The larva which can't become even a chrysalis
熱を帯びた身体ふわふわ浮いているみたい
ふと見上げた空は星が溢れかえって
まるで僕へ降り注ぐようで
月がクルリ僕に毀れ砕ける
溢れる光の中でユラリ光る
羽のように軽く薄い
濡れるような光沢を首にそっと添える
心臓と連動してトクトクと脈を打つ動脈
その上からナイフを滑らせれば
素敵な輝きが空へ溢れて
僕へ降り注ぐ
熱を帯びた身体はふわふわ浮いているみたい
真白な思考の中にはあなたが居て
僕は気がおかしくなりそうだけれど
熱は心地よく脳を溶かすんだ
素敵に煌く瞬間が僕を包む
いつ止むのか分からない赤い雨を浴び
あなたを想い幸せに妄想する
僕は地を這いずる幼虫
蛹にすら成れない空には飛べない
少しずつ間隔が長くなる鼓動
ゆっくりゆっくり呼吸が苦しくなる
肺には空気ではなく血が流れ込み
ゆっくりゆっくり溺れていく
素敵な輝きが少しずつ勢いを失い
トロリと身体を伝う
熱を失った身体はゆっくり地面に倒れ込む
真白な思考は本当に途絶える
溶けきった脳あなたの記憶は残っているだろうか
足掻いてみたけれど無理だった
蛹にすら成れなかった