今週のスイーツ&ストーリー
おはげそラッチョ!
FMさつませんだいのお昼12時から
毎週木曜日放送している【はぴらん】でスイーツを食べてストーリーを妄想しているコーナーです
今週の スイーツandストーリー
薩摩川内市御陵下町にある
クレープと焼き菓子のお店
【アンティーク】のモンブラン
選曲 コブクロ 赤い糸
アンティークのモンブラン
を食べて
ストーリーを作りました。
皆さま、しばしわたくしの妄想にお付き合いを
スイーツ&ストーリー 本日もオープンです
38歳 男性 制作デザイナー会社社長のお話です
制作デザイナーの会社を立ち上げて1年
従業員は5人と少ないが、なんとか潰れずに今日まで来れた
「社長、ちょっと休憩しません?」
経理担当の竹下さんが声をかけてきた
「そうだな、ちょっとひと息入れるか」
「今日私、お昼食べに出た時に美味しそうなお店を見つけてケーキを買ってきたんです。アンティークのモンブラン」
「モンブラン?…秋だね。どれどれ…おー!美味しそうだね」
「でしょ?」
「竹下さんは美味しそうなケーキを見つけるのだけは上手いな」
「ちょっと!だけってどういう意味ですか」
「冗談だよ。いただきます。うまい!モンブランでタルト生地を使ってるんだ?」
「そうなんですよ!タルト生地がすごくサクサクしてません?」
「してる!で、このマロンクリームの甘さとほのかに酸味がしていて、こりゃいくらでも食べられるな」
「お気に召したようでよかったです」
「竹下さん、タルトって元々器の代わりだって知ってた?」
「え?そうなんですか?」
「そう、古代ローマ時代にスプーンとかなくて液体のものを入れるのに作られたのがタルトの始まりなんだって」
「へぇ。社長は物知りですね」
「まあな」
そう答えたが、この知識は
5年前に付き合っていた彼女からの受け売りだった。
「あ、社長、今日16時から面接ありますからね」
「面接?なんの?」
「やっぱり忘れてる。新しいデザイナーさんを探してくれって言ったから探してきたんじゃないですか」
「あ〜!そうだった!」
「もう、しっかりしてください。そうやって自分で言ったことを忘れるからいつまでも独身なんですよ」
「ほっといてくれ」
「これ履歴書ですからちゃんと目を通しておいてくださいね」
「わかったよ。え〜と…松永…」
心臓が激しくなった。
5年前俺にタルトのルーツを教えてくれた彼女だったからだ。
しかも名前が変わっていない。
俺は残りのモンブランを頬張り
竹下さんにアンティークのモンブランを大至急買ってくるように頼んだ
※補足
アンティークのモンブランは
土台がタルトになっていて
その上に手作りのカシスジャム
カスタードクリーム
生クリーム
マロンクリーム
最後に栗を乗せるという美味しさが何層にも重なっている一品
カシスジャムの酸味と
マロンクリームの甘さがものすごく相性がいい
タルトのルーツは古代ローマ時代のお菓子トールタからきているという説がある
その時代にはまだスプーンなどのカトラリーが存在しておらず液体の食べ物はとても食べづらかったのでタルト生地で器を作り、蜂蜜やクリームなどの液体を入れて食べたのが起源と言われている
ぜひ食べてみて欲しいと思っている今日この頃の僕です
では、ごきげんよう