「見えた、よ~見えるわ!」
「お前の顔もよ~見えるし、壁の時計の文字が見える、、、、、」

左目の白内障の手術をして病室に帰り、1時間後の安静、昼食と終わり先生の回診後、眼のアイパッチを金属のようなもので全体に穴の開いたものに変えてもらった夫の第一声。

朝の検査後、「眼はとても綺麗です。」と先生の言葉。
左目のアイパッチもとれて昼食をとる。その箸先はきゅうりもみの細かいものでも難なくつまめる。
今まで食事は強度の眼鏡をして勿論食べていたが、眼鏡なしで左目だけでちゃんと食べられるし、壁の時計の文字盤も読める。

「お前の顔もよ~見えるし肌も綺麗や、、、、」などと嬉しいことまでも言ってくれる。
どんなことよりも、人並みに見えることが一番嬉しい。何よりも嬉しい。

こんなに素晴らしいことが人生にはあるのだ。
本当に見えなくなるまで諦めていたものが、劇的に変わったのだ。

手術も、椅子に座ったままで、頭を後ろに置いて眼球麻酔で行う。後には順番の人が何人も待っていたとか。
病室を出てから25分くらいで戻ってきたので驚いた。

白内障の手術は、日帰りでも出来ると云われているが、それくらい進歩しているのだ。
その進歩についていけないようでは、何もかも置いて行かれる。
変な思い込みなど全く無用なのだった。

左目を完全に覆っていたとき、60数年ぶりに右目だけで初めて見た光景は、光が明るく物がぼーっとだが見えるし
近づけば顔も見えると言う。
一生、見えないと思っていた眼は明日の手術でどう変わるか。

思うだけでも感無量になる。

さあ~、用意をして夕ご飯までには病院に戻らなければ、、、、、、あ~ぁ、嬉しい!