さて、PET検査などの話の前に、
私の母のメラノーマという病気について話したい。
メラノーマとは、皮膚ガンで、皮膚ガンの中でも、悪性度が高い怖いがんだ。
腫瘍が小さくても、早期でも転移することがある。
母はとても健康で、大きな病気をしたことがない。
数年前に、足の裏にうっすらと茶色いシミができたと、とても気にしていた。
テレビでメラノーマの特集を見ていたので、心配していた。
足の裏は、太陽の光を浴びないのでメラニン色素はできない。
にもかかわらず、シミやほくろが出来ていたら、注意深く観察し、
なるべく早く病院に行って欲しい。
母は、病院に何回か行って、「気になるから切ってください」と言った。
だが、医者は「良性のほくろだから、私が患者さんなら切らないですよ。」という返答だった。
医者が言うのだから大丈夫なのか、と思うところだが、母はちがった。
観察していくうちに、薄茶色だったシミが、だんだん黒くなっていったのだ。
そして、また病院に行き「気になるから切て欲しい。」と医者に告げた。
この時点でも、医者は良性のほくろだと言っていた。
そこで、皆さんには今すぐ足の裏を見て欲しい。
日本人の場合、メラノーマの患者さんの40%は足の裏にできる。
もし、足の裏にシミやほくろを見つけたら、鉛筆を用意して、
そのシミやほくろが鉛筆の直径よりも、はみだして大きかったら、
明日にも病院に行って欲しい。早くみつけて早く切除するのが良い。
メラノーマは、病変の厚みが0.7ミリを超えている場合、予後が悪いといわれている。
つまり、完治は望めず、転移の可能性も高くなる。
0.7ミリ・・・・
1ミリ以下なのに、そんな怖いことが。
どうして、私の母に?かわいそうだ。
私が乳がんになってしまい心配をかけたからだろうか。
母が、メラノーマの手術をしたのは、私の乳がん手術から2年後のことだった。
こんな悲しいことが、起きるのか・・・・。
チクショウ。
あぁ。乳がんになってから、何度心のなかでチクショウとつぶやいただろうか。