【BLCD感想】5人の王 前編(2016年/恵庭/新垣樽助×村瀬歩)
新垣さんの硬質低音がカッコイイ。
冷たい王だけどセージを庇うこともよくあり、行動原理がよくわからない。
原作未読で聴くと、独自のファンタジー王国設定なので固有名詞が多く出てきて挫折するかも。
長編の導入部分なので、声萌えだけで聴くのはしんどいと思う。
基本的には「王と奴隷」の関係性で、「躾けのなっていない犬」呼ばわりされもするが…いまいち主従は弱い。
架空の王国物語に超能力の要素が加わった感じの話。
この超能力が…予知に加え、過去の他人の記憶を見ることができ、しかも声(念)で他人に命令できるという…なにそれ最強じゃん…。
いきなりそんな力を得られても感情移入できないぜ…。もうお前が全てを操って解決だよ。
原作小説は漫画化されている。
世界観や絵は美しい。
その気高さは、ある程度再現されていると思う。
新垣・興津の両美声を揃えた青陣営に対し、他国が弱い。
女性陣も出てくるが、特にルリの声は聴きやすくてよかった。
この手のイヤホンで聴くドラマCDにキンキン声はきついものね。
絡みは2回+αある。
とっても幼気なのに媚薬的なもので「気持ちいい」と言う村瀬さんは悪くない。
痛がるのも悪くない。
2回目の絡みは主従を感じさせるもので、この設定の良さがある。
王宮はつらいかと問われて、声にならない声で泣く村瀬さんは幼気。
ともかく幼気な村瀬さんが好きな人にはおすすめできるCD。
井戸に指輪を落としたシーンで、使用人が王に向かって「あんた」と言うのは…?
顔を知らないのか?でも身なりでわかるよな?
かたや「王の御前」と敬われたり…そういう不自然さが後編でも随所に見られる。
ファンタジー王国の世界観を作り上げることが重要な作品において、
設定がガバガバで、いまいち没頭できず…
原作小説ファンは美しい絵のコミカライズで満足するだろうし、
BLCDとしては、もっと1枚で起承転結とエロのあるCDは他にあるし、
キャストファンなら…ハイスペック少年の村瀬さんが聴きたい人向けなのかな?
どこで満足感を得るのか難しいCDだと思います。
喋っている量は、村瀬>西山>新垣>興津です。