本日はまた食べ物のお話

といっても具体的には「美味しい」という感覚的なことについて

自分達が普段の生活で、ある料理を「美味しい」と感じるのはやはり食べ慣れているということによるのだろうか

そう考えるきっかけになった僕の先輩(青年海外協力隊)の話です

以下、先輩のブログ記事より抜粋

同僚達と飯を食べていると、日本食の事をよく訊ねてくる。

お前らは、タコ食べるんだろう、うまいのか?

いやいや、トビウオ食べるんだろう。

話の中心は海産物、ここボリビアには海が無いから、魚をよく食べる日本の食文化にはとても興味を持っているみたいだ。

日本食の話をよくするので食べたいのかなと思い、今度作ってあげようかというというと
目を輝かせる彼ら、次の日は仕事ほっぽらかしで試食会となったのであった。

サンタクルスにいた時、手に入った味噌があったので味噌汁を作る事になった。

おふくろの味は肉ジャガとよく言われるが、俺は味噌汁こそおふくろの味だと思っている。

さて、ニンジン、玉ねぎ、そしてたまたま手に入った大根を具材にして同僚達に振る舞ったのだが、、、

反応はあまりよろしくない。
お世辞で美味しいと言ってくれてるのが、明らかにわかる。

中には大根を捨てていた奴もいたぐらいだ。

市長がある一言、「肉は入っていないのか、俺は肉が入ったのが好きだ。」

食文化、味覚、好みの違いを感じた瞬間であった。

ボリビア人は肉料理が中心である、肉の旨味成分はイノシン酸と呼ばれる成分であり、肉を好んで食べる彼らにとって
イノシン酸をほとんど含んでいない、味噌汁には旨味を感じなかったのである。

逆に、日本を含めた東、東南アジアでは魚、大豆が中心の食文化である、これらにはグルタミン酸という旨味成分が含まれていて、アジア人はグルタミン酸によって旨さを感じるのである。
だから日本人は大豆からできた味噌とカツオダシから作る味噌汁に美味しさを感じるのである。

このように旨味成分の違いから、食文化の違いはわかるが、小さい頃から食べ親しんでる物がやっぱり美味しく感じることが一番であろう。

自分がこよなく愛する味噌汁がボリビア人には伝わらない、悲しさを通り越して悔しさが込み上げ、再度挑戦する事になった。

今度の具材はニンジン、玉ねぎ、ジャガイモ、そしてリャマの肉
彼ら好みの具材である。
そして隠し味にバターを入れて、少し甘みをつける。

再び同僚達に味噌汁を振るまい、反応をみたら、、、、

好評!!
お代りをしてくれたのが何よりもの証拠であった。
美味しく食べてくれて頑張ったかいがあったなと思う反面、日本食とは少しかけ離れた味噌汁を見て食文化の違いの壁を味わってる気分であった。

以上が先輩の記事

途中、旨み成分の差異による味覚の違いの話が出ましたね
このことは生まれた後、食べ親しむことによる後天的なものなのか、長年食べ続けたことで遺伝子に刻まれている先天的ものなのか分かりません

正直どっちでもいいのかもしれません
しかしながら僕個人としては、やはり美味しいと感じるものが少しでも多い方が得だし、幸せだなと大変短絡的な答えで落ち着くのでした(笑)