公開日:2021年4月9日

レンタル:2021年10月6日

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●お話

イギリス南西部にある海沿いの町ライム・レジスで、世間とのつながりを断つようにして生活する古生物学者メアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)。かつては発掘した化石が大英博物館に展示されて脚光を浴びたが、今は土産物用のアンモナイトの発掘で生計を立てていた。ある日、彼女は化石収集家の妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を数週間預かる。裕福で容姿端麗と、全てが自分と正反対のシャーロットに冷たくしながらも、メアリーは彼女に惹(ひ)かれていく。
~シネマトゥデイより~

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●感想

この映画は少し昔の時代のお話なので、
世は完全なる男性社会で、

そんな窮屈な社会に圧迫されて、
生きるのに疲れた2人の女性のお話です。

2人の複雑な心理描写の表現が巧くて、
小さな心理の変化が丁寧に描かれていて、
俺は男性だけど共感出来る部分が多く、

主人公たちに感情移入も出来て、
しみじみとする良い映画でしたウインク拍手

 

メアリー(主人公)」は「古生物学者」だけど、

女性であるが故に、

世間からの学者としての認知度は低い。
彼女より、
知識も実績もない古生物学者(男性)が大金持ちで、

(元々金持ちが趣味でやってんだろうけど)
彼女は毎日、

観光客用の化石を拾って磨いては小銭を稼ぎ。
それでも、

辛うじて生活出来るくらいの貧乏な暮らし。

(だけども地道に化石の調査をしている)

しかも、
子育てに苦しんだ母親を見ながら育ったので、
結婚にも恋にも否定的な考えを持っている。

 

シャーロット(もう一人の主人公)」は、
知識も実績もない古生物学者の「」で

とっても「寂しがり屋」。
愛する人(夫)と仲良くしたいだけなのに、
夫は自己中で亭主関白だし、
化石掘りと化石収集の仕事(趣味?)に夢中で

全然構ってもらえない。
どこに行くにも何をするにもいつも二人で一緒。

それなのに、心はいつも独りぼっちで、

寂しさが募って「」になってしまった。

・・・と言う女性。

 

そんなある日
シャーロットの夫は、
メアリーに教えてもらった

化石堀りがあまりに楽しかったので、
あの楽しさを経験すれば、

きっと妻の鬱も治るに違いない!!

・・・と考え、

(そうじゃなくてお前が原因だっつーのムキー)

嫌がる妻に自分の趣味を押し付けるだけでなく、
貧乏なメアリーにも金をチラつかせて
(病気が治るまで彼女を預かってくれと)
鬱の妻を無理矢理メアリーに押し付けて、
自分はサッサと家に帰ってしまった。

 

当然だが

2人とも貝のように固く心を閉ざしているので、
そんな2人の共同生活がうまく行くはずはない。
とは言え
男性社会に圧迫されて深く傷ついている。

そんな2人の「」は、

実はとってもよく似ているため、
お互いに

相手にそれ(心の傷)を感じてからは、

2人とも急速に惹かれ合っていくラブラブ
・・・みたいなお話です。

 

同性とか異性とか関係なく、

2人の苦しみも、

2人が本心で惹かれ合っているのも、

とてもよく伝わってきて、

俺は特にメアリーの気持ちに、

とても強く共感出来ました。

 

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