小林 まこと
■ストーリー
今世紀最強の闘魂プロレスラー「東三四郎」が帰って来た。
三年間のアメリカ遠征で1000試合をこなして帰って来た。
あの雄姿が再び見れるかと思いきや、
所属先だった新東京プロレスは既に倒産していた。
プロレスラーとしての再出発は諦め、
ファミリーレストランの雇われ店長としての生活をはじめるが・・・。
2とついてる訳ですから1が当然あります。
ただ、1と2では20年近くの年月が経ってしまっていますので、
前作は一昔前の漫画という事になります。
登場人物に関しては1の登場人物が主要キャラクターをつとめ、
前作からの流れ等を説明する但し書きはほとんどありません。
ただこの流れをあまり深く考えなくても、
まぁいいやー程度の感覚で読めてしまいます。
原作者である小林まこと氏は、
独特な画風でくせがありますが、
人間離れしているキャラクターもある意味魅力。
小林まこと氏の代表作といえば、
当然1・2の三四郎なのでしょうが、
あまりにも昔の作品ですので正直今読んでも楽しめるかどうか。
という事で私は同氏の代表作は柔道部物語という事に。
What's Michaelの方がメジャー度で言えば軍配が上がりそうですが、
やはり作者が柔道部出身という事もあり格闘技系の漫画を代表作に。
本作の良さと言えば、
主人公の分かりやすくストレートな馬鹿。
そして自分が最強である事を疑わない馬鹿。
そういう東三四郎の魅力が一つ目に上げられます。
そして本作の醍醐味と言えば、
近年の格闘技ブームに釘を刺すかのような、
元祖プロレスをメインに展開するストーリー。
格闘技系のレスラーがプロレスラーを馬鹿にした事から始まるお話で、
格闘技系が悪というのが大雑把な設定。
世間の目がそういう形になりつつある中、
あえてそこを突くような内容となっています。
もちろん作者が格闘技系を嫌いというわけではなく、
プロレスは観て楽しむもの格闘技系は緊張感を
楽しむものという事をわかって欲しかったのではないでしょうか。
そして本作の最大の魅力は、
常に笑いの部分を忘れていない事です。
個人的にかなりツボで、
柔道部物語もそうだったのですが、
ちいさな事がじわじわ笑えてきます。
基本的に内容は堅苦しくなく気軽に読めるうえ、
安価に手に入りますので一度ご覧頂きたい作品です。