またTVの話題です
NHK教育
今は「Eテレ」っていうのだそうで
そこで日曜日朝9:00から
「日曜美術館」
っていう総合美術番組が放送されている
夜20:00からも再放送をやっているのだが
夜の再放送は先週の朝に放送されたもの
つまり今夜20:00から放送されたものは
先週朝に放送されたものだ
で
ゲテ実は先週の朝の放送を見て
非常に感銘を受けた
ブログで紹介したかったのだが
映像があったほうがよく伝わるかと思い
今日の夜の再放送まで待ったのでございます
この番組
画家や美術家
また美術館を取り上げ
美術品を紹介するのだが
今夜放送されたのは
「木下晋」さん
えんぴつ画の鬼才
世界でも名を知られる画家
まるで写真の様な絵を描かれる
ホームレスや認知症の方を描き
その人物の人生の苦難を描き出す
その作品群のなかで
ひときわ異彩を放つのが
この詩人・桜井哲夫さんを描いたもの
桜井さんご覧のとおり
ハンセン病を患っておられた
「おられた」と過去形なのは
昨年87歳で他界されたからだ
13歳でハンセン病を発症し
青森県出身だが
群馬県の療養所に入り
以後、ここで人生を送った
桜井さんは左目を失い
残った右目も失明
手と足の指も無い
苦難の人生を送られた
この療養所で
数冊の詩集を出版されている詩人でもある
画家の木下さんは
桜井さんを取り上げたNHKの番組で
その存在を知り
療養所まで押しかけて桜井さんを描くことのを
申し出たが
あっさり拒否されたようだ
が
何度か押しかけて
やっと許可を貰えた
そして描かれたのが
「かたらい」
というタイトルがついた作品
「オレを描いてみるか」
と描くことの許可した時の
横顔を描いたのだそうだ
「無心」
もう衝撃だった
なんて暗い絵だ
闇の中に浮かび上がる桜井さん
手を合わせている
”ガン”って殴られたような衝撃
・・・いや、もう、すさまじい気迫
何度も言うが
これえんぴつ画だ
えんぴつで何度も何度も描き足して行き
濃淡を描き出す
根気の要る作業だ
これは画家・木下さんの実母の肖像
もうモノクロ写真かと見間違うが
これもえんぴつ画だ
実母は
木下さんとその弟を捨てて家出してしまった
弟は餓死
木下さんも苦労の末、画家に
非常に実母に対して憤りをもっていたという
これはそういう母に対する複雑な心境が
現れているという
さて
木下さん
亡くなった詩人・桜井さんの作品を描くため
桜井さんがい療養所を訪れる
ここには「重監房」という隔離部屋跡があり
反抗的な患者はこの狭い独房に監禁されたという
冬には凍死する者もいたとか
桜井さんをよく知る元看護師さんと
桜井さんの住まわれた部屋で話を聞く
この部屋で桜井さんを絵を進める木下さん
いよいよ完成
会心の笑顔の木下さん
「光の中へ」
というタイトル
昨年の東日本大震災で
多くの方が亡くなったと聞いて
静かに手を合わせた姿が
忘れられず
描いたという
最初の頃の
闇の中の姿から一転
輝きの中の姿に
柔らかい光の放つ作品になっている
いやすごい番組をみてしまった
美術番組だったが
良質のドキュメンタリーだった
じゃまた