【BLCD感想】もういちど、なんどでも。(2016年/阿仁谷ユイジ/新垣樽助×佐藤拓也)
ああ、これはもう…佐藤さんが上手すぎる…。
非常に振り幅の大きな方で、原作を読み込むタイプなので、これまでのどのトーンとも違う、古藤としか言い様のない役作り。だし、佐藤さんにしかできない役。
このクオリティで、この内容ができる人は他にいない。佐藤さんの存在に感謝しかない。
大事なことなので書きますが、
「おれのけつま○こ♡もっと♡めちゃくちゃに♡して…ッッ♡♡」
「はやく♡はやく♡ち○ぽ挿れて♡♡」
「すき…♡ち○ぽすき♡♡」
最初の絡みは原作通りです。
死ぬほど可愛い声。愛くるしいよ、古藤…。
この絡みは6分半。
細く高い声で切れ切れに喘ぐ佐藤さんが女の子みたい。
このシーンのリピートが止まらない。
まだトラック1。2枚組の。幸せだなあ…。
バレンタインのお風呂のシーンは、古藤の健気さがすごく伝わってくる。
可愛いなあ…。
揶揄するつもりがなんという号泣告白の返り討ち…。
「そんで2人で幸せになるんだ」
男の子!これぞBLの醍醐味!
ここまでの懸念材料は、指輪にチェーンを通したネックレスを藤井が身に付けていることが原作未読の人に伝わっているのか?ということ。
高校入学時、古藤が窓から入ってくる回想シーンの演出に苦労が見えるw
ハメ撮りDVDの「くるしそうでかわい…」「おっきい?」が攻受はあっても同質で対等な男子同士ですね。
だだ漏れの愛が尊い行為。
原作では顔(それを言う古藤の表情)は描かれていないけど「お前の2年は空っぽなんかじゃなかったよ」が切なかった。
CDだと、「ネタバレ禁止な?」のあとの「あーん?」が切ない。
この切り替えが…。切ない。
古藤、泣いていい。
トラック6(原作6話)「…挿れねーの?」が滅茶苦茶切ない。
そんな声で言うな…。
藤井に自分でさせながら「そんくらいの速さが好き?」と声をかけていく古藤がゆったりと喋るのが予想外。
そうきたか…。クるね…。
ハメ撮りDVDを藤井が一人で見ているところに古藤が帰ってくるシーンがたまらないですね…。
DVDの中の古藤があまりに安心しきった幸せそうな声。
その声とピアノのBGMを背景に、二人の気持ちがまた重なる。
回想シーンの体操服で射精してしまう猥褻は漫画表現ならでは。
そのあとの「暇なら手を繋ごう」と言いだす古藤のノリがDKらしくて眩しい。
自分のことを好きかと問う藤井に答えたあとの「…うれしい?」もそうだけど、古藤の包容力?慈愛?が広大。
明るくておおらかで、藤井はそんな古藤に何度も救われてきたのだろうと思う。
原作にはないafter episodeも収録。
「抱っこしてほしいって顔してっから。ほら、おいで。よしよし」
まさに!よしよしセックス!
受けちゃんのアガペーでもはやこのCDはセラピーです!
しかしこのトラックが…女装セックスかと思いきやそうではなく、リバなんですよね。
行為のシーンは無いけど。
しかも最後の最後で藤井の好きなAV女優が古藤の母だと判明する。
これは…蛇足にしてはあまりにもブッ込みすぎでは…。
本編(原作通りトラック9まで)でよかった。後味が悪い…。
佐藤さんにばかり言及しているが、新垣さんも悪くない。
佐藤さんがこれだけ映えるのは、新垣さんに難も癖もないから。
特典フリトがハイテンションで始まって、楽しそうですね!
何よりです。
佐藤さん「過激な、生まれて初めて口にする単語もあった」
けつま○こ?まあ言わないよね。
印象的なシーンを訊かれた佐藤さんが、「言葉や気持ちを超えて身体で確認し合うことができた終盤のシーンは演じていてウルッときた」と話していて、本当にこの人は…。
絡みのシーンを挙げること自体が非常にレアケースだが、しかも「身体の感触」「変わっちゃいなかった。あのときのまんまだな俺たち」と言っているので、おそらく「貴博の形のまんまだよ」という台詞を指していると思われる。最高か。
更に「この話で素晴らしいと思ったのは、貴博くんの記憶がドラマチックに戻ったりしなかったこと」
いや、もう…役も幸せでしょう。佐藤さんが演じてくれてよかった。
声優業自体が「もういちど、なんどでも」
try, again, nextだという話も好感度しかない…。
最初から最後まで佐藤さんの実力に震える。
ありがとうございました。