歯周病対策Q&A
「虫歯の日」に点検・確認だ!
6月4日は「虫歯の日」「虫歯予防デー」だ。ちょうどいい機会だから、「成人の85%が発症している」といわれる歯周病対策について、いま一度見直そうではないか。東京医科歯科大学大学院歯周病学分野の渡辺久准教授にQ&A形式で聞いた。
Q 食後すぐに歯を磨いた方がいい?
A 歯周病対策の基本の“き”は「口腔内を清潔に保つ」だ。自分でできることとしては歯磨きを丁寧に行うことだが――。
「“すぐ”行うより、しばらく時間を置いてからの方がいいです。食後は、食事で酸性に傾いた口腔内を中性に戻すために、唾液(だえき)が分泌されます。唾液には抗菌物質が含まれていて、歯周病対策につながります。ところが、すぐ磨くと、口のすすぎ液と一緒に唾液を口の外に流し出してしまうことになります。だから、唾液が十分に分泌された“しばらく後”が歯磨きに一番いいのです」
Q 毎食後ブラッシングを丁寧に行っているので、対策は万全?
A「どんなに丁寧に磨いても、歯ブラシだけでは6割ほどしか汚れが落ちない。8割方落ちないと、歯周病の対策は万全とはいえません。デンタルフロスや歯間ブラシを併用してください」
Q しばらくあった歯周病らしき症状が治まったが、治ったということ?
A「歯周病は“階段式”に進行していきます。症状が出る→静まる→出る、というようにです。症状が消えたからといって治ったわけではなく、次に症状が出たころには、一層悪くなっています」
ちなみに、歯周病の症状は、歯ぐきからの出血、歯が浮く、歯ぐきが腫れる、痛い、しみるなど。
Q 歯周病菌はキスをするとうつるというのは本当?
A「うつります。知らない方も多いですが、歯周病は歯周病菌を介して、人から人へうつる感染症なのです。夫婦間の感染は比較的多いです」
Q 歯槽膿漏(のうろう)と歯周病って違うの?
A「歯周病は、歯ぐきが炎症を起こす“歯肉炎”と、歯周組織が破壊される“歯周炎”の総称です。歯槽膿漏は歯周炎のことです」
Q 歯周病は全身病につながると聞いたけど、具体的にはどういう病気?
A「動脈硬化です。歯周病菌がリンパ管や血管を通じて全身に行き渡り、血管を詰まらせたり、傷つけたりします。動脈硬化は心臓病などを引き起こしますが、歯周病の人の心臓病発症リスクは健康な人に比べて1・5~2倍高いともいわれています。米国では歯周病の治療を行っていることが、心臓病の手術を受ける大前提です」
ほかにも糖尿病、肺炎、骨粗しょう症、胃がんや胃かいよう、認知症、悪化すると手足の切断に至るバージャー病などとの関連性も指摘されている。
歯周病の症状は40代くらいから表れ、50代でひどくなり、60代で抜け始める、といわれている。そうなる前に対策を!
日刊ゲンダイ - 2007年6月6日