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我らがAllSの3回目のワンマン『Steppin' into my territory』がいよいよ明日4月6日、初台DOORSにて開催されます。
ついてはまさに一周遅れのこのタイミングでお恥ずかしい限りなのですが、根気のない私が途中で挫折し放り出していた前回2017年11月23日 渋谷GARRETにて行われた彼らの2ndワンマン『UNDER THE LIMELIGHT』のライブレポートを何とか完成させ、アップしたいと思います。
クラウドファンディングへの出資でこの時のライブDVDを入手された方には〝今さら意味なし〟ですが、お持ちでない方はなんとなく次のワンマンの参考にでもしていただければ幸いです。
ちゃい
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2017年11月23日、渋谷GARRETにて行われたAllSのワンマンライブ『UNDER THE LIMELIGHT』。
彼らは新体制となってから初のワンマンを4月に高円寺HIGHにて既に行っているが、その時はまだAllSとしての新曲が“HUNTER”と“DRIVEN”の2曲しかなくセトリの殆どがALSDEAD時代の楽曲で占められていたため、ライブパフォーマンスや旧曲のアレンジなどの面で新しいスタイルを表現するしかなかったと思う。
その点、AllSとしての初の音源『DO OR DIE』が完成しバンドの新たな音楽性、方向性が具体的な形となって示された今回のワンマンこそ、AllSの実質的な1stワンマンと言えるだろう。
開演予定時間の17:30を5、6分押して流れ出したSEは、どこかALSDEAD時代の過去アルバムのオープニングSEを思い起こさせる。
続いて聞こえてきたギターのアルペジオから“MEMORIES”が幕を開けていく、このあたりはワンマン前日に発売されたばかりの音源『DO OR DIE 』の流れをそのまま再現したものだった。
MAKIが歌い出すと同時に沁がリズムに合わせて右手の拳を振り、それに倣って観客たちも拳を振り始める。
そして疾走感あるサビでは、皆準備よくバンドタオルを取り出し一斉に振り回す。
沁のギターはますますエモーショナルに、艷やかさを増してきている。
もうここまでで、生まれ変わったオルスが呈示する音楽的な新境地への期待感がぐっと高まっていく。
「渋谷!始めようか―!」
MAKIの張りのある力強い声が会場の空気を揺るがす。
ハイハットのカウントに続いて、あのALSDEAD時代の名作『IDEA』から、もうすっかりライブでの人気曲の一つとなった、煌めくような“TWILIGHT”のイントロ”が流れ始めた。
MAKIが手拍子を促し、上手では沁がまず軽く手拍子した後、〝みんなもっと来い!〟と言うように客席に向かって両手で煽るような仕草をする。
会場皆両手を高く上げて手拍子、そしてMAKIの
「飛べっ!」
という掛け声で一斉に飛び跳ねる。
間奏からコーラス部分に入るとMAKIは
「声を聞かせてくれ渋谷―!」
と客席に呼び掛け、沁と陽佑もそれぞれのマイクに向かってコーラスをつけながら会場を煽る。
それに応えて観客たちも揃って
〝ウォーオーオ…〟
とシンギング。
MAKIはこの曲でこうやって観客たちと共に歌うのがとても嬉しそうだ。
そういえばALSDEADとしての最後のアルバムとなったこの『IDEA』発表時MAKIは、「ライブの時にはぜひみんな一緒に歌って欲しい」と話していた。
当時すでにMAKIの頭の中には、こんな未来のライブの風景が思い描かれていたのかもしれない。
佳曲揃いの『IDEA』の中でもとりわけ躍動感に溢れ、眩い光に包まれたこの曲は、AllSの音楽性に変わってからのライブで演奏されてもやはりよく馴染む。
夢幻の情景がまるで絵巻物のように次々移ろい、変化していく。
こんな素敵な曲が聴ける、オルスのファンであることを心から幸せに思った。
そして“TWILIGHT”のエンディングが“STARLESS”のイントロへとシンクロしていく。
沁は弾きながらノリ良くピョンピョンと跳ね、逆に陽佑は力強く身体を上下させ重厚なリフを刻む。
観客も合わせてややゆったりと重みをかけたジャンプ。
沁は難易度の高いこの曲のソロを目を瞑って〝うん、うん〟と自分で頷きながら滑らかに弾き込んでいく。
終盤、曲のタイトルとは裏腹にステージ後方は色とりどりの無数のライトが星空のように瞬いて、それはまるでこの曲が暗示する苦悩の先にある希望の輝きを暗示しているようにも見えた。
オープニングから3曲一気に飛ばし、ここでMAKIが力強く
「今夜は楽しんでこうぜ!いいかーっ!」
「みんなの声を聞かせてくれ!」
と呼びかけ、会場からは口々に4人の名を呼ぶ声が飛び交う。
そんなファンからの盛大なメンコに満足げな表情を浮かべながらMAKIが語り出す。
「はーい、渋谷GARRET!本日はAllSワンマン『Under the limelight』にお越しくださり、ありがとうございまーす!(拍手)
はい、我々オルスが活動再開したのが4月で、気がつくともう11月…。
本当に月日が流れるのは早いもので、今回がAllSとしての2回目のワンマンになります。で、今日はね、撮影が入ってるんですよ。だから後ろの段の上で暴れてる人たち、せっかくだからもっと前に来て。ほら、ほら、ほら早く!…(と手招き)
はい、オルスはこの4人で今まで何度もワンマンをやってきてるんですけど、今日は何か特別肩の荷が下りたような軽い感じで…何なのかな?音源が完成した安心感なのかな?
ね、陽佑はどう?軽い?」
そうMAKIに振られて陽佑、
「軽い軽い!何かいいよね、このラフな感じ。今までは何かこう、ずっとキメキメな感じだったじゃん?もうそういうのはいいかな、って…」
と笑顔で返す。
それを受けてMAKIがさらに
「うん。そう、軽くね。でもそこは軽くても気合はたっぷり、なんだよね?」
と煽るとこれになぜか陽佑、
「そう…だね、ウン。」
と生返事。
「そこは、なきゃ困るよ!」
とMAKIが苦笑いしながら突っ込み、改めて会場に向かって言葉に力を込める。
「えー、そんな気合たっぷりの4人と、ここにいる全員、真っ向からぶつかって、最後まで盛り上がっていきましょう、いいかっ!?」
今一度声を張り上げて
「盛り上がってこうぜ!いいかーっ!!」と叫ぶ。
〝はーーいッ!〟
会場からも元気いっぱいの声が返されると、MAKIが次の曲に向けてさらに発破をかける。
「そらーッ!テンション上げろーっ!」
NIKKYがスネアを強烈に打ちつけ、“INAZUMA”のイントロが流れ始めた。
沁がまた両腕を思い切り下から上に振り上げ、〝みんな来い!〟という闘志に満ち満ちたジェスチャー。
NIKKYのドラムの迫力も俄然勢いを増したように感じる。
活き活きとプレイするNIKKYの綻んだ表情には、どことなくこの曲への愛着が滲み出ているようだ。
NIKKYはオルスに加入して立案から関わったこの曲の名付け親である。
加えてこの“INAZUMA”、詞の内容こそ「不倫」といういかにも歌謡曲的なものをテーマにしているようだが、実際音作りとしてはかなり斬新なメタルサウンドとなっていて、そのあたり案外本当にNIKKYの嗜好に合致した1曲なのかも知れない。
この曲でもMAKIはコーラス部分で〝ウォーウォウォウォー〟
と会場に歌わせる。
スピード感溢れるギターソロではギターとドラムが両輪となり、また競り合いながら猛然と疾走する。
その歌詞の世界観通り人間の情欲、業の深さを表すかのような紫の炎にステージは包まれてゆき、激しくブレイクして終了。
次はまた曲調が一変、ここでMAKIが再び1stEP『DO OR DIE』から、エキサイティングなロックナンバーの名をコールする。
〝“DRIVEN”―!〟
何本かのスポットライトが下手の陽佑をメインに照らし出し、弾けるようなベースのスラップが響き渡る。
それに合わせてMAKIが
「ハイ!ハイ!ハイ!」
と掛け声を上げ、観客に手拍子を促す。
それまで以上に力いっぱいヘドバンしながらリフを繰り出す沁、そしてMAKIの大きな手振り身振りからもうバンドのエンジンが全開となっていることを感じさせる。
またこの曲でもMAKIは途中途中で
「Singing!」
「One more!」
などと客席に熱く呼び掛ける。
沁がスリリングなギターソロを流れるように弾き終えるとすかさず下手の陽佑を指差し、同時にスポットライトも再び下手に集中、ここでまた陽佑のターンとなる。
緩急に富んだ展開、このスピード感が心地良い。
そしてビートルズの“ヘルター・スケルター”を思わせるような、この曲の暴力的なエンディングが途切れた直後それは突然に、思いもよらず私にとってこの日最大のハイライトの瞬間が訪れた。
“A-dust”…
『オルスTV』の中で、MAKIがALSDEAD時代の楽曲の中でAllSとして改めてリトライしてみたいものとしてこの曲の名を挙げてくれていたが、それがまさか今日のこのワンマンで聴けるなんて…
彼らがビジュアル系としてバンドをスタートさせた初期の頃のナンバーだが、ドラッグをテーマに翳りと湿り気を帯びたメロディーをオーソドックスな8ビートに乗せた、どこか70年代初期のハードロックに通じる重く淀んだ空気感を纏うこの曲は、私にとってALSDEADというバンドの特異性を最初に強烈に印象付けられた、個人的には最も思い入れの深い曲なのだ。
大きなアレンジを加えることなく、オリジナルの良さをほぼそのまま継承してくれていたのも嬉しかった。
この曲の同期のアレンジは見事だ。
毒々しい幻覚の世界を、まさにエンジェルダストのような冷たく煌めくシンセ音で表現している。
薬物摂取による極度の幻覚症状に陥った者は自分の心の奥深くに潜む何者かと会話するというが、耳を澄ますとそんな暗闇からの呼び声がまるで木霊のように響いて聞こえてくるようだ。
だがそんな絶望感に覆われた世界を描き出すこの曲も、こうして改めてライブで聴くとメロディーラインはとてもキャッチーなもので、〝TAKE AWAY…〟というリフレイン部など思わず一緒に歌い出したくなる。
そう思うとこの“A-dust”も今の彼らのライブの雰囲気によく似合う1曲と言えるのかも知れない。
狂気と錯乱を表すかのような激しいヘドバンの後、暗く凍え切った余韻を残しながら曲は瞬時にフェードアウトされ、暫し無機質なインダストリアル風のSEが流れる。
その間に沁が7弦、陽佑が5弦にそれぞれ持ち替え、NIKKYがややゆったりした拍子でハイハットをカウントして始まったのは、“MEMORIES”と同様にバンドがAllSとして生まれ変わってこそチャレンジ可能となった、彼らの音楽的新境地の一つの成果と言える“IDENTITY DISORDER”。
しかしこの曲でも観客たちは迷いなくすぐに折りたたみ、頭を振る。
MAKIは陽佑のもとに歩み寄り、仲睦まじく背中を付け合わせながら歌う。
こんなロックスター然としたアクションもさり気なくサマになるMAKIはさすがだ。
リズムがスピードを増し、何かを語りかけるように女声ボーカルが入ってくる。
観客たちはこれもMAKIがオルスTVで「ぜひやって欲しい」と語っていた、ハンドベルをぐるぐる回すような振り。
そして感情を解き放つようなダイナミックなサビでは、片手を前にかざして思い切りジャンプ。
この曲は目まぐるしく展開が移り変わり、そして非常に攻撃的だ。
途中で一度ブレイクした後、今度はどこか不安を掻き立てられるような女声ボーカルが入り、それに抗うようにMAKIが激しく叫ぶ。
この曲のギターソロは沁自らがお気に入りだと話す通り、従来のオルスにはちょっと珍しい裏打ちリズムに乗って気持ち良さそうに宙を舞い、観客も楽しく拳を振りながらジャンプする。
MAKIは盛んにNIKKYの前に足を運んでは互いに鼓舞し合い、続いてソロを弾き終えた沁もドラムの前に立って激しく頭を振る。
終盤MAKIが苦悩を払うように咆哮、そんなステージに向かって観客たちのたくさんの手が差し伸べられながら曲は終わっていく。
「渋谷!テンション上がってるかーっ!
まだまだやれるか?!」
「かかってこいよー!」
この後また『IDEA』から人気曲“ADRENALINE”、そして泣く子とメタラーも黙る、テクニカルで緊迫感溢れる“KILL THE KING”とたて続けに飛ばし、ここで一旦ステージ上は小休止。
会場からは口々にメンバー4人の名を呼ぶ声。
そのメンコを耳にしながら暫し佇んだMAKI、ここでMCをとる。
「はい渋谷GARRET―!温まってますかー!」
〝イェーイ!〟
「温まってますかー!」
〝ウォーイ!!〟
「あーいいね!
何かみんなのすごいパワーがこちらにもドーン!とくるみたいだね。
えー渋谷GARRET、おかげさまで我々AllS、音源発売後最初のワンマンを無事迎えることができました。ありがとうございまーす!(拍手)
…はい、まあ、やっと足元が固まって、いろいろな事に本腰を入れて始めていける感じになって、今回ミニアルバムをリリースし、ワンマンをやって、そしてまたTwitterなんかでも言ったようにこれからガンガンやっていくつもりなんで、さっそく告知なんですが、来年2018年4月6日、次のワンマンが〈初台DOORS〉で決定しました。イェーッ!」
会場からも
〝イェーッ…!〟
と大きな歓声が上がる。
「ハーイ、絶対来るように。
いいですか!?」
〝うぁーーい!!〟
会場の熱い盛り上がりにMAKIも目を丸くして、
「ウェーイ…!
今日はみんなのパワーにちょっと圧倒されそうだね。
そんな熱く盛り上がっているところで、沁はどうなの?そのあたり。」
とMAKIはここでいきなり上手の沁の方を向き話を振る。
「最近沁があまり喋ってないね。作業も忙しかったせいか。」
沁「そうだね。オルスTVなんかではちょっと喋ってるんだけど…」
マ「何かこう、かしこまってんじゃないの?ちょっと。」
沁「いや、俺は普通に素のつもりなんやけど、お前らのテンションがおかし過ぎて、何か逆に俺が浮いてるみたいな感じに…」
マ「え、でも土佐弁とか出さないよね、あんまり。
やっぱり恥ずかしがって無理に抑えてんじゃないの?自分を。」
沁「そんなこと、あるかい。」
マ「なら、もう少し喋ってもええやんか。」
沁「別に、喋りますけど?」
マ「エエやん。土佐弁出したらエエやん。」
沁「まあ、そんなふうにあまりにも喋らない、っていう感じは自分でも外したいし、ではちょっと今日はひとつ俺なりに挑戦的にMC取らせて頂きます。」
沁の珍しい言葉に会場が湧く。
マ「やばい!ハードル上げちゃった(笑)」
陽「全然土佐弁出てないけど!(笑)」
沁「うーん、土佐弁はちょっと勘弁して欲しいな。ファンの手前…」
すると会場のファンから
〝土佐弁聞きたい〟
と声が上がる。
沁は渋々
「おんしゃーら!気合い入っちょーかい!」
とファンに向かって土佐弁を披露、会場大受けし笑いと拍手が起きる。
マ「酔っ払いみたいね(笑)
まるで居酒屋やねん。」
陽佑「居酒屋!(笑)」
マ「おんしゃーら!(爆笑)」
沁「こういう空気になると思ったよ。」
MAKIは続いてNIKKYをまな板に載せる。
マ「NIKKYは、どんな感じ?」
ニ「あのー、いや、すっごい緊張しました、最初。」
マ「え?珍しいね。」
ニ「普段は緊張しないんですけど、久々だからね。ワンマンも。」
マ「そうだね。」
ニ「まあ、気合いの表れなんじゃないですかね。」
マ「じゃあNIKKYはちょっと東京弁で煽ってみてよ。」
ニ「東京…?東京弁で、いいんですか?」
マ「東京弁で言うとどんな感じなの?」
ニ「東京弁では…
〝いくぜぇー!〟みたいな。」
会場から
〝え―――??〟
と微妙な反応。
さすがのNIKKYも狼狽し、慌てて
「よ…よっしゃ、いくぜぇー!かな?」
会場〝……〟
困ったNIKKY、やむなく自分でドラムセットをパシャーン!と鳴らす。
マ「自分でやれるからいいね(笑)」
ニ「あのー、僕なんかは普段〝べ〟とか付けるんですよ。
〝いくべー!〟って感じで。
でもそれって実際は神奈川弁なんですよね。」
陽「そーなんだよね。
何とかだべ、って言うのは神奈川なんだよ。」
マ「そうなんだ」
陽「うん。中居クンがよく言うやつよね。まー中居クンのおかげみたいなもんだよね。」
マ「中居クン、って言うな(笑)
ではNIKKYは普段は神奈川の人、という事で。」
陽「アハハハ!神奈川から出てくる、という事で!」
マ「次の曲いこか。」
陽「え?」
マ「陽佑煽ってみてよ。神奈川弁で。」
NIKKYもシンバルを軽く叩いて促す。
すると陽佑、
「よーしっ!」
と言ってマイクを掴むと観客からクスクス笑い声が漏れる。
陽佑、渾身の煽り。
だが案の定噛んでしまう。
「いけ、、いけるべお前らー!」
これに観客たちは笑いながら
〝イェーッ!〟
と返す。
「みんなで、かかってこぉぉ~い!!」
いつものように声がひっくり返り、何ともカッコ悪い陽佑の煽りとなってしまった。
だが、そうして次に始まった曲はイントロからカッコよさ一杯、これぞAllSロックの醍醐味といえる躍動感と野性味に溢れた“HUNTER”だ。
沁もMAKIが歌い出すと同時に深く膝を曲げて思い切りジャンプ、客席に向かってガツン!とばかり拳を突き出す。
そしてさらに〝もっともっと腕を回せ〟というようなジェスチャー。
観ている私たちも握り拳に思わず力が入る。
まさに今の彼らの意思、情熱そのものを映し出したこの曲、MAKIが
「〝今の時代にこんなリズムのハードロックやるんか?〟みたいなのがあってもいい」
とどこかで語っていたように、オーソドックスな8ビートのハード・ロックならではのこの疾走感は、やはり昔も今も変わらずロックファンの本能を熱く掻き立てるものだ。
(続く)
