げたおの病気のブログ

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アメリカで病気なおじさん
2019年8月直腸がん発覚
2019年9月-12月放射線治療と抗がん剤治療
2020年1月大腸がん手術
2020年2月-5月抗がん剤
2021年8月肺転移発覚
2021年10月肺部分切除
2021年12月-2022年2月抗がん剤治療
2023年3月肝転移発覚←今ココ

前回、6月に撮ったCTと血液検査の請求が来ましたので、医療費の現実をちょこっとご紹介したいと思います。

 

何度か書きましたが、アメリカの健康保険は日本の皆保険とは全く違います。日本の車の自賠責保険をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。保険会社は営利企業で、病院と提携して、事細かく事前に決められたレートで治療費を支払います。なので、保険会社によって行ける病院も変わるし、私たちが払う保険料も違います。でもこれがどれもバカ高い。家族で入るのですが、一人当たり月、$1000位じゃないでしょうか。 だから四人家族は月$4000位になりますが、どこかの会社とか、お店とかで社員になると、ある程度会社が出してくれます。で、この保険は基本的には同じ州内でのみ有効です。州外での治療は救急のみ支払ってもらえます。基本的な仕組みはどの州でも同じですが、保険料は違いがあるらしく、安い州もあると聞きましたが、私はずっと同じ州にいるのでその辺りはよくわかりません。

シニアになるとまた別の保険が適用になって、政府からの補助が出るのでもっと安くなるはずです。

 

で、今は、オバマの皆保険をやるぞー、という、活動で作られた低所得者用の特別な保険があります。所得によって保険料が$0になる場合もあると何かで読みましたが、実際医者にかかると医療費はかかるので、どこまで払えるんだろうかと、疑問に思います。

余談ですがこの皆保険の取り組み、反対もすごく多くありました。政府に自分がどこへ行くのか、どんな治療を受けるのか押し付けられたくない、というのが理由です。これが彼らの言う、小さな政府の方が良い、と言う考えの一例です。

 

アメリカには日本のように生存権は憲法で保障されていません。日本は憲法25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とありますが、そんなもんアメリカの憲法にはありません。つまり、生きるも死ぬもどんな生活をするかも自己責任なんです。だから保険も自由に選べた方がいい、のです。

そもそも、イギリスで、宗教上納得いかない人達が自分達の”自由な”地を求めてきたのがアメリカで、イギリスと仲の良くなかったフランスに後押しされて調子付いた国なので、みんな自由に一生懸命に生きる!のが正義な国なのです。

 

で話を戻します。医療費です。 

 

医療費は例えば私が何か処置を受けます。すると、その代金は保険屋さんに請求が行きます。保険屋さんはそのうち決められた金額を病院に払います。足りない分が患者に病院から請求がきます。なので、患者は病院では治療なりを受けた日は支払いはしません。終わったらさっさと帰ります。

 

さて、今日は私はCTの分、病院から5つ来てます。CT代、CTの放射線医代、CT前後のポートの処置、血液検査、とその後の主治医先生との面談代です。

 

1. ポート処置代。

 Provider Charge :$361.75 Member Responsibility : $336.43

 

2. CT代

  Provider Charge : $6550.00 Member Responsibility : $1169.21

 

3. 放射線医

 Provider Charge : $563.20 Member Responsibility : $285.98

 

4.血液検査

 Provider Charge : $1199.97 Member Responsibility : $242.18

 

5.主治医の先生

 Provider Charge : $481.50 Member Responsibility : $291.84 

 

ここで、Provider Charge となっているのが病院からの請求額。

Member Responsibility が私の負担額です。正確には保険会社がこの差額を払っているわけではないのですが、この辺も説明すると不必要に複雑になるので、省略しますが、ポイントはアメリカでポートから血液検査してCT撮って癌の専門の先生に相談すると、保険に入っていなければ、Provider Chargeの合計、$9156.42が請求され、保険に入っていても、Member Reponsiblityの合計、$2325.64を負担しなければいけません。何もなくても3ヶ月に一度、年4回これを繰り返す事になります。もちろん、何かが起きて手術とかになると、桁が違う請求が来ますが、保険に入っていれば患者の負担はMAXが決められているので、桁違い全部負担ということではありません。

だから、毎月の負担が大きくても、健康保険は入らないといけないのです。

 

ちなみに、アメリカの個人破産の原因の第一位は、医療費です。金があればあるほど、先進治療に目が向くのでしょうね。 アメリカはどんなに金を稼いでも、最後は世の中に還元する仕組みが出来ているらしいです。

 

アメリカの身障者用の駐車スポットの扱いってすごく厳しくて、ある程度の大きさの施設には必ず一番良い所に作らなくてはいけなくて、そこへの駐車違反は通常より高い罰金が課せられます。

車いすマークのふだ、車にぶら下げるあれ、は処方箋の扱いで、その辺では買えません。

企業も一定枠の採用をしなければいけません。

 

なぜだと思いますか?

 

政府がハンデのある人達への補助を行うより、働いてもらって税金を納めてもらった方が良いからです。

つまり全てが自己責任の国なんです。それがアメリカの「自由」の代償なんです。

 

日本の皆保険は戦争があったからです。 日本の水泳の授業は伊勢湾台風があったからです。今の日本の仕組みは過去の経験から学んでよく出来ているのですが、最近、何でもかんでもアメリカの方向いて自由化しようとしてますが、昔の郵政とか、今の水道とか、あれ、危ないと思うんですよね。