PCVバルブ加工 | taka@GH-AP1のグラとS2000とPerfumeと

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アラ還おじさんが名古屋グランパスとS2000とPerfumeをメインに仕事の愚痴、日々の出来事などを交えて、思いつくままに書き綴っていきます。

またまた、車いじりの記事になりますので、それなりに。



S2000にオイルキャッチタンクを取り付けるにあたって行なった付帯作業の一つがPCVバルブレスの加工。


オイルキャッチタンクの取り付けの様子はこちら⇒オイルキャッチタンク取り付け



PCVバルブとは、ブローバイガスをインテークマニホールドに入れる回路に付いているワンウェイバルブ(逆止弁)になる。


S2000では、写真の位置に付いている。


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インマニの負圧を利用して、エンジンブロック内のブローバイガスを積極的に抜こうとするのが写真の上側のブローバイの回路になる。


で、スロットルを全開にした時など、インマニの圧が高くなった場合にエアがエンジンブロック内に逆流しないようにPCVバルブを付けている事になる。


ただ、この回路の場合、アイドリングやエンブレ時には、インマニの負圧でインマニ側にブローバイガスが強烈に吸い込まれる。


そのため、アイドリングやエンブレ時に吸気温が上昇する傾向にあった訳だ。



更に、その時には手前(写真の下側)のブローバイ回路はどうなっているかと言うと。


こちらにはPCVバルブのようなものは付いていない。


従って、インマニの負圧で吸い出されたブローバイガスに引き込まれるように、こちらの回路からはフレッシュエアがエンジンブロック内に吸い込まれる事になる。



これによって、エンジンブロック内を掃気する事でHCなどを含むブローバイガスによるオイルの劣化を防止する役割をしているとの見解もある。


一方で、オイルキャッチタンクの取り付けの記事にリンクを貼ったHPの管理人さんは、この方法に疑問を投げかけていた。


エンジンブロック内にエアを入れる=酸素を入れる。


そのためにオイルの酸化を促進し、劣化を早めるのではないかと。



このあたりは、どちらの意見も一理あるとは思う。メーカーが敢えてやる事なので、前者の意味合いが大きいのだろう。




まぁ、今回の問題はオイルキャッチタンクを付けて、ブローバイ回路を変更する時に、このPCVバルブがどう言う働きをするかにある。



筆者が取った新たな回路は、S2000で定番の三股方式。


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PCVバルブ側のホースと手前の回路のホースを三股で合流させて、オイルキャッチタンクにつなぐと言う方法になる。


PCV側は、本来であればインマニの負圧で弁が開き、ブローバイガスが吸い出されていた。


エンジンブロック内の圧とインマニ内の圧力差を有効に使っていた訳になる。


で、三股で合流させてしまうと、その圧力差は、殆ど発生しないはずだ(抵抗で多少は差がでるだろうが)。



となると、PCVバルブの機構を生かしたままでは、PCV側からのブローバイガスの排出は、ほぼ0に等しくなると思われる。


これでは、回路を2本使う意味がない。


事実、PCV側をメクラ蓋で殺してしまう方法を取っているショップをあるようだ。




そこで、せっかくある回路を少しでも有効利用しようと言うのがPCVバルブレス化である。


PCVバルブをとっぱらってしまえば簡単だが、AP1型では、これが特殊な形状をしていてエンジンヘッドに差し込まれている。


このPCVバルブを取ってしまうとホースをつなぐ口がなくなる事になる。




そこで、役に立つのが先人の知恵。


このPCVバルブの中の機構を取り除き、外側のみをホースニップル替わりに使うと言う方法。



その方法を試してみた。


取り外したPCVバルブ。


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下側がエンジン側で、上の横を向いているのがホース口。ガスの流れは下から入ってL字に曲がって上のホース口に向かう方向になる。


逆には流れないはず(多少は流れるのかも)。



その弁が下の写真で、穴の中に赤っぽく見えている部分。


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こいつをドリルで破壊して取り出す。


始めは4mmのキリで。


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簡単に行けるかと思ったら、意外と手こずった。


どうも、中の弁が共回りしてしまうようで、中々削れてくれない。


キリを5mm、6mmと変えながら、破壊を試みるが・・・




最後は、細いラジオペンチに、配管を外す時に使った工具で引っ張って強引に引きずり出した。


破壊したPCVバルブの弁機構。


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上から、弁の開度を調整?するスプリング。


真ん中の崩れた円形のものが弁本体。


その下が弁を支えていた支柱になる。至って、簡単な構造。




弁機構を取り除く事ができたら、出来るだけ穴を広げておく。


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最後は8mmのキリを使ったが、素材がプラスチックなので、手でキリを回すだけで簡単に削れる。


削り過ぎないように、手作業がベターかな。



穴を大きくすると、


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ホース口側からの光が見えるようになる。


削った際のバリなどをカッターで仕上げて、中の削りカスを取り除いて完了。



これで、PCV側を余分な抵抗がなくなり、ガスが抜けやすくなると思う。




ちなみに、筆者の場合は三股を一般的なY字形継手ではなく、T字形のチーズを使っている。


PCV側のホースの内径がφ9mmに対して手前側のホースは内径φ12mm。


メイン回路はφ12mmの手前のホースになると考えた次第で。



となれば、こちらの抵抗を少しでも減らす意味でストレートになるT字に。


で、あわよくばT字形にする事でφ12mmのホースのガスの流れによるベンチュリ効果でPCV側からのガスが吸い出せればと思って。




この加工にあたっては、無駄になるかも知れないと思いながらも保険として、新品のPCVバルブを購入しておいた。ちっちゃいパーツの割には結構なお値段だったが。



それでは、これを参考にされる方は、


あくまでもオウンリスクにてお願いします。



今回のPCVバルブの加工だが、作業の方法、人選は全て君に任せる。例によって、君、もしくは君の友人が怪我、あるいは車を壊しても当局は一切関知しないから、そのつもりで。成功を祈る。