宮下 英樹
■ストーリー
時は戦国、永禄十年八月十五日。
桶狭間の奇跡から七年後。
織田信長は斉藤龍興の稲葉山城に総攻撃をかけた。
落城寸前の稲葉山城に恐怖に震える若武者がいた。
斉藤家家臣「仙石権兵衛秀久(せんごくごんべえひでひさ)十五歳。
惚れた女「お蝶」と最後を共にするために本丸中を探し回るゴンベエ。
お蝶を見つけ出したはいいが女子衆は脱出し男は討死しろとの命令が。
再び生きて会う事を約束し単身騎馬で織田軍に乗り込むゴンベエ。
馬上で槍を巧に使い織田軍を混乱させるも最後は捕縛。
戦後処理の為に信長の前に連れて来られる敗残兵たち。
捕まった兵士達は次々に首を落とされゴンベエも死を覚悟する。
そして信長からゴンベエに向けて発せられた言葉は「斬れ」だった━━━━。
仙石権兵衛秀久とは、
織田家の最古参の部類に入る家臣で、
のちの豊臣秀吉の家臣として活躍した人物です。
多くの失敗を糧とし多くの功績を残しましたが、
戦国時代の武将としてはそこまで有名ではありません。
本作はそんな仙石秀久と戦国時代を、
面白おかしくそして真実と嘘を真面目に描いた作品です。
嘘という表現は適切ではないかもしれませんが、
多くの戦国時代物の漫画や映画などを見ても、
あまり語られていない部分にスポットをあてています。
その一つなのが弓という武器についてです。
軍忠状と呼ばれる戦後報告書によれば、
戦争による戦死者の7割は弓によるものだという事。
しかし映像としての弓と言う部分は地味で、
正々堂々としていないと言う事であまり多くは語られません。
そういう地味な部分を正直に語る事で、
よりリアルな戦国時代を味わう事ができるのです。
しかも地味気が多くなってくると、
どうしても糞真面目な歴史漫画となってしまい、
活字ばかりで読みにくいかと勘違いされるかもしれませんが、
本作はその点でも多くの配慮が感じられます。
極力昔の言葉をつかわずに、
コマ割りも大きめに活用する事や、
説明書きを枠外に親切に配置するなど、
わかりやすさ読みやすさへの心がけが伺えます。
気になる点をあげるとすれば、
描かれている女性の胸が大きい事くらい。
ぎりぎり許容範囲内と個人的にはなんとか納得していますが、
あれはあれでありという方もやはりいらっしゃるんでしょうね。
そして問題は関ヶ原後まで生き延びた仙石秀久を、
最後まで描く(連載)事ができるかどうかという部分です。
宮下英樹先生、是非頑張って下さい。
いつもおもいますが、
戦国時代の漫画やTVを見ると、
かならず信長の野望がやりたくなります。
しかしいまだかつてこれは最高だ!といえる信長に出会ってません。
みなさんのオススメの信長の野望はどれですか?
ちなみに私はいま蒼天禄を引っ張り出してプレイしています。