去る昨日(2010/10/5)の神宮でのヤクルト戦、24回戦にて、"我が"阪神タイガースのマット・マートン外野手が、イチローが所持していた16年前のシーズン最多安打の記録を更新してしまった。打撃部門の助っ人外人として、これまで度重なる「迷選手」は数多くいたが、あの三冠王・バース以来実に25年ぶりに「ちゃんとした助っ人」が、阪神タイガースの歴史はおろか、日本プロ野球の球史にその名を刻んでしまったわけである。残念ながら、バースと違って「優勝請負人」というわけにはいかなかったが・・・。
思えば開幕当初、誰がこの「赤毛の外人」を注目し、そしてこれほどの記録を打ち立てると予想しただろうか。今年は「赤星選手引退」というとんでもない緊急事態に見舞われ、城島加入が話題になりながらも、センターという守備位置にかなりの不安があって始まったシーズンだった。突然の赤星選手の引退を機に、僕の友人は長年の阪神ファンを辞めてしまったほど、ファンにとっては、それはそれはショッキングな出来事だったのだ。それを、まぁ守備は赤星ほどのスーパープレイはないもののそつなくこなした上、あろうことがこんな大記録まで打ち立ててしまうとは・・・。
もちろん、いろんなところで騒がれているとおり、「イチローより試合数が10試合以上も多い中での記録」「セ・リーグに飛び抜けてエースと言われる投手がいないので比較的容易」といったいろんなネガティブな要素のことを言われているのも承知の上である。だが、それでもこの記録は立派である、という見解は僕の中では変わらない。それを言えば、「じゃあ、イチローのシーズン中にクライマックスシリーズのプレッシャーはあったか」「交流戦のプレッシャーはあったか」など、ああいえばこういうの水掛論にもなってしまうであろう。なにより、同じ状況の中で、和製ヒットメーカーであるヤクルト・青木宣親選手を追い抜いてしまっているのだから、さして文句もないであろう。それに、最近のイチローさんと違い、ちゃんと優勝争いを繰り広げたチームに在籍した中で達成した記録、というのも大きな価値があると思う。
阪神という球団は、「どうしてこんな外人を連れてきたの?」ということが、いっつも疑問に思える不思議な球団である。もちろん、ジョージ・アリアスやジェフ・ウィリアムスといった素晴らしい助っ人もいないではなかったが、それでもやはり阪神の助っ人外人はどこかいつも「お笑いのネタ」のような存在が多かった。一昨年は「フォード」だっけ?去年などは「メンチ」なんていう、名前までギャグのような外人も居たりして、「新喜劇なのか?」と首をかしげるのが通年の行事だった。それもこれも「関西気質」が邪魔をしていると勝手に僕は見ているが・・・。どこかに書いてあったが、阪神の海外スカウトは遊び気分で選手を選んでいて、特にその選手が成績不振でも何の責任も取らない体質だとか。だが、何で今年はこんな日本記録まで塗り替えてしまう、素晴らしい助っ人外人を獲得することができたのか。偶然なのか、それとも必然の結果なのか。やはり駐米スカウトが、オマリーじゃなくてシーツにかわったおかげなのか。
おまけに、もう一人の打の助っ人・ブラゼルも現在もホームラン王の可能性を残すほど、好調を維持している(2・3日前までは、とんでもなくひどい状態でしたが・・・これも優勝と個人タイトルが目前に見えたプレッシャーなんでしょうね)。この二人はお互いがいい状態なのが刺激になって、成績を上げてきたようにも映る。こうした「助っ人同士のシナジー効果」は、さきごろのリーグ制覇年である2003年、2005年当時でもなかったことがない、阪神にとって極めて稀なケースだと言えると思う。これで、リーグ優勝が出来なかったのは、なんとも残念ではあるのだが、来シーズンに向けていい材料であることは間違いないところだ。
さて、マートン選手。来シーズンは願わくば、イチローさんが持つ世界記録である「シーズン262安打」をぜひとも越えて欲しいものである。「何を馬鹿な!?」と思われるかもしれないが、今現時点でイチローに一番近い選手はこのマートン選手なのではないだろうかと、僕は思っている。問題は、この200本安打という記録を、平然と10年連続でやってのけているイチローさんほどのポテンシャルを長きにわたって、コンスタントに保てるか、というところだろう(イチローさん本人は「平然と達成してない」とたびたび語るが、見た目には簡単に達成しているように見える。それがまたイチローさんの凄さなのだろうが・・・)。マートン選手が、これをやってのけてくれれば、もはや試合数がどうのこうのと言う人も、ほぼいなくなるのではないか。とは言いつつ、今度は「チーム数が少ないから比較するのはナンセンス」とか「気候や風土の問題があるので」とか、うんぬんかんぬん言われそうではあるが。
とにもかくにも、なにはともあれ、「マット・マートン選手、おめでとうございます!」という言葉を心から贈りたいのである。そしてもう一言、来年も阪神に居てね。
ちなみに、今後の"我が"阪神には、成績という意味では残念だけども、シーズンは「3位」に甘んじてもらって、そこからクライマックスシリーズでの奇跡の逆転優勝をもぎとり、そのまま日本一になって、世間に「日本プロ野球でのポストシーズンの無意味さ」を存分にアピールしてもらいたいと、ひそかに思ってたりする。
そういう意味でも、最後までいろいろ頑張って欲しい、今シーズンの"我が"阪神タイガースなのである。
※どうでもいいマメ情報:ちなみに僕がプレイしているPS3の「パワプロ」では、すでにマートンは300本安打までいきそうな気配で、イチローの記録を抜くのも時間の問題w。3番バッターなのに・・・。しかも夢の4割も継続中で、夏休み中にはすでにリーグ優勝を決めてました。2位の巨人とは実に「33ゲーム差」。ま、ゲームですから、許してください。ただ、G坂本選手にゲームとはいえ、いきなり東京ドームで先頭打者ホームランとかされると、ほんまに腹立ちます(いえ、坂本選手個人には何の恨みもないです、念のため)。いやぁ、ほんとによく出来てるなぁ、パワプロは。