映画の中で起こるのは"1つの未遂事件"と"1つの襲撃事件"。実はそれだけ。それ以上でもそれ以下でもない、というのがこの映画。見事なまでに「テレビを見ていた人だけ」に向けた映画といっていいと思う。つまり、知ってる人には、「あの」ラストから待ちに待った映画版なのだからいい。自分もファンでちゃんと見ていたクチだから、別に問題ないのだけど、これが何も予備知識のない人が見ると、かなり苦しい、というか説明が足りなくて消化不良なのではないだろうか。しかも副題に「野望編」なんてついてるから、正直いやな予感したんだ…。なので、これから見るという人で、テレビ版をまだ見てないという方は、少々大変でもテレビ版をDVDなどでチェックすることをお勧めする。そうでないと映画版だけでは、ほぼわかんないんじゃないかなぁ。例えば、井上君の能力、例えば尾形さんとの関係、例えば因縁深い過去の事件、例えば野間口徹さん演じる公安の存在(そういえば名前さえ知らない!)などなど。先日再放送でエアチェックした自分のDVDを見せてあげたいほどだ。

ちなみに最後に言っちゃうと、とどのつまりこの映画版では、結局なんの結論も、カタルシスも、種明かしも、何も起きません。あの「スターウォーズ帝国の逆襲」でさえ、当然次に続くとして終わったけど、主人公ルークとダースベイダーとの驚愕の関係の事実が伝えられたというのに・・・。

そんなわけで来年春の「革命編」も当然観ないとけないのだけど、なんかSP制作委員会の術中にまんまとハマる気がして、正直なところあまり気のりしないのである。ちなみに観に行くと分かるけど、こちらの作品、なぜか「シネスコワイド」ではない。もしかして随分前に撮影は終わってて、テレビ放送用の特番枠で作ってたのを映画に流用したんでは?と勘ぐりたくなってくる。どうせなら映画館だしフルハイビジョンとは言わないまでも、ワイドで観たかったな。
映画は「いい映画や悪い映画があるわけでなく、ただ観た人に合うか合わないかがあるだけ」というのが自分の持論。だけど、この作品は…。まぁ、明らかに僕には「合いません」でした。全編を通して深淵の宇宙に旅立っている感じが少しもせず、ただただセットで、悪くいえば「学芸会の舞台」のようなところでずっとお話が続いちゃう印象なのである。

翻ってみると、戦艦大和とは「大鑑巨砲主義」の終焉を象徴する悲劇として戦史に焼き付けられているものと思っている。それを、ガミラスという脅威が何もかも分からないまま、宇宙の衛星軌道上で空母もなく戦艦同士の撃ち合いを演じてしまうのだから、あの敗戦で軍部は一体何を学んだのか、と言いたくなる。しかも宇宙戦闘艦であるにも関わらず、艦底に攻撃兵器を装備しないまま整備、出発しちゃうのだから、あの時点で日本の軍部は宇宙船の建造並びにエコ能力は残ってたものの、肝心の戦況戦術、あるいは兵器に関しての知識人は壊滅してしまったのだろう、と、まぁ、そんなことばかりを考えて暗闇で過ごした2時間だった。アニメでもよくある話だが、なんであれだけの素人が、日本人だけでなく世界の、地球の命運を担う宇宙戦艦に乗り込んでしまうのか。その説明があればまだ救いだけど(例えばガンダムにおいては、多少無理があっても「戦時下のため止むを得ず民間人が運用する」という事実があり、それが僕らを納得させてくれる土壌があった)。更に営倉に入れられた軍人のもとで、牢の鉄柵越しとは言いながら、酒を持ち込んで機関長と軍医とで一緒に酒を酌み交わすとは…!?(しかも一升瓶かよ)この軍隊の規律は無茶苦茶で、組織にすらなっていない。例え一人でもいいから艦隊運用の専門家たるアドバイザーを製作スタッフに加えることはできなかったのだろうか。なにも知らない日本人が、なにもアメリカとかイタリアの映画を作ったのではない。「純然たる日本人の映画」をつくっているのだから。例えば、かの漫画「ジパング」を1巻だけでも読んで(いや、本音を言うと日本人なら全巻読むべきだ、と思うけど)資料の大切さとそれによる臨場感が、どれだけ説得力を持つ上で大切かということを、ちょっとでもいいから鑑みて欲しいと思ったりもする。

当然、原作たる「宇宙戦艦ヤマト」、知ってます。知ってるどころか、もろ世代ですから、そりゃ夢中になって見てましたよ。当時の劇場版をちゃんと映画館で観てたクチです。松本零士氏のロマンには多いに感銘を受け、いまでも「銀河鉄道999」は自分のベスト映画10本にも入るほど、思い入れ強いです。きっと悲劇の象徴たる戦艦大和を、なんとか日本人の誇りとして蘇らせたかったのでしょう。当然、その気持ちも十分にわかります。でも、これが「実写」ということになれば、いろいろと話が違うんじゃないだろうか…。

ほんとに、なんか、期待してただけに、すごーく残念な気分で帰途についてしまった。日本映画隆盛の兆しというが、ほんとに大丈夫なのか。映画館を出て、しきりに首をひねりつつ階段を降りながら、ふと興奮気味に携帯片手の若い女性の電話での声が聞くともなしに聞こえてくる。「うん、ヤマト、今観た!ちょー、よかった!キムタク格好いい!おおすすめだよぉ!今度一緒に行こうよ。私ももう一回観たいからさぁ」…。映画ってやっぱり、いい・悪いってないんだよね(^-^)。
去る昨日(2010/10/5)の神宮でのヤクルト戦、24回戦にて、"我が"阪神タイガースのマット・マートン外野手が、イチローが所持していた16年前のシーズン最多安打の記録を更新してしまった。打撃部門の助っ人外人として、これまで度重なる「迷選手」は数多くいたが、あの三冠王・バース以来実に25年ぶりに「ちゃんとした助っ人」が、阪神タイガースの歴史はおろか、日本プロ野球の球史にその名を刻んでしまったわけである。残念ながら、バースと違って「優勝請負人」というわけにはいかなかったが・・・。

思えば開幕当初、誰がこの「赤毛の外人」を注目し、そしてこれほどの記録を打ち立てると予想しただろうか。今年は「赤星選手引退」というとんでもない緊急事態に見舞われ、城島加入が話題になりながらも、センターという守備位置にかなりの不安があって始まったシーズンだった。突然の赤星選手の引退を機に、僕の友人は長年の阪神ファンを辞めてしまったほど、ファンにとっては、それはそれはショッキングな出来事だったのだ。それを、まぁ守備は赤星ほどのスーパープレイはないもののそつなくこなした上、あろうことがこんな大記録まで打ち立ててしまうとは・・・。

もちろん、いろんなところで騒がれているとおり、「イチローより試合数が10試合以上も多い中での記録」「セ・リーグに飛び抜けてエースと言われる投手がいないので比較的容易」といったいろんなネガティブな要素のことを言われているのも承知の上である。だが、それでもこの記録は立派である、という見解は僕の中では変わらない。それを言えば、「じゃあ、イチローのシーズン中にクライマックスシリーズのプレッシャーはあったか」「交流戦のプレッシャーはあったか」など、ああいえばこういうの水掛論にもなってしまうであろう。なにより、同じ状況の中で、和製ヒットメーカーであるヤクルト・青木宣親選手を追い抜いてしまっているのだから、さして文句もないであろう。それに、最近のイチローさんと違い、ちゃんと優勝争いを繰り広げたチームに在籍した中で達成した記録、というのも大きな価値があると思う。

阪神という球団は、「どうしてこんな外人を連れてきたの?」ということが、いっつも疑問に思える不思議な球団である。もちろん、ジョージ・アリアスやジェフ・ウィリアムスといった素晴らしい助っ人もいないではなかったが、それでもやはり阪神の助っ人外人はどこかいつも「お笑いのネタ」のような存在が多かった。一昨年は「フォード」だっけ?去年などは「メンチ」なんていう、名前までギャグのような外人も居たりして、「新喜劇なのか?」と首をかしげるのが通年の行事だった。それもこれも「関西気質」が邪魔をしていると勝手に僕は見ているが・・・。どこかに書いてあったが、阪神の海外スカウトは遊び気分で選手を選んでいて、特にその選手が成績不振でも何の責任も取らない体質だとか。だが、何で今年はこんな日本記録まで塗り替えてしまう、素晴らしい助っ人外人を獲得することができたのか。偶然なのか、それとも必然の結果なのか。やはり駐米スカウトが、オマリーじゃなくてシーツにかわったおかげなのか。

おまけに、もう一人の打の助っ人・ブラゼルも現在もホームラン王の可能性を残すほど、好調を維持している(2・3日前までは、とんでもなくひどい状態でしたが・・・これも優勝と個人タイトルが目前に見えたプレッシャーなんでしょうね)。この二人はお互いがいい状態なのが刺激になって、成績を上げてきたようにも映る。こうした「助っ人同士のシナジー効果」は、さきごろのリーグ制覇年である2003年、2005年当時でもなかったことがない、阪神にとって極めて稀なケースだと言えると思う。これで、リーグ優勝が出来なかったのは、なんとも残念ではあるのだが、来シーズンに向けていい材料であることは間違いないところだ。

さて、マートン選手。来シーズンは願わくば、イチローさんが持つ世界記録である「シーズン262安打」をぜひとも越えて欲しいものである。「何を馬鹿な!?」と思われるかもしれないが、今現時点でイチローに一番近い選手はこのマートン選手なのではないだろうかと、僕は思っている。問題は、この200本安打という記録を、平然と10年連続でやってのけているイチローさんほどのポテンシャルを長きにわたって、コンスタントに保てるか、というところだろう(イチローさん本人は「平然と達成してない」とたびたび語るが、見た目には簡単に達成しているように見える。それがまたイチローさんの凄さなのだろうが・・・)。マートン選手が、これをやってのけてくれれば、もはや試合数がどうのこうのと言う人も、ほぼいなくなるのではないか。とは言いつつ、今度は「チーム数が少ないから比較するのはナンセンス」とか「気候や風土の問題があるので」とか、うんぬんかんぬん言われそうではあるが。

とにもかくにも、なにはともあれ、「マット・マートン選手、おめでとうございます!」という言葉を心から贈りたいのである。そしてもう一言、来年も阪神に居てね。

ちなみに、今後の"我が"阪神には、成績という意味では残念だけども、シーズンは「3位」に甘んじてもらって、そこからクライマックスシリーズでの奇跡の逆転優勝をもぎとり、そのまま日本一になって、世間に「日本プロ野球でのポストシーズンの無意味さ」を存分にアピールしてもらいたいと、ひそかに思ってたりする。

そういう意味でも、最後までいろいろ頑張って欲しい、今シーズンの"我が"阪神タイガースなのである。

※どうでもいいマメ情報:ちなみに僕がプレイしているPS3の「パワプロ」では、すでにマートンは300本安打までいきそうな気配で、イチローの記録を抜くのも時間の問題w。3番バッターなのに・・・。しかも夢の4割も継続中で、夏休み中にはすでにリーグ優勝を決めてました。2位の巨人とは実に「33ゲーム差」。ま、ゲームですから、許してください。ただ、G坂本選手にゲームとはいえ、いきなり東京ドームで先頭打者ホームランとかされると、ほんまに腹立ちます(いえ、坂本選手個人には何の恨みもないです、念のため)。いやぁ、ほんとによく出来てるなぁ、パワプロは。