高橋 ツトム
昭和20年
日本は戦争に負けました
みんな貧しかったけれど
心は開放的で
世界がまだ難しくなる前
1人1人の個性を受け入れる大きさがありました
戦争に勝った国は
日本に命令したんです
「今までのように女性を虐げるのはやめなさい」と
時代の波に乗って
女性は動き始めました
■ストーリー
負けることが嫌いな女「加納トメ」。
男だろうが女だろうが日本人だろうが外人だろうが、
全く関係なく無茶をする強気な性格。
パブで働くトメは、
同僚がGI(アメリカ兵)に嫌がらせをされた事に腹を立て、
いつもの如く無茶をやっていた。
その場はなんとか収まったが、
この調子ではパブで働く事は出来ないとまわりは心配していた。
そんな時怪しげな男がパブの女性たちに話を持ちかける。
「テストに合格したやつには三千円(今の9万円)やる」
合格の条件は、
足が速いコト、球を遠くまで投げられるコト、
そして重要な条件は容姿端麗であるコトだった。
怪しげな男「ロイヤル桜庭」が見た加納トメは、
誰よりも球を速く投げる姿だった━━━━━━。
テレビ化された事があるスカイハイの作者が描く本作。
沈黙の艦隊で知られるかわぐちかいじのアシスタントだった事から、
絵の雰囲気やタッチがよく似ています。
線が太い絵なんですが、
女性はかなり魅力的に描かれています。
やや古臭い感じがする画風ですが、
ストーリーのテンポがはやく、
すらすら読める事が特徴です。
とんでもない負けず嫌いのトメに、
周りの人間は振り回されつつも、
その魅力にいつの間にか惹き付けられるという展開。
まったく野球をしらないトメが、
野球で勝つという意識に芽生えていく様子や、
女性の社会進出に利用されていく事など、
女性が野球をするだけの漫画ではありません。
途中からあやしいストーリーになりますが、
十分そこまでは楽しめますのでお勧めします。