がん治療中のこと

んーいつの、なんのための入院中だったか、たぶん化学療法を開始するためのタイミングだったと思います。

私は任意の医療保険には何んにも入ってなかったので、入院時はいつも無料の4人部屋を希望していました。


皆さん、がんですが症状や段階や治療法が違っていて、また検査のための入院の方や、手術を控えた人や手術が済んだ方、年齢もなにもそれこそ様々です。

私は閉所恐怖症ではないですが、なにかカーテンを全部閉じるのが苦手で大体開けていました。それでも他の患者さんと話すことは稀です。

会釈するくらい。

他愛もない話ができれば良いのですが、どうしても病気や体調の話になりがちです。

そうなると益々話そうという気になれませんでした。


ところで、私は禿げてきてどうにもならないので今は坊主、それも1mmとか極く短くしています。抗がん剤はキイトルーダなので頭髪は抜けませんでした。

自然禿げです笑。


で、同部屋の方で抗がん剤だかの影響で脱毛してたまらん、みたいなことを病棟の看護師さんと話しています。まあ、そこまで普通の光景です。

21時消灯なので、朝起床になる前に早く目が覚めます。

なんか整髪料のニオイが辺りを漂っていて、どうやらその脱毛している人が、抜ける髪を粘度の高い整髪料で固めてるようです。

それは自由ですがニオイが鼻についてたまりませんでした。どれだけ付けてるんだか。

またそれが昭和のおっちゃんが使うような感じのニオイのヤツですよ〜。私も昭和人間ですが…

顔に布団を押し付けて凌いだのを思い出します。


がん治療中の患者はニオイに敏感なので、病院内は香水など禁止なのに稀に回診のドクターが香水着けてたりと、患者にとっては迷惑でしたね。

看護師さんでもいたなあ、距離が近いので香ってしまう。

普通の社会生活においては問題ないくらいの丁度良い香り具合でもダメでした。


結局ニオイの苦情など一切言わずに退院したのでした。