、何かぶつぶつと言っている、言葉はわからないが、おそらくロシア語に聞こえた。
奈月少尉「奈美...私は、どうすれば良いんだろう...。」
奈月は奈美を抱きしめる事しかできず、悩んでいた。
そこに司と看護兵が戻ってきて
司軍医長「ありゃ、ちょっと錯乱してるね。しかたない、鎮静剤と睡眠導入剤投入するか。」
と奈美に投与する。
奈美は怯えて震えながら泣きながら目を閉じ眠る。
司軍医長「奈月ちゃん、奈美ちゃんを精密検査で連れていくね。」
と奈月の手を握っている手を放しストレッチャーで連れていく。
さらに入れ違いで真木と亜美が入ってくる。
亜美戦隊長「奈月、奈美は、奈美はどうなの。やはり無理をさせ過ぎた。ああ。」
と愕然とする。
奈月少尉「はい、私は何も出来なかったです。」
亜美の目を見れず、またもや俯く奈月。そんな彼女の肩を真木は叩いた。
真木班長「何言ってやがる、奈美の側にいて寄り添ったんだ。出来てるじゃねぇか、偉いぞ奈月。」
奈月少尉「真木さん...。」
みんなの前で動揺したことを後悔して、普段の表情に戻る。
亜美戦隊長「いや、何もできてないわけじゃないわ。奈美を妹をちゃんと抱きしめてくれた。
それでいいのよ、できることはあるわ。で、聞きたいのは奈美はどんな状態だったの
私に何かできることがあるかもしれない。だから真木さんが出てからの事を聞かせて。」
真木班長「恐らくだけど言動から見て、例の能力の使い過ぎで記憶が吹っ飛んでいるみたいだ。
少なくとも戦隊の記憶は丸々無いみたいだね。」
奈月少尉「前世の記憶が蘇ったのか、錯乱していました...。」
亜美戦隊長「そう、昔から能力を使った時は具合が悪くなってよく伏せていたけどそれもこんなことはなかった。
真木さんや奈月を助けた時や中国地方防衛戦時はあれは3週間ぐらい?の間で3回も立て続けに使った時は倒れた。
それでもここまでででは。
さすがに1日に2回もは無理がたたったのだと思うわ。原因は解らないけど前世に記憶がシフトしたのかも。
私たちはもしかしたらその記憶が基本にあるのかもしれないわ。
それだと、回復はしないでしょうね。ただ、、私にできることはあるかも。」
そこで寂しそうにしながら。
亜美戦隊長「私たちは人では無い、だから記憶を渡すことができます。ちょっと違うけど
上月副官を目覚めさせた時のようなことをすればあるいは呼び戻すことができるかもしれない。
ただ、その時はまた私が倒れるとと思います。その時は西大尉と凜大尉に指揮権を一時的に
渡すので、真木さん補佐をお願いできますか。」
真木班長「応よ、アタシも大尉だしね。任せときな。」
亜美戦隊長「有難うございます。では司軍医長から話を聞いてからどうするか決めますので、
所で、ゴースト准尉は?一緒にいたのでは?」
奈月少尉「悲しい顔をして、出て行きました。恐らく、あの状態では自分がいたら逆効果だと思ったかもしれないです。
奈美に一番寄り添えるのは、ゴーストさんだけなのに...。」
はあ、と悲しそうな顔をして
亜美戦隊長「、、、そうか。いつまでも前世の記憶が呪いのように私たちに付き纏う。
もういい加減何とかしないといけないのだが、私も振り払えてはいないのですよ。リビングデットと言うのかな。。。
ふとたまに深夜執務に追われていて寝落ちした時に思い出し、私は戦術機ごと喰われた。
あの最期と研究者たちの扱いに何度絶望したことか。。でも私には紫音がいつもいてくれた。
助けられた。ゴースト准尉もそうしてほしいと思う。だが、私とは状況も違う。
記憶が戻ったとしても、しばらくは二人は離した方がいいのでしょうか。」
と悩む亜美。
真木班長「いや、二人一緒にさせるべきだ。あの二人で警戒小隊なんだ。
解決するのだって、アタシらができる事じゃない。
二人で乗り越えなきゃ行けない事だと、アタシは思うよ。」
亜美戦隊長「そう、ですよね。二人で乗り越えないといけない事ですよね。
私も紫音と乗り越えて見せます。
でもまずは記憶を呼び戻すまではしばらく専属で奈月少尉にお願いしようかと思います。
いい?奈月。そのあとは奈月とゴースト准尉でいつものように護衛兵は回します。
で、いいですかね。真木さん。」
真木班長「良いんじゃないか?奈月はそれで良いか?」
奈月少尉「はい、大丈夫です。」
亜美戦隊長「真木さん有難うございます。奈月、奈美は奈月を慕っている。だからそばにいてあげて
ごめんね。本当は私がすべきなのだけど。。。」
とそこに司軍医長が看護兵を伴ってストレッチャーで奈美を連れてくる。
ベットに寝かせて、みんなに伝える。
司軍医長「結果から言うと、何が起きてるのかわからない。体には異常はなさそうだけど。
たぶん、精神的にかなりなことが起こって混乱してこうなったんじゃないかと思うけど。
普通に生活はできるけど、、、記憶が戻るかは解らないね。どうしようかなあ。。」
とお手上げ状態な事を言う。
真木班長「なるほど...ここからは亜美、アンタだけが頼りになるね。頼んだよ?」
亜美戦隊長「とりあえず今日は夜になったので様子を見て明日落ち着きを取り戻していたらやってみます。
奈月お願いできる?奈美を。奈月の思うようにやっていいから。」
と言う。
奈月少尉「分かりました。」
そしてみんなが解散して、奈月のみが残り奈美は睡眠導入剤が聞いて眠り続けている。
苦悶の表情を浮かべてロシア語で何かを呟いてる。
奈美准尉?「Это тело мое, и я верну его тебе.
Ты должен исчезнуть.」
(訳:この体は私の物、返してもらうわ。アンタは消えなさい。)
そしてそれに対して優しい声が誰かに助けを求めているよに見える。
奈美准尉「Нацуки-сестренка, пожалуйста,
помоги мне, я исчезаю. Мне это не нравится.」
(訳:奈月お姉ちゃん、助けて私、消えてしまう。こんなの嫌。)
ロシア語は解らないが、奈月には一つ理解できて聞こえたような気がする。
奈月と。。。
奈月少尉「え...今私の名前を...?だって、記憶がないんじゃ...。」
困惑する奈月。
記憶は失ってはいるが、奈美は夢の中でもう一つの人格に支配されそうになり苦しんでいた。
でもなぜかその名前が出てきた。なぜだかわからないでも。。
とても素敵な方で頼れる姉のような気がして言葉が出たようだ。
奈月は奈美の手を握る。
奈月少尉「奈美...私がついてるから...大丈夫だから...。」
そう言って、寄り添っていた。
そうするとその思いが伝わったのか、苦しそうだったのが安らかな表情になって
寝息を立てて静かになった。嬉しそうな顔に見えた。
奈月少尉「...これで良かったのかな?とりあえず落ち着いて良かった。」
そして同じころ、戦隊基地の外で桜の木の横で体育座りをして顔を膝にうずめて泣いているゴースト。
ゴースト准尉「(たらればでいまさらだけど無理やりついていくべきだった。いつも後悔ばかり。
どうしよう、不甲斐なさすぎる、、、今の俺じゃあ何もできない。)」
と、そこに八島准尉が来る。
気配を感じて目をごしごしして頭を上げる。
ゴーストの泣いている表情を見ていなかったと感じで隣に座り話しかける。
八島准尉「、、、大変だったな、早雲准尉。聞いたよ。何があるのかわからんけど、男性はとりあえず近づくなと言われたよ。
貴様はいつも一緒なのにここにいるという事はよっぽどのことがあったんだな。
まあ、飲めよ、何ができるかわからないけど。一緒に考えよう。」
と合成ビールの瓶をわたす。そばにいてくれる、同期の桜の戦友、ありがたいことであった。
ビール瓶を受け取りちびちび飲む。
ゴースト准尉「うん、ありがとう。しかし、こればっかりは。。。どうするべきか。
しばらくは一人で任務を行って様子は見るけど。」
八島准尉「そうだね、そうしよう。みんな心配してるし何か対応してるよ。
何、大丈夫だよ。また二人でやっていけるさ。」
こうして夜はふけていった。
翌日戦隊の指揮権を一時的に西と凜に渡し、亜美と真木が朝早くに奈美の病室に行く。
司軍医長も来た。
亜美戦隊長「奈月ありがとう。奈美は今落ち着いてる、これなら戻せるかもしれない。
じゃあ、後の事はみんなにお任せしますね。」
と真木と奈月と司を見て言う。
真木班長「おう、任せときな。奈月、頑張ったな。」
奈月少尉「亜美さん、私が言うのもなんですが、奈美をお願いします。」
亜美戦隊長「もちろんよ、私の二人とも可愛い愛すべき妹だもの。絶対に戻してみせるわ。」
と言い奈月の頭を優しくなでる。
そして奈美のベットの横に座り、奈美を抱き起し両手を奈美のほほに当ててさらに自身の額を当てる。
自分の記憶と奈美の戦隊での現世の思い出を奈美に精神的に伝える。
亜美戦隊長「(奈美、戻ってきてお願い。みんな悲しんでる。優しいあなたを待ってるわよ。
このままさよならは悲しすぎる。今の世界に戻ってきて。苦しいこともあるけど、それでも
前世よりはましよ。大丈夫私がフォローするからもどってこれるわよ。」
と、10分ぐらい無言の時間が過ぎたころであろうか、ピクっと奈美が反応して目を覚ます。
奈美准尉「あ、私、??、、、ああ亜美姉さん、ごめんなさい。戻ってこれました。」
と泣きながら亜美を見る。
その亜美はそのまま崩れるように奈美の胸に気絶して動かなくなった。
真木が先頭で入ってきた。
真木班長「入るよ。奈美!良かった、目覚めたんだな!」
奈美に近づき喜ぶ真木に、奈月は亜美に近いた。
奈月少尉「亜美さん、お疲れ様です。ベッドに行きましょう。」
奈月は亜美を担いだ。
奈月に運ばれて亜美はそのままベットに横になった。
仕事の激務からかいびきをかいている。だか苦しそうではなさそうではあった。
奈美は喜び真木に抱き着く。
奈美准尉「よかった。真木さんを護れた。ごめんなさい。狙われていたのは私だったのです。
それを能力を見たかったみたいで、真木さんを危険にさらしてしまいました。ごめんなさい。」
とひたすら謝る。
こんな時でも真木を心配し謝罪する奈美であった。
真木班長「謝る必要はない。アンタが無事ならそれで良いんだよ。」
そう、優しく言った。
奈美准尉「ありがとうございます。皆さんのおかげで戻れました。
それと奈月お姉ちゃん、寝てる間に私、苦しんでいたけど奈月お姉ちゃんのおかげで
精神が崩壊せずにすみました。本当にうれしかった。有難うございます。
亜美姉さんが助けてくれたのは確かですが、あの時本当に怖かったんです、
心が壊れそうになって、、でも奈月お姉ちゃんは思い出せたのです。」
奈月少尉「うん、力になれて良かった。」
そこに廊下でこそこそ声が聞こえる。
八島准尉「だから、もう大丈夫だよ。行って来いよ。」
ゴースト准尉「いや、でも。、、、また何かあったら。」
八島准尉「(やれやれ、あんだけ夜戦とかでは攻撃、突撃精神旺盛なのにこんな時は、
こうなるんだよな。だったら。)」
と病室のドアをいきなり開けて。
八島准尉「失礼します。(敬礼)お届け物であります。中にいれてやってください。」
とゴーストを叩き込んでドアを閉めて出ていく。
叩き込まれたゴーストはつんのめってみんなの前で悪態をさらす。
ゴーストを見て察した真木は、奈月に声を掛ける。
真木班長「そうだ、亜美を連れて行かないとね。奈月、亜美を担いで別室に行くぞ。」
奈月も気付き、同意する。
奈月少尉「了解です。ゴーストさんは、引き継ぎお願いします。」
そうゴーストに一方的に言って、二人は亜美を連れて出て行った。
ゴースト准尉「いや、あの二人ともいてくださいよ。(汗)。」
二人っきりになったゴーストと奈美は無言になった。
無言に耐え切れなくなり、ゴーストは話す。
ゴースト准尉「、、、もう大丈夫なのですか、奈美さん。」
奈美准尉「はい、皆さんのおかげで。ごめんなさい。私、ゴーストさんを遠ざけてしまいました。」
と申し訳なさそうに言う奈美。
ゴースト准尉「いや、それはしょうがないことです。今はもう大丈夫なの?その、俺がいてもいいの?。」
奈美准尉「はい、大丈夫です。あの時は怖かったですけど。ゴーストさんもそうですが
戦隊の男性の方々はみんな優しいですから。」
ゴースト准尉「それならよかった。おかえりなさい奈美さん。あまり無茶しないでくださいね。
みんな心配してますよ。」
奈美准尉「はい、自重できればいいのですけどでも、、、私にできることはこれしかないのと
皆さんを護りたいので。。」
ゴースト准尉「そんなことないですよ。奈美さんの優しさやサポートでどれだけ
みんな助かってることか。だからね、大丈夫。それよりも自身を労わってくださいね。。」
とお互いにびくびくしながら真っ赤になりながら手を絡ませる。
それを廊下でドアを少し開けて覗いている司。
まるで酒のつまみのようにしながら吞んでいる。
司軍医長「いけ、そこだゴーストちゃん、押し倒しちゃえwww。」
と小声で言っている。
後ろから、真木が司の肩を掴んだ。
真木班長「よう、軍医長。丁度亜美を診て欲しかったんだよなぁ。野暮な事してないで、来やがれ。」
司を無理矢理担いだ。
奈月少尉「そうですよ、邪魔するなら...、撃ち抜きますよ?」
奈月も笑顔で言うが、目が笑ってなかった。
ひきつった顔をしながら真木に担がれながら答える司。
司軍医長「あははは(汗)やだなー、沙奈江ちゃんも奈月ちゃんも目が怖いよ。
私は二人を応援しているだけであって、みゃーーーー、やめてーーーー。お酒は没収しないで~。」
とかなんとか亜美がいる病室に連れていかれたのであった。
こうして真木家はその後家族の中は仲良くなり、真木大尉も憂いなく任務に集中することができたのであった。
END
、、、場所は陸軍のとある基地にて。
??「やはりあの姉妹は特殊な能力を持っているようです。」
??「そうか、ことをなすすときに排除すべきか、あの戦隊を含めて、今後交渉も含めて何か手を打たなければな。
南條中将やら斯衛もやっかいだ。慎重に事を進めていこう。」
きな臭い話があったがまたそれは後日の話となる。