手紙は届くのかな?
電話で話せるといいな…
今は苦しげに目を閉じてばかりの君だけど……また、お話できるといいな…
だってぼく、まだたくさん、君に話していないことがあったんだ。
あの頃、邪険にして君の心を傷つけて、ごめんね。
自分の自由や幸せばかり追いかけていたんだ。
本当の自由も幸せも、いつもぼくを想ってくれた君のそばにあったのに。
いつもぼくを案じてくれていた君を、鬱陶しい足かせのように感じたり…ほんとうに、ごめんね。
それに、一度も、ぼく、照れ臭くて君に愛してると言ったこともないよね。
思いきって、愛してるよ、だからまだ行かないで ‼…って言えば目を開けてくれるのかな。
あはは…って笑ってくれるのかな。
時折、目を開けてくれるけど、ただじっと、悲しげに、心細げに、君はぼくを見つめているだけ……
何を言いたいの? 何をしてほしいの?
もっともっと、たくさん話をしておけば良かった。
そうしたら、君が話せなくなった今でも君の心の声が聞こえただろうに…
今もぼくを案じている君に、せめて、ぼくは大丈夫だよ、安心してね、と伝えたいけど……………
君がその小さな背中に、神様から白い羽をもらって、遠く羽ばたいていく日が、そんな日がもうすぐ来るのが怖いんだ…
怖くて、怖くて、どうしようもないんだ。
子どもの頃、よく熱を出していたぼく。
目覚めてふと見ると、ぼくの布団につっぷして寝息を立てている君をよく見たよ。
ぼくを心配して、きっと、今のぼくのようにオロオロして、そのうち疲れて眠っちゃったんだね。
黙っていたけど、ぼくは嬉しかったんだよ。
だからオトナになった今でも、あの時の君の綺麗な寝顔をハッキリ覚えているんだ。
ぼくを生涯、案じ、愛してくれた君。
ほんとうに、ほんとうに、ありがとう。
君がくれた愛の何分の一も返してあげれなくて、ほんとうに、ごめんね。
今年のお盆に、おじいちゃんやおばあちゃんやお父さんに、まだ君を連れて行かないで ‼ 、と頼んだけれど…
おじいちゃんやおばあちゃんも、君が恋しくてしかたないのかな……
苦しそうに見える君だけど、半分は、これから住む新しい世界への期待で、ワクワクしてたりするのかな……
そうならいいな…と思わなきゃいけないよね。
ほんとは…ほんとは…ぼくをまだ、一人ぼっちにしないで ‼ と叫びたいけれど…
2017年9月17日 入院中の母のそば
で
