本家「紅白歌合戦」に先駆けてAKB48が12月20日「AKB48紅白対抗歌合戦」と題してイベントを開催した。ただでさえ年末の忙しい時期。多忙なメンバーは練習する時間がなかったことは言うまでもない。ファンの間でも約2000人収容の東京ドームシティホールでの開催だったこともあり、チケットの争奪戦は凄いことになっていた。ネットオークションでは良席が5万円くらいまではね上がり、AKBの人気を再確認させた。
それだけ凄い人気なら当日のダフ屋もたくさんおり、高額で売買されているはず。そんな状況を会場まで見に行った。実際にダフ屋は数人いたのだが、元々のチケットがあまり出回っていないこともあり、イベント開始前に引き上げていってしまった。その後ダフ屋と入れ替わるような感じで、ちょっと挙動がおかしい女性が入口前にチケットの束を持ってウロウロしている。チケットを持たないで会場周りの様子を見に行っただけだったなので、もしかしたら新しい形のダフ屋の可能性もある。恐る恐る話しかけてみた。どうやらその手元にあるチケットはすべて招待券で、それが余っているとのことだ。その女性は運営関係者ではなくどこかの取引先の人で、巡り巡って回ってきた招待券を身内に配りきれなかったから会場で何とかしようと考えたみたいだ。
しかし状況的にファンに売買することもできなく、ましてや知らない人に無料で配ることもできないので、ずっとオロオロしてしまったそうだ。そこでちょっと考えてその女性にアドバイスしてみることにした。「売ったりあげたりしたりがまずいなら、落とせばいいんじゃないですか? チケットのないファンが拾うかも」。女性はその通りに実行してくれて、プラチナイベントのチケットはホール近くのある場所に置かれた。隠れて様子をうかがっていると、チケットを求めていた男性がチケットが落ちていることに気づき手に取った。あり得ないことが起こった瞬間、男性は天にも上る気持ちだったろう。
時間になったので会場に入り、話題にもなった前田敦子の歌詞を間違えちゃんと歌えなかったステージなどを堪能する中、ふと関係者席を見ると先ほどの男性の顔があった。周囲からは明らかに浮いていたけれど、男性自体は終始笑顔。ひと足早いサンタクロースからのプレゼントに幸せそうだった。


