昨日は、ずっと寝ていた。身体がほとんど動かない、というのはベッドから出られない、程度の意味である。程度って。
 医師やナースも私の部屋には来なかった。理由の60%は、はっきりしている。いつもどおり昨日の朝6時からストレッチを始めようとしたら、身体がふにゃりとして、こりゃダメだと思い、やっとこさドアの外にこういう貼り紙をした。よく歩けたと思う。

「今日は動けそうもありません。休みます。午前10時に家族に来てもらいますので、ご心配にはおよびません。少なくとも今日は、『大丈夫ですか?』とか『調子はどうですか?』とか訊きに来ないでくださいね。検査も休みます」

 愛用のRHODIA(ロディア)に、ペンてるの極細サインペンで書いた。100円+消費税かな。ていねいに書いたけれど、利き手ではない。朝6時半から採血にきたらしい長野県出身の看護師オリエンタルラジオ藤森慎吾(男性、推定25歳、毎度お馴染み「なに?」と、年寄りみたいなオリラジ藤森のもぐもぐ喋りに、30歳の作業療法士サド系O嬢からよくかわれている。女の時代だねえ)も、部屋の外に貼られた紙を見て去ってくれた。