私と同世代の方なら、聴いたことはなくてもこのアルバム・ジャケットはご存知なのでは?
この「へのへのもへじ」のような顔は何なのでしょう。そう、このアルバムをつくったグループ「TOTO」の文字を顔のようにしたデザインなのです。‥‥って、やっぱり「へのへのもへじ」かいっ!
TOTOは衝撃的なデビューを飾りましたネ。キーボードのDavid Paichと、ギターのSteve Lukatherのテクニックに圧倒されました。そして、このバンドの黒幕(?)といえば、故Jeff Porcaroです。彼の「Girl Goodbye」で聴かせた超絶的なドラムスは、同時期の他のドラマーの追随を許しませんでした。
TOTOのオリジナル・メンバーって、名前がややこしいんですよネ。2人のDavid、2人のSteve、2人のPorcaro(って兄弟やんか!)‥‥。
そういえば、高校3年生の時に科学技術館で開催されていた「楽器フェア」に、当時開発されたばかりのヤマハDX-7のデモンストレーションのためにDavid PaichとSteve Porcaroが来日していました。彼らを会場で見つけた私たちの仲間は、彼らと無理矢理いっしょの写真に収まり(私なんかSteve Porcaroに肩なんか組んでいます^^;)、サインまで貰いました。
この『TURN BACK』は'81年リリースの3rd.アルバムです。(私は中学校3年生でした。)前2作が雄大な雰囲気を持ったもので、特に前作『HYDRA』がコンセプト・アルバムのような様相であったのから180°転回し、ライヴらしさを押し出した演奏が聴けます。Lukatherはギター・シンセを駆使して、これまでになくハードなギターを弾いています。
Jeffのドラムスはスネアの音が硬すぎて、私はちょっと好きではありませんが、以前にも増して超絶テクを披露しています。
●Gift With A Golden Gun
いきなり一発目から激しいギターのイントロ! それに呼応するように、Bobby Kimballのハイトーン・ヴォーカルが炸裂します。
●English Eyes
捨て曲の無いこのアルバムの中では、地味な印象の楽曲。
●Live For Today
TOTOの楽曲は、アレンジや演奏技術は超一流ですが、歌詞が陳腐だという評価が多いです。これもそんな1曲。Lukatherのヴォーカルはエフェクトで誤魔化してる?
しかし、ギター・リフやドラムスのパターンなど、キャッチーな魅力に溢れた楽曲です。
●A Million Miles Away
劇的な盛り上がりを見せるA面の終曲。
●Goodbye Elenore
来た来た来たキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!! Jeffの超絶テク! スネアとバスドラムのコンビネーションで「ドタドタン ドタドタン」と1拍3連を叩くテクニックは真似できませ~ん! Jeffの使うバスドラムのビーター(ペダルに連動してバスドラムを叩くバチ)が木製だからこそ、このタイトなリズムがキマるのですネ。
David Hungateのベースもスゴいフレーズをプレイしています。やっぱりコイツら、タダモノじゃねーぜ!
●I Think I Could Stand You Forever
アコギのカッティングも爽やかな出だしから、唸るギターのリフに変わり、曲調が一変するのが面白いです。
ここから最後の「If It's The Last Time」までは曲が繋がっています。
●Turn Back
Steve Porcaroのシンセから激しいギターへ移り、ベースとPaichのピアノのユニゾンのリフへと、メンバーそれぞれがイイ仕事をしています。プログレっぽい響きの佳曲です。
●If It's The Last Time
ピアノのイントロとガット・ギターの響きが美しい終曲。なんともロマンティックな終わりです。
これは最初に買った「カセット・ボーイ」(アイワから出たウォークマン)で何度も聴いたアルバムでした。