
これは私の斬魄刀(知らない人ごめんなさい)です。
名を「土不践」"ツチフマヅ"。
解号は「轢き暝せ」。
追い追い始解させようと思ってます。
今日は久しぶりにがっつり難しい話。
私は巫覡卜占の類は嫌いです。
しかし、好き嫌いと出来るできないは別の話です。
出来るから嫌いというのもあるかもしれませんね。
また、嫌いというだけでインチキだとは思っていません。
そもそもどこからがインチキなのでしょう?
そこを理解するには占いと霊能力の境を明らかにする必要があります。
これらを混同しているうちは埒が明きません。
さらに、人によっては宗教や超能力まで一緒にしてしまうので、ますますわからなくなります。
これらは全く別物です。
では、整理して考えてみましょう。
仮に"宗教者"、"霊能者"、"占い師"、"超能力者"を並べて考えましょう。
これらはジャンルのレベルが違うので少し変なラインナップですが、ある事柄に関して論じればこの分け方で正しいのです。
その事柄とは、彼らが起こす"奇跡"です。
誤解を避けるためここでは奇跡を「通常起こり得ないと考えられている現象」と定義します。
つまり彼らは「活動の一環として奇跡を取り扱う人々」というわけです。
それでは今回は彼らが扱う中でも最も簡単な例を挙げましょう。
それは、本人しか知らない事、あるいは本人でさえ知らない事、過去や未来、第三者では知り得ぬ真実を察知して告げる。
所謂"秘密の解明"です。
これは先程の四者が皆扱う奇跡です。
しかし彼らは、この奇跡に対する目的とその説明体系が異なります。
まずは宗教者から。
彼らの最大の目的は信仰と布教です。
奇跡はそのために、より多くの信者を増やすために起こります。
これは営利目的ではないと理解しておいて下さい。
そして宗教者が奇跡に施す説明ですが、この場合二通りあります。
まず信仰の対象が直接奇跡を起こすという説明。
これは天変地異などの大技に使われます。
「神がお怒りになられた」とかね。
もう一つは信仰心にその論拠を置く説明です。
「真面目に修業したので神様がお力を分けて下さった」という具合に。
次に霊能者です。
彼らの目的は救済です。
これに関しては宗教者と混同されがちですが、宗教者にとっての目的は布教であり、救済は信仰を持った結果の御祝儀でしかありません。
対して霊能者は自分の能力で救ってやり報酬を貰うのが目的。
つまり営利目的です。
そして奇跡に対する説明ですが、これは簡単です。
「自分にはそういう力がある」というだけです。
次は占い師ですが、目的は単純。
営業している以上、疑う余地も無く営利目的です。
説明は自身が学んだ占術理論を提示するだけです。
易占、十干十二支、四柱推命、風水、獣帯十二宮図、数秘術(私が出来るのはこれ)、陰陽五行、占星術など。
それぞれに占術理論があり、彼らはそれに基づいて占っているので、その理論を提示するだけで説明出来るわけです。
最後に超能力者ですが、これは体質なので目的はありません。
それに説明も不可能です。
私に言わせりゃ絶対音感もこの類です。
さて、本題です。
例えば私が友人・鈴木くんの今日一日の行動を言い当てたとしましょう。
私が霊能者で「我が千里眼の神通力を以って鈴木くんの行動を察知したのだ」と言ったのならこれはインチキ、ペテンです。
嘘だからね。
また私が超能力者で「遠く離れた鈴木くんの脳波を読み取った」としてもこりゃペテンです。
しかしどちらも嘘は、鈴木くんに関する情報の摂取の仕方に就いてのみです。
しかも、それが嘘だろうが本当だろうが、聞く側に不都合はありません。
では私が占い師だった場合はどうでしょう?
「古来よりオリエントに伝わる数術の神秘により鈴木某の行動を算出したのだ」と言ったら、きっと私の娘は信用します。
そして私が「然に鈴木某は生まれ日より数えてちょうど明日、良くないものに憑かれるだろう。学業は仕崩し水難火難女難に加え死相が出であろう。」と言った日には娘のあわてふためく姿が目に浮かびます。
しかし何故信じるのでしょう?
当たる保証は何らありません。
彼女が信じるのは私が鈴木くんの過去を言い当てたからです。
「過去現在のことを当てられたのだから未来のことも当たるだろう」と、こう思うわけですね。
そう、ここに占い師の最大の嘘があります。
過去現在のことに引っ掛けて未来予知の正当性を誇示するのです。
しかし占い師の存在価値は未来予知にこそあります。
だからやたらと過去現在のことを言い当てる占い師は疑ったほうがいいですよ。
さて、予知を述べて見料を貰えば私の仕事は終わりです。
あとは鈴木くんが水死しようが、焼け死のうが、悪い女に引っ掛かろうが構いません。
寧ろそうなったほうが占いが当たった訳ですから都合がいいわけです。
まぁ当たらなくても「占いによって運勢が変わった。」と思わせればしめたものです。
ボロが出るまで何度も見料を取れます。
私の生活も大助かり。
しかし私が霊能者だったら、悪い予言の後には続きがあります。
占い師の仕事は未来予知ですが、霊能者の仕事は救済です。
だから「霊障を取り除くためにこの漆塗りの箱を買いたまえ。」となるわけです。
鈴木くん、安くしときますよ?
そして私が宗教者の場合、さらに続きがあります。
「我が"ミツノリ教"に改宗したまえ。」となります。
宗教者である私の最大の目的は鈴木くんをミツノリ教に入信させることですから、鈴木くんが信者になってしまえば少々の嘘などどうでもよいのです。
漆芸品の一つや二つで幸せな一生が手に入るのなら、寧ろ安上がりです。
"信じるものは救われる"のです。
どうでしょう鈴木くん?
紫色の羽織りとか用意しますよ?
さて、話の途中なのですが久しぶりに長文を打ったのでサイクロンがオーバースペックです。
というわけで続きはまた明日。
Good night and have a nice dream!