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今回は、息子の術前と術後の血管走行についてです。

あくまで息子の場合です。
先天性門脈欠損症、門脈体循環シャントは患者ごとに状態が違いますし、治療法についても医療機関ごとの基準や判断により、まだ統一されていません。

息子と同じ状態だとしても、病院によっては移植以外の治療法を選択するかもしれません。

↑この辺りはご了承下さい。

まずは肝臓周辺の血管走行


手書きで申し訳ないですが…あせる

①正常な血管走行抜粋



②正常な血管走行の省略図



③息子の場合(移植前)

下大静脈IVCに脾静脈SVと上腸管膜静脈SMVがそれぞれ直接流入。
先天性門脈欠損症1a型(end-to-side)

また、SMVと下腸管膜静脈IMVを結ぶ主要なシャント血管が2本ある。他にも髪の毛より細いシャント血管が多数あり。

閉塞試験では結紮不可との判断により、肝移植適応
※息子の移植病院の基準です。



IVCに流入していたSVは切り離し
IVCに流入していたSMVも切り離し
ドナーの卵巣静脈を置換グラフトとしてドナー肝のPVと切り離したSMVを繋げる。

IMVとSMV間のシャント血管をそのまま活かすことで、SV→IMV→シャント血管→SMV→PVへの血流を確保。

細かいシャントや異常血管は取りきれないのでそのままにしています。


ちなみに、
移植後も総胆汁酸とアンモニアは基準値を超えていることの方が多いです。

これはシャント血管が残っている(取りきれない)ためで、
移植後の総胆汁酸とアンモニアの値については3桁を超えなければ許容範囲内だと言われています。

また、
息子の場合は、移植後も異常血管やシャント血管の発達がありますが、これも患者ごとに違うと思います。

術後1年の現在、
IMVとSMVを繋いでいたはずのシャント血管が、かなり細くなってしまい、SVからの血流は、ほぼIMVと移植後にできた異常血管に流れてしまっているようです。

その為、脾腫が進んでしまい、血小板の減少や異常血管の発達となっています。

執刀医の先生とは直接話せていませんが、大学病院の各科カンファレンスの結果としては、脾摘の方向で話が進んでいるようです。

正直なところ
移植=門脈欠損症の根治術
だと心のどこかで期待していたのですが
根治=完治ではないんだなぁ…と、
改めて門脈欠損症、門脈体循環シャントという疾患の難しさを思い知らされています。

繰り返しますが、
あくまで息子の場合です

まだまだ情報の少ない疾患ですので、一例として少しでもどなたかのお役に立てれば幸いです。