私は独占欲がとても強いです。
私のモノに他の者が手を触れるのも許せません。

私はとても嫉妬深いです。
私の好きなモノが他の者の手に渡ろうものなら、表層は穏やかですが、内心「地獄に堕ちろ!」とか思ってます。

うーん…
我ながら鬱陶しい…









私は城にいた
白くて大きな城だった
無機質な白い回廊がどこまでも続き、至るところにハートと十字を合わせたような奇妙な紋様が描かれていた

回廊を進んでいた私はふと開けた場所に出た
ホールと思われるその場所には五つの扉があった
私は扉をひとつづ訪ねることにした



最初の扉は大きな扉だった
扉を開けるとそこは長細い廊下のような部屋だった
一面紫色に彩られたその部屋は毛足の長い絨毯が敷かれとても歩きにくかった

部屋の奥に男がいた
長身で痩せ形の髪の長い男だった
男は私を見るや、楽器を取り歌いだした
物悲しい歌だったが私は男の歌の巧さに驚いた
この男のために音がなり
この男のために歌があると思った

この男は魔導師だ
そう感じた

私はこのことを伝えたかったのだが、男は私など構いもせずに歌い続けた

この男には私の声は届かない
この男が聞こえるのは自分の歌声だけだ

私は小さく礼を言い部屋を後にした



二つ目の扉は白い扉だった
周囲に龍をあしらった、透き通るような白い扉

私が扉を開く前に、中から男があらわれ私を招き入れた
落ち着いた雰囲気の優しげな男だった

男の部屋は広かった
一面真っ白いからそう感じたのかもしれない
部屋の中には縦横に水路が巡らせてあった
緻密な計算の上作られたものである事がすぐにわかった

部屋の奥には大きなテーブルと五つの椅子があった
男は私に椅子をすすめると、茶を出し自分も腰掛けた

男と私は長い時間話をした
話をしている間、私は気が付いた
この部屋には私とこの男意外に゙何ががいる
鱗の擦れる音
低い唸り声
逆巻く水音

私が話をした男は王だ
この神の眷属を束ねる水の王である

私は龍王に礼を言い別れを告げると部屋を後にした



三つ目の扉は蒼い小さな扉だった
壊れた札が掛かっていた

扉を開くと目の覚めるような深い蒼色の部屋があった
風が吹き荒ぶ少し寒い部屋だった

部屋の中央には玉座があり、小さな女が腰掛けていた

女は私に座るよう命じた
私は言われた通り床に跪き女を見た
女は私に「外の世界の話をせよ」と言った
私は女に話をした
長い時間をかけすべてを話した
ひとしきり話し終えると女は「おまえの話はつまらない」と言い私を追い出した

私は例も言えぬまま部屋を後にしなければならなかった



四つ目の扉は黒い扉だった
赤い塗料のようなもので文字が書いてあったが私には読めなかった

扉を開けるとそこは暗い和室だった
肉の腐ったような臭いが立ち込める
部屋の隅に紳士服の男がいた
眼鏡をかけた死神のような男だった
男の前には台があり、かつて人間だったものが中身を晒していた

私が声をかけると男は面倒臭そうに向き直り部屋の奥を指差した
私が部屋の奥に行くとそこには男の研究成果があった
あぁこの男は狂っている

私は挨拶もそこそこに立ち去った



最後の扉は翠色の扉だった
豪快な造りの荒々しい扉だ

扉を開けると部屋は目を開けていられないほど眩しかった
翡翠のような透き通った部屋の真ん中にテーブルがあった
いくつも並ぶ椅子の一つに女が座っていた
明るい色の髪を持つ犬のような女だ
女は私を見ると駆け寄って来て私の来訪を歓迎した
私は勧められるまま椅子に腰掛け女の話を聞いた
私には検討もつかないような話だったが女は楽しそうに話し続けた

女は自分の話が終わると私の話を聞きたがった
私は話しはじめたがしばらくすると女は寝てしまった
女を布団に寝かしつけ私は部屋を去った



この城は抜け殻達の城だ
改めてそう思った
彼らは足りないものを仲間に求めている
互いに寄りかかり合って生きているのだろう
多分これからもずっと


またいつか訪れよう



Good night and have a nice dream!