スイーツ&ストーリー | 乾き亭げそ太郎 オフィシャルブログ 「げそ太郎のゲソゲソ話」 Powered by Ameba

スイーツ&ストーリー

おはげそラッチョ!


今週のスイーツ&ストーリー

薩摩川内市隈之城にある のせ菓楽さんの

シュトーレン


のせ菓楽さん

大正2年創業

2011年米粉スイーツ専門店に

2014年 ドイツへの米粉輸出開始


ドイツの伝統菓子 シュトーレンを

本場ドイツの展覧会で出店


最初ドイツの展示会で出したのですが

現地のドイツ人に

「こんなのはシュトーレンじゃない」と見向きもされなかった

それが悔しくてハンブルグで1番美味しいと

評判のシュトーレンを食べに行き

その味を参考に日本に帰って来て作り直し

再びドイツに行って展示会に出したら

現地の人たちが「これ!これ!」と

本場ドイツ人も認めたシュトーレン



その、のせ菓楽さんのシュトーレンを食べてストーリーを作りました

スイーツ&ストーリー 本日もオープンです



27歳 女性 のお話です


今日はクリスマスイブ


年内で仕事をやめ、ソーセージマイスターの修行にドイツにいく

その準備に追われてクリスマスなんて関係ない


そう思いつつも街の賑わいや

テレビやラジオから聴こえてくる

クリスマスソングを聴くと

1人で過ごすクリスマスイブは少しだけ寂しい

そして心残りは大好きな人に告白せずに

ドイツに行くこと


「あ~!ダメダメ、こんな弱気でどうするの!

これから1人でドイツでやって行くのよ!」


と呟き、荷物の整理を始めるとチャイムの音が


「はーい」


「よっ!片付け捗ってるか?」


ドアを開けてびっくり

そこには私の大好きな人が立っていた


「え?先輩!?なんで?」


「なんでって、元会社の先輩として

少しでもお前の片付けを手伝ってやろうと思って来たんだよ」


そう言われて、少しだけ期待した自分が

恥ずかしくなった

そうだよな。

先輩が私なんか好きになるわけないもんな


「ありがとうございます」

少し引き攣った笑顔で答えた


「あ、そうだ。これ一緒に食べようと思って買ってきたよ」


「なんですか?」


「うん、のせ菓楽のシュトーレン」


「えぇ!いいんですか?」


「あぁ」


シュトーレンを少し切って先輩と一緒に食べた


「うわぁ美味しい!」



「だろ?のせ菓楽のシュトーレンは

ドイツ人が本場の味って認めたシュトーレンだから

行く前にお前に食べさせようと思ってな」


「ありがとうございます。

でも、ドイツに行くまでに食べ切れないかもなので

残りは先輩が持って帰ってください」


「大丈夫。食べ切れるよ」


「無理ですよ、だって私1人で食べるんですよ」


「ドイツに行くまで毎日俺と一緒に食べたらいいだろ」


「え?」


「俺さ、お前が会社を辞めて自分の気持ちがハッキリしたんだ」


心臓が激しくなった。


「イヒリーべ ディッヒ」


「え?イヒリべ?なんですか?」


「全くもうドイツ行くならドイツ語勉強しとけよ。

あなたを愛してますって言ったんだよ」


「だってそんなドイツ語は覚えなくていいからわからえ?先輩い、いまなんて?」


「もういい、日本語で言うわ

俺はお前のことが好きなんだ。

俺と付き合ってくれ」


「ちょ、ちょっと先輩急にどうしたんですか?」


「急じゃないよ。俺はお前のことがずっと好きだったんだ。

けど、会社の先輩と後輩だろ?

その関係を崩さないようにって自分の気持ちを誤魔化してたんだ」


「先輩


「どうだ?俺と付き合ってくれないか?」


「でも、わたしソーセージマイスターになるために3年はドイツにいますよ」


「わかってるよ。それくらい待てるし、

1年に1回くらいは会いに行けるだろう?

それとも俺じゃダメか?」


「ダメじゃない!ダメじゃないです!

今までで1番嬉しいクリスマスプレゼントです。

本当に私でいいんですか?」


「何言ってんだよ。お前が、いいんだよ」


「ありがとうございます。喜んでお願いします」


「良かった正直振られたらどうしようってビクビクしてたんだ」


「先輩の事ずっと好きだったんだから

振るわけないじゃないですか

でも、告白が急すぎていきなりドイツ語言うし

粗挽きソーセージかってくらい粗かったですよ」


「何言ってんだよまぁその分旨味が感じられただろ」


「もう


補足

5年ラム酒に漬け込んだナッツ類が入っていて美味しいです


年内最後のストーリー&ストーリー

来年もたくさん物語を書きたいと思っている今日この頃の僕です

では、ごきげんよう