真面目に取り組む兄弟子が、なぜ被害を受けるのか

力士の親として、そして相撲に関わる一人の人間として、どうしても気になることがあります。

相撲の世界では、兄弟子と弟弟子が互いに支え合い、先輩を敬い、後輩を育てながら、ともに成長していくことが大切だと思っています。

だからこそ、周囲の言うことを聞かず、新弟子なのにも関わらず自分の思うままに振る舞うことで、真面目に稽古に取り組んでいる兄弟子が我慢をしたり、不利益を受けたりするような状況には、疑問を感じます。

さらに、これまで一緒に稽古をし、真剣に相撲と向き合っている兄弟子に対して、「あいつ」と呼ぶような言葉遣いを耳にすると、親としても決して他人事には思えません。

もちろん、力士同士にはそれぞれの関係性があります。

しかし、どれだけ親しくても、どれだけ意見が合わなくても、相手を一人の人間として尊重する気持ちは必要なのではないでしょうか。

相撲は、強ければそれでいいのでしょうか。

勝つこと、番付を上げること、結果を残すことは確かに大切です。

でも、相撲を通して学ぶものは、それだけではないはずです。

礼儀、感謝、忍耐、責任、そして人を敬う心。

言うことを聞かない人のために、真面目に取り組んでいる兄弟子が傷ついたり、我慢を強いられたりする。

そんな環境が当たり前になってしまえば、真面目に努力する人ほど報われなくなってしまいます。

力士の親だからこそ、自分の子どもだけが良ければいいとは思いません。

兄弟子も弟弟子も、それぞれが努力したことを認めてもらい、安心して相撲に向き合える環境であってほしいと思っています。

「誰が強いか」だけではなく、

「どういう人間として土俵に立つのか」。

そこも大切にしてほしい。

真面目に努力している人が、その真面目さゆえに損をしたり、傷ついたりすることのない世界であってほしい。

力士の親として、そして相撲を大切に思う一人として、そう願っています。