ハブの話 | はむのゆるブログ

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ゆるゆるな爽やかポタの世界やたまに長いサイクリングネタ、その他など妄想しているブログです。
たまにマジメなこと書きます。
決してヘムタイなブログではアリマセン。
基本的に自己満ブログなのでツッコミはなしで。

こんばんは、はむたろうです。(u_u*)

ネタ小出しです。
昨日はトレーニングなしだったので特に書きませんでした。
今日はハブネタにでもしましょうかね。
リクエストあったし。
トレーニングもしたし。

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まずはこれを見てもらうとして。
上段は左からWAKO'sフッ素105、WAKO'sラスペネ、NASKALUBスプレー、MUONルブ。
下段はクライトックスグリス、ご存知DURAプレミアムグリス、NASKAグリスソフト、NASKALUB、ACORハブグリス、フィニッシュラインテフロングリスです。

実はどれもハブに使うことは出来ます。
ただし、耐久性やハブの種類などにより使い分けやメンテ頻度の設定が必要です。
まずは上段左のフッ素105から。
これは下段で出てくるクライトックスにも含まれているものでさらさらです。
もちろん抵抗は非常に少ないですがすぐに流れて乾いてしまいます。
なのでハブの玉がくっつきません。
その横のラスペネですがWAKO'sの技術者もフッ素105使うならこちらにしてくださいと言い放つものでフッ素105の性能を持ちながらそれより長持ちする万能オイルです。(あえてオイルに分類します)当然105ほどではありませんがさらさらで玉はくっつきません。
極圧性能もチェーンに使うことを推奨しているくらいなのでそれなりにあります。
その横のNASKALUBスプレーですがこれは極圧性能が突出しています。金属浸透性潤滑するので乾燥してもしばらく潤滑を維持します。いわば金属強化ですね。
マイクロロン処理などには負けますが手軽さがあります。
その横は最近出てきたチェーンルブMUONです。チェーンルブですが極圧性能もありハブへの応用も可能です。(推奨はされてません。僕も試してません)
そして下段に行って、
一番左がマニアが最後に行き着くといわれる究極のグリス、クライトックスです。
これだけで2万以上します
その横は一番ポピュラーなDURAプレミアムグリス。なんでも使えます。
それなりです。
その隣が最近出てきたNASKALUBのグリス版。ソフトとハードがありますがこれはソフト版です。
その隣もNASKALUBです。
そして右から2番目がACORから出ているハブに特化したグリスです。
粘度が低くDURAグリスなどとは比較にならないくらい回転性能が上がります。
そして一番右がフィニッシュラインのテフロングリス。
これら全部ハブに使えます。
ただし、物によってメンテ頻度が非常に多くなったりノーメンテの横着するときに入れたりと使い分けがあります。

通常、シマノのホイールには全てプレミアムグリスがたっぷりと入っています。
この状態で使用することを前提にシマノは製品保証しています。
確かに水置換性のあるプレミアムグリスがたっぷりと入っていてシールされていればメンテほとんどしなくても大丈夫でしょうね。
特にRS系のホイールはシーリングが強固なので放置状態でも大丈夫です。

僕も人のホイール、しかも次何時メンテできるかも分からない人の場合はプレミアムグリスかフィニッシュラインのテフロングリスを山ほど入れます。


で、それでいいという人はこの下は読まなくていいです。
ここからは製品保証外の自己責任の世界です。

まず、ベアリングについてですが、ラジアルコンタクトとアンギュラコンタクトについてちょっと説明が必要でしょう。
まあ、当然それなあにの世界だと思いますが。。。

僕は絵がへたなのでちょっと拝借してこれを見てもらいましょう。
ラジアルベアリング
これが一般に言われているベアリングです。
基本ラジアル加重で横方向からの加重は想定されてません。

だけど自転車のハブは常に縦方向からだけ力がかかっているわけではありません。
自転車を倒しこんでコーナーリングしているときなど当然斜めに力が入るわけですね。
これに対応するのがアンギュラコンタクトに対応するカップ&コーンと呼ばれるものを代表とする(自転車の場合ね)ベアリングなんです。

カップ&コーン
え~っと、図にすると上みたいなものです。左がラジアルベアリング右がアンギュラベアリング(カップ&コーンもこの仲間)です。ちょっと拝借

自転車は基本的に横方向からの力にも対応できなければいけないので右なんですね。
ホイールハブ以外にもハンドルのところにも使われているし、BBと呼ばれるクランクの真ん中の軸受けにも使われています。

そしてここには金属球が使われて支えている回りの部分も金属なわけですが、当然金属と金属なので摩擦が発生します。
そこでグリスを使うわけですが、そもそもなんでグリスが必要なんでしょ
それはですね、金属と金属が接近して動くと摩擦が発生して電位差というものが発生するんです。
要するに電気ですね。電気は磁気を生みます。

そこでこれを見てもらいましょう。
グリス抵抗
これを見ると分かる通り、グリスのあるなし(種類の違いを含む)でこれだけ違うんです。
電磁誘導は磁石です。要するに逆向きの力を生じるとそれが抵抗になります。
これを素早くSとNを入れ替えて反発力を利用して車体を宙に浮かせて前進の力を与えているのがリニアモーターカー(リニア中央新幹線)なわけです。
そう考えると磁力の力ってすごいですね。
そんな抵抗、走っているときに受けたくないですよね。
そのために上記のYoutube画像で見て頂いた通りグリスを使ってこの影響を最小限に抑えるわけです。
それ以外にも摩擦で傷がつくのを防止するという意味もあります。


じゃあ、いっぱい使えば安全だし軽いじゃん。


って、その通りなんですけど画像は機械がエンジンです。疲れません。
それに対して自転車のエンジンは人間です。
ボールがいっぱい入っているベアリングの中にグリスがいっぱい入ったらどうなるか。。。
ボールはグリスを押しのけながら進まなくてはなりません。
川を上流に向かって泳ぐのと同じです。大変です。疲れます。
ましてや、水ならともかくべったべたな油の流れの中だったら疲労倍増ですよね。
そんなところ泳ぐ人いないけど

同じことがハブの中でも言えるわけです。
極論しちゃえば何も入れない、これが一番抵抗ないわけですがこの場合、摩擦抵抗が生じて画像のようになっちゃいます。
そうならないために適度にグリスを入れるわけですがここでグリスはなんにするの
という問題に行き当たるわけですね。
なるべく抵抗にならないもの、だけど極圧に耐えるもの、難しいですね。
常温でのDURAプレミアムグリスと冷蔵庫で0℃まで冷やしたDURAプレミアムグリスを触ってみましょう。
どうです?硬さの違い
これがそのまま抵抗になるわけです。
つまり、暑い夏なら問題なくても冬になるとホイールの回転が重くなる。
やわらかいグリスなら軽くても硬いグリスだと重くなる。(必ずしもそうじゃないんですけどね)

じゃあ、どうすりゃいいの?

ってなるわけですが、極圧性能があって抵抗にもならない、そういうものを選ぶわけです。
なるべくサラサラ、でも極圧性能があって油膜切れしない、難しいですね。

ここからは僕の場合です。
僕はシマノのホイールWH-9000C35ですが、まずハブをばらして全部脱脂しちゃいます。
そして極圧性能を保持するためと金属浸透潤滑を考えてまずNASKALUBを入れます。
ボールレースがあるフロントはこれだけです。
リアは片側がボールレースがないのでボールをカップにくっつけるためにピンセットでボールをつまんでグリスの中につけてカップにそっと貼り付けていきます。
それでデジタルアジャストをセットして終わり。
たったそれだけです。
貼り付けるためのグリスも最初はACORを使っていましたがNASKAからグリスが出たので今はNASKAグリスソフトを使っています。
300kmくらいを目処にメンテするのでこれでもOKです。
当然ファクトリーリリースなんか比較にならないくらい回ります。
ボールレースが抵抗になりますがこれはいたし方ありません。
ここまでがノーマルな状態でのチューンですね。


次に、先ほどの画像で極圧抵抗を掛けているシーンがあったと思いますが、あれくらいかかると金属ボールは変形して戻ろうとします。
これがまた抵抗になります。
そして金属対金属は電磁誘導を生む。

それを根本的になくすには金属対金属を止めてしまえばいい。
その答えがセラミック球なんです。

※ちょっと脱線
ボールには等級というものがあってG1からG50までに分類されます。金属球で高精度といわれるものでG20くらいです。それに対してセラミック球は最高レベルはG3です。
自転車でそこまで要求されるかどうかは別としてそういうものが売られているということです。
ちなみにG3でも一個300円弱くらいです。


これは金属ではないので電位を生みません。そして金属よりはるかに硬度があるので変形しません。
これでグリスは要らない!

なんて事をしたらカップ&コーンが負けて一気に削れちゃいますよ。

そこで高い極圧性能を持った膜が必要になるんです。
その最適解がマニアが最後に行き着くといわれるクライトックスなわけですがこれは高温高圧下でその性能を発揮します。
つまり超熱い走りでハブ内が300度とかになるならこの選択ありですがまあ、無理でしょうね。
じゃないとクライトックスは主成分が機能せずただのフッ素105になっちゃうんです。
この成分がなくなったら一気に潤滑しなくなってハブがヤバイってことになる。
そこで僕はNASKALUBとNASKAグリスを使うわけです。
頻繁にメンテするのでルブだけでも切れる心配はない。NASKAグリスはボールをくっつけるためだけに使います。
ルブは別にMUONでもいいのですが極圧性能は同じでもMUONはチェーンで使ってもNASKAより若干足に粘りつくような重さを感じるんです。静かですけどね。

セラミック球を使う上で覚悟して欲しいのは金属球よりハブの寿命は短くなるかもしれない、ということです。

これはセラミックのほうがカップ&コーンの金属より圧倒的に硬度があるので極圧限界を超えたりして押し付けられた場合金属のほうが負けます。

これに対するひとつの答えがカンパのCULTベアリングです。
CULTは金属部分にクロニテクトスチールという非常に硬度の高い金属を使うことでノングリス潤滑での保証を可能にしています。
実はオイルは少し入っていますけどね。
うるさくても最高性能をというなら脱脂してオイルもなしで回せば凄まじい性能が得られます。
僕はさすがにそこまでしたくないのでNASKALUBをほんの少量だけ入れてます。
もちろんメンテ頻度は大です。

高性能が欲しければ手間を惜しまないことです。
RS21でもセラミック化してルブ潤滑させれば純正のファクトリーリリース状態のWH-9000C24くらいの回転性能が得られます。
もちろん重さはどうにもなりませんが。
回り始めれば止まりません。

グリスを少なくすれば性能が得られる、じゃあ減らそう!

という方はメンテ頻度を上げる覚悟をしてください。そうでなければすぐにグリス切れを起こしてハブを壊します。

やわらかいグリスほど流れやすいです。
DURAプレミアムグリスは流れでませんがACORのハブグリスは気温が高いと流れていきます。
その分早くメンテをする必要があるわけです。
軽さは高性能、しかしそれはメンテナンスとトレードオフだということを忘れないでください。

シールドベアリングでも自転車ではゴムシールの場合が殆どなのでグリスの入れ替えが可能です。
セラミック化はベアリングの打ち替えが必要ですが。
セラミックベアリングで有名なのはMAVICのチューン用に出ているベアリングですが物によってはセラミック球を使っただけ、というものも存在します。
受け側もセラミックというのは稀です。なぜなら硬度が高い分割れる可能性が高いからです。
それに金属球でもラジアルコンタクトで複数配置することで負荷を減らし、かつシャフトのしなりも考えたハブがあります。それがこれです。

https://www.youtube.com/watch?v=9VOQjOyMepg&index=12&list=WL

ただし、このハブ、めちゃくちゃ高いです

そこまで出さなくてもクイックの締め付けの調整や玉受けの当たり調整、内部グリスを削減して回転抵抗を減少させて極圧性能を目いっぱい維持すればかなりの性能が出ます。
今まで履いているホイールでも明らかに体感できるくらい性能差が出ます。

その代わり、自己責任で、ということをお忘れなく。

請け負ってもいいですがホイール(ハブ)の寿命は短くなることを覚悟してください。
まあ、カップ&コーンでも実はタクリーノから出ているベア・イン、べ・アウトを使えば取替え可能なんですが。。。。
まだ買えてません。。。
高いというのもありますが、基本的にメーカーがショップにしか売らないのでどこかのショップの名前借りて買うしかありません。
これを使ってセラミック化を請け負っているショップもあるくらいなのでこれだけで商売になるんですけどね。なんせ高い

ちょっと脱線しましたが今持っているホイールでもハブをチューンしてきちんとメンテするだけで性能が大幅に向上するということがお分かりいただけたと思います。

ちなみにショップに頼んでも断られます。メーカー保証外なので。
はっきりしているのはシマノハブの人はDURAグリスからNASKAベースに変えるだけで激変するということですね。ACORでもOKですよ。

今回の話の外になりますが高い負荷がかかるのはBBのベアリングもそうです。
セラミック化は伊達じゃないのですよ。
見えないチューン、プーリーもそうですね。大径化もかなりの恩恵があります。
細かいチューンの総合が全体性能を飛躍的に高めます。

ってぜんぜんゆるゆるブログになってない

ついでに今日はローラー台に乗ったので。

今日の記録:
DEFY, RS21, SPDサンダル,56x15

1st:負荷L3
Tm:0:28:20
Dst:10.01km
Av:21.2km/h
Mx:46.2km/h
Odo:20802km

2nd:負荷LH(Interval 300m rest, 200m attack)
Tm:0:07:15
Dst:2.55km
Av:21.2km/h
Mx:39.2km/h
Odo:20804km

なんか前より楽になった。
少しは強くなったかな