通勤快速壱号機 | taka@GH-AP1のグラとS2000とPerfumeと

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アラ還おじさんが名古屋グランパスとS2000とPerfumeをメインに仕事の愚痴、日々の出来事などを交えて、思いつくままに書き綴っていきます。

久しぶりに筆者のマイカー遍歴の続きでも書こうかな。


参号機 ユーノス・ロードスター (NA6CE型)の話を書いてから1年近くも経っていたww



本来なら、四号機の話となるのだが、その前に併用することになった通勤快速壱号機が、色々とエピソードの多い車だったので、その話などを。



セカンドカーを物色するきっかけは、5年で10万kmを超えたロドスタの走行距離にあった。


ロドスタは長く乗りたかったので、これではまずいと思い、走行距離を伸ばす要因であった往復50km強の通勤に使う足車を物色し始めた。


当然、足車なので維持費の安い軽自動車に的を絞った。ビートも捨てがたかったが、さすがにオープンツーシーターを2台は、ちょっと・・・



そんな話を当時、たむろしていた車好きが集まるCafeで話をしてたところ、某自動車メーカー(ここで伏せても車名がでるから意味ないが)に務めるツーリング仲間から「悪魔の囁き」があった。


「今度、うちから面白いヤツが出るよ」と。。。


「Rってヤツ。工場でテスト走行したけど、めちゃめちゃ面白い。絶対に買うべき」とダメを押してきた。



取り敢えずは、ディーラーに行ってカタログをもらおうとしたら、1枚のパンフレットが渡された。


資料はそのパンフのみらしい。そう、そのモデルはカタログモデルではなく受注生産の特殊なグレード。


その名も「アルト ワークスR」DASH!


スズキがモータースポーツのベースモデルとして開発、販売したモデルだった。


筆者の購入したワークスRは、巷ではⅡ型と呼ばれているHB21Sの初期型モデル。



エクステリアこそ、カタログモデルと同じワークスの形をしてたが、ホイールは交換する事を前提とした鉄チンホイール。ボディカラーは白のみ。


内装は、メーター周りはワークスだったが、その他の内張りやシートは、もっとも安価なモデルのものと言うチープな作りだった。当然、オーディオどころか時計すら付いていなかった。


せめて、エアコンくらいはいるかなと思って聞くと、


営業マン:「エアコンのオプション設定はありません」(キリッ


筆者:「はぁ、そうですか・・・」(-"-;A



まぁ、朝夕の通勤メインなら、何とか我慢できるかと・・・


で、発注となった訳ですが、ここでも。。。



受注生産なので、納車には3~6ヶ月は見て欲しいと言われた( ̄□ ̄;)

筆者にしては、珍しく納車待ちをして買った車だった。



ちなみにRとカタログモデルの違いは、当時のモータースポーツの規定で後から改造できない部分をメーカーで変更してあるというところ。


まず、エンジン。形式こそ同じK6だったが、記憶が正しければ、ノーマルのワークスの過給圧は0.9くらいを1.1にあげて、圧縮比を8.4か8.6から8に下げて、ターボの過給でパワーを稼ぐ設定になっていた。

正式にはリリースされていなかったがタービンも違っていたようだ。


インタークーラーもコア増しされてたはず。


極めつけはミッションで、これがクロスミッションが組まれていた。

ノーマルの3速を中心にして、1、2速を上げて、4、5速下げてクロスレシオに。


で、ファイナルを落として加速重視の設定になっていた。



3ヶ月ほどで納車となったワークスR。店に車を取りに行った。



ここで、まずエピソードⅠが・・・


シフトが渋いというか、1~4速までは問題はないのだが、5速に入れて4速に戻そうとすると引っかかる感じがした。特殊なグレードだから当たりが付くまでは、こんなものかと思った。


営業マンに聞いてもはてなマークだった。そりゃそうだろうな。殆ど扱った事がないだろうから。



しかし、時々5速からギアが抜けなくなる症状がでた。


ディーラーに行く前に、かの友人にその話をすると、「そんなはずはない。シフトは軽く入るはず」と。

で、ディーラーを通すとクレームになるからと言う友人の車を借りて、筆者のワークスRは、内緒で工場へ。



結果としては、5速から戻す時にバックに入らないようにするストッパーのボルトが規格より、ほんの数mm長かったため、引っ掛かっていたらしい。


これが、産地直送のクレーム修理だったwww




後は、慣らしを終えて、本格的に走り始めるとこれが確かに面白い。


ロドスタも楽しい車だったが、ワークスRは面白いとの表現が合う車だった。



エンジンは正直いって5000rpm以下は、普通のワークスの方が速いくらいにカッタるかった。


ただ、5000rpmを超えて6000rpmからレブリミットの8500rpm(レッドゾーンは8000rpmから)までの吹け上がりは、笑っちゃうくらい面白かった。


この美味しいパワーバンドをキープするために、前述したクロスミッションが効いてくる。

各ギアでレブリミットまで引っ張ってシフトアップすると、5000~6000rpmでつながるようになっている。



だから速いかと思うと、0-50mはノーマルのワークスの方が速かったりする(笑)

ローギア過ぎて、1速はあっと言う間に吹け上がってしまう。


1速でレブリミットまで引っ張っても40km/hくらい。

2速で、60~70km/h、3速で100km当たりだったと思う。


まさに、タイトターンの多いダートラや幅員の狭い林道を使う国内ラリーのスピードレンジに2~4速がピッタリ来るセッティング。


普通にに走るなら、2速発進もOKなくらいだったな。


あっ、音はうるさかったです。かなり手前から来るのが分かると言われましたww

当然、室内も。防音、防振用のアンダーコートさえ省かれているので、音は容赦なく入ってきました。


初めて、水たまりを通り過ぎたときに、その水を跳ね上げる音にビックリしたからなぁ。



で、エピソードⅡは、電動ファンのヒューズ切れ。


ある日、何となく室内が暑いと思って見ると水温計が上昇していた。

慌てて、ヒーターを全開にして水温を下げた。走っていると走行風で水温は上がらないようだった。


どうやら、ラジエターの電動ファンが回っていないようだった。原因はヒューズ切れ。


ただ、ディーラーに持っていくもヒューズ切れの原因は不明。予備のヒューズを貰って、切れたら交換してくださいと(オイオイ)




エピソードⅢは、違法改造扱い・・・


ある日、通勤途中に突然エンジンからカンカンと言うようにな金属音が・・・


エンジンが逝った事には間違いないと思い、取り敢えず会社にTELして、騙し騙し、近所の修理工場に持ち込んだ。症状はピストンの吹き抜けだった。


リビルドエンジンに載せ替えるのが、一番手っ取り早いとの事だったが、エンジンは特殊なのでOHする事にした。修理工場は、専門のリビルドメーカーに修理を委託した訳だが。。。



そうしたら、修理工場から☎があり、違法改造エンジンは修理できないと連絡があったと。


どうも、普通のワークスとピストン、コンロッドが違っていたらしい。その比較写真がFAXで送られてきていた。


当方は、この車はワークスRと言って、メーカーがきちんと発売しているものだと説明。


さらには、スズキのお客様相談室に☎してR用のピストン、コンロッドの品番を確認して連絡した次第。



品番を確認した時に分かったのだが、そのピストンとコンロッドはスズキスポーツがチューンアップパーツとして出していた鍛造品だった。



まさにメーカーチューンの車だった。



一説によると、ワークスRの初期ロットは、さらにバランス取りなどして、スズキスポーツのワークスカーとして使われたらしい。公証64psだが、ワークスカーは100psは出ていたのではと聞いた。



このように色々と思い出深いワークスR。



しかし、年齢と共にエアコン無しは、さすがにきつくなり通勤快速弐号機へと世代交替するのだった。


ただ、4WDが全天候で有効なのも、ワークスRに教えてもらった。



今も時々、乗りたくなる車だな。

適度なスピードレンジで、あれだけ面白い車は、もう出る事はないだろう。。。