ずいぶんと前の話しになってしまうが
私は渋谷の専門学校で非常勤講師をし 
ていた。
それも求職者支援訓練で、週に1回ま
たはは2回くらいのペースで来ていた。

やっていたことは宅建試験対策の講習
で(あとは国家試験になる前の賃管)、
今から思うと結構はちゃめちゃな講義
をしていたような気がする。

みんなごめんよ。

でも、受講生さんとのキャッチボール
はそれなりにうまく出来ていたようで、
どなたからも適当な講義のクレームは
なかったような気がするけれど、実は
沢山来ていて「講座終いするから終わ
り」と言われていたのが実は私だけだ
ったら笑える。

この講習は3ヶ月コースだったので色
んな月で始まり、終わった。
4.5.6月で終わったクラスの最終日に
登壇して、7.8.9月クラスの初日に上
がることもあった。
僅か数日前の同じ教室の同じ座席にい
た顔ぶれと全く違う顔ぶれがあるとい
うのは、なんとも違和感というか、人
との出会いと別れを感じるものだった。

はちゃめちゃというと、私は登録実務
講習しかしないでこの講習に上がった。
紹介で上がる時は模擬講義なんかしな
いし、私は変な舞台度胸があるので、
数分の模擬講義で断られることはあん
まりない。東神奈川で一度あったけど。

宅建試験の内容なんて四半世紀ぶりだ
ったことは先方には勿論秘密だ。
業法では37条書面を忘れていた。
自ら売主制限も忘れていた。
忘れていたというか知らないに近いw
アトリウムさんが業者売主の物件を
かなりの量、仕事させていただいてい
たはずなのだけどアトリウムさん指定
の契約書を使っていたので売主制限な
んて気にすらしなかった。
民法も意思表示に出てくるうちのどれ
が取消でどれが無効なのか?
無権代理における相手方の保護や無権
代理のうち表見代理が認められるパタ
ーンなんていうのも知らなかった。
債務不履行、種類または品質に関する
以外の契約不適合もアレだった。
連帯債務、連帯保証の絶対効もww
とどめは物権変動の⚪︎⚪︎前の第三者とか、
⚪︎⚪︎後の第三者なんていう部分を
知らないくせに講義をしていた犯人は私
です。申し訳ありませんでした。

でも、受かった人も本当にたくさんいたし、
合格する人は講師はあんまり関係ないんだ
ろうなと思う。自分で計画立てて過去問を
やり込んだ人から合格していくんだよね。
この時期の自分を深く反省してます。
今は当たり前だけどちゃんと説明できます。

このあと私はTAKKYOで5問免除講習とか
かわるようになって、開発許可と再会。
建築基準法の道路、建蔽率、容積率はさす
がに仕事で使っていたから覚えていたもの
の、開発許可をふくむ都市計画法はほぼ、
吹き飛んでいたことが判明する。
宅造法、国土法、農地法、区画整理法は実
は初学者になって学び直したというアレ。
横浜の住宅の売主様をご紹介いただいて元
付(売主側)業者として取引をしたときに
調査に行った役所で「宅造法の規制があり
ます」と言われたときに「どちら(の窓口
)で聞けばいいですか?」と咄嗟に出たも
のの、宅造法で浮かんだのは角野卓造だっ
たのは秘密だったりする。
5問免除のテキストで宅造法と再会したと
きには、白衣を着て中華料理を作っている
角野卓造の姿がなかなか脳裏から離れてく
れなかった。そしていつも不機嫌な顔をし
た泉ピン子は中田喜子と姉妹とは思えない
よなというおまけまでくっついてくる。

宅建試験に当時、合格されて不動産会社に
就職したけれど上手くいかなかった当時の
受講生さんからたまにメッセージをもらい
ます。めげないでくださいね。
不動産だけが仕事じゃないですから。
皆さんがあの時、一生懸命勉強して取得し
た宅建は、これからの人生のどこかで役に
立つときがくると思います。

私が宅建を本当に役立てることができたな
と思えたのは皆さんの講習をしたときです。
色んな失敗やら角野卓造を経て、今年はL
社さんの法人営業さんでかなりの研修のお
仕事をいただけるようになりました。
皆さんとの楽しい記憶を糧に、これからも
宅建とかかわっていきます。