【BLCD感想】眠り王子にキスを(2014年/月村奎/前野智昭×武内健) | twilight

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【BLCD感想】眠り王子にキスを(2014年/月村奎/前野智昭×武内健)

 

「いつも王子様が」スピンオフ。
料理をしない男と料理を仕事にする男の交流を描く。
29才会社員×32才シェフ。

お互い相手の人柄に惹かれていく過程が自然。
前野さんは親切で爽やかでいい人。
武内さんはどこか影のあるやさしい人。
こういう役をやらせたら武内さんは本当にハマる。

カムアウト→友達1号の明るさに先生は救われたんじゃないかな。
誰かが自分のために作ってくれた料理は美味しい。
その誰かはあなたがいい、という話ですね。

何故実家に連れていって家族を紹介したいと言い出したのかはよくわからなかったが…。
結婚式の件で弟に言及する攻めさんの倫理観は頼もしい。
先生も大人な対応だと思ったけど、
それを「八つ当たりみたいな非礼」と思う人なんだよなあ…幸せになってほしい…。

「俺だったら喜んでお引き受けします」
「俺相手じゃそんな気になりませんか」
「俺だったら目一杯やさしくします」
ノンケに言わせる流れが自然!!これは凄い!!

「友達と言ってもらえて嬉しくて…」
「最初から好意を抱いていました。片想い以上のことなんか望んでいなかった」
先生からの告白も、なんと真摯で切ないことよ…。
お互い真っ直ぐ。攻めさんも告白し直してくれる。
ああもう…ここに教会を建てよう…。

「たとえほんのひとときでも、宮村さんと過ごせたことは、これから先の人生で何度も振り返る宝物になるだろう」
いじらしいなあ…。健気受けの良さがある。

家族関係の性善説は宗教問題なので触れないが、
要は外堀から埋める攻めさんのプロポーズ。

「度量の広い人に愛される資格」は難しいけど…
出てきたのは「ずっと好きでいていいですか」というあまりに可愛らしい言葉。

帰宅後、初めて結ばれる。
はあ~なんというピュア。
攻めのノンケ感が眩しい。普通に色々したいよね。男子だもんね。
手でいかせて「大丈夫?」と聞く前野さんの声があまりに爽やかでやさしい。
最中にかける言葉の全てが、本当にやさしくて真っ当な愛に溢れていて、
それが前野さんの声で聴けることが嬉しい。
武内さんは安定の色っぽさ。

眠れる場所の話をしながら、穏やかに幸せな空気で〆。

総括。
しっかりと二人が愛を育んで幸せになるカタルシスがある。
派手さはないが、落ち着いた良作。