孫息子も、はや来年は一年生
まだまだと思っていたのに、もうこんな時がやってきた
今年の三月ごろ、長男が勤務する市のタウン情報誌に載っていたランドセル製造の店
息子と一緒に出かけ予約したと言っていた
出来上がったとのことで一緒に来てほしいという
めっきり出かけることのない夫と二人一緒に付いて行った
ランドセルのお祝い金はジイジからもうすでに孫に渡してある
以前、家族みな揃って夕食が終わった時、孫に手渡すとジイジに深々とお辞儀をし
「ありがとう」と言った孫息子の様子に胸が熱くなった日は昨日のことのよう
店先で壁に並んだ予約と同じ色のランドセルを肩にかける
少しはにかんだように下を向き肩ベルトに手を添え振り向く
顔は笑っている
この笑顔が見たかった
みんな笑っている
「よお似合うわ~」 「かっこいいな~」
店主が奥から予約していた新しいランドセルを箱から出し
「これは誰もいらっていない新しいランドセルです、はいどうぞ 」
再度、笑いながら新しいランドセルを背負う孫息子
親子三代が揃って行って、親子三代続く良心的な物づくりの店で
いいランドセルを買える喜び
紺色のランドセルは背中で光っていたが
孫息子の頬は、はち切れんばかりに輝いていた