お盆ですね。
この時期になるとお盆前に自殺した迷惑な先輩を思い出します。
彼曰く「僕は世界一の馬鹿者だ。僕が死んだら世界は大きな楽しみを失うことになる。」。

仰る通りになりましたね先輩。










「通り物」って奴があります。


いきなり事例から。
例えば森に居たとしましょう。
あなた一人です。
周りには誰もいません。
気配もない。

しばらく進むと大きな穴があります。
深くて、落ちたらとても助かりそうもない穴です。
穴の縁には男が一人。
穴の底を覗き込んでいます。
こちらに気付く様子もない。
すぐ後ろに立ったのに彼はあなたに気付きません。
穴の中を一心に見ている。
背中を軽く押しただけで落ちてしまいそうです。

ここは森です。
誰も見ていない。
誰も気付かない。
落ちたら助からない穴。
無防備な男の背中。

果たしてあなたは男を突き落とさずにいられるでしょうか?


大概は我慢できます。
しかしごく稀に我慢のできない瞬間が訪れます。
それが「通り物にあたる」ということです。
うちのひいばあちゃんは「鬼が触る」といっていました。

そういうことは身に覚えがありませんか?
いつもはなんでもないのに急にカッとなること。
普段は我慢できるのに自分を押さえ切れなくなること。
いつもなら一緒に食事するだけで満足なのに抱きたくて仕方がなくなること。

ほんの一瞬です。
通り物はその一瞬に入り込みます。




気を付けましょうね。
何かを壊してしまわぬように。



Good night and have a nice dream!