さぁ、紹介状の準備はできた。
いざ精密検査に行こうではないか。
何をするのか、全然知識がなかったので、インターネットで調べて見た。
「針生検は、太い針を刺して組織を採取します。」
なになに?!
太い?針ってか!ぬぉー!!!
めっちゃ痛そうやんか・・・。
しかし、脇の下にあるシコリの正体を知らなければ戦うことはできない。
いったいヤツは何者なのか確かめなければ。
多少の痛い検査は仕方がない。
と、暗示をかけるも、不安で眠れない日が続いた。
2015年 私、乳がんになりました
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さぁ、今日は精密検査の日だ。
会社を休んでやってきた。
自分で探した乳腺外科医と、初対面。
良いお医者さんであることを願おう。
待合室前には、沢山の患者さんが待っている。
ほとんどが家族や付き添いの人と一緒で、皆不安そうに見える。
ドキドキする。
できれば病院などの世話になりたくない。
そう思っていたが、まさか精密検査をする日がくるなんて。
あかん!弱気になってどないすんねん。まだ「がん」と決まったわけではないんや。
落ち着け、あおまさよ。
1時間ぐらい待っただろうか。私の受付番号が電子掲示板に大きく表示された。いざ出陣!
「失礼します。」
といって、診察室に入る。とても広い。
中に、50代の眼鏡をかけた医者が「どうぞ、座ってください。」と淡々と言った。
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医者「どうされましたか」
あおまさ「1年ぐらい前から、右の脇の下あたりに、シコリがあって気になって人間ドックを受診したら精密検査が必要になりまして。」
医者「1年前!」
医者は、少しあきれた顔を見せた。「1年もほったらかして、何をしていたのかね」と言いたいのだろうか。
気まずさからか、
あおまさ「いやー・・・半年前ぐらいだったかもしれません。」
つかなくて良い嘘をつく。
医者「では、ベットに横になってください。上半身は脱いでください。」
あおまさ「はい。」
めっちゃ嫌だなぁ。なんでオッサン(医者)に胸を見せなあかんねん。最悪や。
と思いながらも、緊張で顔がこわばる。
医者は、指の腹をつかって右胸・左胸、脇の下を触診する。
医者「ちょっと触りますね・・・。ありますね、シコリ。これだね。」
あおまさ「はい。」
医者「じゃ、エコーで見てみますね。」
つめたいジェルのようなものを胸にたらして、エコー検査がはじまった。
10分ぐらいだっただろうか。
医者「針生検すれば、悪いものかどうかわかりますので、針生検しましょう。」
あおまさ「はい・・・。」
医者「いつこれますか?」
あおまさ「えぇーと、木曜日ならこれます。」
医者「じゃ、木曜日に来てください。私は針生検はしてませんので、隣の部屋にいる医者が、針生検しますので。」
なんやて?違う医者が、針生検ってか!ふぅー・・・。不安や。なんで先生がやってくれんのや。
後日、看護師さんに聞いたら、私の主治医は針生検はしないのだと。
そんなことは、若い医者にやらせればよいってか?
医者の診察が終わり、次回の針生検の予約を取り、検査の注意事項を書いた説明書をもらう。
なになに?
「ごくまれに針生検によって、がんが散らばることもある。」
あかんあかん!散らばらさんといて!マジか・・・・。
あぁ、不安や。眠れへん。
あっという間に、針生検の日を迎えるのである。
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