今日は、カヌーの素材について書きたいと思います。
昨今のカヌースラロームボートはカーボンファイバーにて製造されています。
積層構成は
カーボン
コア材
カーボン
の三層構造です。
時にはCKやガラスを使用することもあります。
今まで使用されていた素材は
ガラスから始まり
ケブラーカーボン
フルカーボン
UDカーボン
と次々と新しい素材が導入されてきました。
そして最近VAJDA社が取り入れている新しい素材にがあります。
それはCristex Composite MaterialsのDynanotexと言う素材です。
これはカーボンファイバーにアルミ蒸着をさせた素材を開繊織という方法で編み込んだ素材です。
まずは開繊織から説明します。
今までカヌーに使用されていたカーボンは平織りら綾織と言ったカーボン繊維を筒状に編み込んだ物をさらに編み込んでクロスにしていた物を使用していました。
筒状の繊維を編むことにより少しデコボコがあるのがわかりますでしょうか?
このデコボコは積層して行く段階で空間となります。そこに樹脂を染み込ませると樹脂溜まりが出来きそのまま重さとなって現れます。
それを解決するのが開繊織です。
開繊織は繊維を横方向に並べる事により繊維本数を減らす事無くカーボンクロスのデコボコを少なくする事にが出来ます。
これにより不要な樹脂は絞る事が可能です。
また、綾織や平織に比べ繊維本数を減らさずに1プライの厚みを薄くする事が可能になります。
同厚の物を成形する場合開繊維はプライ数を増や増やす事が可能になり同じ厚さでも平織や綾織より強度を増す事が出来ます。
さて、織り方の違いはこんな所です。
次は繊維についてです。
リオオリンピックでは多くの選手がDynanotexのボートに乗っておりました。
一流選手が乗っているとやはりかっこよく見えますね。
このDynanotexの繊維はカーボン繊維に溶かしたアルミを蒸着している繊維です。
この繊維の利点は調査中ですが、VAJDAのページには紫外線から繊維を守るとだけ書いてあ
りました。
紫外線に弱いのは樹脂の方な気がしますが…。
日本ではガラス繊維にアルミ蒸着をしたものをシルバーカーボンとして販売しておりますが、これは見てくれ重視の繊維でした。元はガラス繊維ですので通常のFRPとあまり変わりません。
カーボン繊維にアルミ蒸着をする事により、どのくらいの強度があがるのか気になる所です。
まだまだ研究段階と言った所ですね。
Dynanotexの性能まとめると
開繊織により今までより軽くて硬いボートをつくる事が可能になった。
カーボン繊維のアルミコーティングにより、紫外線から繊維を守る事が可能になった。
と言う感じです。
ちなみに
私がオーダーしたボートは
全体塗装のオーダーで注文しました。
理由は樹脂むき出しより塗装(ゲルコート)を塗また方が少しでもボートを紫外線から守れると考えたからです。
以上
カヌーの素材についてでした。
マニアックな内容に付き合って頂きありがとうございます。
Dynanotexについてもっと詳しく知っている方が居ましたら御一報下さい。