公開日:2024年11月1日
レンタル:2025年2月12日

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●お話

1868年、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍(官軍)の間で争われた戊辰戦争。そのさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた、同盟への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた罪人たちが、新発田藩の命運を握る、ある砦を守る任に就き、壮絶な戦いに身を投じる姿を描く。

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●感想

こんなタイトルだから

型破りで荒々しく、

泥臭い戦いのお話かと思ってました。

 

 

もちろんそういう一面もあります。

あるけど、

史実をベースにしていることもあり、

泥臭い戦いの裏では

様々な思惑が入り乱れ、

現実は映画のようにキレイには終わらない。

・・・みたいな物語でもあり、

ハッピーエンドではないのですが、

いろいろと考えさせられる、

良い映画だったと思います。

 

 

他にも

次のシーンに展開するタイミングが絶妙で、

タイミングの演出が巧いなーと感じました。

 

 

物語ですが

 

大政奉還をキッカケに始まった

 

 

旧幕府軍(賊軍)と

新政府軍(官軍)の戦い。

いわゆる戊辰戦争

 

 

その戦いも

今や長岡まで迫って来ており、

 

 

物語の舞台となる

新発田(しばた)も、

他人事ではなくなってきていた。

 

 

新発田藩は

旧幕府軍(賊軍)に所属する

奥羽越列藩同盟に加盟しているため、

 

 

貴様らにも戦には参加をしてもらうぞ!

・・・と司令が下るのだが、

 

 

新発田藩は

同盟軍から

様々な仕打ちを受けてきたこともあり、

過去の付き合いよりも、

藩の未来を考えた結果、

新政府軍(官軍)に付く決意を固める。

ところが

そんなタイミングで

旧幕府軍(賊軍)の使者と、

新政府軍(官軍)の使者が、

同じタイミングで、

新発田城にやってくることになった。

両者がかち合えば

新発田藩の城下が戦場になりかねないし、

新政府軍(官軍)に寝返る作戦も

失敗してしまうかもしれない。

どうにかして、

2つの使者のタイミングをずらして、

旧幕府軍(賊軍)にはバレないように、

寝返り作戦を成功させたい。

そこで

新政府軍(官軍)の使者を、

新発田藩の少し手前の場所で足止めし、

足止めしてる間に、

旧幕府軍(賊軍)の使者を適当に追い払い、

その後にゆっくり

新政府軍(官軍)の使者を出迎えて交渉する。

それを可能とする奇策を考えたプンプン上差し

 

 

その奇策と言うのが

新発田藩への

近道にある廃墟の砦を、

旧幕府軍(賊軍)の砦に

偽装をすることで

旧幕府軍(賊軍)と敵対する

新政府軍(官軍)の使者が、

使者だから小隊なので、

戦を避けて遠回りをしてくれるかも?

・・・あるいは、

遠回りをしないとしても、

どう通れば被害が少ないか?と考えるだろうから、

その分少しは時間を稼げるかも?

みたいな作戦

 

 

だけど万が一

新政府軍(官軍)と砦が

戦うことになってしまっても、

殺されても心が痛まない(新発田藩の)罪人を

賊軍(旧幕府軍)の兵士に偽装して配置した。

その数が11人って感じです。

 

 

果たして

新発田藩の作戦は成功するのだろうか?

・・・みたいなお話。

 

 

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主人公ですが

強いて言うなら以下の2人。

 

●山田孝之さん演じる

(まさ)

侍殺しの罪人。

妻が新発田藩の侍にレイプされ、

その侍を殺した罪で処刑待ちの男。

・・・ところが、

新発田藩のために戦うのが嫌すぎて、

隙を見つけてはすぐに逃亡しようとするため、

その度に砦に混乱を招く。

 

 

●阿部サダヲさん演じる

溝口内匠

新発田藩の城代家老。

 

殿が若すぎるし、

わがままで判断能力に欠けることから、

実質全てを決断している人物で、

根は悪い人ではなさそうだけど、

藩のためならどんなに非道なこともする男。

 

 

このお話

三谷幸喜監督の映画みたいに、

とにかく予想外のことばかりが巻き起こり、

それにまつわる

様々な人物の心理描写が描かれています。

すぐに逃亡して

周囲を混乱させる政もそうだけど、

溝口も、殿や旧幕府軍に翻弄されまくり、

本来は優しい心根の人物なのだろうけど、

極限まで追い込まれた結果、

泣く泣く非道な行動を取ったりもするけど、

部下の侍には腐った奴等が多かったりなど、

史実を元ネタにしているだけあり、

どっちが正しいとは一概に言えない構成で、

寝返り作戦も、

やること全てが裏目裏目に出てしまうから、

果たしてこの作戦は本当にうまく行くのか?

・・・みたいな感じ

 

 

ゆりやんって本当に芝居巧いなー。

全然違和感なかったし、

物語の良いアクセントになっていた。

 

 

ナダルはちょっと違和感あったけど、

でも、意外と重要な役だし頑張っていた。

 

 

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