【BLCD感想】丸角屋の嫁とり(2012年/山中ヒコ/森川智之×立花慎之介/小野友樹)
側室の子ゆえ姫と偽って育てられた受け→助けてくれた町人の男に憧れる。
現在より少し線の細い、立花さんのモノローグの凛と美しいこと。
情感溢れる、とても聴きやすい、基準線のような演技。
鈴の子供時代の声優さんもよかった。
森川さんの声も若々しく精悍で、絵のイメージ通り。
小野友樹さんが少年(10歳)を演じているのも珍しいが、
ヤンチャな子供らしさが感じられ、さすがに上手い。
出番も多いし、重要な役なので、小野さんファンにもおすすめしたい。
「私は…男なのだ…」「だから何でェ」の落差よ…。
絵以上に声が雄弁じゃないですか…。
初めて手籠めにされて、荒い息で切れ切れに、怖い、離してと懇願する立花さんが煽情的。
「小せェからだ」を蹂躙される姫が言う「これが男か」がたまらない。
二人の対比が鮮やか。
「認められたい」と泣くのが、「胸を張って彼の隣に並べる自分でありたい」というBLらしさ(男同士だからこその意地がいじらしい)
姫でも嫁でも、やっぱりBL。
原作ファンなので、追加エピは嬉しいけど、絡みは唐突に感じるので要らなかったかな。
立花さんは色っぽいけど。
やはり心情の流れや高まりがあってこそ、絡みも生きると思う。
実力派キャストならば、通常シーンだって凡庸ではないので。
エロでなくとも満足度は高い。
巻末フリトは3人で。
攻め視点は私も気になる!
荘太が新しい恋を見つけるスピンオフも読みたいよ!
総括。
登場人物全員が誠実で気持ちの良い人。
空気感も演技も抜群の安定感。