怒れる若者たち
【東京新聞】 本音のコラム(ルポライター 鎌田慧氏) 2012/6/26 より
「野田首相が責任を取る?」
大飯原発の「再稼働」に憤りの声が噴出している
身近に危険を感じているからだ
民意をまったく反映しない政治へのいら立ちも根強い
わたしたち「さようなら原発署名運動」を実施してきた、
内橋克人、大江健三郎、澤地久枝各氏と
全国から集まった750万筆の署名の一部を持って
藤村官房長官に面会し、再稼働を批判した
ところがそのあとすぐ、
野田首相などと西川福井県知事とだけが会談して、
再稼働を決めた
これは主権者の声をまったく無視した横暴である
まだ福島原発事故は収まっていない
予断を許さない状況なのに、不安定な2基を稼働させる暴挙に、
いま抗議の声は天に満ちている
先週金曜日、官邸前に集まった大群衆は、
60年「安保闘争」の国会前を髣髴(ほうふつ)させた
あのときのように、政党や労組が中心ではない
無名の若者たちが呼びかけ、官邸前での抗議が定着して
ひとりひとりが電車に乗って駆けつけるようになった
今週金曜日には、もっと増えそうだ
わたしも参加する
24日の日曜日には、野田首相のお膝元・船橋市に
若者たちが出かけて抗議した
7月1日は夕刻、新宿アルタ前に抗議の大群衆が集まる
そして7月16日、代々木公園に、全国から10万人が集まる
もう市民の起ち上がりを無視できない