すんごいベストセラー作家だし、
毎年のようにノーベル文学賞の候補に
上がるのは皆さんご存じの通り。
この前出た本も、出版不況という言葉など
存在しないような売れ方ですが、
つい最近、アメリカのニューヨーク誌の電子版で
ボストンマラソンの事件について寄稿しているのを
見ました

自分もマラソンをする者として、また
ボストンは以前、長期滞在していて
馴染みがある街ということもあって
今回の出来事には大変心を痛めている。
ということから、痛みは決してなくなりは
しないが、時を重ねて癒していくことを願って
自分なりに心に留めていく
と、私の稚拙なまとめではこうなるのですが
元々日本語で書いているらしい文章の英訳
なので、元の日本語のほう読みたいなと。
(ちなみに、本人が英訳しているのではありません)
実は私、ハルキニストでも何でもなく、
村上春樹の小説は1本も完読してません。
友人に村上春樹に入れ込んでた人がいて
一度それまで出した本を全部
貸してくれたことがあるのですが、
読み始めてから 内容が全く頭に入らないので断念

いずれ、私にはその世界がオシャレすぎてわからん、
ということにしておきました。(多分読解力もない)
ただし、1冊だけ自分で進んで買って
読んだものがあります。
それは、「アンダーグラウンド」という、
この作家さんにしては珍しいかもしれない
ノンフィクションです。
ニューヨーク誌への寄稿文の中でも
やはり日常の中で被害に遭った人たちが
受けた心身の傷ということに関連して
この本のことに言及していますが、これは
1995年の3月に起こった地下鉄サリン事件の
ことを扱っています。
ただ、事件そのものというより、事件の
被害者やその家族へインタビューをし、
その人たちの背景を描くことで
事件に巻き込まれた個人に焦点を当て
お涙頂戴ではなく、本当に淡々と
小説家だからこそできる筆致で
述べていっています。
だいぶ昔に読んだので(本は誰かに貸したままだし)
おぼろげな記憶ですが、唯一この人が感情を出した
かもしれないところは、被害に遭って意識もなくなり、
寝たきりになった若い女性に少し表情が戻ったという
最後のほうのくだりかなと思います。
この本で私が「ほう」と思ったのは
この事件が起こった周辺には官庁が多いので
通勤時に被害に遭った人も多い中
他の官庁の人たちはあまり語らないのに
防衛省(当時は防衛庁)の人たちは
きちんとインタビューに応えて
話しているということでした。
私的には、「アンダーグラウンド」には
とても心を揺さぶられた本ですが、
もうひとつ、村上春樹の仕事で感心するのは
翻訳です。
翻訳者というのは、元の言語に引きずられて
変になった表現が残ってしまったりするのですが、
この人は さすがに作家なので
うまい日本語に振り替えるなぁと
感心する訳を出します。
ということで、この作家さんの小説は読まないのですが
たまたま寄稿を見たので取り上げてみました。
