※音楽誌《WHAT's IN》(ゲビル…WHAT's IN史上最長連載記録)でゲビル担当ライターであったフジジュン氏。
それ以降もゲビルと交流深い仲良しフジジュン氏に、4月1日ゲビル封印祭レポを依頼をした。


フジジュンさんとの思い出も一言では語り切れない…
一緒に沢山遊んだね~
番組も演ったね~
ライブも演ったね~…


ジュンさん、いつも本当に感謝してます!!


有り難く、此処に遺します。















以下フジジュン氏・祭レポ




【ゲビル封印祭レポ】
4月1日(日)吉祥寺CLUB SEATA

■本文
 草花は芽吹き、新しい命の鼓動を感じる春。これが全ての終わりではなく、全ての始まり…4月1日、吉祥寺SEATAにて行われた、「ゲビル封印祭」。

昼より始まったリハーサルから、最高の仲間たちが揃う祭りの様子、そしてゲビル封印の時まで。僕はその一切を見届けリポートするため、昼過ぎに会場に到着。会場には今すぐでも本番に挑めそうな、気合い十分のメンバー4人がスタンバイ。3月17日の「ゲビル封印腕男~ワンマン~」で初披露した新曲を中心に、楽曲でのサウンドチェックが始まると、リハにも関わらず一切の手を抜かない迫力十分の歌と演奏、和太鼓で、誰もいないフロアに満員の観客を想像させる。
早くもこのライブが、面白い物になるし、もの凄いものになる! と確信した僕。
ゲビルのリハに続く各出演者のリハを見ながら、「改めてとんでもないメンツを集めたもんだなぁ!」と思わず笑顔になる。

全組揃っての顔合わせがあり、若からの挨拶&出演者紹介、記念撮影が行われていよいよ開場。
DJコータローのDJでゲビル封印祭がスタート。ゲビルの新しいスタートをワッショイと祝う、御目度く騒がしい祭が幕を開ける!


大漁旗や提灯でステージを飾り、祭りの始まりを賑やかに告げたのは漁港。和太鼓のビートに乗せて、森田釣竿が包丁片手に登場。イキの良いフィッシュテクノを炸裂させながら、ゲビル主催イベント“戦頭(バトルヘッド)”の思い出話や封印への想いを語り、ラストフィッシュ(最後の曲)ではマグロヘッドの解体ショーで会場を沸かせる。


「今日は若との関係をねっとりと語らせていただきます」と登場したのは、リアル42歳を迎えた廃人演説家・鳥肌実。日の丸をバックに演説ネタで笑わせた後は、ねっとりたっぷり漫談を聞かせ、「8月15日、靖国神社で会いましょう」の決め台詞でステージを去る。


ドライアイス一気食い男、サソリ男、缶ジュース頭くっつき男など、十八番のネタを惜しげもなく披露。世界を沸かせる圧倒的パフォーマンスで盛り上げたのは、電撃ネットワーク。若とコウをステージに呼び込んでの“布団圧縮袋即身仏男”では、布団圧縮袋に入った若が本気の焦り顔を見せる貴重な場面も(笑)。


封印のはなむけに、気合いの入ったGIGを見せてくれたのは、ゲビルの盟友・氣志團。「何の整理もつかないまま、今日を迎えました。封印なんて、エイプリルフールの嘘だったって言ってもらえるように、打ち上げでしっかり説得するぜ」と冗談交じりに語りながら、寂しそうな表情を浮かべた團長。超満員の観客を名曲「One Night Carnival」で湧かせ、<全ては心の決めたままに>と歌う「MY WAY」はゲビルへのエールにも聴こえた。


足の踏み場もないほど超満員のフロアをあり得ないゲストがしっかり盛り上げ、万全の状態でいよいよ本日の主役・ゲビルのステージが幕を開ける。

大歓声の中、祭囃子に乗せて楽器隊が登場。お馴染みのLED合図筒を使ったパフォーマンスから、若の登場。「警告 ~ワーニング~」が封印ライブの一曲目を飾る。“ゲビルの封印に湿っぽさは似合わない”とばかりに<ワーニング ゲビルの結末>と歌詞を変えて歌う、勢いある攻撃的なこの曲にフロアは熱狂! 続いて始まったのは、「唄え!心節」~「祭人生マッシグラ」~「だから今夜」のメドレー。へヴィで息の合ったバンドアンサンブルで、さらにフロアを盛り上げ踊らせる。
個人的にはゲビルと知り合ったのが「祭天國」がリリースされた05年夏頃だったので、思い入れも非常に深いこれらの曲に当時のことを思い出して、なんだかしみじみとしてしまった。
「みんな気付いてるか分からないけど、15年前の今日、4月1日がゲビルの結成記念日でした」と若。
「俺たち4人は小学校からの仲。この絆は変えられないんだよ!」と宣言し、力強い虎のギターで始まったのは、「拝啓Zipangソーラン武士」。会場中が口ずさみ、振り付けを合わせたこの曲に、ファンとの強い絆も感じた。
「俺達が歩いてきた“ゲビル”という人生。何にも当てはまらない、新しい物を作りたくて続けてきました」と、ここまでの道のりを振り返る若。邪道かつ独創的なゲビルの歴史を語るように力強く丁寧に歌い演奏した「春夏秋冬」は、全ての人がゲビルの想い出や“あの頃の記憶”を浮かべながら聴いていたはず。
ゲビルのライブではお馴染みの“和太鼓乱れ打ち”パフォーマンスもひとまず見納め。若の和太鼓と鷹のドラムの息の合った祭りビート、虎とコウのチャッパ・パフォーマンスを見守る観客。虎がマトリックスポーズで決めると会場中から拍手喝采! すると、ここで終わるはずだったこのコーナー、「せっかくだから」となんと、若がチャッパに挑戦することに。黄色い声援を浴びながら魅せたパフォーマンスは、最後はマトリックスポーズをばっちり(?)決めてフィニッシュ!
再び演奏に戻り、突き上げるビートで始まったのは「WWW ~ワールド ワイド ワッショイ~」。振り付けや手拍子を合わせる観客、その光景を前に本当に楽しそうな笑顔を浮かべる4人。間奏では若の和太鼓も加わり、激へヴィなサウンドで観客の心を揺さぶる。
コウのベースと若のブルースハープで始まる、硬派で力強い「日ノ丸の元ヘ」が気持ちを奮起させると、いよいよクライマックスへ突入。「頑張ることは誰でも出来る。大事なのは頑張り続けること」と、ゲビル15年で学んだことを語り、共に歩んできた戦友とも言える仲間たち、本日のゲストをステージに招き入れる若。
豪華キャストで始まった本編ラストセッション楽曲は、DARS GEVIL時代から歌い続け、まさに苦楽を共にしてきた楽曲「グッと楽苦~GOOD LUCK~」。「みんなの声も聞かせてくれ!」とフロアに呼びかけると、会場中から大合唱が起こる。熱く激しく賑やかな封印祭…

この時点でスタートから5時間強が経過。長丁場にも疲れを見せず、アンコールを求める観客の声に再びステージに登場した4人は、“4人になって初めて作った”という想い出の楽曲「ゆりかごの夢」を気持ちを込めて歌い上げる。 そして、より良く生きるメッセージを込めた「影狼(KAGEROW)」を演奏。続いて演奏された曲は、封印直前の気持ちを正直に綴った新曲「響け友よ」。
たっぷり心を込めて大切に歌い演奏する4人の姿と、楽曲に込めた熱い想いは会場中の仲間に響いたはず。
「最後に、もう一曲だけやらせてくれ…」と若が告げると、メンバーがステージ中央に集結。
円陣を組むと、「普段はみんなに見せることの無い曲だけど」とゲビルが毎回、ステージに立つ前に唱える、「勇ISAMI唄」を4人で合わせる。拳を付き合わせ四つの魂を一丸にする“四魂丸-shikongan”(ゲビル家紋)を組み、これを唱えることでどんな強敵にも恐れず立ち向かってきた4人。ステージ上で再度、魂を一丸として、「いざ封印!!」。
ざわつく観客に、「ちょっとの間、4人が揃うことも無いかも知れないが……この封印が解ける時が凄い楽しみじゃね?」とイタズラな笑顔を浮かべる若。
若が一人一人の額に“封印”のお札を貼り、ついにゲビルが封印された――。

小学生の頃からつるんでた悪ガキ4人が“ロック”という魔物にとり憑かれ、強い意志と信念のもとにガムシャラに走り続けてきたゲビルの15年。切っても切れない絆と信頼を武器に、“死なば諸共、一蓮托生”くらいの覚悟で闘い続ける姿は本当にカッコ良かった。
惰性や馴れ合いでは、決して続けられないであろうゲビルの活動。

4人は一生ゲビルで在り続けるために“封印”という手段を選択し、封印が解かれるその日に向けて、それぞれの道を歩み出した。

いつか封印が解かれる時、ゲビルはどんな進化を遂げているのだろうか?

そう、やはりこれが全ての終わりではなく…全ての始まりなのだ。


フジジュン