公開日:2023年9月1日
レンタル:2024年2月21日

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●お話

大会社の人事部長である神崎昭夫は、職場では常に神経をすり減らし、家では妻との離婚問題や大学生の娘との関係に頭を抱える日々を送っていた。そんなある日、母・福江が暮らす下町の実家を久々に訪れた彼は、母の様子が変化していることに気づく。いつも割烹着を着ていた母は艶やかなファッションに身を包み、恋愛までしている様子。実家にも自分の居場所がなく戸惑う昭夫だったが、下町の住民たちの温かさや今までとは違う母との出会いを通し、自分が見失っていたものに気づいていく。

 

 

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●感想

なんとなく


寅さんを中心に様々な出来事が巻き起こる。

あるいは、

騒動の中心に行くと寅さんがいるみたいな、

男はつらいよ的な

そういうノリがあるように感じました。

 

だからって

寅さん的なキャラが登場する訳ではないです。

・・・けど、

寅さんの魅力 (良い点も悪い点も) を、

いくつかに分解して、

その分解した魅力を与えられたキャラが、

数人登場する。

みたいなイメージの映画です。

 

結構重めなストーリーなのに、

下町のノリやキャラ同士の掛け合い、

寅さん的なアホっぽいキャラたちが、

その重さを感じさせない。

そういうところは、なんかいいね。

 

今時の家庭を描いてるようでも、

どこか中途半端に昭和臭い部分があって、

そういうところに、

ズレた古さを感じたりもするのだけど、

俺は結構好きなノリの映画でした。

 

大泉洋さん演じる主人公の「昭夫」は、

大会社の人事部長。

宮藤官九郎さん演じる「木部」は、

昭夫の学生時代の友達で、

会社の同期でもあり、

少しヘッポコだけど平凡な社員。

そんな木部がリストラの対象になったことで、

2人の関係に亀裂が入る。

 

そんな昭夫も、

部長なんて言えば聞こえは良いが、

人事部なんて楽しい仕事ではないので、

毎日の生活にも気持ちに余裕がなく、

だから家族ともうまくいってないし、

現在奥さんとは別居中。

普段はとっても冷静で大人っぽいのに、

母親の前ではわがままなお子様なギャップが、

なんだかとっても

山田洋次監督っぽいなーと思いました。

 

それにしても

宮藤官九郎さんが

役者として出演してるのが面白い。

演技は必ずしも巧くはないけど、

芸人さんが演技をしているみたいな雰囲気は、

ヘッポコで滑稽な役に妙にハマる。笑

 

そう言えば

人事部の部長なのに、

人の動きを決めるのは人事部ではなく、

人事部とは別の部署の、

部長よりずっと上の人達で、

人事部の部長は、

それが書かれた書類にハンコを押すだけ。

だけど

そういう事情を一般の社員は知らないから、

人事部は人事に不満のある人達から

目の敵にされている。

要するに

人事部って、

人事に関する苦情を処理する係?

そんなことを感じた。

 

吉永小百合さんは「昭夫の母親」役で、

足袋職人の父親はすでに亡くなっていて、

下町なのに(その言い方は失礼だけど)

美人で上品な母親は実家で1人暮らし。

とっても明るく朗らかな人。

 

永野芽郁さんが「昭夫の娘」役。

髪を部分的にピンクに染めて、

ちょっとおバカでヤンチャ(不良?)な性格。

都会での生活も、

母親との生活も息苦しくて、

下町のおばあちゃんの家に転がり込んでいる。

気持ちが純粋で、

思ってることを素直に口にして、

気持ちに素直に行動にする感じが

昭和の子供っぽくて良い味出してます。

 

物語ですが

昭夫が数年ぶりに

実家に帰るところから始まります。

久々に実家に帰ると、

母親はボランティア活動をしていて、

実家はその事務所になっているため、

ボランティア仲間が、

自由(勝手)に出入りする場所になっている。

左の女性2人がボランティア仲間で、

その1人をYOUさんが演じています。

 

そんなところへ、

昭夫(人事)に不満のある木部がやってきて

無茶苦茶を始める。


上記画像はそんな状況。

 

寺尾聰さんは、

ボランティア活動のリーダーをしていて、

2人は密かに想い合っているけど、

年齢も年齢だし、

互いにシャイでそれを表に出せない。

・・・的な感じで、

 

同じ東京でも都会と違って下町は、

隣人との関係も強く、

いつも何だか賑やかでドタバタしている。

そんな映画です

 

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