Bravo
Echo
Tango
Romeo
Alfa
Yankee
Alfa
Lima












私のスーツは黒のやつばかり。
Tシャツも黒が多いです。

いつも必ず黒い衣装を身に纏っているのが私の特徴です。



理由は私が伊賀の忍びというわけでも、酒の名前をコードネームにしている組織の幹部というわけでもありません。

私の黒はその昔、私が殺してしまったも同じの恋人の喪に服しているから。


喪とは、人の死後、その親近者が外出や社交の場を控え、身を慎むこと。
服するとは、従うこと。

つまり、人の死を偲ぶことです。


その期間や作法は信仰する宗教によって異なりますが、黒や白の装束に身を包むのは全世界共通です。



これは残された人間、当然生きた人間が考えだしたものです。
黒と死を結びつけ、身に纏うことに死者を偲ぶという意味を与える。
これはつまり呪いです。

呪いとは意味の無いものに意味を与え、意味と意味を結びつけ価値を与えること。
死んだ人間には到底出来えぬ芸当です。


呪いはもとより、死んだ者は何も出来ません。

何かしでかすのは必ず生きた者です。
死者を偲ぶという考え方自体、生きた者の生きた思想です。


私が黒を纏う行為も、生きた私の生きた思想というわけです。
死んだ彼女に頼まれたわけでもなければ、死んだ彼女が呪ったわけでもありません。

私が先人の呪いをなぞって私を呪った。
乱暴な言い方をすればそう思い込んだ。
罪業妄想です。



喪とは、喪服とは、黒とはそういった呪いのかかった、この上なく祟ったものなのです。



死んだ人間は何も出来ない。
しかし、死者は沈黙しない。

それがこの件から得るべき教訓です。


Good night and have a nice dream!