【BLCD感想】ブルースカイコンプレックス(2016年/市川けい/佐藤拓也×江口拓也)
原作未読。
高校生なのに達観していて、「静かに日々を過ごせて、少しの本が読めればそれでいい」と言う楢崎に好感。
佐藤さんは凄い。飽きない。原作がある作品で「またこのトーンね」というのがない。
今回はテンションの低い、しかし受け答えが聡明な子。佐藤さんの低音で粛々と進行。
この攻めと同じように私も平静な空間を「嫌いじゃないなあ…」と思うタイプなので、他の登場人物(先生や家族)を「うるさい」「品がない」と思いましたね。
そのあたりも狙っての構成だと感じる。相対的に攻めのキャラを浮き彫りにするための。
読書の趣味から相手に興味を持つのもいいなあ。
放課後の図書室という限られた空間で二人で静かに言葉を交わしていく…。イイ…。
冒頭から暫くは江口さんが喋らない。
期待が高まったところで喋ったら低音で自然なトーン。
二人とも体温が低め。穏やかな空気が流れる。押尾コータロー的なBGMもいい。
あ~これは良作だわ~とわかる。
佐藤さんが上手すぎるのだけど、二人の会話になると江口さんの拙さが目立つが、無愛想なキャラに救われているので、このまま乗り切ってくれ…と願う心境。
あまり気になってしまうと聴けなくなる。
夏休みという学生ならではのシステムにより、毎日会っていた相手と会わなくなる→学校の外で会うという二重の特別感!眩しい~!
そして彼から勉強を教えてもらって成績が上がったご褒美をもらう=路上キスをする!
大きくなる蝉の声でフェードアウト!青春~!眩しい!
懐いてきたり、キスをしてきたりする寺島が気になって、段階的に惹かれていくのがよくわかるよ~。
DK同士で制服のネクタイを結んであげるのって夫婦ごっこみたいで萌えますね。
からの~名前を知っているか今更確認するのも、キスを思い出す→またされる流れも完璧。
寺島の回想シーンも秀逸。
このあたりから江口さんは役を掴んでノッてきたのではと思う演技。
寺島が楢崎を見つけるくだりも自然。
2枚組で丁寧に描いているので流れに無理がない。
高校生という固有の環境で織り成す二人の感情がよくわかる。
幼い弟に対する佐藤さんの演技が聴けたことは僥倖。
寺島と同じく「いいもん見た」と思った。
二人の好きな本に出てくる海に行くって昭和の逃避行か…!
いまいち噛み合わない妙なノリのシンと寺島の会話が非常にツボなのですが「もうわっけわかんねー」に「お前が言うか」と笑ってしまった。
楢崎はもっとわけわかんなくなっていると思うぞ。
酔った寺島を部屋に上げて、なんでキスをしてくるのか、自分はそれを許しているのかを話す楢崎が微笑ましい!
楢崎の言う「考え至った」は「寺島はゲイ」かと思ったら!
「おまえのことが好きかもしれない」
まじか!寺島と一緒に私も「え?!」と声に出したわ。
ここからのやり取りも最高。DKが尊い。
トラック7の冒頭も最高すぎやしませんか?
エロいキスを交わして熱っぽく「したい」とねだる受けちゃん!!
「半年過ぎてもあなたってセックスもしてくれない」という高2男子の恨み節♡
「だってシたいだろ!健全な男の子だったら当たり前だろ!」と寺島が言っていたので、もしやヤる気か?と思いきや、「されたい」とのことで…♡
そうなの♡ちょうどよかったね♡
絡みはエロくはないけど、役にピッタリ。
それをシンさんに「急に雄のツラしだして怖ェ」と話すのは美味しい。
ローテンションの二人だけど意外と正面からぶつかる。
若さですね。素晴らしいね。
トラック10~11は、ここにきて不穏なのはどうなるかと思ったけど、可愛い嫉妬?若さですね。素晴らしいね。
江口さんの爆笑もよかった。
最後の絡みは江口さんが積極的でエロかった♡