本屋さんに行くとうまくこれを潰せるのですが
ついつい本を買いたい誘惑を抑えるのは
なかなか大変です

この前も、「ちょっと時間つぶしに」と本屋さんへ行って
「今日は何も買わない!」と結構固く思っていたのに
ワゴン平積み作戦と腰巻きの売り文句に負けてしまいました。
一度ワゴンの中に置いたものを
再び手に取って買ってしまったこの本。
中町信 という作家さんの
模倣の殺意
という作品です。
この本は昭和46年に書かれたものなんですね。
で、色々な経過を経て、何度か改編されてきたが
今回、決定版を出版したということだそうです。
私、推理小説は好きなのですが、この作家さんのことは
全く知りませんでした。
昭和46年、つまり1971年に書かれたものなので、
時代背景が古いです。ただ、予備知識の一切なかった私は
「あれ?設定が古いやん」と気づくのにしばらくかかりました。
(単純に私がニブいわけでございます)
といって、事件の起こっている時代背景が昔というだけで、
話の筋やトリックには何の支障もありません。むしろ、
当時のちょっとした社会背景がちらちらと見えて
面白いかもしれません。
ある男が自室で自殺をし、発見される場面から話は展開しますが、
これにからんで、全くつながりのないふたりの登場人物の行動が
描写される形で進んでいきます。
読み終わると、
この話には伏線がてんこ盛りだったことがよくわかるのですが
本の後ろ表紙にある鮎川哲也氏のコメントや
腰巻きの「騙されずに見破れますか?」
という文言があったために
読みながらかなり注意しました。
ただし、このコメント自体で
ある程度の予測はできていたと申しておきましょう。
(ただし、どんぴしゃりのトリックは
ほぼ最後のほうまでわかってませんでした)
なので、最後に「えええええ~!?」ということは
なかったのですが
恐らくこれを発表当時読んでいたとしたら、
見事に騙されたことだろうと思います



(その頃はまだお子ちゃま脳だったので
どんなトリックを読んでも驚愕していた)
巻末の解説には、
読んでいる途中でこのトリックに気づいた人や、
それほど新鮮さを感じなかった読者がいるかもしれない
というようなことを書いているのですが、
確かに、推理小説のトリックというのは、
古くはエドガー・アラン・ポーの頃から
かなり出つくした感もありますから
本の売れゆきが悪くなったという今、
改稿決定版と称して最初に出したものを
今の読者に合うように手直しして出したのは
ある意味、冒険でもあり正解でもあるのでしょう。
少なくとも、私はこれを読んでいる間、
もしかしてこうではないか、いやいやあれかもしれん
というワクワク感があり
謎が解けた時には 驚愕こそしませんでしたが
結構楽しませてもらいました

アマゾン書評やら他の個人や推理同好会のブログでも
好評のようです。
推理物がお好きで この本をご存じなかった方にはおすすめ。
ただし、巻末解説を先に読むと台無しですぜ

