「Drip Drop」日本語訳
촉촉히 촉촉히 내리는 너
しっとりと降り落ちる君
널 닿아서 떨리는 수면의 원
君に触れて震える水面の円
달콤한 중력을 타고 온 널
甘い重力に乗った君を
피할 수 없어
避けることなんてできない
*내 맘에 Drip Drop
*僕の心に Drip Drop
넌 한 방울씩 Drip Drop
君は一滴ずつ Drip Drop
더 적셔오지
もっと濡らして
Drip Drop 이 음악같이
Drip Drop この音楽のように
Drip Drop Drip Drop on me
Knock knock
맘을 두드린 간지러운 속삭임
心を打つくすぐったいささやき
이 감정은 Baby maybe
この感情は Baby maybe
너른 심해에 잠기네
広い深海に浸かってる
푸름보다 푸른
青より青い
그 색은 마치 Navy
その色はまるで Navy
흐린 날씨도 좋아
曇り空でもいい
너만 있다면 먹구름은
君さえいれば暗雲は
편한 그늘이 되지
安らぐ日陰になる
빗방울인 넌
雨のしずくの君は
내겐 바다가 되지
僕にとっては海になる
눈 앞에 커다란 Ocean
目の前の巨大な Ocean
날 집어삼키는 Motion
僕を飲み込む Motion
헤어날 수가 없어
抜け出せない
Oh 정신 좀 차려
しっかりしろ
휘청대지 말고
ふらふらせずに
다시 키를 잡아
もう一度鍵を手にして
또 Tick tock
また Tick tock
시간만 흘러가
時間だけが流れていく
고장 난 나침반
壊れた羅針盤
난 또 어디로
僕はどこに
난 닻을 또 올려
僕は再び錨を上げる
이 역풍을 헤쳐
この逆風に立ち向かい
그녈 향한 항해를 해
君に向かって航海する
천천히 밀려와 날 삼켜 줘
ゆっくりと押し寄せて僕を飲み込んで
요동치는 마음을 잠재워 줘
揺れる心をなだめて
네 손길만이
君の手招きだけが
이 파도를 평화롭게 해 Yeah
この波を落ち着かせる
*REPEAT
맘이 커져가는 속도를 따라
心が大きくなる速度につれて
내 시간에 네가 흘러와
僕の時間に君が流れこむ
꿈을 꾸듯 편한 느낌
夢を見ているような穏やかな気持ち
원래 하나인 것 같이
もともと一つのものだったように
우린 춤을 추고 있어
僕たちは踊ってる

今日は特別に。
いつもは限定記事でしかお見せしていないファンフィクションの翻訳をお届けします。
無断で訳してるので作者のお名前は公表しません。
転載や引用はご遠慮ください。
君は不思議な人だった。
最初に現れた時から。
高三の期末試験が間近に迫った夏休み直前に転校してくるなんて、きっとそんな奴は君ぐらいだ。
男子校、それもセンター試験を控えた学校で、クラスメートたちは君に関心がなかった。ただ少し珍しいものでも見るような視線を送っただけで、近付くことはなかった。
俺はそんな君を見て花が咲いたように感じた。
なぜか皆たいして興味がなかった。それも仕方ない。
みんな自分勝手で自分の進路のことで精一杯だった。
俺だってそうだ。こちらから近付くことも、向こうから近付いてくることもない、地球と月のように。
ふと目を向ければ窓の外を見ていたり。昼休みには一人でベンチで本を読んでいたり。
君はそんな人だった。
しばらく時が流れても、君は近寄ってこなかった。
俺にも、みんなにも。
だから俺は、君と俺が親しくなるはずがないと思ってた。
当然だ。俺には俺の仲間がいて、おそらく卒業するまでこの仲間と離れることはないだろう。
そして君も、その中にまるで浮遊物のように存在するんだろう。
混ざることも沈むこともなく流れていくんだろう。静かに、ひっそりと。
「一緒に帰ろう」
雨が降ったある日、君が声をかけてきた。
そう言えば帰り道で君の後ろ姿をよく見かける。塾にでも行ってるのかと思ってたけど、家の方向が同じなのかな。
どうして俺の家を知ってるのか気になったけど聞かなかった。
俺は傘を持ってなくて、君の手には黒い傘があった。
ぼんやりと君の手を見ていた顔を上げた。
目が合った。君はにっこりと笑った。
俺は思わずうなずいていた。なぜだろう。きっと雨のせいだ。
一緒に入った傘の下では会話がなかった。雨音だけが流れていた。
気まずいな。触れ合う指先と寄せ合う肩。君はまったく気にしてないみたいだけど俺は、何て言うか、変な気分だった。どうしていいかわからなくて。
「早く夏が終わればいいのに」
俺は夏が好きじゃない。暑苦しい日差しと湿気。全身を濡らす汗と雨。
傘の隙間から入る水滴。ズボンの裾が濡れてはりつく感触。
考えただけで体中がじっとりするようで。
「どうして?」
独り言のようにつぶやいた言葉に返事が返ってくるとは思わなかった。
驚いて顔を向けると君も俺を見ていた。傘の影の下で向き合った君の顔は、何とも表現できなかった。
表情のない綺麗な顔に落ちた傘の影。雲に閉ざされた空のようだと思った。
そしてその影の中でもきらめく二つの瞳は、まるで俺の答えを待っているようだった。
何を言えばいいんだろう。頭の中をとりとめもない文章が駆け巡った。
考えがまとまらないまま口を開いた。君の目が答えを促してるように感じたから。
「雨が好きじゃないんだ。夏も嫌だし」
「そうなんだ。残念」
「なんで?君は好きなの?」
「好きってわけじゃないけど…」
君は言葉を濁し顔をそむけた。信号が赤に変わる。また暗黒のような沈黙が続いた。
黒い傘の中の小さな宇宙。
「どこに住んでるんだ?」
「僕?」
聞き返す声がなぜか遠かった。俺たちは道端に立ち止まった。いつも通り過ぎるだけのコンビニの前。ガラスのドアに雨のしずくが流れていた。
ぼんやり映る君と俺の姿。影がゆらめいた。影の中の君の顔はよく見えなくて、君をしっかり見つめた。
君の顔がゆっくり俺のほうを向いた。微笑んでいるような気がする。
「君の家の近所だよ」
「俺の家知ってるのか?」
「登校する時君が家から出てくるの見たんだ」
そうなんだ。ぜんぜん知らなかった。
また会話が途切れた。
君から先に口を開くことはなく、歩きはじめた。
結局うちの前まで一緒に来た。
もう少し先に住んでるんだろうか。聞きたかったけど、なぜか答えが返ってくる気がしなかった。
「じゃあね」
「…ありがとう。また明日な」
「うん」
背を向けた君を見つめていた。灰色の空と雨と傘に、君はよく似合っていると思った。濡れた君の肩からしばらく目を離すことができなかった。
君はなぜ俺を傘に入れてくれたんだろう。
翌日の朝。雨は上がったが空はまだ曇っていた。庭の水たまりに灰色の雲が映っていた。
門を開ける前、なぜかあの子を思い出した。雨が降り出しそうだ。鉄製の重い門を開けて歩きだした。
昨日のあのコンビニを通り過ぎる時、肩に何かが触れた。トントン。かすかな手の感触。振り向いた。君がいた。
「おはよう」
「おはよう、テミナ」
初めて君の名前を呼んだ。
口に出した自分も驚いたし呼ばれた君も驚いたようだった。丸くなった目がかわいいと思った。君も驚いたりするんだな。まあ人間だから当然か。
考えてみたら俺がテミンについて知ってることなんてほとんどない。学校、名前、年齢。それ以外では俺の家からそう遠くない所に住んでいることくらい。
実際顔だってよく見たことがない。君がほかの表情を浮かべるのを見たことがあったかな。記憶にない。
「一緒に行こう」
ふと、なんとなく。君を知りたいと思った。君もそうなのかな。だから俺に声をかけたのかな。
最初から君がどうして俺に近付いてきたのかわからなかった。君が来てから3週間くらいになるけど、君が誰かに自分から声をかけたり近付いていくのを見たことがなかった。
君は、俺をどう思ってるんだろう。横目でそっと君の顔を見た。今はいつも通りの静かな水面のような無表情。
並んで歩いていてもやたらと遠く感じた。
「なに?何か話あるの?」
「あ…」
ちらちら見ていたのがばれたみたいだ。かっこ悪いな。顔が赤くなるのを感じた。
それを見た君はまた笑った。
手の甲が袖に隠れた小さな手で口元を押さえて、声を出して笑った。
小さな氷がぶつかるような、涼しげな響き。一瞬風が吹いた。君の前髪が乱れて君の目を隠した。
「なんでそんなに驚くの?」
「……」
答えることもできず、手を伸ばして君の前髪をはらった。君はじっと俺の指先を見ながら待っている。
黒い髪、黒い瞳。その平凡な色に俺は視線を奪われた。
指に触れるやわらかい髪。俺を見上げる瞳。
「行こう。遅刻しそうだ」
この感覚がいったい何なのか、わからない。
地球が一年中夏だったら、おそらく世界の秩序は崩れるだろう。俺もそうだ。君が近くなればなるほど混乱した。
変な気分だ。鳥肌が立つようでもあり、手がしびれるようでもあり、かと言って不快ってわけじゃない。
ただ君といると、何を言っていいのかどこを見ていいのかわからなくて。呼吸を忘れた魚になったみたいだ。
俺は君を避けたかった。嫌いなんじゃなくて、逃げ出したかった。君といるとおかしくなって、俺は、どうしていいかわからない。
幸い入試を控えた高校生の時間は早く流れた。
もちろん何度か君と一緒に通学したり軽く言葉を交わしたりして。また一緒に傘を使うこともあった。
でも俺たちの会話はまるで遠くから信号をやりとりしてるみたいで長く続かなかくて、すぐに途切れた。
結局俺たちは親しくならなかった。どこかぎこちなくて、でも気まずくもない仲。
それも受験シーズンが始まるとだんだん僕の生活の片隅に追いやられた
ただふと思い出して目を向けると、窓の外を眺めている君を見るだけだった。
いつの間にか夏は過ぎ去った。夏休みも終わり願書の提出が間近に迫っている。
まだ将来の夢も決められないのにとにかく大学の願書を作成しなくちゃいけない。
成績表を見ながら母と先生が僕の目の前で僕の進路について相談してるというのに、人ごとのように感じていた。
右から左に聞き流すだけの、実感のない言葉。
大人になるにはまだ早いような気がするのに、残り時間はあと4か月。
そして急に君を思い出した。
自分でも不思議だったが君と関連する僕の気持ちや思考はいつも唐突だったから、そうおかしな話でもないかもしれない。
君はどこに行くんだろう、何をするんだろう。でも直接聞いてみる勇気がない。
「先生、テミンはどこを志望してるんですか?」
「おい、お前な、自分の進路相談でぼーっとしてたくせにテミンのこと気にしてる場合か?しっかりしろよ」
机の上に広げられている出席簿をちらっと見た。
何より名前の真横に書かれている誕生日が目に入った。
7月18日。
過ぎてる。
よく雨が降る時期だった。彼に似合ってると思った。
はじめてまともに見たのが、雨の降る日だったからかな。いつも君のことを考えると、なぜか雨の中を歩いているような気分になった。
過ぎたことだからよく覚えてないけど、少なくともクラスで君の誕生日を祝う言葉を聞いたことがない。
たぶん誰も知らなかったんだ。教えてくれればよかったのに。
そしたら、誕生日おめでとうくらいは言ってあげられたのに。
夏も秋も過ぎて今はもう冬。
念願のってわけでもないけど嬉しくないこともない大学へ合格した。
俺の基準じゃなくて、両親の基準。それに奇遇にも、君も俺と同じ大学に合格した。
学科は違ったけど。大学生になったら永遠に会えなくなると思ってたのに。時々でもいいから会えるかな。
家も近いからもしかしたらよく会うかもしれない。期待してるのかな、この気持ちは。
しかし君と俺は、その後もまったく親しくならなかった。
秋も、冬も。そして卒業式でも。俺は、君の周りをうろついてるだけ。
俺の期待通り俺たちは大学で時々出会った。
でももうお互いに挨拶すら交わさなかった。
目が合うとむしろ気まずくて。何が悪かったのかわからない。
見た目はたいして変わってないのに。いっそ無視できたら気楽なのに。
それもできず、気にかけながらもだんだん遠くなっていった。
そうして春が過ぎた。
また訪れた夏。あまり好きじゃない季節がやって来た。
俺は降り注ぐ夕立ちを見ながら君を思い出していた。
君と俺が一緒にさした傘、交わした会話。おかしいくらい鮮明だった。
君は夏だった。
夏に生まれた君はまるで夏のようだった。
俺は君と一緒に傘をさして歩いた道で、一人で雨に打たれていた。
全身を濡らす雨のしずくがそんなに嫌じゃなかった。
変だろ。俺はどうしても夏が好きになれなかったのに、いつの間にこうなったんだろう。きっと君の傘に入ったあの日からじゃないかな。
俺が君を好きになったのは。俺に訪れた夏、俺の夏。俺が愛する夏。
何も知らずに過ぎ去ってしまった7月18日が、今年はもう少しでやってくる。
今年は言えるだろうか。俺は君に、言えるだろうか。
今はもう夏が嫌いじゃないって、それから雨も。
俺は君が好きだと言えるだろうか。
誕生日を祝ってあげたかったと、言えるだろうか。
fin.
